スターマン・ジョーンズ
ロバート・A・ハインライン著/矢野徹訳
亡くなった父が残してくれた土地を耕し、父の再婚相手である継母を養っていたマクシミリアン・ジョーンズだったが、母が再婚し、新しい父親が彼の大事にしていた実父の遺した本まで売り払うと言ったとき、家出を決意。
死にそうになりながらもなんとか家から遠くまで歩き通した。
そんな彼に食事を分けてくれたのは、サムという男だった・・・。
ハインラインが多く書いているジュブナイルの一つらしいが、こんなボリューミーで(そこそこ)ハードな内容のジュブナイルって日本では見た記憶が無いな。
それはさておき、マックス少年の苦境からの脱出、そして宇宙へ出ての冒険が描かれているのだが、ちょっとまとまりに欠ける気はしたものの、なかなか楽しめた。
少し残念だったのはマックス少年に他に代えがたい特殊能力が備わっていたこと。
ここは一般的人間の能力の範囲内で乗り切ってほしかった。
ただしハインライン先生もそのへんは意識していたようで、最後の方の活躍とかはもはやその能力で他者に打ち勝つどころか、その能力を使った上でも成功の確率は計算のしようもない超難度イベントにしてあったが。
特筆すべきはサムのキャラクターで、実は彼が主役と言ってもいいような気がする。
ほんとにサムがサムがサムが・・・。
あと感慨深かったのが、未開の異星人の売店で売っている土産物に「MADE IN JAPAN」と記されていたという件。
本作が書かれたのは1953年かそれより前くらいで、日本は戦後の復興を成し遂げ、なんとか「安い賃金で海外メーカーの下請をやっている国」という地位まで回復したところだったのだ。
その後20年も経てばそこで出てきたのは「MADE IN CHINA」だっただろうし、80年代以降に書かれたSFでは超ハイテク機器に「MADE IN JAPAN」と記されているという描写が山ほど出てくる。
こういう過去の事象が固定化されて未来でも続いているという現象は未来を舞台にしたSF特有のもので、遭遇するごとに何とも言えない感慨を覚える。
まあ日本がまたそういう国になってその描写が正解ということになる可能性も皆無ではないのだが(汗)
ちうかすでに超ハイテク機器に「MADE IN JAPAN」と記されるSF小説は書かれそうにない状況になってるし(汗)
それと少し近いが、コンピューターの描写にも感慨と疑問を感じた。
この世界では恒星間航行を行うには計算によって算出された特殊な座標に、これまた高度な重力などの影響を考慮した計算結果を基に光速に近い速度で突入しなければならないのだが、その手順はひたすらマニュアル(それには正しい計算結果まで掲載されている)と首っ引きで周囲の変化し続ける変数を探知しては再計算し、その結果を2進法に変換してコンピューターに入力し続けるというもの。
なんかそれっぽいので普通に読んでいると気にならないのだが、よく考えてみればコンピューターがなぜ必要なのかさっぱりわからない(汗)
上記の作業内容を見直してみれば、通常コンピューターが行う作業をすべて人力で行っているのだ(笑)
当時のコンピューターがどんなイメージでどんな働きを期待されていたのか、感慨深いと同時に大いに疑問である(笑)
どうでもいいけど表紙のギャル(笑)のモデルはファラ・フォーセットやろか???
20220711(mixi日記より)
20220711
ロボットと帝国
アイザック・アシモフ著/小尾芙佐訳
イライジャ・ベイリとその息子ベントリイによる移民計画セツラーによって、200年後にはセツラー・ワールドが設立されていた。
しかし親地球派を率いるファストルフ博士の死と、反地球派の重鎮アマディロ博士の台頭により、スペーサー・ワールドとの間に緊張が高まりつつあった。
R・ダニールとR・ジスカルドは、ベイリの遺言に従って地球人を保護していたが、ロボット工学三原則に限界を感じ・・・。
ジスカルドかっけ〜〜〜〜〜(笑)!
