高い城の男
フィリップ・K・ディック著/浅倉久志訳

 第二次世界大戦で枢軸軍が勝利した世界の1962年頃。
日本に統治されているアメリカの西半分地域のアメリカ美術工芸品商会では、古き良きアメリカの歴史的遺物が美術品として人気を博している。
その店主のロバート・チルダンは、田上大日本帝国政府太平洋岸第一通商代表団代表に届けるはずだった南北戦争の徴兵ポスターの入荷が遅れたために田上の不興を買い、機嫌を取るために早急に代替品を探す必要が生じて焦っていた。
そこにインテリの日本人夫婦が来店する。
 ユダヤ人である素性を隠して働いていたフランク・フリンクはオーナーに啖呵を切って工場をクビになり、出ていった愛する妻のことを思い出したりしつつ途方に暮れていた。
 田上信輔大日本帝国政府太平洋岸第一通商代表団代表は、もうすぐドイツからやって来る顧客をどうやってもてなしてよいのか頭を悩ませていた。
そこで易を立ててみることにする。
 フランクの妻であり柔道のトレーナーであるジュリアナは、コロラド州で頭上をドイツのロケット船が飛び去ってゆくの見上げつつ、シャワーが空くのを待っていた。
 彼らと更に数人の人々が出会うベストセラー小説「イナゴ身重く横たわる」には、枢軸軍が敗北した世界のことが真実味たっぷりに描かれており・・・。

 てな感じの群集劇っぽい作品で、とりあえず面白かった。
しかし読む前にぼんやりと想像していた内容とは全然違った。
順番に書いていくと、まず枢軸軍が勝利した世界のリアリティが見事で、確かにそんなことになってそうだ〜〜〜っと思わされた。
ちらちらと出てくる枢軸軍がどうやって勝ったのかの説得力も納得の行くものだった(ヒトラーが精神を病んで直接の指揮をしなくなり、バトル・オブ・ブリテンでのロンドン爆撃をしなかったとか/笑)
また日本人とドイツ人の描写も実にそれっぽく(ただし「易」以外)違和感を感じるところはほとんど無かった。
もちろんそれはあくまであの戦争に勝ったドイツ人と日本人だが。
 「イナゴ身重く横たわる」(デビュー作のタイトルもこの関連だが、ディックは聖書のこのくだりにこだわりがあるのか、それとも単に響きが好きなのか/笑?)の内容は枢軸軍が敗北した歴史なので要するに我々の現実の世界・・・と思いきやこれまた違う歴史を歩んでいるのが実に意外だった。
それを知ったときにこの物語は化夢宇留仁の想像していたようなものではないとわかった。
 化夢宇留仁のこれまで感じていたディックの筆致とは異なり、実に地に足をつけた描き方だったのも印象的だった。
その分設定から予想する内容と比べると実に地味とも言える内容で、こんな設定でそんなところにこだわってどうするの(汗)?と思っても不思議ではないくらいなのだが、世界の構築のレベルが非常に高いので単に現実とはちょっと違う世界の普通の物語として読まされてしまう。
しかしここぞというところで突然放り出される感はいつもの感じだった(笑)
 「易」の存在感の大きさは違和感があったが、最後まで読むと納得。
そもそも「易」がメインだった(笑)
 というわけで感想が実に散漫なうわごとみたいになったが(汗)、こうでもしないと書けなかったのだ。
よくこの原作をドラマ化しようと思ったな・・・・まあストーリーはぜんぜん違うみたいだけど、無理もない(笑)

20221122(mixi日記より)
20221123


ヒックとドラゴン
ディーン・デュボア&クリス・サンダース監督

 北の海に浮かぶバーク島に暮らすバイキング一族は、ドラゴンと争い続けていた。
鍛冶屋で修業中の少年ヒックは立派なバイキングになることを夢見ているが、みんなの足を引っ張るばかり。
ある日ヒックは自作の投擲機で最も危険とされるドラゴンのナイト・フューリーを捕えることに成功するが・・・。

