銀河辺境シリーズ3
連絡宇宙艦発進せよ!
A・バートラム・チャンドラー著/野田昌宏訳

を読んだ。
 今巻は連作短編集となっている。

グライムズの実験
 ある惑星が人類が植民可能か調査するチームのキャンプの管理者となったグライムズ。
しかし調査隊の科学者たちは管理者を小間使いとしか思っておらず、ひたすらこき使われる。
その合間を縫って散歩に出たグライムズは、現地の原始人レベルの生命体と遭遇し、ある実験を試みる・・・。

 タイトルを「モノリスになったグライムズ」にした方がいい(笑)
オチの意味がちょっとわかりにくかった。
それにしても監察宇宙軍的になんかルールは無かったのか(笑)?

V・I・Pは名コック
 連絡宇宙艦アッダーの艦長に任命されたグライムズ。
超小型の船だったが、初めての自分の城に愛着を持ってはりきるグライムズに、要人を移送する任務が与えられた。
乗り込んできたのはなんの変哲もない中年男だったが、これが実に料理がうまく、むしろクルーの方が彼のサービスを受ける展開に。
目的地に着くと男は本当に料理長だったことが判明し、宇宙軍の現地在住の高等弁務官が迎えに来て船を降りた。
いくつかのパーティーに参加することになったグライムズは、大学のパーティーで「生命体連合」を標榜する魅力的な女性と出会い・・・。

 驚きの展開に目が点になる。しかしそれよりも驚きなのは、監察宇宙軍が実にやばい組織だということに加えて、その陰謀をよくあることのように大尉程度の士官にしゃべってしまうところである。
実は悪の組織(汗)?

ブリキの神様
 今度アッダーに乗り込んできたのは、超高性能なアンドロイドだった。
グライムズは精神波通信士であるディーン大尉に、アンドロイド「アダム」の精神に「伝道」という意識があると聞かされ、不安になってくる。
やがて機関士がアダムと仲良くなっていると聞いたグライムズは、機関士の精神を探るようにディーン大尉に指示する・・・。

 最初はデータかと思ったが、実はデヴィッドだった。
意外なオチはともかくとして、この話でますます監察宇宙軍が悪の組織だとわかってくる。本文中に出てくる宗教的侵略など、ヨーロッパから南米に植民したときと全く同じ手段である。
わからないのは本編アダムを送り込む意図で、これはアダムの意図が宇宙軍の陰謀の更に上を行ったということなのだろう。

眠れる美女の眼がさめて・・・
 人物を輸送させるとろくなことが起きないということで、物を輸送する任務が回ってくる。
しかしこれは物は物でも卵であり、そんなときに限って宇宙船は不調をきたし、卵はかえってしまうのだった・・・。

 とにかく命令されると逆らえない宇宙軍士官というのが面白いが、ほとんどドタバタと言える展開がこれまた面白い。
なんかちょっと筒井康隆を思い出した(笑)

頓馬な浮標(ブイ)
 なにもないはずの空域に球形の物体を発見したアッダー。
その物体は金属が近寄るのを拒否する能力を持っていた。
そこでグライムズのアイデアはプラスチックと黒色火薬だけの装備で接近するというもので、見事に成功し内部に進入することに成功する。
その物体の中でグライムズとディーンは不思議な体験をすることになるが・・・。

 「猿になったグライムズ」(笑)
モノリス的物体に関わる話というのはいろいろあるが、その物体の方もヘマをやらかすというのは珍しいのでは(笑)

目をさました宇宙船
 惑星オルガナで時間をつぶすことになったグライムズは、ディーン共に現地の観光地に出かける。
それは宇宙最大の一枚岩と言われているクラッグ岩で、そのあたりには原住民たちが暮らし、人類が手を触れていない本当の異文明を体験できるとあったが・・・。

 オーストラリアの環境や原住民をモデルにしたエピソードと思いきや、大元の方もひっくるめてくるところが面白い。
なんだかすごく諸星大二郎風(笑)
単純に観光を楽しむという面でも雰囲気があって面白い。

