宇宙大作戦 二重人間スポック!
ジェイムズ・ブリッシュ著/斎藤伯好訳

 エンタープライズは標準基点設定作業のため、クリンゴン領近くの宙域にいた。
マッコイはスコットに転送装置で再構築された人間は元の人間と同じなのか、そして魂は存在するのか等の議論をしており、それにカークも巻き込まれる。
そこにクリンゴンとの戦争が始まったとの緊急連絡が入る。
クリンゴンと連邦との戦争を禁じているはずのオーガニア人達はどうしたのか?
なんとかオーガニアの状況を知ろうとする内、スコットがタキオンを利用すれば超長距離の転送もどきが可能で、それで情報収集が行えると提案。
比類なき観察力のためにその任務にはスポックがあたることになったが、転送の結果はスポックはどこにも行かず、なんと2人に増えてしまい・・・。

 まずマッコイの仮説だが、普段から化夢宇留仁がよく考えている内容に近いところにあって興味深かった。
化夢宇留仁がよく考えるのは「死と睡眠の違い」で、これは転送された人間が転送される前の人間と同じかどうかというのと重なる部分があるのだ。
例えば寝ている人が目覚めないまま完全に人間と見分けの付かないロボットに脳の情報を完璧にコピーされたあとでベッドから引っ張り出されて焼却され、ロボットの方はベッドに寝かされて朝目覚めたとする。
この場合自分がロボットだと気づくわけもなく、勿論元の自分が死んだというのもわからない。
つまりこの理屈から言えば魂というものは存在せず、寝るのと死ぬのは本質的に同じということになる。
そういう意味では転送前と後も同じような感じではなかろうか。
 などという関係ない話は置いておいて(笑)、この本はTVには無いオリジナル長編だが、なかなか面白かった。
まずカークもスポックもスコットもウーラも全員聡明なのが素晴らしい。
TVや映画だと物語の都合上そのへんがおかしくなることが多いので、みんなエリートらしく頭がいいと嬉しい。
主題の2人になってしまったスポックのどちらが偽物なのかというミステリーもよく描けていて、それぞれの言い分もそれらしくて興味深い。
ちなみに化夢宇留仁の予想は当たっていた。
 物語としてはTV版27話「クリンゴン帝国の侵略」の続編と言えるもので、コール(本書ではコアという名前になっている)は勿論おまけ(笑)にコロスまで登場するのが嬉しい。
ただし最後の顛末がまさに大鉈と言えるような展開で、その後のシリーズには全然つながらないのは残念(汗)
 ちうわけで楽しく読み終わったのだが、巻末の奥付に自分で書いたメモを見つけた。
それによると本書を1991年9月9日に購入し、翌10日に読み終わっている。
全然記憶がない(汗)
まあだからこそこうやって記録をつけているわけだが。

20230227(mixi日記より)
20230228


ゴジラvsコング
アダム・ウィンガード監督

 髑髏島で基地にコングを収容して監視していたが、コングは映像に騙されておらず、脱走は時間の問題と思われた。
 一方5年ぶりに姿を現したゴジラが巨大テクノロジー企業エイペックス・サイバネティクスのペンサコーラの施設を襲撃。
その後エイペックスのCEOであるウォルター・シモンズは、怪獣たちの故郷であり彼らの力の源がある地底の空洞を調査するためにスタッフを募っていた・・・。

 なんだか滅茶苦茶な映画だった。
しかし化夢宇留仁は前作「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」を観た気になっていたが実は未見だったのもそう感じた原因の1つだとは思う。
しかしそれにしても登場人物がそろいもそろって狂人すぎると思った。
言い換えれば全員カトゥーンから飛び出してきたようで、言ってることもやってることも生身の人間とは到底思えないものばかり。
 そして見どころである怪獣バトルだが、とにかく画面の作りはすごいの一言だが、そのほとんどが最近よくある説明的カットばかり。
何がどうなっているのかを伝えるだけで、演出と結びついたドラマを感じるカットになっていないのだ。
この辺は平成ガメラとシン・ゴジラを見直して勉強してこいと言いたい。
ただし最後の方で○○○○○が出てきてからはそれも少しはマシになり、なかなか盛り上がった。
評判の悪い○○○○○だが、化夢宇留仁的にはそんなに悪いとは思わなかった。そもそも元キャラと比べる気が無いからだと思うが。
それよりも気になったのはゴジラの表情や動きで、なんだかあの魚を食べていたゴジラに戻ったような動きが目立ち、妙に豊かな表情も違和感が大きかった。
 あとはゴジラとコングが古来からの宿敵という設定が意味がわからない。
あの設定さえなければもう少しまともな物語になったような気がするのだが。
 それとストレンジャー・シングスの彼女が出てきたのには驚いた。
調べてみたら前作から出てたのね。やっぱり狂人だったけど(笑)
 ちうわけでイマイチだった。
なんだか多数の平凡な脳みその意見を集約してできた脚本という印象が強い。
やっぱり映画は才能ある監督が強権を奮って作るべきだな〜〜〜〜っと思った。

20230302(mixi日記より)
20230302


ローダンシリーズ22 銀河の麻薬商人
松谷健二訳

銀河の麻薬商人
クルト・マール著
 ガニメードからの補給を受け、ホヌルに舞い戻ったローダン達は、空と陸から徹底的な捜索を行い、ハイパー多幸症の治療につながる情報を探し求めた。
やがて見つかったのはまだ知性を残しているホヌル人たちで、彼らは「神の足跡」を見せてくれると言い・・・。

 なんだかモヤっとする話。
ここまでやってそれ?