 実にいい感じでまとまっていて、ラストの少々意外な結果(というか被害)も、好感触。
面白かった。
しかし問題はタイミング。
ドラゴンライドの描写という点では、とにかく圧倒的に作り込まれたアバターがあるので、流石にあれと比べるときつい。
先にアバターを観ていなければもっと身を乗り出せたと思う。
あと、ドラゴン全部のデザインは、もっとリアルで恐ろしげな方がよかったと思う。

20110805(mixi日記より)
20221124


戦車戦入門 世界篇
木俣滋郎著

序章 戦車発達の足跡
第一章 第一次欧州大戦
第二章 ドイツの電撃戦
第三章 砂と雪と広野の戦い
第四章 連合軍の反撃

 戦車戦入門と言うよりも、第一次大戦から二次大戦に掛けての各国の戦車の開発と、それを使用した戦場の経過を説明したもの。
実にあっさりとした記述だが、解説された戦車の写真や3面図が掲載されているのが嬉しい。
中にはなかなかマニアックな戦車も混じっている。
超重自走砲カールの開発から戦場での運用など、ちょっと変わった視点のものもあって面白かった。
 でも会社ではすごく変な目で見られた(笑)

20110809(mixi日記より)
20221125


キック・アス
マシュー・ヴォーン監督

 アメコミヒーローに憧れるデイヴ・リゼウスキは、自分もヒーローになろうと思い立ち、ネットで買ったスーツを着てヒーロー活動を開始する。しかし、何のスーパーパワーも持っておらず、訓練もしていない彼はあっさり暴漢に刺された上、車にはねられ病院送りとなり・・・。

 ヒーローにあこがれていた青年が本気でヒーローになろうとしたら思ったより大変で、えらい苦労していたところにプロフェッショナルの親子と出会ってなんだかうまくいく・・・・・・・・
というような話を想像していたら、微妙に合ってるけど、斜め30度くらい違っていた。
 とりあえず可愛い女の子(11歳くらいと劇中で言っていた)が、にやにや笑いながら人を殺しまくるとは予想しなかった(汗)
基本コメディなのだが、その辺のバランス感覚が実にギリギリのラインで構成されており、暴力描写はその辺のバイオレンス映画よりも痛いくらい。
 とりあえず日本では絶対作れない映画。
ちうかアメリカでもよくできたなこれ。

20110811(mixi日記より)
20221126


スター・ダックス
草上仁著

 詐欺師のショウは、師匠のピークとともに無価値の小惑星を売りつける詐欺に成功する。
しかしピークはショウを裏切り、儲けを独り占めした上にショウを警察に付き出そうとしていた。
危ないところで脱出したショウだったが、目的地の選択ができるわけもなく、着いたところは辺境の惑星ヴィトゲンシュタイン王国だった。
そこは非常に変わったもの「犯罪」に価値を見出している世界で、ショウはその「輸出」に手を貸す羽目になり・・・。

 SFコン・ゲーム小説。
詐欺師であるショウをリーダーに、スリ、暴行、色仕掛け、バックアップにハッカーのチームで、ある国の依頼でそこの資産家の財産を没収する任務につく。
 草上仁という作家から思い浮かぶのは「安心感」という言葉である。
人生を変えるほどの感動は無いが、必ず面白い。
本作もその例に漏れず、実に多様な知識を活用しつつ、最初から最後までブレずにず〜〜〜〜っと面白い。
とにかく理論的な頭脳がそうさせるのだと思うが、この石を削ったら本来そうあるべきだった彫刻が現れるみたいな完成度による安心感は他では得難い。
著者としてはそこを歯がゆく思っているのではないかとも思うが、読者としてはそこが魅力なのでこの調子でまだまだ頑張ってほしい。
コン・ゲームに安心感というのは致命的な気がしないでもないが(笑)
ちょっと残念だったのは表紙とかのイラストが化夢宇留仁の好みではなかったことくらい(汗)

