白牙の肖像
マイクル・ムアコック著/健部伸明訳/ナイトランド・クォータリー vol.30

 メルニボネを滅ぼしたエルリックは、辺境の芸術の街セレド・エーマに逗留し、無気力な日々を送っていた。
そこに話しかけてきたのはベールで顔を隠した女性で、彼女はエルリックに頼み事があるので家まで来てほしいと誘い・・・。

 女の頼み事を彼女の家で叶えるだけの掌編。
その頼みもエルリックに能動的になにかをしてほしいというものではなく、非常に内省的なもので、オチもあるような、ないような。
しかしこういう話もたまにはさまるとその世界に厚みが出るので、化夢宇留仁はけっこう好き。

20240720(mixi日記より)
20240720


鼠と竜のゲーム
コードウェイナー・スミス著/伊藤典夫・浅倉久志訳

 人類補完機構シリーズの短編集。
スキャナーに生きがいはない
 マーテルは通常なら苦痛のあまり死んでしまう「空のむこう」でも生き残ることができるヘイバーマンと同じ身体構造で、更には航海中意識を保ったまま全てのコントロールを行うスキャナーだった。
スキャナーは視界以外の感覚を脳から遮断しており、クランチの効果が続いているときのみ従来の感覚を楽しむことができる。
クランチ中だったマーテルは緊急呼び出しを受けてスキャナーの集会に行くが、そこではスキャナーの存在を脅かす発明が行われたことが議論され・・・。

 いきなりなんだかよくわからない(汗)
なにが起こっているのかはわかるのだが、それによって何を伝えようとしているのかがわからない。
内容の割にオチが人間臭すぎるからだろうか。

星の海に魂の帆をかけた女
 光子帆船に冷凍睡眠した多数の乗客を乗せ、地球にやってきた植民者のパイロットであるミスター・グレイ・ノー・モアは、1人だけ航海中一睡もせず意識を保ったままだった。
一方地球でスキャンダラスな母親から生まれた天才少女のヘレン・アメリカは、自分の居場所を探していた・・・。

 なかなか感動的な物語だが、感情移入させるような構造ではなく、なんとなく神話を読んでいるようなイメージ。
ちうか「空のむこう」の苦痛はどうなった?

鼠と竜のゲーム
 昔と比べて恒星間旅行は気楽になったが、宇宙にはおそるべき敵が存在していた。
それは人間がテレパシーを介して見ると竜のような姿をしており、遭遇した宇宙船の乗員を発狂させる。
竜に対処するために宇宙船にはピンライターと呼ばれるテレパスと、人間よりも遥かに反応速度の速いある動物がパートナーとして乗り込んでいた。
その動物からすれば、竜は鼠だった・・・。

 なんだかタイトルが納得いかない。
それはさておき、この話はなんだか「トップをねらえ2!」みたいな雰囲気で、読みやすかった。
しかしほんとに「現場」での状況のみなので、他の話との違和感が強い。

燃える脳
 伝説のゴー・キャプテンであるマーニョ・タリアーノは魔女のような妻を連れていた。彼女はかつては最も美しい女性の1人だったが、外見以外に自分の価値があると信じて若返り処置をしなかったのだ。
他にマーニョの姪であるディータをはじめとした多くの乗客を乗せた最新型の客船は宇宙に旅立つが、信じられないような不手際によって宇宙の迷子となってしまい・・・。

 不手際がいろいろな意味で酷すぎて頭を抱えたのち、いきなりのオチに目が点になる。
ちなみにマーニョの妻ドロレス・オーは日本人の末裔ということになっている。

スズダル中佐の犯罪と栄光
 たった1人で銀河系の果ての探検任務に向かったスズダル中佐が遭遇するおそるべき敵と、それに対処するために中佐のとった神をも恐れぬ所業。

 ものすごく気軽に発生する文明(笑)
ちうかこの世界は時間旅行も可能なのか。
そして著者はすごく猫が好き(笑)
そして敵の設定が恐ろしすぎる。

黄金の船が- おお!おお!おお!
 ラウムソッグの艦隊が地球に向かい、地球は超巨大な黄金の船で立ち向かうが・・・。

 要するに全て人類補完機構の隠蔽工作だったわけで、ちょっと「銀河帝国の興亡」を思わせる展開だが、登場人物の説明が足りていないので展開がつかみにくかった。

ママ・ヒットンのかわゆいキットンたち
 ベンジャコミン・ボザートは盗賊ギルド世界ヴィオラ・シデレアで最も腕のたつ盗賊だった。
彼は長い時間をかけてオールド・ノース・オーストラリアに潜伏し、そこの防御システムの謎を解こうとしていた。
しかしその動きはある些細なことから看過され・・・。

 なかなか雰囲気が面白いが、今の感覚で見るとその動きは確かに無防備過ぎる。ちうか今のそのような状況を予見していたと思えば逆にすごいことでもあるが。
そして件の防御システムだが・・・なんだか納得がいかない(汗)
あれだといきなり突入されたら手も足も出ないし、調査されるのが前提なら普通に対空ミサイルでも撃てば片付く(汗)

アルファ・ラルファ大通り
 それまでの完全管理体制は見直され、人生に不測の事態が取り戻された。
フランス人になった「わたし」と、同じくフランス人になりヴィルジニーという名前になったメネリマは恋人同士となり、再現されたパリ風世界をうろつくが、世界にはまだまだ再構築されていない箇所も多く、やがて彼らは運命に導かれるように空にそびえるアルファ・ラルファ大通りへ向かう・・・。

 全然わからん(汗)