ロボットの仕返しは
 美人だが冷徹なダルウッド行政官とその従者3人(娘1人、ロボット2台)が乗り込んでくる。
アッダーは行政官のルールに支配され、行きの詰まるグライムズとクルーだったが、事故が発生し、アッダーは航行不能に。
ダルウッドは反対したが、銀河連邦とは微妙な付き合いであるスカンジア帝国の軍艦に曳航されることになるアッダー・・・。

 前半と後半で話の雰囲気がガラリと変わる。
結局ロボットの仕返しって、それで、その結果がこれ?と、ちょっとびっくり。
とりあえず挿絵がエロくていい(笑)

 というわけで非常にバリエーションに富んでいて面白かった。
ちうかほとんどコメディーになってるんですけど(笑)
それと今巻では精神波通信士のディーンが実にいいキャラで、この手のキャラクターは神経質で人間嫌いと書かれることが多く、本シリーズでも1巻に出てきたのはそんな感じだったのだが、ディーンはジンを飲ませてもらえればなんでもしゃべるし、なんだか人懐っこいしで出てくるだけで楽しい。
そのディーンをグライムズはどう描写するかと言うと、一緒に観光に行ったときには「けばけばしいポンチョにくるまれたエクトプラズムの塊りという風情」である。
自分の部下をエクトプラズム呼ばわりするか(笑)
 イラストレーターの加藤直之大先生も楽しんで描いていた感じがするイラストばかりで、巻末には珍しいイラストレーターあとがきなんてのもついていて興味深い。

20210628(mixi日記より)
20210830



キャプテン・フューチャー 挑戦!嵐の海底都市
エドモンド・ハミルトン著・野田昌宏訳

を読んだ。
 この世界では生まれた惑星と重力が異なる惑星に行く時には重力等化機というものを使い、自由に体感重力をコントロールしている。
ところがその製造に必要なグラヴィウムという貴重な鉱石を発掘している鉱山が次々に破壊されてしまう。グラヴィウムが無くては太陽系内の行き来は完全に麻痺してしまう。
残ったのは海王星の鉱山のみとなたっとき、キャプテン・フューチャーへの出動要請がなされるが、その時キャプテン・フューチャーにも魔の手が・・・。

 今回の敵は「破壊王」
これまでの敵と比べると、比較的名前の通りの活動をしている(笑)
最近色々な古典SFシリーズを読んでいて思うのだが、キャプテン・フューチャーが一番キャラクターに感情移入できない(笑)
むしろフューチャーメンよりも悪の親玉の方がなにを考えているかわかりやすく、感情移入できるくらいである(汗)
そこはもちろんそんなまどろっこしいことは置いといて、とにかくアクションと謎解きとSFガジェットを楽しめ!という作品であるというのはわかっているが。
そういう意味では本作は勢いがよく、最初から最後まで一気に読ませるテンポのよさがあり、悪くなかったと思う。
それにしても途中ではさまるプチアドベンチャー王様グラッグの件はなんだったんだ(笑)?

20210629(mixi日記より)
20210831



火星の大元帥カーター
E・R・バローズ著/小西宏訳

 火星シリーズ第3作。
不審な行動をとるファースト・ボーンのダトール・サリッドのあとをつけたカーターと忠犬ウーラは、彼が行方不明だったサーンの教皇マタイ・シャンと落ち合うのを目撃する・・・。