20221127(mixi日記より)
20221128


ローダンシリーズ19
望郷の宇宙帝国
松谷健二訳

発狂惑星
クラーク・ダールトン著
 スプリンガーはゴスル星で新型の戦艦を建造していた。
しかもそこは伝染病に侵されておらず、自律戦闘ロボットによって護られていた。
偵察に向かったグッキーはそこにたった1人のスプリンガーを見つける。
ローダンは戦艦の奪取を決意するが、そこに予想外に早く新手のスプリンガーが接近しているという情報が入り・・・。

 前回の感想に対するコメントでチラ見せ(笑)があった展開が。
ずっとあとになってから性懲りもなく偽伝染病を広めるのか(笑)と思ったら、すぐ続きの話だったのね。
ロボットに罹患はしない・・・以前に、発病しているにしては秩序だって動きすぎでは(笑)?

望郷の宇宙帝国
クルト・マール著
 新たにローダンの艦隊に組み込まれたスプリンガーの新型戦艦「ガニメード」に乗り込み、とうとう一行はアルコンを目指す。
ところがアルコン星域にやってきたローダンは、アルコン艦隊が侵攻してきたらしい敵艦隊を殲滅するところに出くわす。
怠惰な終末に向かっているはずのアルコン人にまだこんな気概が???

 ここしばらく存在さえ疑われるほど姿を見せなかったクレストとトーラが顔を出した。
クレストは相変わらずだが、トーラたんが荒れ狂った挙げ句に・・・
”しゃくりあげている。大きな目をうるませて。”
可愛すぎ(笑)!
やっぱりトーラたんはツンデレの神様だわ(笑)
 そしてとうとうやってきたアルコンだが、予想通り一筋縄ではいかず、結局本星にはまだたどり着けず。
ここはその調子で大仰に行ってもらいたい(笑)

20221129(mixi日記より)
20221129


きまぐれ体験紀行
星新一著

ソ連の旅
東南アジアめぐり
香港・台湾占い旅行
バンコックふたたび
香港再発見
放談・韓国かけ足旅行-星新一+豊田有恒+田中光二
断食へのトリップ
 
 本の巻末の記録によれば1996年の7月24日に3回目の読了をしており、どうやら今回は4回目らしい。
そんなに何度も読むほど面白いのかと言われれば、全然そんなことはない(笑)
何度も読み返す最大の理由は、この本の表紙のデザインが好きなのと、化夢宇留仁の記憶力の無さである(笑)
しかし今回読み返して、だんだん同じ本を異なる楽しみ方をするようになってきているのに気づいた。
最初に読んだときは、おそらく化夢宇留仁は中学生で、ソ連もまだソ連だったし、内容もほとんど古びてなかった。
当時は大人になったら化夢宇留仁も旅行に行って同じような体験ができたらいいなくらいの感じで楽しんでいたと思う。
しかし今回読むと内容が完全に古びていて、地理が歴史に変化しているところが一番興味深かったのだ。
冒頭のソ連は勿論、韓国なんてまだまさに高度経済成長をはじめたところで、一行が韓国には女性が楽しめるところが少なく女性の旅行者が少ないと言っているなど、現在と真逆になっていたりするのが実に興味深い。
おそらく10年くらいしたらまた読むんだろうな〜〜〜(笑)

20221130(mixi日記より)
20221130


時の門
ロバート・A・ハインライン著

 ハインラインの初期短編集。

大当たりの年
福島正実訳
 突然町中でストリップを始める女性が続出。珍奇な宗教が蔓延し、各地で異常な事件と、戦争の気配が。
統計学を極めた科学者ポティファーは、今年が「大当たりの年」であると知り、避難を開始するが・・・・・