 ちうわけで初めて読んだ人類補完機構シリーズだが、頭の中にクエスチョンマークが飛びまくった。
冒頭に長々とシリーズの解説が載っており、それによると本書は期間にして1万5000年にもわたる歴史の一部である。なのでもちろん作品間の時間経過も数千年に及び、その関連は希薄になっている。しかし人類補完機構という存在は最初から最後まで登場しているので、普通ならその存在を骨子とした物語が展開するところだが、その人類補完機構自体も人類を生き延びさせるという目的以外は時代によって方針ややり方も大きく変化しており、話によっては名前がちらりと出てくるだけだったりもして、意志というものを感じない。
そもそも本書は連作短編というわけでもなく、バラバラに発表されたものを作中の時間軸に沿って並び替えて収録しているものなので、作品間に渡るテーマ性を加味するのは読者的には優しすぎるとも思える。
 上でもちらりと書いたが、全体的に神話の抜粋を読むような感覚で挑むべきシリーズなのかもしれない。
しかしその割には猫への偏愛とか、ちょっと作者の趣味が出すぎているところも目立つんだよな・・・。

20240720(mixi日記より)
20240721


無敵鋼人ダイターン3
第21話 音楽は万丈を征す
富野善之監督

 
 山中を車で進んでいた若者たちは、音楽を奏でる不思議な浮遊する船に遭遇し、操られるようにそのあとについていった。
 コマンダー・ラディックはコロスに確保した人間の数を報告するとともに、音楽を贈った。コロスは任務以外のことを考えないように諭すが、ラディックは聞く耳を持たない。
 行方不明事件が多発する山の捜査に乗り出す万丈たちは、謎の船と遭遇し・・・。

 
 作曲家であるコマンダー、万丈の冷たさ、戦闘シーンと、なにもかもが中途半端で中身のないエピソード。
ラディックの声優が池田秀一なので、万丈の鈴置洋孝との対決が変に盛り上がるが(笑)、それ以外はほんとにどうしようもない(汗)

20240721(mixi日記より)
20240722


なんちゃって家族
ローソン・マーシャル・サーバー監督

を観た。2014年10月18日。
 しょぼい麻薬密売人デヴィッドは、強盗にマリファナと金を奪われ、その穴を埋めるためにメキシコから麻薬を運ぶことになる。
家族旅行に見せかけて国境を越えることを思いついたデヴィットは、元ストリッパーのローズ、青年ケニー、ホームレスの少女ケイシーを誘ってキャンピングカーで出発する。
しかし少量と聞いていた麻薬はとてつもない量があり、キャンピングカーのあらゆるところに詰め込んでようやく収まったものの、実は他の組織の所有するもので、一行は知らぬ間に追われる身に。
しかも道中知り合った他の家族旅行のキャンピングカーのお父さんは麻薬調査官で・・・。

 まあまあ。ちょっとブラック効かせた普通のコメディ。
最初は利害だけの関係だったのが、少しずつ絆ができてきて・・・・というあまりにも定番な流れだが、麻薬に関わる描写はさすがに他のコメディとは少々風合いが異なる。
メキシコから麻薬でパンパンのキャンピングカーで移動というのは画的にも面白かった。
また変に仲良くなる別の家族旅行の夫婦の変態ぶりも少々目新しかった要素か(笑)?
 少し前にアメリカのドラマの「フレンズ」をちょこちょこっと観たのだが、その中でお金持ちのねーちゃんを演じていた女優が、こっちでは元ストリッパー役というのが人生の厳しさを感じた(笑)
とりあえずケイシー役の子が可愛い(笑)

20141221(mixi日記より)
20240723


クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア
マイケル・ライマー監督

を観た。2014年6月7日。
 100年の眠りについていたレスタトは、ロックに触発され覚醒し、瞬く間に世界中を魅了するロック・スターに。
しかし一族の秘密を暴露し挑発したため、他のヴァンパイアから不興をかう。
一方、超常現象を研究するジェシーはレスタトの日記を発見し、レスタトがマリウスによってヴァンパイアにされた経緯やヴァンパイアとして生きることの拭い去れない孤独と苦悩を知る。
そのころ全てのヴァンパイアの母にして「呪われし者の女王」と恐れられるアカーシャが復活し、レスタトを探していた・・・。

 原作は「インタビュー・ウィズ・バンパイア」と同じシリーズだが、映画の方は権利関係やらお金の問題やらあったのか知らないが、どうも全然違う系列で作られている感じ。
とりあえず「インタビュー〜」と比べると全体的に安っぽい(笑)
今回の目玉は表題通りバンパイアのお姫様の復活で、最も古く、最も強力なバンパイアのお姫様なので、ほとんどスーパーサイヤ人並に強い(笑)
キャストも飛行機事故で死んじゃったアリーヤが幼いけど色っぽくて危険なムードが合っていていい感じで、存在感があった。
しかしそれ以外はやっぱり全体的に安っぽく、残念な感じ。
特に最後の対決シーンは目を覆いたくなる出来(汗)
残念だ〜〜〜(笑)

20141221(mixi日記より)
20240724


剣客商売九 待ち伏せ
池波正太郎著

待ち伏せ
 夜道を歩く大治郎が猿子橋にさしかかったとき、突然2人の曲者に襲われる。
2人は敵討ちをしようとしていたようだが、大治郎の顔を見た途端、そそくさと逃げ出してしまった。どうやら人違いだったらしい。
気になった大治郎は翌日自分のたどった道筋を歩いてみて、自分とよく似た背格好の男を見つけ・・・。

 意外に奥行きのある話で、最後は自然な流れで身近な存在に絡めてくるところなど、ミステリーのような趣も。
ラストは切ないものがある。
 この話の化夢宇留仁にとってのハイライトは鰻売りの又六の母親が大治郎にごちそうした「ぶっかけ」で、あの大治郎が正気を無くして4杯もたいらげてしまうという破壊力(笑)

小さな茄子二つ
 ひさしぶりに江戸に出てきた落合孫六だったが、夜道で曲者に襲われ、弟のために借りてきた100両の大金を奪われてしまう。
小兵衛は泣きついてきた孫六をしかりつけるが、100両を立て替えてやる。
小兵衛は孫六が襲われたのは偶然ではないと考えていた・・・。

 成り行きでいい思いをする傘徳(笑)
ちなみに落合孫六は剣客商売四の「雷神」に出てきた元小兵衛の弟子である。

或る日の小兵衛
 神無月の寒い夜、手水に起きた小兵衛は幽霊のようなものを見る。それはかつて小兵衛が童貞を捧げたおきねだった。
翌日小兵衛はおきねを探し出そうと出かけるが、なぜか様々な事件に巻き込まれ・・・。

 混沌としすぎていて夢幻紳士を思い出した(笑)
しかもオチが・・・その人違いはありなのか(笑)?