とりあえず読む順番を間違えたのは間違いない(汗)。
これを先に読んでいたら、「ファウンデーションと地球」はもっと楽しめただろう。
それも含めてシリーズの他の本も読み返さなければ(汗)。
それにしても分かりにくいシリーズ展開になっちゃったものだ。
20110124(mixi日記より)
20220713
銀河帝国興亡史6
ファウンデーションへの序曲
アイザック・アシモフ著/岡部宏之訳
トランターで行われた数学学会で、人類の未来を数学的手法で予測する「心理歴史学」の基礎理論を発表したハリ・セルダン。
しかし実用化は銀河系社会があまりに大規模で複雑すぎるために事実上不可能だと思われた。
帰国を前にトランターを観光していたセルダンは、突然2人組に襲われ・・・。
歴史心理学をうち立てたハリ・セルダンの若き日の物語。
アシモフの銀河帝国の興亡シリーズとロボットシリーズをつなげる試みの集大成と言える内容。
もはやなんだかよく分からなくなってきた感もある本シリーズだが、本作はミステリ色がうまく配置されていて、1つのバレバレのオチでもう一つのオチを包み隠すのに成功していて化夢宇留仁も見事にそれに引っかかって久しぶりにびっくりさせてもらった。
読んでいる間中特別面白いというわけではないが、オチで持ち直した感じ。
あ〜〜〜〜〜〜このシリーズもあと1作で終わりか・・・・・
寂しいな。
20110204(mixi日記より)
20220714
黒後家蜘蛛の会1
アイザック・アシモフ著/池央耿訳
を読んだ。3回目くらいかな?
毎月男ばかりで集まって談笑している黒後家蜘蛛の会だが、なぜか毎回ミステリが提示され・・・・・というアシモフ先生のミステリ部門代表作の1つ。
構成としては、毎回1人の依頼人(その月のゲスト)と大勢のワトソン(会のメンバー)と1人のホームズ(給仕のヘンリー)が謎解きを行うというもの。
なにしろアシモフなので安心感は相変わらず、
突き抜けたところはないものの、いつ読んでも面白い。
会心の笑い
記念すべき第1回は、なんとその後の名探偵が犯人も兼ねるという奇作。
しかしやっぱりアシモフなのでまったり。
オチは完全に予想の範囲内だが。
贋物のPh
カンニングの謎。選択肢を絞っておいてそれ以外の真実を提示するタイプ。
これもオチは予想できる。
実を言えば
一切嘘をつかない男。
ミステリと言えるのか、微妙な内容。
犯人の動機や行動にも変なところがある。
行け、小さき書物よ
今ではとんと見かけなくなった紙マッチにまつわるミステリ。
もう少しフェイク情報が多い方が惑わされて面白くなったと思う。
日曜の朝早く
3年前にメンバーの妹が何者かに殺された。犯人はジャンキーの強盗ちうことになっていたが・・・・。
アメリカ人には盲点になるのか、日本人である私にはよく分からない。
広すぎるとそういうことを考えないのかな?
明白な要素
予言者メアリーの話。
あとがきで作者が「この話の謎解きは、フェアではないと考える読者はまずいないだろうと思う」と書いているが、私はフェアではないと思う(笑)。
ホームズの名言がうまく活かされていて、それ自体がトリックになっているのは分かるが、やっぱりそれは・・・(笑)
指し示す指
方向と距離の近いようで遠い関係。
依頼者の思いこみが少し強すぎる気がするのは、私が色々な可能性を並べて考えるのに慣れているからか。
何国代表?
世界美人コンテストに乱入した暗殺者が狙ったのは・・・?
アシモフのミステリにたまにある知識量に物を言わせたトリック。ただでさえちんぷんかんぷんなのに、そこにシャレまで絡んできてはもうお手上げ。
ブロードウェーの子守歌
どこからか聞こえてくるトンカチの音に悩まされている小説家。
昔風の諜報活動はやはり魅力的。
しかし盲点とは言え、誰にでも聞こえる状態を続けるというのは考えにくい。
ヤンキー・ドゥードゥル都へ行く
無意識の発露を推理でさかのぼるというのは面白い。
メロディーと歌詞が自然に頭に浮かべばもっと楽しめただろうと思うとちょっぴり残念。あと知識も。
不思議な省略
不思議の国のアリスの中の不思議な省略とは?