人間とモンスター
K・H・シェール著
 アルコンに戻った一行は予想通り患者は治療不可能と聞かされ、更に新たな任務が。
今度こそはとモーフの生まれた惑星へ乗り込むが、そこはアンモニアの嵐が吹き荒れる地獄のような世界だった・・・。

 これまたモヤッとする。
そこまでやってそれ(笑)?
しかし最後の展開は少々意外ではあった。状況の進展には繋がってないが(汗)

20230303(mixi日記より)
20230306


幽霊座
横溝正史著

幽霊座
 東京七不思議の1つと呼ばれる古い劇場「稲妻座」で17年前に起こった若き看板役者の行方不明事件に、当時金田一耕助は現場に居合わせていた。
友人であり、行方不明になった当の本人である佐野川鶴之助に招待されていたのだ。
その時上演された「鯉つかみ」が17年ぶりに上演されると聞き、なんとなく浮世絵展を訪れた金田一は、行方不明になった鶴之助の弟であり、今や名女型となった紫虹と出会う。

 歌舞伎の世界の描写が雰囲気があって面白いのと、ラスト近くの怒涛の展開が盛り上がった。
ブロマイドの暗号はちょっと難易度が高すぎる気がしたが(笑)


 磯川警部に誘われて山中の古めかしい温泉旅館に泊まりに来た金田一。
そして勿論磯川警部は保養だけが目的でなかった。
その宿で3年前に起こった行方不明事件の続きがこれから始まるはずなのだ・・・。

 この話のからくりは珍しく化夢宇留仁にもだいたい予想がついた。
しかしなによりよかったのが磯川警部の人となりで、この人と金田一が話す様子は勿論、宿の人々とのやり取りなどもなんともいい感じで、そのまま2人でゆっくり保養して終わっても満足したのではないかと思う(笑)

トランプ台上の首
 モーターボートで惣菜を売る飯田屋が、いつも贔屓にしてくれるストリッパーのアケミが姿を見せないので窓から様子を見てみたところ、そこにはアケミの切り落とされた首が・・・。

 これまた川沿いのお得意さん相手に商売する飯田屋の様子が実に面白く描写されていて、それだけでも得した気分になった(笑)
トリックも意外な展開で、見事に騙されたのも満足感が高かった。

 幽霊座の歌舞伎の世界はちょっと癖があるが、基本的には読みやすくて面白い短編がそろったいい本だった。
今のところ著者の作品で全然面白くないというのには当たってないな。

20230309(mixi日記より)
20230310


無敵鋼人ダイターン3 第7〜8話
富野由悠季監督

第7話 トッポの出撃大作戦
 

 時空間転移機を使って地球の大都市テルアンジン市をまるごと盗み出す作戦を開始するコマンダー・ダストン。そのためには都市の周囲に3つの装置を設置しなければならないが、波乱万丈が駆けつける。

 
 ほぼ全編戦闘シーンだが、むしろ見どころは初めて明かされたダイターンの格納庫。
なんとそれは万丈邸の地下からつながる海底パイプラインの先にある電子頭脳とロボットが管理する巨大な海底基地の中だった。
なんで往年の巨大ロボットはこんなにパイプラインが好きなんだ(笑)?

第8話 炎の戦車に散るジーラ
 
 幼なじみのトニーからの電話で呼び出されたレイカだったが、それはコマンダー・ジーラの罠だった。
囚われたレイカを救出に向かう万丈達は彼女とトニーを見つけ出すが、ジーラは執拗に彼らを狙う。コマンダー・ジーラはレイカ達の幼なじみのマリーネだった・・・。

 
 見どころは地下基地で暴れまわるジーラ配下の戦車部隊。
戦車の上に上下逆さまに同じ戦車がくっついていて、それが切り離されて逆さまのまま洞窟の天井を爆走するというシステムが謎すぎてすごい。
富野は変な戦車が好きだな(笑)

20230209(mixi日記より)
20230313


キャプテン・フューチャー 魔法の月の血闘
エドモンド・ハミルトン著/野田昌宏訳

 アルファ・ケンタウリの調査から帰還途中だったコメット号に、地球からの奇妙な放送が届く。それはキャプテン・フューチャーの活躍を映画化するにあたって、主役のキャストを募集する内容だった。
カーティスは気にもとめなかったが、太陽系政府主席ダニエル・クルーの口からもその映画の話が出たのには驚いた。
この映画のロケ地の1つである魔法の月スティックスで、最近ダイヤモンドの鉱山が発見された。その映画を作ろうとしているジョン・ヴァルデーンという実業家はなんとかしてその利権を手に入れようとしているらしい。
スティックスは「暗黒星大接近!」でフューチャー達が知的種族が生息しているのを発見した冥王星の衛星で、今でも太陽系政府の干渉を絶ち続けていた・・・。