秘密
 大治郎が浪人3人を刀も抜かずにあしらったのを見て、宮部平八郎という男が頼み事をしてきた。なんと50両で人を斬ってほしいという。しかしそんな平八郎はそんなことを言い出すような男には見えず、興味を持った大治郎は引き受けると言うが・・・。

 なんだかこの本は過去の悲劇を発端にした切ない話が多い。
そして新蕎麦を打つおはるが可愛い(笑)

討たれ庄三郎
 小兵衛とは鬼熊酒屋で顔なじみだった黒田庄三郎という男が訪ねてきて、小兵衛に果たし合いの見届人になってほしいと言い出した。
事の次第を聞いて引き受けることにしたが、果たし合いは残念な結果に・・・。

 これまた切ない果たし合い。
黒兵衛がまた出てきてくれると嬉しい(笑)

冬木立
 3年前の雨の日に優しくいたわってくれた少女のことを思い出し、小兵衛はその飯屋に行ってみるが、そこに当時の面影はなく、薄汚れた人相の良くない男たちのたまり場になっていた。しかしそこに当時の少女がいるのに気付いた小兵衛は彼女を苦境から救い出そうとするが・・・。

 これまた実に切ない。このとき正太郎くんは切ない話ブームだったらしい(笑)

剣の命脈
 死病の床にある志村又四郎が思い残すことは、かつて試合で打ち負かされた秋山大治郎と真剣で果たし合いをするというものだった。
最後の力を振り絞って大治郎のところへ向かうと力がみなぎってきたが、その先には皮肉な運命が待ち構えていた・・・。

 偶然のすれ違いの強調が多く、めぞん一刻を思い出した(笑)
そしておはるの「そんなら明日、三冬さんをうちへ連れて来ていおくから、久しぶりに、みんなで何かうめえものを食べましょう」という台詞が一番印象に残った(笑)

 ちうわけで、巻を追うごとに物語とは直接関わることがほぼ無いおはるの存在感が増してきているように感じる化夢宇留仁なのだった。
剣客商売世界を成立させているのはおはるの存在だと思う(笑)

20240726(mixi日記より)
20240726


イレイザー
チャック・ラッセル監督

を観た。2014年6月19日。
「イレイザー」ことジョン・クルーガー連邦保安官は、重大事件に関わる証人保護プログラムを実行する凄腕のエージェント。
家を暴漢に襲われていた証人夫婦を助け出した彼の次の任務は、大手軍事企業サイレス社の社長秘書だったリー・カレンの保護だった。
彼女の家が敵に襲撃されているところを救い出し、彼しか知らない場所に身柄を預ける。
一方で証人保護プログラム下の証人たちが次々に殺されていき、不安を感じたクルーガーは恩師のドゥゲランと一緒に、隠れ家に保護されている証人の救出に向かう。しかし実はドゥゲランが裏切り者で・・・。

 シュワルツェネガー主演のアクション映画。
そう言ってしまえば全ての説明が終わったようなものだが(笑)、もう少し続ける。
映画の前半(上記のあらすじ部分)こそ少しは頭を使ったストーリーが展開するが、その後ジェット機からの脱出あたりからシュワちゃん節炸裂(笑)
スーパーヒーローぶりを遺憾なく発揮する。
久しぶりに観ると、超能力のない(ことになっている/笑)ヒーローが荒唐無稽なアクションを繰り広げるのは爽快感があり、やはり面白い。
またそんなヒーローを演じることができる役者が出てくれば面白いのだが。
とりあえず悪くない佳作。

20141224(mixi日記より)
20240726


ウルトラQ
第13話 ガラダマ

 
円谷一監督。
 群馬県の頻繁に隕石が落ちる地域では、隕石のことをガラダマと呼んでいた。
少年たちが発見した異常に軽い隕石。
一方その地域では異常な電波障害が発生していた・・・。

 
 前半は自然な感じの脚本と演出で見やすい。
しかしガラモンが現れてからは、そのあまりにも特異な形状と動きで、なにもかもが混沌にぶち込まれる(汗)
いったい宇宙人はあんなものを送り込んでどうやって地球を侵略しようと思っていたのだろうか・・・(汗)
そして結局我らが由利子ちゃんの機転であまりにもあっさり解決するのもすごい(笑)。
 途中で出てくるダム見物をしていた女性2人のシーンがなかなか味わい深く、特に遊覧船から沈んだ村の様子を見るカットが魅力的。
その後ガラモンの隕石の衝撃でふっとばされる船だが、その後の女性2人の様子は描かれるも、船のキャプテンは一切出てこず生死さえ語られないのが切ない(笑)
 それにしてもガラモンを遠景で捉えたカットのセットの凄まじさよ。
どこまでがセットでどこまでがマットペイントなんだろうか???