アリスシリーズを頭にたたき込むほど読み込んでいれば滅茶苦茶楽しめそうな話。
死角
船上で成された機密漏洩。問題の書類の在処を聞いていたのは・・・。
まさに盲点を突く展開。
しかしそんな環境になじみがないと、ほんとに盲点なのかどうなのかよく分からないのだった(笑)
ちうわけで文句ばかり並べ立てたような感じになったが、穴を探すのも楽しみの1つなのがミステリだと思う。
そういう点では簡潔で論理的な文章のアシモフ作品はより楽しみやすいとも言える。
さくっと読めて脳みそがうふふと笑う感覚は、アシモフの真骨頂だろう。
ちうわけですぐに2巻も読み始めたのだった(笑)
20110213(mixi日記より)
20220715
黒後家蜘蛛の会2
アイザック・アシモフ著/池央耿訳
を読んだ。ちょっと前に。
追われてもいないのに
ある鼻持ちならない有名作家(作者がモデル)があるパーティーの様子を交えたエッセイを書くが、その原稿は編集者に購入されたにもかかわらず、紙面に掲載されないままになっていた。
その原因を探るメンバーたちだったが・・・。
だいたいのオチは読める。
電光石火
ある男が持っていたはずの物が、レストランから出たら消えていた。
完璧な監視の元で、男はそれをどうやって消滅させたのか?
日本人にはピンと来にくいトリック(?)。
欧米でも気づかないことはないと思うけどな〜〜〜(笑)
鉄の宝玉
ある宝石商が大事にしている大した価値のない隕鉄。
しかしそれを欲しがり、脅迫まがいのそぶりを見せた怪しい男がいた。それはなぜなのか?
歴史的な話とトリックがいい感じに融合していて、オチもいい感じに意外性があって楽しい。
三つの数字
謎めいた数字は金庫の鍵であるはずのもの。しかし開かないのはなぜなのか?
ヘンリーの推理は素晴らしいが、依頼者が間抜けすぎる気が。
最初から小文字だったら普通気づくでしょ(笑)
殺しの噂
フランス人がニューヨークの公園で、2人連れの学生らしい男が殺しの相談をしているところに行き当たるが・・・。
前に読んだ時にはオチの内容を全然知らなかったので、ピンとこなかったが、一通りの内容を知った今では・・・・やはり特にピンとは来なかった(笑)
禁煙
面接で煙草を吸って落とされた男と、面接に受かったが会社の金を着服した男がいた。失われた金はどこに?
ポイントになる部分は、普通に読んでいても違和感を覚える。
しかし煙草を吸わない人には分からないかも。
時候の挨拶
謎のクリスマスカード。スパイ活動の情報の受け渡しかと思われたが、その方法は?
犯人バレバレ。他に候補がいないし(笑)
東は東
遺言に残された「唯一無二の東」に当てはまる都市とは?
アメリカ史の勉強になる(笑)。
地球が沈んで宵の明星が輝く
SF映画制作に関わっている惑星環境研究者2人。
いつもは冷静な片方が、なぜか月面基地の場所に拒否反応を示し・・・。
発音の違いというのも、日本人にはピンときにくい要素だと思う。
ちうかアルファベットを使っているところでもトリックになるのかこれ(笑)?
十三日金曜日
大統領暗殺未遂で処刑された男の、暗殺予告ともとれる手紙はいつ出されたのか?