 今読んでもピンと来ないが、冷戦時代に読んでいたら危機感を感じたと思う。
ラストもオチているのかどうなのか、よく分からない。

時の門
稲葉明雄訳
 タイムスリップに関する論文を書いていたボブの背後に、突然現れた男。その男は「時の門」をくぐるように言い、始まりのない繰り返しの中へ・・・。

 ドラえもんの名作「ドラえもんだらけ」は、本作からイマジネーションを得たのは間違いないと思う。
化夢宇留仁は「ドラえもんだらけ」の方が好き(笑)

コロンブスは馬鹿だ
福島正実訳
 プロクシマ・ケンタウリへの世代宇宙船が建造された。
バーで、資材を販売した業者は、そんな苦労して遠い星まで行く意味があるのかといぶかしがる。しかしバーのウェイターは、旅に賛成し、グラスを投げ上げる・・・。

 宇宙への発展へのあこがれがしっとりと描かれた佳作。
でもこれも発表当時に読んでいた方が(1947年。無理/笑)盛り上がったと思う。
なんだか今は、どこも財政問題とかで、宇宙への発展のリアリティが失われてるんだよね。

地球の脅威
福島正実訳
 月生まれのホーリィは、地球から来た女優のガイドを務めることになる。
やがてホーリィの研究パートナーが女優と仲良くなり・・・・・。

 低重力下でのスポーツ「フライ」の描写が楽しい。
物語はあまりにもストレートなジュブナイルでびっくり。
そう言えばハインラインはジュブナイルも山ほど書いてたんだった。

血清空輸作戦
矢野徹訳
 冥王星の基地で発生した伝染病の治療のため、光子宇宙船で血清を運ぶことに。しかし治療を間に合わせるためには、3.5Gの加速と減速を9日間続けなければならない・・・。

 本短編集の中で、トラベラー好きには一番ストレートに楽しめる作品だと思う。
意識を失っていて対応が遅れたために、最後の軌道変更を4.3Gで行わなければならなくなったり、宇宙船っぽい描写が楽しい。
ラストの厳しいオチも、描写の1つとして覚えておきたい。

金魚鉢
志摩隆訳
 海上にそびえる2本の大竜巻。突然現れる光球。謎の減少の背後には、未知の知性が?そのただ中に乗り込んだアイゼンバーグは、真の「異質」の意味を知る。

 個人的な視点と、客観的な視点がリンクして、作品のテーマを浮かび上がらせているのが素晴らしい。小説としては実に完成度が高いと思う。
ただしあまり面白くなかった(笑)

夢魔計画
斎藤伯好訳
 集められた超能力者達。彼らが原子核を操って核爆発を発生させることが出来ると分かった直後、アメリカ各地にソ連が原爆を仕掛けたという情報が・・・。

 圧倒的な能力をもったおばあちゃんがかっこいい。
オチはそれまでがコメディ風だったこともあり、なかなかゾッとさせられる。

 地球が舞台な分、やはり全体的に時代を感じさせる部分が多いが、どれも一癖ある作品ばかりなのは流石ハインラインと思わされる。
やっぱり大御所なんだな〜〜〜〜〜っと思った(笑)

20110813(mixi日記より)
20221201


剣客商売二 辻斬り
池波正太郎著

 鬼熊酒場
 値段は安く、酒も料理もよいが、主人が尋常ではない殺気を放っている鬼熊という酒場があった。
秋山小兵衛もたまに顔を出していたが、ある日鬼熊の主人が草原でもがき苦しんでいる姿を目撃し・・・。

 頑固すぎるおやじがかっこいい。
しかしできればおやじが倒れたあとでおやじの心配は杞憂だったとわかるシーンが欲しかったかも。

辻斬り
 よりによって小兵衛に襲いかかる3人組の辻斬り。
辻斬りの頭が幕府の御目付である永井十太夫だと知った小兵衛は・・・。

 罠だと知りつつ乗り込んでいく親子のシーンがかっこいい。
大治郎もなんとなく余裕が出てきたように思う。

老虎
 大治郎は武者修行時代にお世話になった四天流道場主である山本孫介とばったり出会う。
話を聞けば、孫介の一人息子源太郎が江戸見物に出たきり戻っていないのだという。
一緒に行方を探す大治郎だったが・・・。

