スクービー・ドゥー
2002年アメリカ

 これまでさまざまな事件を解決してきたミステリー社の4人と1匹だが、フレッド、ダフネ、ヴェルマが退社して事実上の解散状態に。
その2年後、 もとミステリー社のメンバーは、それぞれ別々にホラーアミューズメント・パークのオーナーであるエミールから調査依頼を受ける。
そこは孤島に作られた大規模なパークで、おどろおどろしい歓迎パーティーが開かれた・・・。

 1969年から91年まで、22年間に渡って放映されたアメリカの人気テレビアニメの映画化らしい。
原作を知らないとついていけないという意見が多いようだが、化夢宇留仁は吹き替え版だったせいかあまり違和感無く観ることが出来た。
ただし面白かったかどうかはまた別問題(笑)。
 まあ悪くはなかったのだが、一番の問題は主人公スクービー・ドゥーのCGIキャラ。
これがもう気持ち悪くて気持ち悪くて(笑)、特に慣れていない前半は画面に映っているだけで気分が悪かった。
実写でやるのだから、CGIももっとリアルな犬でよかったのではないかと思う。
またはトーンシェーダーでアニメバリバリの絵を合成するとか。ロジャー・ラビットになるか(笑)?
  よかったのはヒロイン2人が可愛いのと、テンポのよさ。
またパークのセットは変に凝っていて、前半のいわゆる「風雲たけし城」状態も素直に楽しめた。スターウォーズでやられたら頭を抱えるが、こっちはこれが本道である。
 ギャグは基本的にスベリまくり。しかし何カ所か笑えるところもあった。
特に現れたモンスターがふっとばされ、ロープウェイに当たって落ち、ジェットコースターの先端にひっかかってそのまま戻ってくるカットは、なにがなにやら分からないけど手足が風圧でバタバタ動いている様子とか、勢いがあって笑ってしまった。
 どうでもいいけどそのモンスターの初登場シーンだが、なぜかかぐや姫のパロディーになっていた。
向こうでも有名なのか似たような話があるのか・・・?
とりあえず2も少し観てみたい。

20060319


トロン
1982年アメリカ

 作ったゲームを盗まれて会社をクビにされたプログラマーであるフリンが、今や大企業となった会社に忍び込み、証拠のデータを見つけだそうとする。
しかし会社のコンピュータは今や強大な知力を持つに至ったプログラムMCPに支配されていた。
MCPは同時に実験が進んでいた走査レーザーでフリンを分解し、電脳世界に追放するが・・・。

 世界初の大々的にCGIを使用した映画として有名なディズニー作品。
実は初めてまともに観た(汗)。
ものすごいっす!!!
 画面だけはチラッと見たことがあるという人は多いだろうから、その凄さはだいたいご存じだろうが、あらためてじっくり見るとより凄かった(笑)!
最新技術を用いた映像は古びるのも速いものだが、この映画にはそんな常識は通じない。
技術の壁を吹き飛ばす圧倒的なセンス(汗)!
アメリカ映画というのが信じられない電脳世界のイメージは、なんとなく東ヨーロッパ臭い(笑)。
シド・ミードのデザインも素晴らしければ、それを魅せる効果も素晴らしい。
光電子バイクの疾走するシーンは今でも鳥肌ものである。
 本末転倒のようだが、その素晴らしさはCGIではなく、ライブ映像を加工した方に顕著に現れている。
モノクロームな顔と光るラインで構成された人物(プログラム)はデザインと効果が相まった傑作である。
 現実世界の方も頑張っている。
走査レーザーによって物質を分析&分子レベルで分解し、吸収&再構成するといういわゆる物質転送のシーンがある。
いくらなんでもレーザー1本で分子の吸収は無茶な設定だと突っ込みたくなるのだが、身体がグリッドに囲まれ、それが細分化した後にブロック毎に消えてゆく画面効果が説得力があり、なんとなく納得してしまう(笑)。
地味ではあるが効果音と音楽も完成度が高く、電脳世界の雰囲気を盛り上げている。
 問題は脚本である。
ストーリー自体はチープなのだが、唐突な展開と変にあっさりとしたセリフまわしで、突き放したような感じになっているのだ。
しかしそれも電脳世界の異界感を、よりそれらしく表現する結果になっているのは偶然だろう。
監督はスティーブン・リズバーガー・・・あのわけのわからん「風の惑星スリップストリーム」の監督である。納得(笑)。