万年カレンダーの勉強になる(笑)
しかしトリック的には難しすぎ。
省略なし
遺産の切手は「アンアブリッジド本」の中にある。しかし・・・。
前振りが少々強引だが、なかなか魅力的なトリック。
中華料理の件も面白かった♪
終局的犯罪
BSI(ベイカーストリートイレギュラーズ)の入会試験のため、モリアーティ教授の論文「小惑星の力学」の内容を考えるという、なかなかマニアックな内容。
実に面白いが、モリアーティの動機に少々疑問が(笑)
アシモフ本人をモデルにしたキャラクターが出てきたり、「指輪物語」やBSIが絡んできたりと、楽屋落ちの話が増えてきて悪ノリ感が増したが、そもそもなんでもありなところが楽しい本シリーズなので気にならない。
でもどれだったか前の話でアシモフ本人が2回(名前とその行動が話として)出てきてるんだよな(笑)
20110220(mixi日記より)
20220716
ダイノサウルス作戦
豊田有恒著
タイムマシンで白亜紀後期末に向かった調査隊が正体不明の敵に襲われ、2人が行方不明に。
タイムパトロールが出動して捜索に当たるが、そこにはいるはずのないものが存在していた・・・。
タイムパトロール隊員が人類の命運に関わる大事件に巻き込まれる話で、恐竜絶滅の謎に迫りつつ、新たに大仕掛けを用意したスケールの大きな物語になっている。
著者の恐竜の知識はすごいものがあって読んでいて得した気分になれるが、少しくどいかも。元が連載だったので仕方がないのだが、どうせなら1冊の本にする時に修正してもよかったのでは。
メインの物語的には変化があって面白いが、化夢宇留仁的にはあのオチは素直すぎてイマイチ。
キャラクターも薄っぺらいが、この点はこの作者はカチカチの理数系脳みそなので仕方がないか。
また恐竜に関しては非常に細かく説明されるのだが、タイムマシンとその運用に関してはほぼなにも語られないのがSF好きとしては残念。
20110220(mixi日記より)
20220717
銀河辺境シリーズ14
惑星スパルタふたたび
A・バートラム・チャンドラー著/野田昌宏訳
リベリアの総督としての仕事が終わり、近日中にシスター・スーが寄港する予定になっているニュー・スパルタへ向かうグライムズ。
そこはかつては男しかいない特殊な世界だったが、グライムズのせい(?)で女性も暮らし、他の世界の人間も受け入れていた。
旧友マギー・ラゼンビー、そしてスパルタの執政官となったブラシダスとも再会するが、スパルタは再び動乱を迎えようとしていた・・・。
相変わらずゴタゴタに巻き込まれるグライムズ(笑)
そして活躍するのはグライムズではなくてヒロイン達というのも相変わらず(笑)
本作では上記マギーに加えてゴシップ屋のフェネラ・プルイン、カンガルー人間のダルリーンとシャールまで再登場して大活躍するのが見どころ。
しかし展開的にはあんまり変化球が無く、ちょっとありきたりだったかも。
シチュエーション的には全裸マラソン大会に巻き込まれるとか(笑)、相変わらず無茶苦茶なものが用意されているが。
ちうか犯人が序盤からバレバレなのに登場人物たちがその話題を出さないのがもどかしすぎ(汗)
それにしてもチャンドラーは飛行船が好きだな。
そういえばグライムズがコーヒーより紅茶の方が好きという記述があったが、そうだっけか?
確か紅茶なんかよりもマグカップで濃いコーヒーをガブガブ飲むのが好きなんじゃなかったっけ???
20220717(mixi日記より)
20220718
田宮模型の仕事
田宮俊作著
現タミヤ会長兼社長視点でのタミヤという会社の歴史と概要といった内容だが、非常に軽くまとめられている。
第一章 木製模型との幸せな出会い
第二章 泣く泣くプラモデル製作に転向する
第三章 プラモデルは金型が命
第四章 取材こそ模型づくりの基本
第五章 とことんやるのがホビーの世界
第六章 山あり谷ありミニ四駆の十八年間
終章 一外国人の見たタミヤ模型-二十一世紀のタミヤ
まず印象的なのは戦時中に低空飛行で侵入したコルセアの3機編隊に遭遇したエピソード。
恐怖の対象でもあり、かつ美しい機体のイメージは田宮少年にグローバルな視点を生み出したのではないかと思う。