 四天流が無茶苦茶すぎる上に、それを使う源太郎が金太郎扱いなのがぴったりで面白かった。
源太郎もメインキャストになれば面白かったのに。
そして客の長逗留でおはるがすねはじめるのが可愛い(笑)

悪い虫
 大治郎がチンピラを懲らしめるのを見て、弟子入りを志願してきたのは辻売りの鰻屋の又六という若い男だった。
しかし又六は10日で強くなりたいと言う。

 SMショーみたいな即席剣術指南(笑)
まだファーストフード扱いだった鰻の解説も面白い。

三冬の乳房
 佐々木三冬が怪しい集団を蹴散らし、彼らが運んでいた駕籠をあらためてみると、案の定中には誘拐されたと思しい女が入れられていた。
女はお雪といい、小間物問屋山崎屋卯兵衛の娘だったが、彼女を取り戻しに来た山崎屋の面々の様子はどこかおかしかった・・・。

 タイトルで「うほ〜〜〜っ!?」っとなったが、そういう話ではなかった(どういう話?/笑)
しかしまた小兵衛が10日も抱いてくれてないとすねはじめるおはるが可愛い(笑)

妖怪・小雨坊
 おはるが庭先で、先日見た「画図・百鬼夜行」に載っていた小雨坊を見たと言って震え上がっていた。
そこにやってきた大治郎も、その小雨坊とそっくりの男を見ていた。
そんなところに小兵衛を訪ねてきたのは、大治郎が右腕を切り落とした伊藤三弥の父親だった・・・。

 その描写を読んで化夢宇留仁の脳内に浮かんだ小雨坊の顔はヴォルデモートだった(笑)
なので化夢宇留仁の脳内では小兵衛とヴォルデモートが激しく斬り合っていた(笑)
これまで出てきた中では最強の敵に相応しい風貌だと思った(笑)
 2つ気になることがあった。
1つは「まゆ曇の金ちゃん」に出てきた三弥の父親がやったことと、本作での態度がちょっと不自然に思ったところだが、よく考えてみればそうでもないかも(笑)
2つ目はいびり殺されてしまった見知らぬ若奥さんが可哀想過ぎるというところで、あそこで弥七が助けに入らなかった理由が思いつかない。

不二楼・蘭の間
 家が全焼してしまったのでしばらく不二楼に住まわせてもらうことになった小兵衛とおはる。
ところがここの離れの雪隠で、今度は小兵衛が物騒な会話を盗み聞きすることになり・・・。

 ちょっと変態じみてきた小兵衛(笑)
一番良かったのは新婚旅行みたいになって喜ぶおはる(笑)

 ちうわけで2冊目を読んだわけだが、セットで落札したのは新装版だったので、文字は大きくなってルビも増え、あっという間に読み終わってしまい、ますますラノベっぽくなってきた(笑)
また上では書かなかったが、大治郎の1番弟子となった老中毒殺未遂犯の息子である粂太郎が様々なシーンで実に便利に使われているのも印象的だった(笑)

20221202(mixi日記より)
20221202


宇宙戦艦ヤマト 完結編
西岡義展監督

を途中まで観た。
 シリーズ中でもバカ映画度の高い本作だが、流石に完結編だけあって映像は凝っていた・・・・・・・はずなのだが、DVDの画質は当時のままのマスターを使っているらしく、実に汚く、音もへなへな(汗)
綺麗な画くらいしか取り得のない本作を汚い画質で見続けるのは苦痛で、途中でストップ。
今後続きを観ることもあるかもしれないが、しばらくは無理(汗)。

20110813(mixi日記より)
20221204

 

 


スモーキン・エース
ジョー・カーナハン監督

 手品師上がりのマフィアの若頭が、組織をひっかきまわし、組織の主はそいつに100万ドルの賞金をかける。
集まってくる殺し屋達。
やがて若頭が隠れているホテルで祭りが始まる・・・。