第14話 東京氷河期

 
 真夏のある日、羽田空港に着陸しようとした旅客機が滑走路上で空中静止したかと思うと火を吹いて墜落した。その直後から空港は氷漬けとなり、やがては東京中に異常な寒波が。
寒波を取材していた由利子は、行方不明の父親を探す少年と出会う。
一方星川航空の飛行機のパイロット席で酔っ払って眠っている男が見つかり・・・。

 
 冒頭見覚えのある黒煙が映ったと思ったら「第5話 ペギラが来た!」の続編と言える内容だった。
やはりあれがペギラなのか。
それにしても黒煙に姿を変えて高速移動し、冷凍ガスを吐き、反重力まで発生させるとは、このペギラというやつは数ある怪獣の中でもなかなか異常な能力を持っていて、とてもじゃないが地球産とは思えないな。
 少年の父親は元零戦パイロットという設定は、まだまだ当時は戦後感が残っていたんだと感慨深い。
その少年の脱出シーンでは、横たわった少年の足元からどんどん雪に覆われた地面が崩れていくという、撮影状況を考えるとものすごい凝ったセットを組んでいてびっくりした。
 しかし致命的な問題点が。
化夢宇留仁はペギミンHと言われると、エロマンガしか思い浮かばないのだ(汗)

20240728(mixi日記より)
20240728


ゴースト・エージェント R.I.P.D.
ロベルト・シュヴェンケ監督

を観た。2014年6月17日。
 恋人と幸せな生活を送っていた警官ニック・ウォーカーはある日、潜入捜査の最中に同僚の裏切りによって殉職してしまう。
しかし生前での実績を買われ、R.I.P.D.という組織に配属される。
それは成仏できない死者を逮捕し、あの世へ送り返すという任務を執行する、警察のような組織だった。
ニックは1800年代からメンバーとして活動している生前はガンマンだったロイ・パルシファーとコンビを組み、人間界の平和を守るべく悪霊達と戦うことに・・・。

 しょうもないB級映画だが、観るべきところがないでもない。
アイデアが面白いのは、生者にはエージェントの姿は全く異なる人物に見えるというところ。
主人公のニックは薄汚い中国人の老人に見え、相棒のロイはほんとうは髭面のじじいなのだが、ナイスバデイの美女に見える(笑)
このアイデアだけでとりあえず最後まで観られる(笑)
ストーリーはとりたてて珍しいものでもなく、最後の山場もそんな大したものではない。
やはり上記のアイデア一発勝負という感じ。
悪くはない。

20141224(mixi日記より)
20240730


俗物図鑑
筒井康隆著/新潮文庫

を読んだ。2014年11月27日。
 接待をさせたら右に出る者が無く、大口の契約をとってくるので会社でも一目おかれている雷門リョウ介は、あまりにも家をほったらかしにしていたので息子に家から叩き出され、元社長の情婦とアパートを借りて住みはじめる。
同時に彼の周りには様々な奇妙な趣味を持った人間が集まりだし、やがて世間に認められない趣味を持つ評論家集団「梁山泊」として活動を始める。
彼らは世間の話題を集め、人気者となるが、飽きられてきた頃、最後の大事件を・・・。

 中学の頃よく読んでいた筒井だが、最近本の整理をしたらダンボールから大量に出てきたので、ぼんやりと面白かった記憶のある本作を読んでみた。
結果としては、あまりにも執筆当時の世俗臭がきついのと、あまりにも筒井節全開なのに圧倒されはしたが、なかなか楽しめた。
本作の白眉はなんと言っても集まってくる奇人変人の描写で、上では上品に「奇妙な趣味を持った人間」などと書いたが、実際には「贈答品評論家」「接待評論家」まではいいとして、「ゲロ評論家」「盗聴評論家」「横領評論家」「放火評論家」「皮膚病評論家」「麻薬評論家」「月経評論家」「たん壺評論家」「カンニング評論家」「自殺評論家」「墜落評論家」と犯罪そのものな上に汚すぎるのが並び、彼らが趣味の説明をしているところなど、特にたん壺評論家のそれなどはマジで吐きそうになる(汗)
まさに筒井節全開(汗)
最後になだれ込んでゆく破滅にしても、なぜそこまでするのか、繰状態のなせる技としか言いようがなく、それもあえてそのように描いているのが筒井らしい。
 それにしても前々から思っていたのだが、筒井ってSF作家かな???

20150105(mixi日記より)
20240731


デンジャラス・ビューティー
ドナルド・ペトリ監督

を観た。2014年4月26日。
 グレイシー・ハートは色気ゼロのFBI捜査官。
ミス・アメリカ・コンテストに連続爆弾魔から爆破予告が届き、彼女がミス候補として潜入することに。
彼女の教育には、過去に何度も優勝者を輩出している美容コンサルタントであるヴィクター・メリングを雇う。
彼のおかげで見事ミス・ニュージャージーに生まれ変わったグレイシーはミスコンの候補者たちと合流。早速捜査を開始するが・・・。

 今や無重力でのサスペンスで有名な(笑)、サンドラ・ブロックちゃんの出世作の1つ。
ごつい顔で可愛いという条件では右に出るもののいないサンドラちゃん(笑)なので、こういう設定はまさに当たり役。
とりあえずは安心して観られるコメディに仕上がっている。
ただしどこもかしこもクリーンヒットではなくてチップ気味と言うか、それぞれのシーンの意図が全くではないにしろ、完全には伝わってこず、消化不良な感じがするのは残念。この辺は脚本、演出ともにもう少しがんばってほしいところだった。
 化夢宇留仁的にはやはりウィリアム・シャトナーのエロおやじっぷりが堂に入っていて、むしろカーク船長よりも当たり役と思えるのがなんとも切ないところだった(笑)
まあとりあえず大した映画ではない(笑)