そして軌道に乗りかけていた父親の製材工場の全焼。
これはのび太の花火工場を思い出さないではいられない(笑)
プラモデルへの転向を決意するも、全く知識も技術もなく途方に暮れる状況。
これは本当に大変だったと思う。金型が必要な関係上1商品あたりの投資額が半端ない上に、非常に複雑な工程と精密な設計が必要で、わずかでもノウハウを持っているのはライバル会社のみ。
そして第1作は大コケ(汗)
このとき金型を流用したチープなプラモデルでなんとか生きながらえるのだが、その金型がなかったらこの時点でタミヤは消えていただろう(汗)
そして小松崎茂大先生との出会い。
小松崎先生がこんなにもタミヤに深く関わっていたとは知らなかった。
ちうか先生がいなかったらタミヤは・・・(笑)
F1をきっかけにしたホンダとの関わり。
どちらも典型的な職人系会社なので、気が合いそう(笑)
ミニ四駆の山と谷は、この本が出てからやっぱり谷に落ち、三度山が来ているが、最初と比べるとその起伏は緩やかで、タミヤが大ヒットよりも定着を目指している効果が出てきているように思う。
ちうわけでライトな読み応えに対し、内容的にはバラエティー豊かで面白かった。
思えば「世界中から尊敬されている日本の会社」は今やタミヤのみになっているような気がする。
どうかこのまま意思を曲げずに頑張ってほしい。
それとこの文庫版が出てからももう20年以上が経過している。
その後の様子も読んでみたい。
20220718(mixi日記より)
20220719
ウォッチメン
ザック・スナイダー監督
を昨日観た。
2時間40分もあるとは思わなかったので夜遅くに見始めてしまったのだが、面白かったので最後まで見てしまい、今日しんどかった(汗)。
1980年代のスーパーヒーローたちが存在するアメリカをリアルに描く。
どのようにリアルかというと、ヒーローに殴られた人は殴られたところの骨が粉砕されて血が吹き出したり、ヒーローたちの思い出としてベトナムでベトコンを殺しまくった記憶があったりする。
テーマは正義とはなにか?だと思う。
でも丁寧に描かれた画やこれまた丁寧に練り上げられた脚本がいい感じなので、とりあえず楽しい。
キャラクターの厚みはイマイチではあるが、これだけ馴染みのない世界を扱っている割にはよく描けていたと思う。
とりあえず他のヒーロー物と同じような内容だと思って観ると、絶対に最後までたどり着けない作品(笑)。
ちなみに化夢宇留仁はロールシャッハが人間くさくて一番好き。
あの頑固さが生き抜く力になっていて、その頑固さ故の結末も男らしい(笑)
仮面をつけていると実に謎めいているのに、外すとこれ以上ないくらいしょぼい顔なのもいい感じ(笑)
ドクター・マンハッタンは「銀色サーフィン男」に迫るくらいの超人っぷりがすごい。
しかし化夢宇留仁が一番気になったのは、冒頭で精神病院に放り込まれたきりのモスマン(笑)
20110222(mixi日記より)
20220720
ローダンシリーズ15
宇宙商人スプリンガー
松谷健二訳
宇宙商人スプリンガー
クルト・マール著
スプリンガー船に拿捕されたK9のメンバーはなんとか脱出するための策を練る。
一方ローダンも拿捕船の遷移先をなんとか突き止め、スター・ダスト2、ソラー・システム、テラの3隻で追跡を開始した・・・。
重巡ソラー・システムの出現からのスプリンガー船との戦闘シーンが燃えまくり。
ヤマト(笑)?
そして現れるアルコン最強戦艦スター・ダスト2がこれまた。
しかしとうとうローダンのアルコン技術を駆使した艦隊とまともにやり合える敵が登場したんだなあ・・・。
パルチザン、ティフラー
クルト・マール著
極寒の惑星に墜落したティフラーたちを援助するためにブルの操船で敵中を強行突破し、物資を投下。
その物資の1つはグッキーだった(笑)
グッキー超大活躍!
ちうかグッキーの能力って、強力なテレキネシスと弱いテレパシーだけだと思ってたけど、本作ではテレパシーは強力だし(ほとんどヒュプノ/笑)、なによりテレポーテーション能力が半端ない。
そんな設定だっけ(笑)???