 もちろんフューチャーの役者にフューチャーが化けて潜り込むわけだが(笑)、登場人物みんなに存在感があり、映画の撮影という味付けもうまく働いて完成度の高い作品になっており、とてもおもしろく読めた。
中でも最高の見どころはオットーのルパン三世もびっくりの痛快な活躍で、あまりのかっこよさにしびれた(笑)
あそこはほとにまさかの展開だったな〜(笑)
他にもラスト近くの我慢に我慢を重ねたグラッグの開放感満点の活躍もあり、珍しくジョオンも機転を利かせて活躍するし、最後はいつものフューチャーらしい困難すぎるミッションへの挑戦など、ほんとにSF活劇大作映画みたいだった♪

20230311(mixi日記より)
20230317


ぽっぺん先生の日曜日
舟崎克彦著

を読んだ。昨日実家にて。

 生物学の助教授のぽっぺん先生は、本の雪崩につぶされる夢を見て目覚めた日曜日、4500年前のインゲンマメを見物に行く予定を、急遽本の整理に変更した。
そうして本の山を前に途方に暮れかけていたとき、その中に小さい頃に読んでいた絵本「なぞなぞのほん」が紛れ込んでいるのを見つける。
ぽっぺん先生がそれを手にとってみると、いきなり自分よりも背の高いオオアワダチ草の草原に立っているのに気づき・・・。

 小さい頃に読んで気に入っていた本で、奥付を見ると1986年の6月に読み終わったというメモもあるので、これでおそらく3回目の読了。
ぼんやりとしたイメージしか覚えていなかったが、今回も面白く読めた。
 基本的には「なぞなぞのほん」の各ページのなぞなぞを解かないと次のページに進めないという構成の児童書だが、読み味は全然児童書じゃなく、悪夢のようだけど変に愉快な世界を構築していてどこもかしこも興味深い。
特に雰囲気がよかったのは廃墟の中のかくれんぼをしている動物たちと、洞窟のような部屋で子守唄を歌い続けるイノシシの件。
またなぞなぞについては、非常に簡単なものから答えを聞いても全然納得いかない超難題までいろいろあるので、無理して解こうとしないほうがいい(笑)
 前までは全然気づかなかった(と思う)のだが、今回は「不思議の国アリス」との類似点が非常に多いというのに気づいた。
ただし雰囲気は全然違うので、全く異なる作品として楽しめる。
続きも探して読みたいけど、文庫サイズのやつは存在してないかも・・・(汗)???

20230311(mixi日記より)
20230317


地底世界シリーズ1
地底の世界ペルシダー
E・R・バローズ著/厚木淳訳

 鉱山主ディヴィッド・イネスの出資によって、アブナー・ペリーの設計した地下試掘機が完成し、2人は試運転を開始。
ところが地中の圧力を甘く見ていたのか、一切進行方向を変えられない。
高熱地獄の中を延々と進んだ彼らがたどり着いたのは、地球の中央部を含む地底に広がる広大な世界ペルシダーだった。
そしてその世界にも人間が住んでいたが石器人並みの技術しか持ち合わせておらず、彼らは爬虫類のマハール族に支配されていた・・・。

 地上の様子をほとんど語ること無く、いきなり地底へ潜っていくのにびっくり仰天。
ペルシダーに着いてからは火星シリーズでもおなじみの大冒険が繰り広げられるのだが、実はこちらの方が火星シリーズよりも過酷な条件になっている。
まず主人公ディヴィッドは上記の通り鉱山主であり、身体は鍛えているもののせいぜいスポーツマン止まりで、カーターのように戦士ではない。
またペルシダーは中央に地球の中心核が太陽として輝いている世界なので、ひたすら昼が続く。なので夜闇に乗じてというのが一切できないのだ。
そして仲間は頭はいいが老人のペリー以外は現地の原始人だけで、文明化されているマハール族と戦うにはあまりにも頼りない。
というわけで火星シリーズよりも絶望的な状況に陥りがちなのだ。

 本書で再認識したのはバロウズが王道のSF作家だということでもあった。
上記ペルシダーの設定は荒唐無稽以外の何物でもないが、太陽の位置が変わらず東西南北さえ無い結果、時間の概念自体が無い世界になっているとか、地球の地底にある世界なのだから当然面積は地上よりは小さいのだが、陸地と海の関係が逆になっている(例えばアメリカ大陸の直下はほぼ同じ形の海になっている)結果、陸地の面積は地上よりも大きいとか、地底世界は重力が地表とは逆に働いているので地平線がなく、海は視界内でせり上がった挙げ句に空と溶け込んでいるという超ビッグスケールのスペースコロニーみたいな描写とか、マハールに聴覚がないのでテレパシーに似た能力で意思の疎通を行っているが、そのせいで音声による会話という概念が理解できておらず、人類に知能があるのにも気づいていないとか、全く異なる環境、生物は人間とは全く異なる常識を構築するのを実にうまく描いているのだ。
化夢宇留仁的にはこれが描けることがSF作家の1つの条件ではないかと思っている。