20150107(mixi日記より)
20240801


デスパレートな妻たち シーズン7

を観た。2014年3月頃。
 マイクを巡るキャサリンとの泥沼劇も一件落着したが、今度はマイクが多額の負債を抱えていることが発覚する。
夫婦は借金返済のために自宅を借家として貸し出し、自分たちはM.J.を連れて小さなアパートへ引っ越すことに。
スーザンは家計を助けるためにアルバイトを探し、見つけたのは怪しいウェブで公開されるお掃除ムービーの仕事で・・・。
 ガブリエルは夫カルロスの母親を轢き殺した犯人が親友ブリーの息子アンドリューであることを知ってしまうが、カルロスの怒りを恐れて黙っておくことに。
一方、カルロスは長女ホアニータの出生に関わる衝撃的な事実を病院から聞かされ・・・。
 長年抱えてきた息子アンドリューの秘密をガブリエルに告白したブリー。
離婚した夫オーソンが早くも恋人と同棲していることを知り、孤独にさいなまれているところで自宅に出入りする15歳年下のハンサムな改装業者キースに惹かれていき・・・。
 リネットは、無事に生まれた5番目の末っ子ペイジの子育てでばたばたしていた。トムは新たな仕事に意欲を出していたが、それがリネットとの関係にひびを入れていた・・・。
 ウィステリア通りの新たな住人となったリネットの親友レネ。
さらに殺人容疑で服役していたポール・ヤングが舞い戻ってくる・・・。

 相変わらずのドロドロ展開てんこ盛りで、それも大事件レベルのものが重なりまくっているので追う方もなかなか大変。
もちろん作っている方はそれどころではない大変さだろうけど。
全員キャラクターは立ちきっているので、あとはそのキャラに適当に動いていてもらえばなんとかなりそうなところを、あくまで新たな要素をぶち込んで視聴者をだれさせないのはまさにプロの仕事で頭が下がる。
それにしてももう少しのんびりしてもいいような気もするが(笑)
 このシーズン最後のエピソードでまた大事件が勃発。次のシーズンにくら〜〜〜〜い影を落とすのだが、これまでの展開を考えれば、あれくらいのことであそこまで暗くならなくても・・・とも思う(笑)

20150107(mixi日記より)
20240802


ペリイ・メイソン 怪しい花婿
E・S・ガードナー著/田中融二訳

を読んだ。8月4日。沖縄のホテルにて。
 夜。ペリイが仕事に疲れて事務所でうとうとしていると、突然事務所の窓に女の脚が。
非常階段から窓の方へ来たらしい。気がついたペリイはその女が拳銃を隠したのを見逃さなかった。
女は1つ上の階のガーヴィン鉱物資源調査開発会社の秘書のバージニア・コルファックスと名乗った。
ペリイは更に事情を聞き出そうとするが、うまく逃げられてしまう。
 翌日ペリイのところに昨夜聞いた社名の人間が依頼に来るが、意外なことに昨夜の出来事とは全く関係が無さそうな内容だった。ガーヴィンは最近若く魅力的な女性と結婚したのだが、前の妻との離婚が成立していないかもしれないというのだ・・・。

 序盤から前半にかけて、日本では馴染みの薄い国境が接したところでの結婚と離婚の法律的な差異が大きく影響するところが非常に面白い。またこのへんではペリイの弁護士ならではと思える活躍も痛快。
またガーヴィンのやっている事業がなかなか複雑な資産転がし的なもので、これはこれでまた興味深く面白かった。
そして物語は殺人事件が起こることで急展開を見せる。しかも展開的にものすごく意外な人物が殺されるので、化夢宇留仁的にはこのあたりで脳みその容量オーバー(汗)
その後裁判を経て真相が語られるのだが、その真相を全く予想もできなかったのはいつもの通り(汗)だが、化夢宇留仁の読み込みが足らないのか犯人の動機がさっぱりわからなかった(汗)
なぜそこまでする???
 ちうわけでとても面白かったのだが、最後に足をすくわれた感じで少し残念に感じた。
それにしてもやっぱりこのシリーズは派手な偽証が展開するので化夢宇留仁の単純な脳みそには難度が高いわ(汗)

20240806(mixi日記より)
20240806


ローダンシリーズ32
時の牢獄
松谷健二訳

を読んだ。沖縄で。8月5日。
マイクロ・エンジニア
クラーク・ダールトン著
 ヨースト・クルマンが緊急コールをした真の理由はまさに緊急に値するものだった。
というのもスプリンガーが構造補正機の効果を打ち消す装置の設計図を完成させ、大量生産しようとしているというものだったのだ。
クレストの意見で装置自体の生産は妨害せず、密かに設計図を入手してその装置の効果を更に打ち消す装置を開発することに。
問題はスヴァーンの原住民と如何にコンタクトして情報を入手するかということだったが・・・。

 キュウリのようなスヴァーン人が愉快だが、ちょっと物分りがよすぎて不自然に感じた。
むしろここは彼らの意思を無視して決行した方が自然だったと思う。

時の牢獄
クラーク・ダールトン著
 非常に高い確率で次の生物消失が発生する場所が特定されたが、そこには非常に傲慢で石頭の特殊なアルコン人が住んでいた。
調査への協力を要請するが断られ、仕方なくレンズ・フィールド・ジェネレーター(LFG)による調査と実験を黙って行うことに。
果たしてアルコン人たちの街で生物消失が発生。LFGによって時間の流れの異なる世界に入った調査隊だったが、なぜか帰り道である光の門が消えてしまい・・・。

 久しぶりの本編と言える内容で、「敵」の正体もある程度は明かされた。
気になるのは大気の摩擦で、一応物を投げたら摩擦熱で蒸発するとか説明はされているのだが、そもそもそんな大気の中を通常の速度で飛んでいくとは思えないのだが・・・(汗)
カメラ船への対処は痛快だった。

20240806(mixi日記より)
20240806


アイ・アム・ナンバー4
D・J・カルーソー監督

を観た。2014年6月22日。
 オハイオ州の高校生として暮らしていたジョン・スミスは、実はロリアンと呼ばれる異星人だった。
彼らの種族はモガドリアンという種族に故郷を追われ、生き残りの9人と守護者が地球に隠れ住んでいたのだ。
しかしモガドリアンの魔の手が地球にも迫り、1人ずつ殺されていく。次はジョンの番になるはずで、超能力に目覚めたジョンはモガドリアンに戦いを挑もうとするのだが・・・。