そして前作から地味に活躍しているロボットRB013号、通称モーゼもいい感じ。
ちうか存在は地味だけどやってることは超高性能だし(笑)
そして本巻からスプリンガーの描写も増えてきて、なかなか愉快な連中だということがわかってきた。
なにより全然「悪」じゃないところがいい。明らかな「敵」だけど(笑)
20220721(mixi日記より)
20220721
ベオウルフ/呪われし勇者
ロバート・ゼメキス監督
国王フロースガールを中心に盛大な宴が繰り広げられていたが、そこに襲いかかる巨大な異形の怪物グレンデル。
怪物グレンデルを倒すために各国から続々と猛者たちがやってくるが次々に返り討ちに。
しかしとうとうベオウルフという男がグレンデルを倒す。
瀕死のグレンデルは、母のもとへ逃げ帰り、ベオウルフの名を告げて息絶える・・・。
ずいぶん前に前半を観たきりほったらかしになっていたのを、今回最後まで観た。
まずはパフォーマンス・キャプチャーと呼ばれる高精度のモーションキャプチャーとライブ映像のテクスチャ張り込みによる、実写と3DCGの中間のような、なんとも言えない中途半端な映像が目をひく。
要するに完全3DCGアニメなのだが、実在の俳優が本人として登場してくるので頭がこんがらがってくる。
これは普通のドラマだったら噴飯物だと思うが、最古の英雄伝説の1つである「ベオウルフ」に使用する分にはちょうどいいリアリティと距離感を作り出していたと思う。
物語は基本的には原作通りだが、そこに超エロエロのグランデルの母親(アンジェリーナ・ジョリー)というキーになるキャラクターを設定することで、1本筋の通った物語になっている。
基本的に元が滅茶苦茶な物語なので、これは当然の脚色と言えるかも。
結論としてはそこそこ楽しめた。
しかしこの内容があるようでない物語は、画が迫力満点に仕上がっている分、一番楽しめるのは劇場での3D上映だと思う。
20110224(mixi日記より)
20220722
メトセラの子ら
ロバート・A・ハインライン著/矢野徹訳
遺伝的に長命な人々が秘密のコミューンを作って人類の歴史上に姿を現さずに生きてきたが、それが明るみに出て地球を脱出することに。
ハインラインにしては平凡な内容というイメージだったが、書かれたのが1941年と知れば、逆に斬新さに驚かされる。
しかしやはり2011年に読むと、すでに当たり前になっている概念ばかりが描かれているイメージで、それこそハインラインの先見の明がすごいのだが、やはり新鮮味はない。
20110225(mixi日記より)
20220723
親指(大)Xの逆襲!
ジョナサン・ユーディス監督
自称芸術家のヘゼキアは豊満な肉体を持つ奔放な女性シェリルと暮らしていたが、そこに大学の夏休みで息子のジェームズが帰ってくる。
夜な夜な聞こえる悩ましい声にジェームズは・・・。
C級ホラー風コメディ。
とにかくやたらにおっぱいが出てくる映画で、本編もそうだが更にインサートでおっぱいが。
後半には変なクレイアニメも出てきて、C級大爆発。
コメディなのだがもちろん全然笑えず、まったくどうしようもない。
しかしコミック風の演出や画の作り方には変にセンスがあって、それなりに楽しい。
最後に「ラス・メイヤーに捧ぐ」と表示されて納得。
どうりでおっぱいが(笑)
20110306(mixi日記より)
20220724
Xの悲劇
エラリー・クイーン著/鮎川信夫訳
雨の中の電車の中で、コルク球に刺された何本もの針に男が手を刺され、それに塗られていたニコチンで命を落とす。
一種の密室であったにも関わらず犯人は割り出されず、元シィクスピア俳優のドルリー・レーン氏の登場となる。
名作と名高い本作だが、化夢宇留仁的にはもう一つだった。
確かにミステリーとしてはよくできていて、最後のネタ晴らしのところは、なるほど!と手を打つ明快さがあって楽しいのだが、そこにたどり着くまでがどうも盛り上がらない。
原因は2つあって、まず出てくるキャラクターが全員薄っぺらい感じがすること。
まさに事件のために創造されたという感じで、彼らの日常生活が想像できないのだ。
また作者の文章力にも問題があるような気がする。
ドルリー・レーンの頭の良さそうな描写というのが幾度も出てくるのだが、そのどれもピンと来ず、なんだか作者の独りよがりの印象を受けてしまう。
古い作品だからと言ってしまえばそれまでだが、本作よりもっともっと古いシャーロック・ホームズは主役も脇役も活き活きとしていてオチに至るまでの過程も最高に面白いのだから、理由にはできないだろう。
20110309(mixi日記より)
20220725
崖の上のポニョ
宮崎駿監督
テレビでジブリの特集をやっていたので、そういえばまだ観ていなかったと思って観たのだが、あまりにもタイムリーな内容※で慄然(汗)
そしてクトゥルフ神話を知っている人はみなそうだと思うのだが、あまりにもコズミックホラーな内容でこれまた慄然(汗)
いきなり血をすすってるし、肉食だし、異種交配の産物だし。
変身途中の姿なんて、SAN値減少1D10/1くらいの破壊力はありそうな(笑)
その合間合間に主人公のお母さんに欲情したりして(汗)もうなにがなにやら(汗)
とにかく怖くて仕方がなかった(汗)
それはさておき、一瞬の迷いもない登場人物達を並べてくるとは、そろそろ宮崎駿は人の域を超えてきているのかもしれない。
だいぶ頭がおかしくなっているのは間違いないので(笑)、また紅の豚みたいな作品を作って肩の力をぬかないと、この世界に帰って来れなくなるぞ。
それにしても所ジョージみたいな極端に下手な声優を使うのはどうしてなのだろう???