20060321


 SF新世紀 レンズマン
1984年日本

 西暦25世紀。
銀河連合はボスコーンという謎の集団の侵略を受け、劣勢に立たされていた。
そんな時ボスコーンの機密データを盗み出すのに成功したレンズマンの1人が、惑星ムケニエに不時着した。
ムケニエの若者キンボール・キニスンは、彼からレンズを譲り受け、同時に銀河の命運を左右する重大な任務を負うことになり・・・。

 SFの古典シリーズがなぜか日本でアニメ映画化された作品。CGIの導入で話題になった。
これがトロンの後に録画されていたのでそのまま観てしまった。なかなか粋な順番になってるな(笑)。
そのCGIだが、ただでさえ大したものじゃない上に、センス爆発のトロンの後で見るとショボすぎて泣けてくる。
川尻監督とマッドハウスのアニメ部分の方はなかなか頑張っていて、見所も多い。
テンポもいいので、退屈しないで最後まで見れることは見れる。
 ストーリーは原作の第1巻「銀河パトロール隊」までらしいが、大幅に変更されている模様で、とにかくチープな上に最後は奇跡のパワーで片を付けるという日本アニメの悪いパターンにはまってしまっている。
とにかく行き当たりバッタリで進み、最後は奇跡のパワーor愛の力。
なんでこうなってしまうのか。
とにかく日本の映像分野はアニメに限らずまともな脚本家が少ない。この作品からもう20年以上も経過しているのだが、その状況は大して改善されているようにも見えないのが切ない。
ほんの数える程度ながら、マシな人もいるにはいるのだが。
 しかし化夢宇留仁は結構好きな作品ではあったりする(笑)。
だから余計に惜しいと思うのだが。

 どうでもいいけど主人公キムに古川登志夫は失敗だと思う。
古典SFの主人公は、もう少し真面目そうな声にしてほしかった。

 関係ないが、スペースオペラということで本作品はTRAVELLERのデータベースの方に書きかけたのだが、ストーリーもフレーバーも全然参考にならないと気付いてこっちに書いた(汗)。

20060322


 ウィング・コマンダー
1999年アメリカ

 西暦2654年。地球艦隊の前線基地ペガサスが奇襲を受け、ワープの航法計算を行うコンピュータ・ナブコムを奪取されてしまう。
ナブコムには地球の座標が記録されており、敵艦隊は大挙して地球へ。
地球艦隊提督は、現場近くの宙域にいた輸送船に乗っていた2人の新任パイロットに最優先命令を託す・・・。

 同名シューティングゲームの映画化作品で、化夢宇留仁はスーパーファミコン版を少しいじっただけなのだが、雰囲気はまあまあ再現されていたように思う。
内容は色々な戦争映画のシーンを切り張りしたような感じで、なかなか緊迫感があって楽しめるが、キャラクターの魅力に乏しいのとストーリーにひねりがないのは残念。
 戦闘艇がプロペラ機みたいなデザインな上に、機銃やエンジンの音までそれっぽいのは笑える。

 ディビッド・ワーナーを始めとして、変なキャストが目白押しなのは魅力の一つか(笑)?
「スクービー・ドゥー」コンビのフレディ・プリンゼJrとマシュー・リラードに、「ディープ・ブルー」でサメに折り畳まれていた(笑)サフロン・バロウズ。
デヴィッド・(ポアロ)・スーシェまでも(笑)。

それにしても太陽系のすぐ近くの重力異常(ブラックホール?)っていつ出来たんだ(笑)?

20060323


 スペース・サタン
1980年アメリカ

 食糧難が深刻な問題になっている未来。
土星の衛星タイタンには水耕栽培を研究する基地があり、初老男性の科学者と若い女性の助手が2人で任務についていた。
その基地に1人の男が赴任してくる。
彼は研究助手としてのロボットを組み立て始めるが・・・。

 小さい頃に観て怖くて面白かった印象があり、中古ビデオを買っていた。
しかしネットで検索してみるとボコボコに叩かれていて、ラジー賞も作品賞、男優賞、女優賞と総なめ(笑)。
どうなることかと思いつつ観てみたのだが・・・・・・・・・
面白い(笑)!