 要するに宇宙人どうしが地球上でドンパチをやらかすという、単に迷惑な話。
そこにティーン向け独特のノリが全編を支配しているので、なんとも居心地が悪い感じ。
とにかく地球人である主人公の彼女(?)がうっとおしくて仕方がない(笑)
対してエイリアンのねーちゃんはなかなかいい感じなのだが、完全にアクション担当で別世界な感じ。
ハリー・ポッター以来のジュブナイルの映画化の流れの1本だが、こういう中途半端なのが増えてくるとそういうつもりじゃなく観る機会が増え、今回の化夢宇留仁のように困った結果になることも増える。
なんとかしてほしいところ。
そんな滅茶苦茶悪い作品ではないのだが。

20150107(mixi日記より)
20240807


ファイナル・ディスティネーション
ジェームズ・ウォン監督

を観た。2014年8月26日。
 パリへ修学旅行に向かう高校生のアレックス・ブラウニングは、飛行機が大爆発するリアルな夢を見て騒ぎを起こし、離陸前に飛行機を降ろされてしまう。 アレックスと巻き込まれた6人を残して離陸した飛行機は実際に爆発。運良く生き残った7人だったが、彼らは次々に怪死を遂げていく。
死ぬはずだった人間はやはりすぐに死ぬ運命なのだ。
その法則性を見つけたアレックス達は運命に逆らおうとするが・・・。

 何作も続編が作られた有名なホラー映画の第1作・・・を今更観た(笑)わけだが、そこまで続編を作るほど面白い作品とは思わなかった。
そこそこは面白いのだが、これはやはり制作当時に観なかったせいだろうか。
気になったのは後半の法則性が見いだされてからで、どうもその法則事態が納得いかず、消化不良な感じになったのだ。
そんな細かいことを気にして観る映画じゃないって?
分かってます。
でも気になる(笑)
それとホラー映画と言うだけではなく、あくまでティーン向けというのも影響は大きそうだ。
悲しいかな化夢宇留仁はもうティーンではないのだから(汗)

20150107(mixi日記より)
20240808


ヘアスプレー
アダム・シャンクマン監督

を観た。2014年7月1日。
 1962年、ボルチモアに住むダンスとおしゃれが大好きなビッグサイズの女の子トレイシーの夢は、ダンステレビ番組「コーニー・コリンズ・ショー」に出演して憧れの人気ダンサー、リンクと踊ることだった。
番組の新メンバーのオーディションに挑戦。
しかし結果は落選。
オーディションのために学校に遅刻したトレイシーは居残りをさせられることになるが、放課後の教室で黒人の生徒達が踊っているのを見つけて飛び込んでいく。
R&Bのステップを踏むトレイシーを見た同じ高校に通っていたリンクが番組の司会者コーニー・コリンズ主催のダンスパーティーに招待。
親友のペニーとともにダンスパーティーでダンスを披露。主催者のコーニーに気に入られ、遂に番組に出演することに。
一躍人気者になるトレイシー。
ところで番組には月に1回「ブラック・デー」という黒人のみが出演する日がある。逆にこの日以外は黒人は一切出演できないのだ。
トレイシーは番組初出演時に全ての放送回を「ブラック・デー」にしたいと言いだし・・・。

 冒頭からいきなり歌って踊り出すおでぶちゃん(笑)
ミュージカル映画というのは総じてそうなのだが、見ようによっては悪夢そのものである(笑)
普通にそばにいた人が突然歌って踊り出したら発狂したかと思うが、それが自分以外の周り全てとなると、発狂しているのは自分かもしれないと・・・・・それはさておき(笑)、冒頭からそんな調子で飛ばしまくるので、なかなか観ていて疲れる映画である。
しかし脳天気な要素ばかりではなく、それなりに社会的なテーマなんかもとりいれているのがなんだか小癪な感じでもある(笑)
見せ場はいろいろあって、最後まで飽きずに観られるのは確かだが、上記の通りいろいろ詰め込んでいるので少々散漫というか、混沌とした印象。
結局歌って踊ればOKなのか(笑)?
まあ深く考えても仕方のない映画なのも間違いない(笑)
とりあえずまあまあ面白かった。

20150109(mixi日記より)
20240809


インナースペース
ジョー・ダンテ監督

 アメリカ空軍の冴えないパイロットであるタック・ペンドルトンは、パーティーで騒ぎを起こして恋人のリディアと喧嘩別れをしたのち、研究施設でミクロ化されてウサギの体内に注入される実験に挑む。
しかし潜行艇のミクロ化直後に産業スパイに襲撃されてしまい、潜行艇の入った注射器を持った研究員は命からがら逃走。追い詰められ、神経質なスーパーの店員ジャックの尻に潜行艇を注射する。
タックはなんとか体内からジャックと意思の疎通を図り・・・。

 昔ビデオをダビングしてちょくちょく観ていた。
どうってことのない映画だが、今見返すと最近の映画にはない当時のハリウッドの余裕のようなものが感じられた。
配役がまた微妙な感じで面白く、ハリソン・フォードとジャック・ニコルソンを足して2で割ったようなデニス・クエイド、人気上昇中だったメグ・ライアン、「サボテン・ブラザーズ」のマーティン・ショート、「マッドマックス2」「コマンドー」の悪役が有名なヴァーノン・ウェルズ。そしてスタートレック ヴォイジャーのドクター役のロバート・ピカードがカウボーイと呼ばれるヘンテコなブローカーを演じている。
 先日観た「ミクロの決死圏」と比べると、体内の描写は最低限で外連味はないが雰囲気良く作られている。そもそも本作は体内から操られているスーパーの店員のコミカルな活躍がメインなのだ。
とりあえずハリウッド映画にまだ夢があった時代の佳作という感じ?