トイストーリーとか、けっこうたくさん声優の仕事をしているが、だから余計になんでって思う。
「アレフ」は好きだが(笑)
山口智子も褒められたものではなかった。
※11日前の2011年3月11日に東日本大震災が発生。
20110322(mixi日記より)
20220726
エルリック・サーガ2 この世の彼方の海
マイクル・ムアコック著/井辻朱美訳
未来への旅
新王国へ見聞の旅に出たエルリックだったが、もちろんメルニボネ人を歓迎する者など無かった。
メルニボネのスパイと決めつけられて幽閉されるも脱走し、身も心もボロボロになって荒涼とした海岸に逃げ延びる。
そこにやってきたのは奇妙な船で、それに乗っているのは更に奇妙な男たちだった・・・。
現在への旅
目を覚ましたエルリックにはあの船に乗ってからの出来事は夢としか思えず、その記憶も急速に失われていった。
再び荒野をさまよう彼の前に現れたのは、時代も場所もバラバラと思える風体の傭兵らしき男たちだった。
食料を分けてもらおうと話しかけたエルリックだったが、彼らの反応は芳しいものではなく、ストームブリンガーを抜く羽目に。
しかし多勢に無勢で生き残ることを諦めかけたとき、意外な加勢が現れ・・・。
過去への旅
ようやく自分の見知った世界に戻ってきたエルリックだったが、彼を助けた男アヴァン・アストラン公爵の依頼で、彼の祖先の秘密に通じる冒険に旅立つことに。
その旅が自分の問いへの答えになるのではないかと期待していたエルリックだったが・・・。
シリーズ2巻目なのだが執筆順では末期にあたるだけあって、いきなり1巻目との繋がりを吹き飛ばすような永遠の戦士(エターナル・チャンピオン)全開の話で幕を開けたのでびっくりした。
<ここよりネタバレ>
なにしろいきなりエレコーゼとコルムとホークムーンとの共闘である(笑)
1巻目の斜陽のメルニボネの皇帝の悩みなど歯牙にもかけない超スケールな展開に、呆れるやら笑うやら(笑)
そして続く「現在への旅」では盟友スミオーガンと出会い、メルニボネの過去の狂った魔法使いとの対決に。
このへんでエルリックの設定の面白さに気づく。
太古より続く謎めいた残虐な魔法の帝国の末裔でありかつ皇帝で、本人も強大な魔法使いであるって、普通ならラスボスとして登場するやつである(笑)
これがトチ狂った悩みを抱えつつ自分のルーツにもつながる過去の魔法使いと対峙するって、ちょっと設定がいかしすぎじゃなかろうか。
今見てもそう思うのだから、発表当時の衝撃度はすごかっただろう。
その上過去のメルニボネのトチ狂った魔法使い(笑)であるサクシフ・ダンがこれまた雰囲気抜群に描かれていて、かつエルリックとの共通点も多いという多面的な描写が想像力を刺激する。
最終「過去への旅」では、メルニボネの民自体の出生の秘密に迫るのだが、結局はストームブリンガーの暴走で収まるところに収まってしまうのが実にこのシリーズらしい(笑)
しかしそこに至るまでの展開も「インディー・ジョーンズ 最後の聖戦」を思わせるようなキャラクターとか、いつでも嫌そうなアリオッチ(笑)とか、見どころが多い。
というわけであらためて読み直してエルリックってこんなに面白かったっけ(笑)?っと驚いているのだった。
ところで表紙だが、こんなヒロインいたっけ?っと思ったがよく見ればこれエルリックだな(汗)
言っておくが内容からすればエルリックのキャラクターはこんなイメージとは断じて違うし、物語もこんなイメージとは断じて違う(笑)
エルリックは大波で揺れる船の中では「心臓が口からとびだすような気が」するような人物である。