 これは承前で、このあと宮殿に帰って本編が始まるのだと思ったら大間違い。
そのまま追跡行、大旅行、大戦闘に突入していくのだからバロウズは只者ではない(汗)
更にダンジョン探索RPGそのままの展開も出てきたりして目が離せない。
また本作では前巻で出番の無かったウーラがそのうっぷんを晴らすがごとく獅子奮迅の大活躍を見せてくれるのが嬉しい。
なにしろカーターが必死で戦って負けそうになった2人の敵を、一瞬で1人は「ゼリー状に粉砕」し、残り1人は「リボンのようにずたずたに引き裂いて」しまうのだからすごすぎる。
ちうか戦闘は全部ウーラに任せたらいいのでは(笑)
このウーラというやつは地上移動速度はバルスームの生物最速で、上記の通り恐るべき攻撃力を持ち、追跡能力は警察犬にまさるほどで(中盤の追跡行はウーラに頼りっきり/笑)、知能も高くて条件付けなしで伝書鳩みたいな仕事もこなしてしまうというスーパー生物であり、化夢宇留仁もぜひ飼いたい(笑)
そしてとうとう・・・あろうことか12年の歳月を経て、ようやく手が届く彼女・・・。
いや〜〜〜〜〜、やっぱバロウズは別格かも(笑)
ところでアルミニウムは磁石につかないよね(笑)?

20210701(mixi日記より)
20210901



冒険・スパイ小説ハンドブック

を読んだ。ハヤカワ文庫1992年。
 先日ヤフオクで落札した本の1冊。
各ジャンルごとにベスト30を挙げ、紹介やエッセイ、資料などが続く。
いわゆるカタログ本+αという感じなのでもちろん面白いのだが、1冊の本としての感想は書きにくい(笑)
まあ特に不満は無かったけど。
それにしてもこの辺のジャンルはミステリ、スリラー、サスペンス、冒険、スパイと分け方に一貫性がない上に入り混じっていてわけがわからないな。

20210703(mixi日記より)
20210902

 



ミステリ・ハンドブック

を読んだ。ハヤカワ文庫1991年
 これも落札したセットの中に入っていた。
先日読んだ「冒険・スパイ小説ハンドブック」と同じような構成で、まずベスト30が紹介され、その後エッセイとかをはさみつつ作家紹介が続く。
今回はミステリということでサブジャンル(?)があまり無いこともあり、本の紹介が少なめに感じた。
作家紹介も面白くないことはないのだが、やはりカタログ本としては本の紹介の方が面白い。
それとやっぱりジャンル分けとその呼称には首を傾げっぱなしで、「冒険・スパイ小説ハンドブック」であらゆるジャンルで上位に位置していた「深夜プラス1」は今回のベストでももちろん上位に入っており、せっかくジャンル分けした意味があるのか混乱する。
それに例えば「私立探偵小説」と言えば、もちろん私立探偵が登場する作品を指すのだが、加えてハードボイルドでなければそうは言わないのだそうな。
だからシャーロック・ホームズは「私立探偵小説」には含まれない(汗)
いろいろな歴史や翻訳の事情や新たなジャンルが生まれたりと、整理が不可能なのはわかるが、ジャンル分けのせいでかえってわかりにくくなっているという状況はどうだろう???

20210704(mixi日記より)
20210903



夢魔の標的
星新一著

を読んだ。
 大昔に買って読んでいたのだが、いつの間にか紛失していた。
それが最近ヤフオクで落札したセットの中にあり、内容もほとんど覚えていなかったけど面白かったという記憶はあったので、読み直してみた。

 ぼんやりとした箱の夢を見る腹話術師。
その箱は日を追うごとに鮮明になり、なにかが始まろうとしていると感じさせた。
そしてある晩、その箱がテープレコーダーらしいとわかったが・・・。

 ショートショートで有名な星新一だが、実は数は少ないながらも長編はどれも粒よりで面白い。
本作も侵略SFのような、モダンホラーのような、独特の世界観を作り出していて緊張感が続き、その上いつもの調子でやたらに読みやすいのであっという間に読み終わる。
登場人物や世界にディテールを追加すれば面白い映画にもなりそう。
ただし逆に言えばそういうディテールや描写はほぼ皆無なので、そのへんに読み応えを欲している場合はがっかりするだろう。
まあそういうのを求めて星新一の作品を読む人はいないと思うが。