 最後にもう1つこの作品の特徴を挙げておく。
それは作中に究極のツンデレヒロインが降臨しているということである(笑)
彼女は勿論本作のヒロインである<美貌のダイアン>で、勿論<美貌の>も名前の一部なので自己紹介でもそう言う(笑)
それはいいとして(笑)、彼女のツンデレぶりはまさに究極と言えるもので、主人公ともども読者を憤慨の渦中に放り込むのだ。
決め台詞は「あなたなんか大嫌い!」である(笑)

20230316(mixi日記より)
20230326


高い城の男 第2話

第2話 サンライズ
 

 憲兵隊はフランクの妹と彼女の子どもたちを捕らえ、脅迫材料にしてジュリアナの行方を聞き出そうとする。
一方ジュリアナはメモに従いサンライズ食堂で指定の時間にいるためにそこで働き始める。
やがて彼女の前に折り鶴を折り、聖書を読む男が・・・。

 
 第1話にも増して日本のユダヤ人への対し方が納得いかない。
ガス室まで用意するなど、ほんとにあり得ないし。
脚本は悪くなく、なかなか面白く観られる完成度なので余計にもったいない。
わざわざ原作を捻じ曲げてのこれはちょっときついな〜・・・

20230318(mixi日記より)
20230330


風の谷のナウシカ
宮崎駿監督

 巨大な菌類に覆われた廃村を訪れる旅人。
 風の谷のナウシカは腐海で胞子を集めている途中で王蟲の通り道に行き当たり、更には巨大な王蟲の抜け殻を見つける。
その時ナウシカは銃声を聞き、旅人が王蟲に追われているのを見つける。
助け出された旅人は剣士ユパだった。
 夜明け前に風の谷に巨大な船が飛来するが、その船は多数の蟲に襲われて墜落する。
ナウシカに救出された生存者の少女も亡くなったが、少女の遺言通り積荷は全て燃えたと思われたが、巨大な塊が残っており・・・。

 もちろん今までにも何回か観ているが、実は今まではあまり面白いとは思わなかった。
とにかく化夢宇留仁は「奇跡&予言成就」が大嫌いなのだ(笑)
で、今回はというと・・・なかなか面白かった。
 まず今回はあらためて力の入った手書きセル画の魅力を再認識させられた。
これは昨今のCGIを見慣れた目だからかえってそう思ったのだろう。そう考えてみればもはやここまで何もかも手書きのアニメーションというのは作られることはないだろうし、貴重な映像のような気さえしてくる。
相変わらず見せ場はとことん盛り上がるし。
ガンシップかっけ〜〜〜(笑)
 また今回はSF作品として考えてみる機会にもなった。
今まではそう思ったことは無かったのだが、考えてみればSFじゃないところが無かった(笑)
「火の七日間」によって巨大産業文明が崩壊してから千年後の地球・・・ということはだいたい西暦3500〜4000年頃かしら。
ラスト近くで出てくるペジテの壺みたいな飛行機械はどう見ても反重力だしな〜。
などと考えてみると、世界や設定も今までよりも面白く感じた。
 逆に今回観てイマイチだと気づいたこともあって、それは音楽だった。
まだそのへんもこなれてなかったんだろう、これ以降の作品と比べると音楽自体の出来も、使い方もイマイチに感じるところが多かったのだ。
特に例のランランララ・・とか、幼い女の子に歌わせるにしてはメロディーラインが変に複雑だったり、他にもなんだかアンバランスなところが目立った。
 念のためにもう一度書いておくが、今回は面白かった(笑)
「奇跡&予言成就」はやっぱり大嫌いだが(笑)、脚本も巨神兵を巡っての2国の動きと、それに翻弄される風の谷という展開はテンポも非常によくて完成度が高かったと思う。

20230325(mixi日記より)
20230403


アシモフの科学エッセイ2
地球から宇宙へ
アイザック・アシモフ著/山高昭訳

 化夢宇留仁は自分の記憶消去能力を過小評価していることはないと思っていたが、想像以上だということがわかった。
今年3月に読んで内容の感想を細かく書いた本書だが、2012年の同じく3月、つまり11年前に読んで同じく細かく感想をmixiに書き込んでいたのだ。
そこまでしているのに今年読んだときには前に読んだことを思い出しもしないという圧倒的なこの能力(汗)
ちうわけで11年前の3月20日の記述を緑色で追記する(汗)

 相変わらずのアシモフ節で、興味の向くままに色々な科学をおもしろおかしく紹介している。

第一部
1 ああ、東は西、西は東
 地球儀を眺めながら、アメリカで最北最南の場所、それに最西、最東の場所を探し出すが、子午線を基準にするとおかしなことになるのを指摘。
それぞれの国の中心から見るべきだという意見をごり押し(笑)している。

 本書はアシモフのエッセイにしてはそこそこ専門的な内容まで踏み込んでいるが、初っぱなのこの話はまさに承前という感じで息抜き感覚。
視点を変えて考えるいつものアシモフ思考はやっぱり楽しいが。

 アメリカ合衆国の東西南北それぞれの最端にある州は?
という問い掛けを発端に、地球儀を見ながら方角と距離における視点の変更を含めた様々な考察を行う。

 面白いがそもそも他の国を挟んだ先にある自国という概念が日本人的には奇妙すぎて、本題をちゃんと受け止めきれてなさそう(汗)