ここではぜひ驚いた21エモンのゴンスケの顔を思い出してほしい(笑)。
化夢宇留仁の感じるエルリックはまさにそれなのだ。
訳者は猛反対すると思うが(笑)
20220726(mixi日記より)
20220728
オデュッセウス物語
バーナード・エヴスリン著/小林稔訳/教養文庫
トロイ戦争のあとのオデュッセウスの故郷への長い旅と、故郷に着いてからの顛末が紹介されている。
なにしろ神話なんだか歴史なんだかよく分からない話であり、登場人物の心理も全然一貫していない。
いろんな伝説がまとまったりひんまがったり付け加えられたりしてできちゃったのだろう。
でもそういうところが「神話っぽさ」で面白いところでもあると思う。
しかし最後に故郷に帰ってからのオデュッセウスの活躍は、いきなりそれまでよりも詳細な描写とドラマチックな展開だったのだが、最後の最後にいくつかのオチが紹介される楽屋落ち的な雰囲気になっているのは、なんだか映画「クルー」みたいで肩すかしに感じた。
でもこの辺のメジャー神話は一通り読んでおきたいな。
20110323(mixi日記より)
20220729
新ジェイムズ・ボンド・シリーズ 独立戦争ゲーム
ジョン・ガードナー著/後藤安彦訳
ジョン・ガードナーの007パスティーシュ(?)シリーズ第4作。
なんとなく3作目も持っていたような気がしたのだが、先にこっちが目についたので読んでしまった(汗)。
内容的にはボンドが偽装退職して敵組織に潜り込むというもので、まあまあ普通に面白く読めた。
問題はコンピュータの扱いで、やはり描かれた時代が古い分、チープ感は否めない。
コンピュータプログラミングの天才に認められるためのレッスンの最初に教わるのがBASICだったり(笑)
でもでも。
普通に面白かった(笑)。
20110406(mixi日記より)
20220730
グレートマジンガー対ゲッターロボ
明比正行監督
東京上空に飛来した流星雨の中に強い光を放つ物体があり、それが怪電波を発しているのを早乙女研究所と科学要塞研究所が同時に観測した。
横浜上空に停止した円盤状の物体は、奇怪な生き物のようなものを分離した。
ゲッターマシンが出撃して円盤を追う。
また奇怪な生き物のようなものは京浜工業地帯に上陸したのでグレートマジンガーが向かうが・・・。
小さい頃に夏休みとかになると上映されていた東映まんが祭りの流れ。
宇宙からの謎の円盤と、その円盤が投下した鉄を食って巨大化する宇宙怪獣を相手に、ゲッターチームとグレートマジンガーが戦いを挑む。
しかしゲッターチームと剣哲也がライバル心むき出しで、最初は双方ともボロボロに。
この辺テレビでは存在していないかのように(していないのだが/笑)描かれる相手チームと争うというところがお祭りっぽくて楽しい。
最後には協力し合って宇宙怪獣を倒すのだが、宇宙怪獣という割には中身がメカだったり、全高25mのグレートと38mのゲッター1が普通に肩を並べて握手したりと、突っ込みどころが多いのも楽しい(笑)。
ちなみに初期のゲッターロボの設定では、ゲッター1、2、3それぞれ重量さえ異なる(笑)。
あらためて見直すと、当時のヒーローは大人ばかりで嬉しい。
おっさんとまではいかないが、地球を守るのはやはり大人であってほしい。
ゲッターロボの初期設定では乗り込む3人は中3だったらしいが(笑)
それにしてもジュンは、ハーフで孤児でナイスバディの美女という、実に大人向けな設定だ(笑)
20110410(mixi日記より)
20220802