20210704(mixi日記より)
20210904



ローダン・シリーズ2 銀河の神々のたそがれ
松谷健二訳

ドームの危機
H・K・シェール著。
 アジア連合の集中砲火にさらされるドーム。
攻撃自体は全て無効化されていたが、そのバリヤーを張るための超小型原子炉が加熱のため限界に達しようとしていた。
更に打ち続く振動のために通信機も機能を停止し、月面の母船との連絡も途絶え、なにより悪いことには白血病が完治したはずのクレストが目を覚まさない。
さらにローダン達は知る由もなかったが、西部連合、東部連合、アジア連合が協力し、「自由な中性子」を必要としない核爆弾を搭載した宇宙船が、それぞれの国から月に向けて発進していた・・・。

 人類なめんなよとばかりに繰り返される攻撃に、さすがの異星人の科学力も押され気味。
ここはどっちも応援したくなって困る(笑)
そして究極のツンデレ、トーラちゃんからは目が離せない(笑)

神々のたそがれ
クラーク・ダールトン著。
<ネタバレ>
 月面上のアルコン人の母船は地球連合の必殺の攻撃で消滅してしまった!
しかしゴビ砂漠には相変わらずのスターダスト号に加え、異星人の搭載艇が腰を据え、バリヤーも前に増して強化されたものが張られてしまった。
今度は地下からの攻撃を画策する地球連合。
一方クレストはペリーとブリーに睡眠学習&脳の活性化を施し、クレストと同等の知性を与えた。今や彼らは1つの遠大な目標に向けて進む同士だった。
一方世界各地で新たな動きが・・・。

 怒涛の急展開に目を白黒させる化夢宇留仁。
いきなりペリーとブリーの超パワーアップも驚いたが、なにより途中から突然幻魔大戦が始まったのには腰を抜かした(笑)
そしてタコ!日本人カクタ・タコ(笑)!
タコって(笑)

20210704(mixi日記より)
20210905



ペリイ・メイスン
どもりの主教
E・S・ガードナー著。田中西二郎訳。

を読んだ。
 ペリイ・メイスンシリーズの1冊。
依頼者はオーストラリアからやって来た主教だった。
しかし彼には主教にはふさわしくない癖があった。どもるのだ。
そして彼の依頼は22年も前の交通事故に対する過失致死罪に関するものだったが、それは新たな事件の発端にすぎなかった・・・。

 弁護士ペリイ・メイスンはアメリカで超バカ売れしたシリーズで、読んでみるとその理由がわかる。
頭脳明晰で正義感が強いチャレンジャーであるペリイ、その有能な秘書である可愛いデラ。メイスンの依頼を受けてその組織を全力で展開する私立探偵のポール。どいつもこいつもいいやつで、3人の会話だけでも楽しくなる。まさにテレビドラマ向けの設定(笑)
そこに畳み掛けるようなハイテンポの展開、次々と起こる事件に、躊躇なく飛び込んでゆくペリイ。
息をもつかせぬとはこのこと。
なるほどこれは一般大衆向けの超人気シリーズになるわ〜〜〜〜っと、読んでいてひしひしと感じた。
 ただし本作では少し不満に思ったところも。
途中で可愛いデラに変装させて事件のキーになる人物の振りをさせるのだが、ポールらが心配しているのに強行し、案の定デラは殺されそうになる。
ちうか状況次第では十分死んでたぞ(汗)
なぜそんな危険な目に彼女をあわせたのか、またはそれを予測して完全な防御策を講じることができなかったのか、そこだけは非常に不満だった。
 ちなみにいろいろな関連した事件が起こるのだが、途中で起こる殺人事件に関しては、化夢宇留仁の犯人の予想は珍しく当たった。もちろん完全な説明はできなかったが。

