装甲騎兵ボトムズ
ペールゼン・ファイルズ3
2007年日本/高橋良輔監督

第5話「尋問」
 通常軍務に復帰したキリコ達だったが、再び刺客が襲う。
一方ペールゼンは薬物検査によって、キリコとその他のメンバーについての秘密を語る・・・。
 画的には実に地味な話だが、ポリマーリンゲル液の交換作業とか、マニアックな描写があったり、登場人物達の秘密が色々明かされたりと、シリーズとしては重要度の高い回。
特に面白くはない(笑)。

第6話「異能」
 暗殺者との攻防の末に反逆者にされてしまったキリコ達。
高熱になるパイプの中に生き残る道を見出すが・・・。
  キリコの正体が明かされ、他にも色々な謎が解明されるが、物語は闇の中。
なんだかキリコ以外のメインメンバー達が、テキサスチェーンソービギニングの登場人物達のように思えてきた(汗)。

20090429


悪魔の沼
1976年アメリカ/トビー・フーパー監督

 ボロい宿を経営するジャッドは、宿の裏の沼に、巨大なクロコダイルを飼っていた。
戦争の後遺症で頭がおかしくなっているジャッドは、唐突に客をぶっ殺してワニに食わせたりするが、その日は千客万来で・・・・・・。

 あのトビー・フーパーが「悪魔のいけにえ」の次に放ったスラッシャー・ホラー。
当時リアルタイムで「悪魔のいけにえ」を見た人はさぞや期待に胸をふくらませて本作を観ただろうが、おそらく見終わってひっくり返っただろう(笑)。
なにしろ普通のC級ホラーなのだ。
確かに登場人物が狂っているのか、監督が狂っているのかはっきりしない(笑)ジャッドの狂い方や、客の中にも狂っているやつがいたり、「悪魔のいけにえ」に通じるようなところも散見されるが、どれも恐怖につながるような結果は得られず、単に「狂ってるな〜」と思うのみ(笑)。
ひたすら散漫な展開で、視点もはっきりしないのでスリルも無し。
そんなわけで「悪魔のいけにえ」には遠く及ばない本作だが、それはそれで味はあってそこそこ面白い作品ではある。
 一つ「悪魔のいけにえ」を完全に上回っているところもある。
エロ度(笑)。
サービスカットは結構多く、中でもいい家のお嬢さんっぽいねーちゃんが、コートを脱いだらパンツいっちょになったのには滅茶苦茶びっくりした(笑)。

20090502


トレーシー・ローズの美女とエイリアン
1988年アメリカ/ジム・ウィノースキー監督

 サングラスをかけた不気味な紳士が病院に輸血を頼んでくる。
紳士はそこの看護婦を雇い、自宅に呼び寄せて毎日輸血させる。
紳士の血液を調べた医者は、その異常さに驚くが、紳士の催眠術のような力で他言できず・・・・・・。

 偉大なるロジャー・コーマンが製作総指揮を行った自作のリメイク。
冒頭からコーマンの偉大さが痛いほどよく分かる。
なにしろオープニングはこれまでに作った(本作とはまったく関係ない)数々の作品の怪物が出ているカットの羅列である(笑)。
普通の神経なら絶対出来ないことだが、コーマン大先生はコストを掛けずに効果があると思われることは即実行。常識は棚の上(笑)。
 内容はと言えば、タイトルから想像するしょうもなさそのまんまだが、期待されるであろうシーンをテンポよく繋げており、それなりに満足させられてしまうソツの無さはまさに脱帽。
 これだけしょうもない映画ばかり作って、かつ尊敬されている人物はロジャー・コーマンしかいないだろう(笑)。

 こんなしょうもない映画に突っ込みを入れても仕方がないが、それはないだろうと思ったカット。
トレーシー・ローズ演じる看護婦が車を降りる。
車内のルームミラーにも彼女が映っていたが、彼女の姿が見えなくなると、ひょこりとカメラマンらしい人の姿が現れる(笑)。

20090502


デッド・フライト
2007年アメリカ/スコット・トーマス監督

 パリ行きのジャンボジェットには様々な乗客が乗っていたが、中でも特殊なのが貨物室にあった。
酷い乱気流で期待が揺れ、衝撃でそれの蓋が開き、動き出す・・・・。

 スネーク・フライトの蛇に続いて、今度は飛行機の中でゾンビ発生(笑)。
それだけ。
それ以上でも以下でもない(笑)。
しかしゾンビ物というのは、元々のゾンビというキャラクターがしっかりしているので、シンプルに真面目に作ればそこそこ面白いものになる。
本作もその典型で、飛行機の中という閉鎖感とゾンビの相性もなかなかよく、まあまあの佳作に仕上がっている。
暇つぶしにはもってこいのB級エンターティメント作。