2 果てしなき水ー
 海に雨が降るという現象の空しさから、海の分析を行い、更には真水の分布状況などを考察する。
 海も面白いが、湖の面積体積ランキングが面白い。

おそらく太平洋戦争当時、軍艦に乗せられてサンフランシスコからハワイに向かう道中、海に雨が降っているのを見てバカ笑いをしたことから、七つの海が実は1つの海であること、そして水は多いが真水は少ないこと、そして湖の話。

 アシモフのエッセイでよくある主に既存のものをちょっと変わった視点でランキング表にして紹介する内容で、こういうタイプの話はオチが無いので終わったときにちょっとびっくりする(笑)

3 地球の上と下
 今度は世界中の山について考察する。
山の考察を続けると、なぜか話は深い海の底にもつながってゆく。

 海抜だけではなく、海底から、地球の中心からの高さを比べたりして、様々な結果が出てくるのが楽しい。

 1965年の時点ではアメリカ大陸で最高のビルはブルーデンシャル・タワー・・・という見方もできた。なぜならマンハッタン島は島であってアメリカ大陸に含まれないからだ・・・という見方もある。
その考え方をきっかけに、様々な最も高いところと最も低いところを紹介する。

 これも上と同じランキング表がメインだが、地球の中心からの高さでは地球の膨らみ方によって見たことのない表が出てくるのが興味深い。

4 地球の島
 お次は島の考察。
まずは島の定義から始まり、様々な島のランキングを紹介。最後には大陸自体もまとめて島になってしまう。

 相変わらず視点がころころ移り変わって楽しい。
ちなみに人口最大の島は、日本の「本州島」だそうな(笑)
人口最大の都市はやはり東京である。

前回の続きで、マンハッタン島が島だと言うのであれば、ボストンも島なのではないかという話から始まる。
いやいややはり川で仕切られているだけでは島とは言わないだろうということになるが、それを言い出すとそもそも大陸は全部島だよねとなって、いろいろな島の概念とそのランキングに続く。

いわゆる一般的な島の概念から言うと、最大の人口を抱える島は「本州」である(笑)

5 未来の時
 SF作家が未来を(結果的に)予言することの諸問題から始まり、SFの本来の意義とはなにかを考える。

 愚痴のような自慢のような自嘲のような、アシモフ独特の内容垂れ流しが楽しい。

 SF作家による未来の予言は如何なるものであるべきか。
それは機械や発明を予言するのではなく・・・。

 SF作家による未来の予言という概念自体が古びている(笑)

6 科学の貴族たち
 遺伝学の分野でノーベル賞をとったフランス人3人。
その情報を元に、博識をもって成るアシモフ博士がそれが誰かを考えるが外れ。
その悔しさをバネに(笑)、ノーベル賞受賞者を考察し、最後にはもっと様々な分野のノーベル賞を設定すべきだという意見を表明する。

 これは科学エッセイと呼んでいいのかどうか微妙だが、まあその周辺事情としては有りだろうか。
化夢宇留仁的には面白いのでなんでもかまわないのだが(笑)

 歴代ノーベル賞受賞者の分析。

 執筆当時である1965年の時点では日本人の名前は2人のみ。

第二部
7 感嘆符!
 アシモフ博士が独自の数学定理を見つけ出そうと苦労した話。

 この本の本番はこの第2部であるようだ。
アシモフにしては数字がいっぱい出てきてくらくらするが、アシモフなのでそれでもまあまあ楽しく読める。

 アシモフは数学に恋しているがつれない。
彼が数学的大発見をしたと思っても、それはすでに他の誰かが見つけているか、間違っているかのどちらかである。
しかしまだそのどちらとも決まっていない発見があるので、今のうちに発表してしまおうという趣旨。

 それが「アシモフの数列」で、それは例としてはある数の鐘を鳴らす順番の数はいくつあるかという概念を階乗などを駆使して表したものなのだが、残念ながら化夢宇留仁はアシモフ以上に数学の女神にそっぽを向かれているので完全に理解するには至らないのだった(汗)

8 実験室に死す
 フッ素の分解の研究において、様々な犠牲が払われたことと、分かってからは単純なことでもそれが見つかるまでは大変な苦労が強いられていることを紹介。
 色々な化学者が出てきては酷い目にあうのが、悪いけど面白い。
科学は時に日常の中に大きな危険をもたらす。

 弗化キセノンの発見があまりにも遅すぎるという批判に対しての、その道筋の間に何が起こったかを説明する。

 死にまくり(笑)
弗素が毒ということもよく知らなかった。
蛍石や砒素などとの関連も興味深く、とても面白い。

9 化学者は誰でしょう
 化学者を見分けるための簡単な質問と、その解説。
それはグラム分子量の説明となり、ロシュミット数の話となり、分子がいかに広大な空間に大量に存在するかを説き、さらに・・・・と続いて化学がバラバラの要素を暗記するものではなく、全てつながりがあるものだと説明する。

 もはや呪文じみてくるが、それでも面白く読めてしまうのは魔術っぽい(汗)