20210705(mixi日記より)
20210906



ダーコーヴァ年代記
オルドーンの剣

マリオン・ジマー・ブラッドリー著/大森望訳。

 6年ぶりにダーコーヴァに帰ってきた地球人との混血のルー・オルトン。
しかし彼の故郷たるダーコーヴァのコミン階級は瓦解しようとしていた・・・。

 これは・・・・きつい(汗)
どう考えても「前巻」があったとしか思えない説明不足と大量の感情的なキャラクター、全然ついていけない展開。
本当の前巻「惑星救出作戦」は今回の話の10数年後の設定であり、主人公が人格変換の結果記憶喪失になっていたので、彼に状況を説明するという形で読者にも必要な情報を与えてくれたのだが、今作ではそういう配慮が一切なく、キャラクターはカバーに記されている紹介リストよりもはるかに大量に出てくるのに、出てきたときにせいぜい立場が説明されるだけで、印象に残す努力は一切無し(汗)
更にマトリクスとかなんとか、出てくる超技術(?)もその結果は記されても説明らしいものは全然なされず、ただ主人公は悩み、激高し、傷つき、周りの人はどんどん死んでゆき・・・。
とにかくシリーズのこの先の巻ではマシなのもあるだろうという気持ちだけが、なんとか最後まで読み通すモチベーションをギリギリ維持させた。
シリーズ物じゃなかったら最初の30ページでドロップアウト確実である(笑)
先が思いやられる・・・(汗)

20210707(mixi日記より)
20210907



ゴールデン・キール
デズモンド・バグリイ著/宮祐二訳。

を読んだ。
 冒険小説の大御所デズモンド・バグリイのデビュー作。
ドイツ軍が輸送中だったムッソリーニの所持していた財宝を、イタリアのパルチザンが襲撃し、山の中に隠した。
その10数年後、その話を聞いた造船技師のハローランは財宝の持ち出しを計画する。
最も困難なのはイタリアから安全に運び出す方法だったが、彼には秘策があった。
船の竜骨に黄金を封じ込めてしまうのだ・・・。

 この前に読んだ「ダーコーヴァ年代記 オルドーンの剣」がしんどかったので、今回は読みやすそうでわかりやすそうで盛り上がりそうな本作をチョイス。
結果は期待以上で、非常に面白かった。
とりあえずは誰が、どこで、何をつかって何をしようとしているのかが1行1行ちゃんとわかるだけで幸せ(笑)
それを差し引いてもさすがの大御所、出てくるおっさんたちがどいつもこいつも活き活きしていて魅力的な上に、舞台や小道具、冒険旅行の行程のディテールや雰囲気もばっちりで、敵がこれまた魅力的に描かれていて、どこをとっても面白い。
ただし笑ってしまったのが、女性の描写だけはからっきしで、女性だけはなにを考えているのか全然伝わらず、どんな人物なのかもさっぱりわからないというところが逆に流石冒険小説の大御所(笑)と思わされたり。
それにしても不思議なのは、この小説が映画化されていないこと。
どう考えても最高に面白い映画になると思うのだが、戦争中の描写と黄金の鋳造と海洋冒険と・・・と、ちゃんと映像化しようとしたら予算的に苦しいか?

20210709(mixi日記より)
20210908



銀河辺境シリーズ4
異次元のエデン
A・バートラム・チャンドラー著/野田昌宏訳

を読んだ。
 少佐に昇格し、次の配属先が決まるのを待っていたグライムズに、遺棄された客船を発見して回収するという任務が与えられた。
その任務を持ってきたのは宇宙捜査官のウナ・フリーマンという美女で、彼女とよろしくやりたいと思ったグライムズだったが、その希望は斜め上に裏切られ、2人は全裸で自転車に乗ることになるのであった・・・ってなんじゃこのあらすじは(笑)

 いろいろな意味で見せ場の多い話ではあるのだが、1つの長編作品としてはあまりおもしろいとは言えないものだった。
謎が謎のままというのも悪くはないのだが、本作に関しては中途半端感は否めない。
そして本作でのグライムズの活躍は・・・ひたすらエッチしていただけのような(笑)

20210710(mixi日記より)
20210909



キャプテン・フューチャー 脅威!不死密売団
エドモンド・ハミルトン著・野田昌宏訳

 太陽系全域に渡り、「生命水」と呼ばれる奇妙な液体が高値で売りさばかれていた。
「生命水」を飲むと若返ることができる。しかしそれは一定期間に限られ、その期間が終わるまで再び「生命水」を飲まないと死んでしまう。つまり一度でも「生命水」を飲んだ者は一生その奴隷と化すのだ。
「生命王」と名乗る「生命水」を売るシンジケートのボスの足取りは一向につかめず、とうとうキャプテン・フューチャーの出番となった・・・。