20240810(mixi日記より)
20240810


無敵鋼人ダイターン3
第22話 スターの中のスター
富野善之監督

 
 大物映画プロデューサーであるカルロスが新作映画のキャンペーンで500人の映画スターを招待している巨大宇宙船ネプチューン号には、万丈たちも乗り込んでいた。
そこにメガノイドが襲撃し、更には乗客の映画スター、ジミー・ディーンがメガノイドの本性を現し・・・。

 
 なんだか画がメチャクチャ(笑)
特に前半は金田伊功を模倣した結果、それっぽいけど下手(汗)で動きのタイミングもよくないという微妙すぎるもの。
また後半は映画スターや映画のパロディーが山程出てくるが、これまたどれも微妙(汗)
全てプロデューサーの目論見通りという展開はなかなかよかった。

 大事なことを書き忘れていた。
メガボーグ・ジミーの応援団は、アニメ史上でも上位に入るであろうエロ可愛さなので必見である(笑)

20240811(mixi日記より)
20240811


アルバート氏の人生
ロドリゴ・ガルシア監督

を観た。2014年6月1日。
 19世紀、アイルランドのダブリン。アルバート・ノッブスは、ホテルのレストランで住み込みのウェイターとして生真面目に働き、将来タバコ屋を開くことを夢見てこつこつと床下にお金を貯めていた。
実はアルバートは女性で、過去のつらい経験や仕事を手に入れるために男として生きてきていた。
ある日、泊まり込みで仕事に来たペンキ職人ヒューバート・ペイジを部屋に泊めざるを得なくなり、アルバートが女性だとばれてしまうが、なんとヒューバートも女性だった。
そして、ペイジが女性と「結婚」し、夫婦として暮らしていることを知ったアルバートは、同僚のメイドであるヘレン・ドーズと結婚して2人でタバコ屋を営むのを夢見るようになる。
しかし新参のボイラー職人が彼女とつき合いだし・・・

 主演はグレン・クローズだが、とりあえず化夢宇留仁は前情報全く無しで観たので、途中まで主役のおじいちゃんが彼女だとは気づかなかった。
出てると知っていれば間違えようのない顔なのだが(笑)
 いろいろ見所の多い映画で、当時の下層階級の生活やホテルや各職業のディテール、それに登場人物たちそれぞれの考え方など、隙のない完成度で目が離せない。
しかし化夢宇留仁はとにかくアルバートが床下に隠したお金がいつ盗られるのかと心配で心配で、全然本筋に集中できなかった(笑)
わざと不安感をあおっているのだと思うが、化夢宇留仁はそういうのに弱いのでやめてほしい(笑)
 基本的にはアルバートに感情移入して観るように作られているのだが、後半彼女がメイドに本気で恋してしまってからはなにを考えているのか分からなくなり、少々悪夢レベルが上昇(笑)
しかしそれまでに積み重ねてきた物語としての高い完成度が活きて、そのまま最後までなだれ込むように終了。
なかなか強烈だった。
とりあえずこの時代の風俗などに興味のある化夢宇留仁には必見の作品だった。

20150109(mixi日記より)
20240812


私の婚活恋愛術
アレック・ケシシアン監督

を観た。2014年6月28日。
 UKヴォーグ誌でアシスタントとして働くエミリーは、イケメンのアシスタントカメラマンのパオロと、彼女のルームメイトでゲイのピーターの間の恋のキューピッドになろうとする。
うまくいったかと思えたが、実はパオロはストレートでエミリーに恋していた。
エミリーはそうとは知らず、南米出身のパオロの永住権獲得のため結婚を申し出る・・・。

 しばらく忙しかったので感想が書けず、観た映画のタイトルだけひかえておいて、最近会社の行き帰りの電車の中で思い出しながら書いているのだが、この映画は今まで観た中で最も内容を忘れている(汗)
まず主人公の顔が思い出せない(汗)
ネットであらすじを見ても「ああそうだった」という感覚がほとんど無い(汗)
特に後半の展開が記憶の欠片も無い(汗)
ちうわけで、記憶に残らない映画だというのがこの映画に対する今書ける最大限の感想ということになる(汗)
しかしそれなりに内容を伝えている感想のような気もする(笑)

20150109(mixi日記より)
20240818


ディセント
ニール・マーシャル監督

を観た。2014年7月20日。
 年に一度の冒険旅行で、アパラチア山脈奥地の巨大洞窟を訪れた6人の女達だったが、崩落によって出口をふさがれ、迷路のような洞窟内をさまようことに。
さらには奇怪な化け物が彼女たちをねらい・・・。

 実にストレートなホラー映画で、「へんぴな場所」で「食人一家に襲われる」というまさに王道な状況。
そこに洞窟という要素を付け加えることで他との差別化に成功している。
逆に言えば洞窟でなければ他の山ほどある似たような作品と変わらないとも言えるが(笑)
まあ洞窟というのはその場所自体が緊張感を与えるということもあり、ホラーの舞台としてはうってつけでもあるが。
他に特筆すべきは夢なのか現実なのかはっきりしないオチくらいだろうか。
化夢宇留仁は夢だと解釈したが、続編につながった物語は現実という解釈の方だったようだ。
本作のみで見れば夢だと解釈するのが自然だと思うのだが。

20150112(mixi日記より)
20240819


アロー 1-1

を観た。2014年12月18日。海外ドラマ。

EPISODE1 汚(けが)れた街
 億万長者でプレイボーイのオリバー・クイーンは、海難事故に遭い死んだと思われていたが、5年後に生還。故郷のスターリング・シティに戻ったオリバーは、「グリーン・アロー」として、死んだ父親からたくされた任務を開始する。・・・。

EPISODE2 父への誓い
 オリバーは、自分の死亡証明書を無効にするため裁判所へ行き、元恋人のローレルにばったり会う。
検事であるローレルは、中国の犯罪組織から賄賂をもらい麻薬の密輸を見逃していたマーティン・ソマーズを起訴していた。
マーティンは殺し屋チャイナ・ホワイトをローレル殺害のために送り込んできた・・・。