化学者を見分ける方法の提案と、それに続く「モル(mole)」の話。
それは「グラム分子量」であり、その分子の分子量(例えば水素ならH2で2、酸素ならO2でO1つの分子量が16なので32)で、それにgをつけたもの。
これをモルと言う。
そして水素1モル(2g)と酸素1モル(32g)に含まれる分子量は等しく、また体積はどちらも22.4リットルである。

・・・・・・・・・マジか(汗)
そして話は更にその先へ(汗)。

10 不確かさの確かさ
 不確定性原理の簡単な紹介。

 不確定性原理はその理論と、それが成立するまでの経緯も含めて興味深いので、やっぱり面白い。
内容的にはさっぱり理解できないが(笑)

不確定性の話。

不確定性を式にすると、なんだかπ(パイ)みたいな扱いになってわかったような気になる(笑)
しかし実際は化夢宇留仁は全然納得できていない。
観測不能であっても、その時の物体の速度と位置に正解自体はあるはずじゃないの???
そして絶対零度さえ否定され、さらには水素以外の原子は不確定性がなくては存在できない???

11 先生に見られないように
 読者の要望(強制?)により書かれた前章の続編。
陽子には強大な反発力があるのに、なぜくっついていられるのか?
その答えを求める者には不確定性原理の壁が立ちふさがるが、様々な仮説が提唱されて考察されてゆく。
しかし結果は、逆に不確定性原理を盾にして(先生に見られないようにして)パイオンの存在を認めることに。

 現在のパイオンの存在についての学説がどうなっているのかは知らないが、やはり不確定性原理がらみは面白い。

 前回が上記の衝撃的な一文であとに続くように終わっているのだが、アシモフはそうしておいて気が向くまで続きを書かないことが多いらしい。
しかし今回は「寛大ならざる読者」(笑)の投書によって、ただちに続きを書くことに(笑)
 原子核や陽子や電子が持っている回転(スピン)を考慮すると、水素以外の原子が存在できている理由がわからない。
そこで湯川秀樹が水素以外の分子をつなぎとめておくのに必要な粒子の特性を確定するも、それがなかなか検出されない。
やがて第一の中間子が発見されるも、空振りに終わり、第二の中間子が発見されてようやくその特性を満たす。
水素以外の原子が不確定性なしでは存在し得ないというのは、その第二の中間子(パイオン)の説明に不確定性が不可欠だからであった。

 ほとんどチンプンカンプン(笑)だが、とりあえず湯川秀樹はすごいということはわかった(笑)

12 ミュー大陸
 ムー大陸というしょうもないほら話よりも、ミュー大陸(中間子の1種ミューオンについての科学的考察の地平)の方が面白いぞ!という話(笑)

 確かに興味深い。
同時に科学というものが、いかにまだ解明できていないことが多いのかが伺えて面白い。

前回の話で出てきただけで終わった第一の中間子(ミューオン)の話・・・が中性子とニュートリノの話になって、最終的に全然わからないという結論に(笑)

読んでる化夢宇留仁も全然わからない(笑)

第三部
13 時間と潮汐
 なぜ1日に2回、満潮と干潮があるのか?
単純そうに見えて、説明しようとすると非常に困難なことが、その辺にいくらでもある一例。
またそれは月がなぜ自転していないのかの説明につながり、更には惑星や衛星の自転速度によってその天体の発祥の時期の測定まで話は進む。

 アシモフが苦労して説明してくれた内容で、化夢宇留仁の目からも鱗が落ちた。
センス・オブ・ワンダー。

なぜ満潮は月に2回あるのか?
満月のときはそれが見えている地表に月が近いので、当然満潮になるが、なぜ新月の時も満潮に?

聞かれてみるとさっぱりわからないが、解説されるとそりゃそうか、となるなぞなぞみたいな面白い問題。
そこから更に太陽の重力の影響がなぜ月のそれよりも小さいのか(月の重力の影響を1とするなら、太陽のそれは176だというのに)という問題も、これまたなぞなぞみたいなオチで楽しい。
そして月の自転が止まっている理由と、やがては地球の自転も止まるという結論に。
やはり宇宙テーマは面白いね。

14 ダモクレスの岩
 火星にクレーターが見つかったことにより、古き良きSFの多くが息の根を止められた(笑)
それを話の発端に、太陽系の近くをまわる様々な天体の運動法則と、巨大な隕石が地球に衝突する可能性を論じる。
ノアの洪水は隕石の衝突が原因だった?
 こんな話題が面白くないわけがない(笑)。
またこのエッセイが書かれた時点で1937年に見つかった小惑星ヘルメスが行方不明だったのだが、あとで調べてみたら2003年に66年ぶりに再発見されていたことが分かり、最新宇宙科学は過去から現在にかけて継続していることを実感できて楽しかった。

 1962年に金星の表面が水の沸点よりもはるかに高温だと証明し、金星の沼地はSF世界から消滅した。
更には火星にクレーターが発見され、火星人の生存まで危ぶまれることに(笑)
そこから隕石の話になる。

 明日にも隕石によって都市1つが消滅する事故が起きるかもしれない。
またはもっと高い確率で、隕石が海に落下した影響で沿岸の都市が全て消滅するかもしれない。
これ単なる事実(笑)