 あらすじからわかる通り、今回は要するに麻薬の販売シンジケートを潰す話であり、そのせいか物語としても今までで一番リアリティを感じるものだった。
いつもの犯人探しミステリーの方もいい感じではまり、テンポもよかったのでこれまでで一番楽しめたかも。
「生命王」もだいたい名前通りの活動をしてらっしゃったし(笑)

20210712(mixi日記より)
20210910



密造人の娘
マーガレット・マロン著/高瀬素子訳

 アメリカ探偵作家クラブ賞を始めとして、数々の賞を総なめにしたミステリ。
水車小屋の中で発見されたのは、頭を撃ち抜かれた若い女性と、瀕死の彼女の赤ん坊だった。
それから18年。
生き残った赤ん坊、ゲイルは未だに解決されない母親が死んだ事件の真相を知りたがり、判事の選挙を間近に控える弁護士デボラ・ノットに調査を依頼した。
彼女のベビーシッターでもあったデボラは断りきれずに多忙の中、聞き込みを開始するが・・・。

 まずいきなり公判のシーンで怒涛のような登場人物に圧倒され、その後も血縁関係が複雑に絡み合った田舎ならではの登場人物の洪水に「オルドーンの剣」状態になりかけるが(汗)、一応1990年のアメリカが舞台ということで、少なくとも人物以外の名詞のほとんどは理解できたので、なんとかドロップアウトせずに読み続けることができた(と言いつつ聞いたことのない名詞はその都度ググったりした(笑))。
この作品はミステリなのは間違いないのだが、その謎解きよりもアメリカ南部の田舎町の雰囲気を伝えるのがメインという感じで、そういう意味では十分に楽しめたと思う。
また主人公デボラの父は密造酒を作っていた過去を持つ影の実力者といった存在なのだが、彼の存在感は素晴らしく全登場人物の中でも飛び抜けていて、なんだかガンバスターみたいだと思った(笑)
ただし最初に書いたとおり登場人物の洪水に危なく押し流されそうになり、最後まで「こいつ誰だった?」という疑問を繰り返していた化夢宇留仁は、まだまだこういう作品を読むには経験不足だと思い知らされた気がした。

20210714(mixi日記より)
20210911



火星の幻兵団
E・R・バローズ著/小西宏訳

 プターンの王女スビアに愛の告白をしたカーソリスだったが、彼女にはすでに許嫁が決まっており、無残に玉砕した。
がっかりしてヘリウムへの帰途に着いたカーソリス。
その直後突然スビアがさらわれてしまう。
ヘリウムでスビアが誘拐され、自分がその嫌疑をかけられていると知ったカーソリスは、父カーターの命で早速調査に取り掛かる。ところが彼の飛行艇に何者かが細工を施しており・・・。

 これまでカーターの1人称で3部作を構成した火星シリーズだが、4冊目である本巻はカーターの息子であるカーソリスが主人公で、文章も3人称となっている。
いつものようにたちまち事件が発生して怒涛の展開になだれ込んでゆくのだが、本作のポイントは表題の幻兵団である。
なんか適当な科学技術で幻の兵士たちが生み出されるのだろうと思っていた化夢宇留仁の予想は完全に裏切られ、そのシンプルすぎる仕掛け、精神力と暗示!に驚嘆。
更に全てが精神力によって存在するという超現実論者と現実論者の珍妙すぎる議論の中身にひっくり返り、神様があっさり手懐けられて卒倒し、そしてそれらは文字通り1人で大隊クラスの戦力を持つ強力な助っ人の誕生につながるという超魔術ショーに鼻血ブー(汗)
化夢宇留仁は本当にバロウズという作家をなめていた。なにしろ古いし元祖だし、毎回ありきたりなスペースオペラが展開するのだろうと思っていたのだが、とんでもない。
毎回びっくりさせる仕掛けを用意し、先が読めないプロットでぐいぐい引っ張る超プロフェッショナルエンターテイナーである。
いやほんとびっくりした。
そして結局幻と食料の関係の結論はどうなったんだ(笑)?