 いろいろな殺し屋が出てきてFBIも絡んで群衆劇っぽくいい感じで進むが、オチがしょうもない。
ここまで来て正義感出されても。
てかそれをやると相棒もみんな無駄死にになるんですけど(汗)

20110815(mixi日記より)
20221205


戦え!イクサー1 特別編
平野俊弘監督

 化夢宇留仁が学生の頃にあったオリジナルビデオアニメの総集編。
いわゆるオタク向けアニメで、SF仕立てで女の子がロボットに乗ってエイリアンと戦うというもの。当時から痛かったが、今観るとより痛い(汗)。
とりあえずイクサー1の衣装(?)のだささは筆舌に尽くしがたい(笑)
イクサーロボのデザインだけは当時から斬新で好きだった。
でも結局時間の無駄としか(汗)

20110821(mixi日記より)
20221206

 


スカイ・クロラ
押井守監督

 無限に再生され、永遠に生きることを宿命づけられたキルドレと呼ばれる子どもたちは、ショーとしての戦争で戦闘機に乗って戦っていた・・・。

 押井守のアニメ映画版。
いきなり長い原作ものの一部という変な題材を選んできたが、結局できあがったのはいつもの押井節。
それはいいんだけど、そもそものテーマというか、苦悩の出発点に興味が持てず、どうでもいい感が強くなってしまったのが残念。
その上オチがまさにドンピシャ予想通りで、ちょっと時間を返してほしくなった(汗)
面白くないことはないんだけどね。

20110824(mixi日記より)
20221207


フルメタル・ジャケット
グスタフ・ハスフォード著/高見浩訳

 ハイスクールを出たばかりの「私」ことジョーカーは、サウス・カロライナ州パリス・アイランドのアメリカ合衆国海兵隊新兵訓練基地で過酷な訓練を受ける。
脱落者も続出する中、足手まといと思われていたレナードがある日を境に優秀な成績を挙げ始めるが・・・。
 訓練が終わり、軍報道員としてベトナムに配属されたジョーカーは、次第に戦争に一体化し、研ぎ澄まされた1人の歩兵として戦うが・・・。

 もちろん例の映画の原作である。
ところで映画の訓練基地のシチュエーションは非常に印象的で、化夢宇留仁もよく覚えていた。
しかしその後の展開となると、ほとんど全く思い出せない(汗)
しかも映画は原作の後半の多くをカットしたらしい。
しかしどこからどこまでを再現し、どこからはカットされたのかも読んでいてよく思い出せない(汗)
映画でも女狙撃兵は出てきたっけ???
 それはさておき(汗)、ベトナム戦争を題材とした小説としては十分に濃くて面白かった。
映画と同じく訓練基地のシーンは印象的だが、その後のベトナムのシーンは空気や雰囲気、匂いといったところがリアルに伝わってきて内容としては負けていない。
しかしそもそもベトナム戦争に駆り出されている海兵隊ということは要するにザ・泥仕合ということで、物語っぽい展開にしようがなく、まさに「そういうもの」という展開になるのは必至であって、そこがまた著者の意図でもあるのだと思う。
 ちうわけでなかなか面白かったのだが、印象的だった訓練基地のシーン、実はここが無かったほうが1つの作品としての完成度が上がったんじゃないかとも思った。
あそこが印象的な上に変にドラマツルギーを保っているせいで、その後の展開に没頭しきれないような気がしたのだ。
おそらく著者が描き出したかったのは後半の展開の方だと思うし。
 それにしてもやっぱり狙撃兵は強いのう(笑)

20221208(mixi日記より)
20221209


ドラキュラ紀元
キム・ニューマン著/梶本靖子訳

 ストーカーの「ドラキュラ」のラストでヘルシングがドラキュラに敗れた世界のその後を描く。
なんとドラキュラはヴィクトリア女王と結婚し、イギリスを支配していたのだ。
そんな中、バンパイアの娼婦が殺害される事件が発生し、犯人は自らを「切り裂きジャック」と名乗った・・・。