15 天界の調和
 色々な衛星や惑星の公転周期を紹介し、その法則も説明。
脱出速度にも触れ、楕円軌道の構造も解説。

 数式が山ほど出てきて知恵熱が出そうになるが、テーマがテーマなのでやぱり楽しい。
しかし結局公転半径が大きければ大きいほど公転速度が遅いのがなぜかは理解できなかった(汗)

「ケプラーの調和率」によって、惑星の公転周期と太陽からの距離に相関性が認められた。つまりどちらかがわかれば片方の数値もわかるのだ。
更にはそれぞれの質量がわかれば、太陽と惑星以外(例えば地球と月とか、他の惑星と衛星も)にも適用でき、その式を組み替えると公転周期と距離と片方の質量がわかれば、もう片方の質量もわかるということに。

ということで地球の質量がわかったら太陽系のほとんどの惑星やら衛星やらの質量もわかってしまうという魔法のようなお話。
面白い♪

16 クシャーッ!
  物質の密度を変える方法として、速度を増すことと超圧力をかけることを紹介し、後者について色々な可能性を紹介。
それは太陽、白色矮星、中性子星へとつながってゆく。

 最大の密度を持つ物質オスミウムという存在を知っただけでも収穫だが、その後の展開も実に興味深くて面白かった。
考察の弱いSFだとあっという間にブラックホールが出現するが、そこに至るまでの過程をもっと表現してほしくなる。

 現存する最も密度の高い物質はオスミウムで、1cm3あたりの重さは22.5g。
圧力を上げてもっと密度を高めてみる。
更にはこの世界で最も密度の高いものはといえば、それは中性子星ということに。

 最近読んだニーヴンの「中性子星」が思い出される。
なんかでもオスミウムの1cm3あたり22.5gって大したことないように感じるんだけど・・・。

17 陽子で数える
 アルキメデスが普通では表現できない膨大な数の説明に、世界中の砂粒の数から宇宙の広さを考察したことに倣い、アシモフが当時の最小単位である砂粒に変わって陽子の数を考察し、同じように宇宙の広さにつなげてゆく。

 目の付け所が面白いが、更に宇宙の膨張によって離れていればいるほど遠ざかってゆく速度が増し、計算上光速を越えるところにくると観測は完全に不可能で、それをふまえると離れた宇宙では2次元レベルまで薄っぺらくなった無限の宇宙が広がっているというアシモフの考察(というか希望)がまた興味深かった。
速度の超過によって観測不可能なものは存在できないというあたりは不確定性原理にも通じるイメージを受ける。

 アシモフのエッセイの中では、数式とか表が多くて完全初心者にはちょっときびしいかもしれない内容だが、その分踏み込みも深くてとても面白かった。
言ってることはほとんどわけが分からないが(笑)

 そうそう。
この本は古本なのだが、本の中に1960年代(50年代?)に撮ったとおぼしいモノクロの写真がはさまっていたので、栞として使っていた。
それにしても中央に写っている渋いスーツにカメラを持った8・2分けのおじさんがかっこいい。
背景には城がちらりと写っており、子供がそのおじさんを見ている。
実に味のある写真だが、どなたか心当たりのある方はお返ししますので連絡ください(笑)

 アルキメデスが砂粒の数で世界を表そうとしたのに敬意を評し、アシモフはこの世で最も小さいと思われるもの「陽子」で、最も大きいと思われるもの「宇宙」を表してみる。

「観測可能な宇宙」という概念が出てくるが、これまたなんだか納得がいかない(笑)
要するに宇宙の膨張速度が遠くになればなるほど加速するのでそれが光速に達してしまうと光がこっちに届かないので観測不能で存在しないのと同じということなのだが、存在はしてるやろ!と思った(笑)

ちうわけで前巻に続いてなかなか難解な本だった。
しかしこういう難解な内容をなんとか化夢宇留仁でも面白く読めるように仕上げてくるのがアシモフの他にはない能力の1つなのは間違いない。

ところでモノクロの画像はこの本を中古で入手したら挟まっていた写真である(笑)
超かっけー(笑)
多分昭和40年頃の写真だと思うが、元の持ち主のお父さんだろうか???
すごく素敵なおまけだった♪

20230327(mixi日記より)
20230407
20230907追記


ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
マイケル・ドハティ監督

 サンフランシスコの悲劇から5年。
中国雲南省のモナーク第61前哨基地ではモスラの幼虫が孵化したが暴れだし、エマ・ラッセル博士が怪獣と交信する装置オルカを使用して鎮めることに成功するが、そこに突如襲撃があり、エマと娘のマディソンは誘拐され、オルカも持ち去られる。
それを聞いたエマの元夫であるマークはオルカの追跡に協力することに。
一方5年ぶりにゴジラが姿を現すが、その行き先の南極のモナーク基地ではモンスター・ゼロことキングギドラが目覚めようとしていた・・・。