20210716(mixi日記より)
20210912



ローダンシリーズ3 ミュータント部隊
松谷健二訳

非常警報
クルト・マール著。
 アルコン人のための宇宙船を建造するため、暗躍するカクタ。
一方ローダン達は使えるものを探すために月面のアルコン船の残骸へ向かうが、そこでアルコン船から救難信号が発せられていることを知る。
信号を傍受した近隣の惑星から数席のロボット船がやって来ることは確実と言えた。
ロボット船はアルコン船の状況を確認したら、次は地球を破壊するだろうということも確実と言えた・・・。

 タコ大活躍(笑)!
エスパーの駆け引きは懐かしい「七瀬ふたたび」を思い出させた。
そして一番ビックリしたのはトーラの忍耐強さ。
向かい合って話をしてそのままの状態で返事を15分も待つとは、流石トーラちゃん(笑)!

ミュータント部隊
W・W・ショルス著。
 ファンタン船を撃破して地球を守ったローダンだったが、それは果てしなく続く戦いの始まりでもあった。
次の侵略に備えて戦力を整えなければならない。
しかし「第3勢力」には自分の領土を買い取るお金さえ無い。
そこで新たなメンバーとして選ばれたのは・・・。

 タコは相変わらず大活躍(笑)!
宇宙戦争の開始かと思いきや、いきなり経済小説みたいになったり、まさに予断を許さない展開(笑)。
そしてさらなる脅威の出現と、集まってくるミュータント達。
なんだかローダンシリーズは全然予想していたのと内容が違ってて、文字通り目が離せない。
そして謎めいているという点ではあらゆる創作の中でも上位に位置するであろうトーラの言動も(笑)

20210720(mixi日記より)
20210913



吸血鬼はお年ごろ
赤川次郎著。

を読んだ。昨日。
 昔妹がシリーズを買っていて、化夢宇留仁も読んでいたのだがなんとなく読み直したくなってヤフオクで購入。

永すぎた冬
 テニス部の合宿に来ていた女子高生6人がバンガローで惨殺される事件が発生。
彼女たちは全員首を引き裂かれていた。
同じ高校で実は吸血鬼の末裔である神代エリカは、同類の仕業かもしれないと心配し、調査に乗り出すことに。
エリカはまず廃村の近くの滝の裏にある秘密の洞窟に向かった・・・。

 基本的に主人公エリカと、本格的な吸血鬼であるその父親が協力して事件に当たる構成なのだが、エリカは普段ノッポとぽっちゃりの友達と一緒に行動しているというまさに黄金パターン(笑)
そしてエリカの父クロロックはトランシルヴァニアから逃れてきた正統派の吸血鬼なのだが、実に頼りになる存在として描かれている。
圧倒的な吸血鬼のパワーを有し、頭も切れ、のんきな雰囲気なのだがしれっとエリカの高校の女の子の血を吸っていたりと油断できない(笑)
そしてやはり吸血鬼がかっこいいところを見せると普通に盛り上がる。
スーパーロボットみたいなものである(笑)
最後にしれっと娘よりも年下の女の子と再婚したりとちゃっかりもしている(笑)
小説としては元祖ライトノベルといえる会話中心の構成にしれっと渋い設定も出てきたりして、流石はプロのエンターテイメント作家と思わされる。
オチは少々急に感じるが、そのへんを丁寧に書くとテンポを損なうのであえてのことだと思う。

幽霊たちの舞踏会
 近所の墓場でのっぺらぼーが目撃され、続いてたこ焼き屋のおばさんも同様の証言を。
のっぺらぼーの存在など信じないエリカだったが、その騒ぎの裏に陰謀の気配を感じ・・・。