 とりあえずは当時のファラ・フォーセットは可愛い。
声も可愛いのは初めて知った。
話題の胸チラは少しタレ気味でなんともはやな感じだが、下着姿でうろうろしているところは色っぽい。
 そしてロボット「ヘクター」は実にかっこいい。
不気味なデザインもいいし、全身に張り巡らされた配線は電線かと思いきや、青と赤の不気味な液体を通す管というところも愉快。
他にもヘクターの脳と繋がる首の後ろのコネクタの描写は、マトリックスや攻殻機動隊に影響を与えているのは間違いなさそうだし、面白い描写は多い。

 しかし今回なによりも面白かったのは、その筋の通らなさと投げっぱなしの前振りだった(笑)。
冒頭新任の男は本来赴任するはずだった男を殺してすり替わっているのだが、ロボットは元々の装備だし、なにをしに来たのかよく分からない。
その男が持ってきたブルーズという一種の興奮剤のような薬も、如何にもな感じで印象つけておいて何も無し(笑)。
 科学者と女の顔には特徴的な入れ墨が。
わざわざ大写しにして印象づけるが、その後何も無し(笑)。
  ロボット「ヘクター」は男の人格が移って異常をきたすかと思いきや、男をたしなめるようなことを言い、意外にまともな奴かと思ったら、次のシーンでは犬を殺してるし(笑)。
 バラバラにされたヘクターは自力で他のロボットを操って、自分を組み立てさせるのだが、最後に組み込むのがCPU代わりの生体脳。
では生体脳を組み込むまではどうやって動いていたのか?
まあ他にバックアップメモリーとコンピュータを積んでいたと、無理矢理好意的に解釈することも出来るが。
で、その生体脳は新生児のものらしいが、その容量は少なくとも5人分はありそうな巨大な物。
しかしその辺の説明は一切無し(笑)。
 終盤で基地を掌握し、ヘクターの勝利かと思いきや、いつの間にか死んだはずの男に乗っ取られているヘクター君。
その間になにがあったのかは一切不明(笑)。
 助手の女は地球を観たことがないらしい。
そもそも初老の男といちゃいちゃしているだけで不自然で、どうやら彼女もロボットの類かと思わせるのだが、結局なんで基地にいたのかの説明も無いまま。
 ラスト科学者の自爆アタックにより、ヘクターは粉々に。
唯一生き残った彼女のみ地球に帰る。
なにやら不気味な雰囲気で、彼女の首の後ろにもヘクターと繋がるコネクタが出来ているのかと思ったらそんな描写もなく、そのまま地球へ帰ってしまって終わり(笑)。

 この作品は「エイリアン」と上映時期が重なっていたらしいが、ヘクターの描写以外の特撮はまさにヘチョヘチョで、ストーリーの完成度も上記の通りなので、叩かれるのも無理からぬところである。
化夢宇留仁は好きだが(笑)。

20060324


Shall We ダンス?
1996年日本

 平凡な家庭を持ち、単調な毎日を送るサラリーマン杉山は、ある日電車の中から、ビルのダンス教室の窓際にたたずむ美女を目にする。
毎日電車の窓から彼女を眺める内、彼の足はダンス教室へ。
最初は彼女目当てで通っていた杉山だが、次第にダンスの楽しさに目覚めてゆく。
一方彼の妻は、決まった曜日に帰りが遅くなり、服には香水の匂いがついていることで、疑惑を深めていた・・・。

 テレビで観た。
周防正行監督の作品は「ファンシィ・ダンス」「しこふんじゃった」を観たが、どちらも面白かったので、それなりに期待。
結果はまあまあ期待通りだった。いい意味でも悪い意味でも。
 前半から中盤にかけての、キャラクターの立ち方と知らない世界の描写は監督お手のもので、グイグイ引き込まれる。
しかし予想通りの内容でもあり、新鮮な驚きまでは至らなかった。
これは竹中直人の存在も大きいと思う。彼はこの作品で助演男優賞をとったらしいが、いつもの竹中直人で新鮮さが無いのだ。
よかったのはたま子先生を演じた草村礼子。彼女が賞を取っていないのはおかしい。
 また寂しい思いをして、ついには探偵まで雇ってしまう杉村の奥さんの件は、変にリアルで心苦しくなってくる。
探偵自身はなんとなくダンスにはまってしまったりしてコメディな感じなのだが、奥さんの方は最後まで一歩離れた状態で、すっきりしないまま。
この辺は日本社会のリアリティと心情描写としては問題ないのだが、ドラマとしてすっきりしないのだ。
かと言って奥さんもダンスにはまりだすのはあまりにもリアリティに欠けるだろうし、難しいところだが。
 ヒロインを演じた草刈民代は有名なダンサーらしいが、彼女の棒読みのセリフや硬い表情はキャラクターと合致していてよかったと思う。
 全体的にいつもの周防演出で楽しめるが、化夢宇留仁は「ファンシィ・ダンス」の方が好きだな。