 すっかり観た気になっていて次のゴジラvsコングを先に観てしまったので、取り急ぎ本作も観てみた。
結果vsコングよりはずいぶんマシで、まあまあ面白かった。
登場人物もまだしも一応人間のような行動をとってるし(笑)
いやしかし「ママ」は常軌を逸しすぎてたな(笑)
 見せ場は勿論様々な怪獣大暴れシーンなのだが、ギドラはもちろんいい感じだが、大元の映画を大いに参考にしたと思われるラドンの見せ場が超かっこよかった。
ちうかやっぱ大元ラドンはすごかったんだなあ。
 脚本はやっぱりハチャメチャなのだが(笑)、それでもvsコングと比べればそこそこに思えたので、この映画を楽しむコツは先にvsコングを観ることかもしれない(笑)

20230328(mixi日記より)
20230411


銀河辺境シリーズ外伝3
暗黒星雲突破!
A・バートラム・チャンドラー著/関口幸男訳

 怪しいとわかっていてもスミス氏の依頼を受けざるを得なかったワンダラー号の一行は、24人のイラリア人を母星に送り届ける仕事を開始するが、予想通り襲撃に遭い、馬頭星雲の中へ。
そこは予想もできないところにつながっていた・・・。

 前巻「銀河傭兵部隊」の直接の続編となっており、ちうかそもそも前巻の原書が書かれたのが1965年で、本書は「銀河辺境への道」と同じ1967年に書かれているので、むしろ「銀河辺境シリーズ」の本編はこちらということになるが、こっちにはそれらしいシリーズ名は無いらしい。そもそも原書にはシリーズ名というのが無かったのかしら???
 それはまあいいとして(笑)、本書は残念ながら前巻に出てきた鳥型異星人のように面白い異星人が出てくるわけでもなく、展開もこれといって盛り上がらず、目新しいアイデアがあるわけでもなく、ちょっとしょんぼりな感じだった。
ただし注目ポイントはあって、実はグライムズが登場するのだ。
しかしそれがパラレルワールドで時間も未来・・・らしいという微妙な感じで、しかも重力発生装置の描写など、食い違うところも多くてどう受け止めればいいのかよくわからない(汗)
そしてグライムズの奥さんの名前も判明した。
ソニア・ヴェリルさんというらしい。
聞いたことない名前だ(笑)

20230330(mixi日記より)
20230414


ウルトラQ 第1話 ゴメスを倒せ!
円谷一監督

 
を観た。昨日。
 東京と大阪を結ぶ弾丸道路のトンネル工事現場で、ブルドーザーでトンネル内を掘っていた作業員が天然の大洞窟を発見し、その奥に巨大な怪物が動いているのを目撃した。
毎日新報社でそれを聞いた毎日新報カメラマン江戸川由利子は星川航空のパイロット万城目淳と助手の戸川一平と共に現場に向かう。
現場では謎の岩石も発見されており、古代生物の知識が豊富な少年ジローとともにそれを調べているとトンネルの中から不気味な物音が。
万丈目と由利子はトンネルの洞窟の中へ入ってみることに・・・。

 
 リトラが可愛い(笑)
流石に力が入っていて、ミニチュアセットとかも手が込んでいる。
しかしこれまた流石に古いので脚本と演出がすごく未熟。
ゴメスも造形はともかく演技がしょぼい。
洞窟で発見された岩石の記憶を辿って、離れた場所で古代の記録が見つかる過程はミステリアスで魅力的。
リトラは可愛い(笑)
そして一番可愛いのはもちろん由利子ちゃん(笑)

20230331(mixi日記より)
20230418


無敵鋼人ダイターン3 第9〜10話
富野由悠季監督

第9話 おかしな追跡者
 

 メガノイドの基地から脱走する若い女性。
珍しく客船で船旅を楽しんでいる万丈、ビューティー、レイカの前に美しい女性が現れ、万丈に1年ぶりだと馴れ馴れしい態度を示すが、直後に現れたフランケンシュタインのような男がその女性「マリア」を返せと言って暴れだし・・・。

 
 これまでメガノイドを滅ぼすことに集中するあまり女性に興味がないかのような態度だった万丈のキャラクターが一変し、デレデレモードに(笑)
万丈を頼るマリア、追いかけるコマンダー・フランケンを妨害する万丈という展開が繰り返されるが、フランケンのキャラクターはほとんど007のジョーズのそれで、とにかく丈夫なのでなにをされても生きているのが楽しい。
また3人の乗った客船が沈没したというニュースが流れているのにチェスに興じるトッポとギャルソン、あまつさえ万丈からの救援要請さえチェスを優先して電話を切ってしまうなど、酷すぎて面白い(笑)
ちうかこういうのこそダイターン3の持ち味だと思う。
オチも綺麗に決まってとても面白いエピソード。

第10話 最後のスポットライト
 
 人気絶頂のカンフーアクションスターのウォン・ローが実際に殺人を犯している映像を映画に使っていると突き止めたギャルソン。
一方ビューティー、レイカ、トッポの3人はウォン・ローの撮影現場に見学に来ており・・・。

 
 ほぼ全編戦闘シーン。
とにかく映画にこだわったコマンダーという設定は面白いが、ちょっと掘り下げが甘い。
まあダイターン3という枠内でやるのはこのくらいが限界か。
心配だったのはかっこよかったウォン・ローがメガボーグになると見る影も無い有様(ハゲのおっさん)になるのを観たファンの心情(笑)

20230401(mixi日記より)
20230423


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