20090502


ガリバーの宇宙旅行
1965年日本/大川博製作

 ガリバーの冒険を上映していた映画館からつまみ出されるテッド少年。
テッド少年はみなしごで、これから行くあても無かったが、兵隊人形と野良犬とのトリオで遊園地に忍び込む。
3人の乗ったロケット花火はどんどん上昇し、落ちたところは不思議な島で、そこでは年老いたガリバー博士が宇宙船を作っていた・・・。

 化夢宇留仁は小さい頃、テレビの夏休み子供劇場とかで本作を何度か観ており、大好きだった。
トラベラー好きなのはこの映画の影響が大きいと思う。
 今観ると流石に古く、児童向け文芸作品といった趣だが、それでもやっぱりツボは押さえられている。
特に打ち上げロケットの分離カットや、悪のロボットの飛行機械の襲撃シーンなどはなかなかの凝りよう。小さい頃の化夢宇留仁的には無重力状態での食事シーンや、時間が戻ってゆく不思議な宇宙嵐など、おもちゃ箱をひっくり返したような宇宙観が好きだったような気がする。
もちろんラストのロボット軍団との決戦も。
結構見所が多い作品である。
 ラストは少し切ないものだが、坂本九が主演しているだけあって、なんとかなりそうな気楽な雰囲気で救われる。

20090503


スパイダーマン3
2006年アメリカ/サム・ライミ監督

 今やニューヨークの人気者となったスパイダーマン。
単純なパーカーは得意になって、MJが傷ついていることに気付かなかった。
一方パーカーの叔父を殺した男が脱獄し・・・・・・。

 実に今更感があるが、やっと観た。
宣伝の逆効果のためである。化夢宇留仁は主人公が偽りの姿になって思い悩むという展開が苦手で、宣伝ではそういう気配が濃厚だったのだ。
結果は予想通り(笑)。
しかしそこはやっぱりハリウッドエンターティメント大作で、面白く観れた。
 元々スパイダーマンシリーズは少し辛気くさいというか、気楽に観れないところがあって、そこが特徴だとも思っていたのだが、流石は才能のある監督が3作とも手塩に掛けて作っているだけあって、シリーズが進むに連れてドラマが深くなっているのは見事。
チープな上に早足すぎるドラマではあるが、きっちり作っていて好感が持てた。
 とりあえずクモの糸を繰り出してビル街を飛んでゆくのは相変わらず気持ちいいのでOKかな(笑)。

20090503


ダイハード2
1990年アメリカ/レニー・ハーリン監督

 クリスマス。
ワシントンの空港に妻を迎えに行くマクレーン刑事。
そして例によって大事件にまきこまれ、1人で奮闘することになるのだった・・・。

 ひさ〜〜〜しぶりに観たが、やはりまあまあの佳作だった。
アクション映画としてはそのスケールも、ソツのない脚本も、高いレベルでまとまっていると思うのだが、なにしろ1作目が神作品なので、比べてしまうのは仕方のないところ。
特に残念なのは、もったりとした演出だろうか。1カット1カットが少し長すぎるような気もする。
結果どうも流れが平坦で、盛り上がる反対に、だんだんどうでもよくなってくる。
それに単なる一般人が頑張ってヒーロー並の活躍をするのが本シリーズの醍醐味だと思うのだが、手榴弾の束をシートイジェクトで切り抜けたり、ヘリコプターからジャンボ機の翼に飛び移ったり、遮蔽物の僅かな状態で拳銃でマシンガンとの撃ち合いに勝ったり、もはや完全に超人になってしまっている。
 化夢宇留仁が思うに、上記の問題点をふくめても、ラスト近くの陸軍1個小隊の裏切りが無かったらもっと面白くできたのではなかろうか。
あの隊長がほんとにいい奴で、力を合わせてなんとか解決する展開になれば・・・・。
ま、なっちゃったものは仕方がない。
でもそこそこは面白いんだよ(笑)。

 関係ないけど、TNG、DS9のオブライエンが機長役で出ていて、墜落死(笑)。
ターミネーター2のT1000役者もテロリストの下っ端役で出ていて銃殺(笑)。
なんだか得した気がした(笑)。

20090510


スターシップ・トゥルーパーズ3
2008年アメリカ/エドワード・ニューマイヤー 監督

 ジョニー・リコは大佐となって最前線基地の指揮をとっていた。
その基地に総司令官が訪れるが、時を同じくして基地の防備が破られ、バグに蹂躙される。
なんとか逃げ延びた総司令官の乗艦はワープ中に攻撃を受けて大破。脱出ポッドでたどり着いたのはバグが支配する星だった。
 一方基地を失ったことの責任をとらされ、絞首刑になるリコだが、旧友の将軍の手配で生きのび、地球連邦の極秘基地「聖域」で特殊戦闘服「マローダー」を与えられ、総司令官救出の任務をおびる・・・・・・。