 「ドラキュラ」の登場人物は勿論、実在の人物や架空の人物(例えばマイクロフト・ホームズとか/笑)が山ほど出てきて大混乱(汗)
しかし世界観は一貫しているので、読み応えのある作品として楽しめた。
ただし物語的にはこの1冊では不十分で、やっとプロローグが終了という感じ。
早く続編を読みたい。

20110829(mixi日記より)
20221209


Genius Party

 有名アニメ作家が制約無し(予算は限られてると思うけど/笑)という条件で挑んだオムニバスアニメ。

#1 GENIUS PARTY
福島敦子監督
 オープニングアニメ。
いかにもなオープニングという感じ。「ロボットカーニバル」を思い出した。
画も音もにぎやかでまあまあ楽しい。

#2 上海大竜
河森正治監督
 SF仕立ての幻想奇譚。子供が描いた画が実現化。
戦闘シーンと幻想シーン、それぞれよくできていたが、それをまとめて1つの作品としてみると、なんだか居心地が悪い感じ。

#3 デスティック・フォー
木村真二監督
 死人の世界に生きたカエルが紛れ込み、それを元の世界に戻そうと、デスティック・フォーが立ち上がる。
画がとてもいい。ノリもいい。面白かった。

#4 ドアチャイム
福山庸治監督
 もう一人の自分が、一歩先に自分の居場所を支配する。なんとか追い越そうと努力するが・・・。
いかにもな短編。いかにもすぎてイマイチ興味わかず。

#5 LIMIT CYCLE
二村秀樹監督
 ぶつぶつと哲学だかなんだか分からないことをつぶやき、意味のありそうで無い画が映し出される。
学生の作品としたら褒められるかもしれないが、プロの作品としては噴飯レベル。
時間とお金の無駄。

#6 夢みるキカイ
湯浅政明監督
 目覚めた赤ん坊。しかし突然周りの設備が機能を失い、荒野に放り出される赤ん坊。
いかにもな短編だが、こっちは私の好みに合っていて、大いに楽しめた。
オチもいかにもだけど気に入った。

#7 BABY BLUE
渡辺信一郎監督
 クラスメイトの女の子を誘って学校をさぼり、湘南へ向かう。青春ストーリー。
青春ストーリーと書いている時点で私向きでないのは明らか(笑)
特に最後のオチなど、頭をかかえてしまった(汗)。

 全体的に画のクオリティは高かったが、作品の出来はまちまち。
私は#6 夢みるキカイが一番面白かった。
こういう企画は地道に維持されるのはよいことだと思う。

20110829(mixi日記より)
20221209


キャプテン・フューチャー 人工進化の秘密!
エドモンド・ハミルトン著/野田昌宏訳

 天王星の衛星チタニアで古代デネブ人の遺跡を調査していたキャプテン・フューチャーは、そこでデネブ人が地球を始めとした様々な惑星に植民できた秘密の1つである人工進化の技術が見つかるであろう場所の情報を得る。
同行していた科学者達は狂喜するが、フユーチャーはそれが記された石版を破壊してしまう。
ところが書かれていた内容をジョオンが聞いていると知った物理科学者のコール・ノートンは、すきを見てジョオンを誘拐し、コメット号を奪ってデネブに向かってしまう・・・。

 久しぶりに直球のフューチャー節とでも言えそうなダイナミックな展開で面白かった。
チタニアのシチュエーションは映画のオープニングの前の小事件みたいな雰囲気だし、唯一の実用恒星間宇宙船コメット号を奪われて他星系に逃亡されるというまさに絶望的すぎる展開も盛り上がった。
ちょっと肩透かしだったのは、デネブ人が全ての発祥ではなく、その前が存在し、その秘密は・・・というところで、その謎にサイモンが夢中になるなどものすごく盛り上がったのだが、その答えがあまりにも普通で(笑)

20221212(mixi日記より)
20221212


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