20060325


 火の鳥2772 愛のコスモゾーン
1980年日本

 試験管ベイビーとして生まれ、宇宙パイロットになるべく育てられたゴドー。
彼は優秀な成績を収め、謎の生命体2772を生捕りにするという特殊任務を命じられる。
しかしその訓練中、身分違いの女性と恋に落ちてしまい、それを見つかったゴドーはアイスランドの収容所に送られる。
しかし収容所は地核変動による災害に襲われ、大混乱に。
その最中、小さい頃からゴドーを育ててきた育児ロボット「オルガ」に助け出されたゴドーは、同じく収容所にいたサルタ博士に地球を救うためには生命体2772の生き血が必要だと教えられ、宇宙に旅立つが・・・。

 流石の手塚治虫作品、ストーリーの巧みさは見事の一言。
それをひたすら真面目に描いている演出も効果を上げていて、じっくり楽しめた。
画面効果もフルアニメにミニチュアトレース、映写による煙の合成など、凝りに凝っている。
しかしなにより見所なのは、やはりロボット「オルガ」のエロさではなかろうか(笑)。
もう登場シーンからエロエロで、戦闘機に飛びついたりしてもエロエロで、宇宙船から出ようとしてもエロエロである(笑)。
 演出面も頑張っているが、音の使い方はもう一つで、効果音無しで音楽のみで見せるシーンが多いのはいいのだが、コミカルなところまで効果音を無くしているのはどうかと思うところも。
また当時の日本のアニメはみんなそうだったのだが、ミュージカルぽいシーンで微妙に音と画のタイミングが合っていないのは切ないところ。
 また問題の火の鳥だが、この作品ではその恐るべき能力が存分に描かれている。
その力たるや下手な旧支配者が裸足で逃げ出すようなレベルで、マジで怖い(笑)。

 どうでもいいけど育児ロボットにあそこまでの能力(破裏拳ポリマーなみ/笑)が必要なのだろうか???

20060326


 名探偵登場
1976年アメリカ

 招待状を受け取った5人の名探偵が、怪しい屋敷で殺人事件の捜査に乗り出す・・・。
ニール・サイモン脚本のミステリー・コメディ。

 多分小さい頃に一度観たと思うのだが、いい感じに忘れていて新鮮な気分で楽しめた。
 名優がゾロゾロ出てくるのが大きな魅力で、ピーター・セラーズ、デヴィッド・ニーヴン、ピーター・フォーク、アレック・ギネスなどなど。
冒頭からいい感じなのは、ピーター・セラーズの中国人(なぜか英語では日本人と言っているが)探偵(チャーリー・チャンがモデル)で、とぼけた片言でどこまでも冷静なところが楽しい。
 アレック・ギネスは目の見えない執事役なのだが、もう存在そのものがブラックユーモアと化している。
彼と耳が聞こえず口がきけず英語も駄目なコックの会話(?)シーンは笑っていいのやら。と言いつつ笑う。
それにしてもアレック・ギネスはこの映画のすぐあとにスターウォーズに出演したらしいが、とてもじゃないけどオビ・ワン・ケノービと同一人物とは思えない(笑)。
 他にもベルギー人探偵(もちろんポアロがモデル)の助手が若き日のジェームズ・クロムウェルというのもすごい。しかも結構間抜けなキャラクターである(笑)。
すごいと言えば、デヴィッド・ニーブンの妻が、最近厳しい婆さん役がはまっているマギー・スミス(ハリー・ポッターのマクゴガナル先生や、天使にラブソングをの修道院長など)で、本作では色気で勝負しているのもすごい(笑)。

 ストーリーはなにしろコメディなので、まともなミステリーにはなっていない。
しかし細かいところまで神経の行き届いた仕掛けと演出で、最初から最後までず〜〜〜っと楽しいのがすごい。
オチとトリックは完全に意味不明だが(笑)。
 今回は字幕で観たのだが、この分だと吹き替えは数倍面白そうなので、ぜひ観てみたいものである。
そう言えば続編もあったな。