EPISODE3 凶弾
 オリバーが悪人ホルダーに詰め寄ったその時、何者かがホルダーを撃ち殺してしまう。
オリバーはそのガンマンの正体が「デッドショット」と呼ばれる殺し屋であり、倒産した会社の競売で落札を狙う入札予定者を殺していることを突き止める。
入札予定者の中に義父ウォルターがいることを知ったオリバーは、ランス刑事に協力を求めるが・・・。

 地味すぎるが実はDCヒーローの1人、アローを主人公にしたドラマで、制作テーマは「リアリティ」らしく、ヒーローものとは思えないようなリアルな雰囲気とダークな展開になっている。
マーベルにもアベンジャーズに出てきた矢を使うヒーローがいたが、むしろ比べるべきは同じDCヒーローのバットマンだろう。
バットマンと比べると世界のリアルな雰囲気とダークな展開では遙かに凌駕しており、そう言う意味では制作者の意図は満たされていると言える。
しかし致命的な問題がある。
面白くないのだ(汗)
一番の原因は主人公アローの動機が全く分からないということである。
流れ着いた島での出来事もインサートの形で少しずつ明かされてはいくのだが、それでは今現在アローがあんなバカなこと「現代のロビンフット」をやっている理由が納得できず、単なる頭のおかしい兄ちゃんとしか思えないのだ。
テレビシリーズで長丁場ということもあるし、ミステリアスな展開にしたかったのだろうが、肝心のアローの活動が単なるキチガイにしか見えないのでは本末転倒も甚だしい。
そんなことなら普通に時系列通りに島での出来事を見せ、視聴者にもアローの動機に感情移入させてからアメリカに戻れば、それなりに観られたと思うのだが残念。
残念と言えば、アローの妹が美人だがなんだかやな感じで、これまた感情移入を防げているのもどうか。
アローの黒人ボディーガードだけはまあいい感じ?
とりあえずこの先を観ることはなさそうだが、果たして本国でもシーズンを重ねるのに成功しているのか、怪しい感じ。

20150112(mixi日記より)
20240819


TATARI
ウィリアム・マローン監督

を観た。2014年12月23日。
 1958年のホラー「地獄へつゞく部屋」のリメイク。
「無事一晩過ごせたら1億円」のキャッチフレーズで招待された男女数人。だがそこは、かつて人体実験が行われていた精神病院だった・・・。

 これはひどい。
今更この内容ですか(汗)!?
冒頭主催者がいかにトリックに長けているかを見せておいて、さらに頭の良さそうでずるがしこそうな別れた嫁が出てきて、さあどんなトリックが披露されるのかと思いきや・・・
しばらくはグルであればトリックで説明がつく展開だったが、中盤でどちらともつかない中途半端なことになり、終盤ではまともにお化けが出てきて全てパー(汗)
いったい前半に築き上げてきた前フリはなんだったの?
ちうかお化けがインターネットに侵入?
ちうか最後のお化けは80年代に撮影したの(笑)!?
 化夢宇留仁ならお化け屋敷と思わせておいて、実はトリックだったという展開の後、やっぱりお化けだったということで終わった・・・と見せかけてやっぱりトリックだったという展開にする。と言うかあの冒頭の前フリではそれ以外あり得ない(汗)
いったいなにを考えたらああも中途半端なことになるのか?
せめてお化けならお化けでもっとそっちで怖がらせればまだしも、それさえ中途半端すぎてすべったギャグ状態なのだから救いが無い。
視聴者が映画にたたられたようなものである(汗)
それであのタイトルなのか(汗)!?

20150112(mixi日記より)
20240821


リアル・スティール
ショーン・レヴィ監督

を観た。2014年7月21日。
 ロボット格闘技が人気の2020年、元プロボクサーのチャーリー・ケントンは、中古のロボットを使ってプロモーターを生業にしていたが、鳴かず飛ばず。
ある日、別れた妻が亡くなり、残された息子のマックスの養育権について、妻の姉であるデブラとマーヴィン夫妻と話し合いをすることに。
チャーリーは借金を返すためにマーヴィンに10万ドルで息子を渡すと持ちかけ、それは承諾されたが3ヶ月間マックスを預かることに。
前金の5万ドルを手にしたチャーリーは以前破壊された「アンブッシュ」の代わりに、中古の「ノイジーボーイ」を購入。
しかしチャーリーの下手な操作でボロ負けしてしまい・・・。

 今なら「ビルドファイターズ」化夢宇留仁の世代であれば「プラレス三四郎」の世界で、違うのはロボットが人間サイズというところと、子供の遊びではないというところ。
設定的には面白いのは折り紙付きだが、残念ながらこの映画は設定の面白さを活かしきっているとは言いがたい。
 まずありがち〜〜〜な親子のドラマは余計。
誰かロボットどうしの格闘映画でそんなの観たい人いる?
いたら手を挙げて(笑)
 次に掘り下げの甘さ。
物語後半でムーブトレース機能のついた旧型ロボットを手に入れ、ボクサーの動きを覚えさせ、ついでに試合前のパフォーマンスも披露して大人気になるのだが、そんなの基本中の基本である。
そこにさらにもう一工夫があれば説得力もあったのだが、これでは設定の表面をなぞっているだけである。
 最後の試合はボクサーの動きをライブトレースで・・・・って、もはや自律型ロボットじゃなくなって、その試合形式自体が無意味に(汗)

 ちうわけで問題山積の本作だが、それでもロボット格闘が繰り広げられる近未来社会を現在のCGI技術をつぎ込んで作ったのだから、それなりに面白い。
変にジャパニーズテイストの入ったロボットのデザインもいい。
「ノイジーボイーイ」の胡散臭いデザインとか非常によくできている。
ラスボスも冗談が過ぎる素晴らしいデザイン(笑)
ただ作品として「それなり」になってしまったのが非常に残念。

20150112(mixi日記より)
20240821


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