 1作目が作られたのはもう11年も前なのだが、今観ても背景やマッチブームが完璧で全然CGと分からないバグや、スケールの大きい宇宙戦など、ほんとに素晴らしかった。
2作目はなにしろ制作費が1作目の5%(笑)という噂で、しかもテレビスペシャルだったが、それなりに面白い脚本を用意してそこそこ楽しめた。
で、3作目だが・・・・・・・・・・・・微妙かも(汗)。
一応劇場公開もされたし、宣伝も頑張っていたが、噂によると制作費は前作の3倍・・・・って、1作目の15%(笑)?
しかし中身を観てみると、確かに前作の3倍の制作費にふさわしい画である(汗)。
1作目であんなにも活き活きと動いていたバグは、本作では着ぐるみまで使用したそうで、変にテラテラしていて動きもショボショボ・・・・(汗)
前半の山場の最前線基地の戦闘シーンも、まるで自主映画のようなセットに照明に演出・・・(泣)
出ている俳優も観たことある人がほとんどいない・・・・・って、ヒロインはどこかで観たことあると思ったら、エンタープライズのトゥポルちゃんじゃないの(笑)!
 一番残念なのが、原題のサブタイトルにもなっている「マローダー」がラストにちょこっとだけ登場するだけなのは誰もが思うことだろう。
それなりにかっこいいアクションを魅せてはくれるが、いくらなんでもあれでは少なすぎる。
ぜひ全機動歩兵に配備させて4作目を作ってほしい。

 と言うわけで実にチープな作品となってしまったが、脚本はなかなか頑張っていて、特に宗教の扱いは面白い。
ラストはまさかマジなのか???と不安にさせておいて、実にブラックなオチを用意してくれていたので一安心。
最後はまあまあ気分良くさせてくれたので、まあOKかな。

20090511


スピード・レーサー
2008年アメリカ/ラリー&アンディー・ウォシャウスキー(ウォシャウスキー兄弟) 監督

 レース一家に生まれたスピード・レーサーは、今は亡き兄の遺志を継ぎ、グランプリ出場を期待されるレーサーに成長。
そんなレーサー一家に大企業ロイヤルトン・インダストリーズから好条件の提携の話が持ち上がるが、企業に組みするのを嫌って断る。
その後のレーサー一家には苦難が待ち受けていたが、謎の覆面レーサーXからの協力依頼が・・・・・・。

 実に賛否両論激しい本作だが、化夢宇留仁は最高に面白かった。
冒頭からテレビアニメ版のテーマ曲カバーがかかった時点でハート鷲掴み(笑)。
その後も音楽からキャラクター、物語、効果音に至るまで、原作への愛情がビシビシ伝わってきてしびれる。しまいには日本語歌詞まで出てきたのには驚いた。
 原作へのリスペクト以外の部分も実に徹底した作りで、ド派手な色使いにCGIバリバリのレースシーン。そんな感情移入を妨げるようなフォーマットに、ほとんど象徴状態の理想の家族を放り込み、力業でドラマを作り上げているのが素晴らしい。
ラストも勧善懲悪大団円すぎて、思わず感動してしまった(笑)。
もちろんスピードの彼女役のクリスチーナ・リッチが超可愛いのが高ポイントなのも忘れてはいけない(笑)。
 唯一残念なのは、少し上映時間が長すぎるところか。
不要なシーンがあったという印象はないが、単純にこの手の内容で135分は長い。

 ところで本作は大作にありがちな横に長〜い画面なので、ワイドテレビでも上下に黒帯が出る。
ズームして左右をカットすると、DVDの解像度では少し辛い(おそらく横500ピクセルくらいになってしまう)。
こんな作品は画面一杯大迫力で鑑賞したいので、ブルーレイ購入を検討。
本作以外でも、迫力を売りにした大作映画は上記の横長画面が多く、これはまさにジレンマである。

20090516


ルパン三世 カリオストロの城
1979年日本/宮崎駿監督

 某国の国営カジノを襲うルパンと次元。
大収穫に喜ぶ二人だが、札束を目にしたルパンの表情が曇る。
それは精密な偽札だったのだ。
その偽札の発信源に心当たりのあるルパンは、世界最小の国連加盟国であるカリオストロ公国に向かう・・・。

 とりあえず素晴らしい。
隙のない脚本と演出と作画。それに音楽、効果音。
と、まあ当たり前のことを書いても仕方がないので、今まであまりお目に掛からなかった部分の感想を書いてみることにする。
 この作品の背景美術はまさに芸術である。
おそらく今まで作られたアニメ作品の中でも、世界観と演出を鑑みた上で、最も芸術的完成度が高い美術ではなかろうか。ヨーロッパの空気感までも表現するその技はまさに神業である。
化夢宇留仁は思うのだが、この作品が高い評価を受ける原因の大きな部分を美術が占めていると思う。
ただ背景という性質上、みんなそれに気付きにくいのだ。
一度試しに背景をメインに本作を見てみてほしい。いつもとは異なる感動に出会えると思う。

20090517


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