20060328


 リトルショップ・オブ・ホラーズ
1986年アメリカ

 ダウンタウンのさびれた花屋の店員シーモア。
今日も店には閑古鳥が鳴き、とうとう店主は店を閉めると宣言。
シーモアは一か八か、皆既日食の日に手に入れた不思議な植物をショーウィンドウに飾ってみる。
するとそれを見た人達は、次々と見せに押し寄せた・・・。

 ロジャー・コーマンのオリジナルが舞台化され、つにはハリウッド映画化されたのが本作。
と言っても化夢宇留仁はこれしか観ていないのだが。
 内容は冒頭からノリよく始まり、そのまま最後までテンポよく進んでサッパリと終わる。
暇つぶしに観るにはもってこいの映画である。
 見所も多く、出演陣の豪華さもその一つ。
さらりと出てくるゲストがジョン・キャンディー、ジェームス・ベルーシ、ビル・マーレイなどなど。
一番光っていたのはスティーブ・マーティンのサディストの歯医者で、ほとんどキチガイなのだが最高にノリがよくて出ているだけで楽しい。
全編音楽は素晴らしいのだが、特にこの歯医者の半生を歌った(?)曲が最高。
 画的には宇宙からのモンスター植物「オードリーII」のリップシンクがとにかく素晴らしい。
CGIの無かった頃にあれだけ見事な仕事をしていたとは、予想していなかった。
コマ撮りでもなさそうだし、どうやっていたのかと思っていたら、どこかの書き込みで高速撮影をしたとあった。
確かに大きなモンスターをきびきび動かすにはいい方法だが、リップシンクは余計に大変そうな気もするのだが・・・。
 もう一つ。どうやら全編セットで撮影されたらしいダウンタウンの風景は実に味わい深く、おとぎ話のような雰囲気を作り出していた。
これもCGI無しでどうやったのか想像がつかないところである。

 ちうわけで総じて文句のない内容なのだが、逆にその優等生振りが少々鼻につくところも。
ブラックな内容なんだし、もう少しハメを外していてもよさそうな気もする。
見終わってから店主が死んじゃったのが可哀想に思ったのだが、それも全体的に優等生過ぎるからではなかろうか。
この辺はコーマンのオリジナル版と見比べてみたいところだ。

20060329


 レッド・ブロンクス
1995年香港

 香港の刑事クーンは、叔父の結婚式に出席する為にニューヨークにやって来る。
叔父は持っていた店を売り、新婚旅行へ。
クーンは店を買った女性の手伝いをしていたが、店には度々チンピラが現れ、暴れてゆく。
なんとかチンピラとの抗争に一段落をつけたと思ったら、今度は凶悪な組織の陰謀に巻き込まれ・・・。

 テレビで観た。
前半のチンピラの暴力は、悪の組織のように遠い世界ではなく、変にリアリティがあってマジで気分が悪くなった。
クーン(ジャッキー)がリンチに合うシーンもそうだが、店を壊しているシーンも気分が悪い。
しかしこれは映画としてマイナス要素になっているわけではなく、しつこくチンピラが暴れているシーンを繰り返すことで、観ている方もだんだんその世界の時間の流れに入っていってしまう。
 店を買った女性(役名は忘れた/汗)は子宮癌で亡くなってしまったアニタ・ムイで、何度店を修理しても壊されるという酷い目に合っていたが、ギョロ目が表情豊かでいい感じだった。
色気担当はフランソワーズ・イップ。少しインリンに似ているが、インリンより色っぽい(笑)。
 ジャッキー映画で忘れていられないのがアクションだが、それはもう壮絶なアクションが矢継ぎ早に繰り出される。
本作はアメリカ再デビュー作とあって、お金もかかって気合いも入っているようで、ジャッキーの他の作品と比べても最も激しいアクション作になっていると思う。
 ラストはホバークラフトが大暴れ。
基本的にホバークラフトなんてものは映っているだけで嬉しくなるメカなので、こいつが縦横無尽に暴れまくったらそりゃあ面白い。
カウンタックの使い方もうまかった。
 残念なのは最後のオチで、なんでそこまでホバークラフトを使うのか意味不明。
ジャッキーの映画でちょくちょく見られるのだが、ラストに意味無く華々しい見せ場を持ってくるのは返って興ざめなのでやめてほしい。
あそこは地味に雰囲気を出して終わった方がよかった。
それに壊された店や、車椅子の少年と色っぽい姉さん、そしてチンピラ達の後日談も欲しかった。

20060330


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