 今回クロロックは頭の切れるところも見せてかっこいい。
しかし事件の真相がどうもいまいちピンと来なかった。
そのへんのミステリらしい盛り上がりはどうでもいいのかもしれないが(笑)
どうでもいいが最初の話とこの話のどちらにも「ドラえもん」というセリフが出てくる(笑)

女の園に狼が
 エリカたちを観察していた正体不明の男が殺される事件が発生。
その後エリカの通う女子校に突然男子生徒が転校してくる。
そこに関連性を見出したエリカはまず校長から聞き込みを開始する・・・。

 これまたオチがスッキリしないが、そんなに問題とも思わない。
重要なのはサクサク読めて軽く楽しむということなので、そういう意味ではどの話も完成度が高い。

 ちうわけで懐かしい赤川次郎再読だったが、予想通り楽しめた。
ところで懐かしいと書いたが、実は本シリーズは現在38巻まで出ていてしかもまだ連載中らしい(汗)
やはり1人で600冊近い本を出している(汗)だけあって、赤川次郎は只者ではない。

20210721(mixi日記より)
20210914



吸血鬼はお年ごろ 吸血鬼株式会社
赤川次郎著。

を読んだ。
 あまりにも軽かったので続けて2冊読んでしまった(汗)

吸血鬼ドラキュラ・スーパースター
 文化祭の出し物で、エリカのクラスは吸血鬼ドラキュラの劇をすることになった。
エリカは吸血鬼・・・が変身した狼の役だった。
ところが練習中にスポットライトを浴びた監督兼脚本家の久子が倒れてしまう。
彼女は過去の忌まわしい記憶を思い出しかけているようだった・・・。

 山中の暴走族の蛮行というので、「魔界水滸伝」を思い出した(笑)

静かなる誘拐
 神代エリカが連絡もなく学校を休んでいるのが気になったノッポの大月千代子とぽっちゃりの橋口みどりは、彼女のマンションに様子を見にゆく。
するとマンションは荒らされておりエリカの姿もなかった。慌てる2人に忍び寄る男の影が・・・。

 ひたすら抗争を繰り返している村という設定が目新しい。
それにしてものんびりした雰囲気の割に人死が多いシリーズである。

吸血鬼株式会社
 新宿を歩いていた3人組は献血車が強盗に奪われる現場に遭遇する。
なぜ献血車が?
一方ある病院では実業家が1人亡くなり、その直後に死体がなくなるという事件が発生していた・・・。

 献血車、消えた死体、洗濯業者、別な死人の葬式と、いくつかの要素が1つにまとまってゆく過程はミステリっぽくて面白いが、最後の終わらせ方がどうも締まらない。
さてはページが余ったか?
ちなみにタイトルと内容はほぼ全然関係しない(笑)

20210721(mixi日記より)
20210914



ダーコーヴァ年代記
宿命の赤き太陽

マリオン・ジマー・ブラッドリー著/浅井修訳。

を読んだ。
 前作「オルドーンの剣」の十数年前の出来事らしい。
ダーコーヴァに帰ってきた地球人との混血であるジェフリー・カーウィンは、ダーコーヴァに自分が生きていた記録がことごとく削除されていることを知る。
絶望の中でダーコーヴァからの追放処分となったカーウィンだったが、彼はなにかに導かれるように地球人居住区をあとにした・・・。

 いきなり「きみは」と2人称で語られる冒頭とか、相変わらず全然冷静じゃなくてカッとしやすい性格の主人公とか、前作と共通する読みにくさはあるものの、今回はまだマシで、プロットもまあまあ興味深く組み立てられているのでそんなに苦労せずに読みすすめることができた。
終わり方も悪くなく、まあまあ面白かったという読後感。
それにしても年代記というタイトルにするならそれぞれの話にダーコーヴァ歴何年の出来事なのか書いておいてほしいところである。和訳するときに適当なシリーズ名をつけただけなのだろうけど。

20210721(mixi日記より)
20210915



新・吸血鬼はお年ごろ 吸血鬼よ故郷を見よ
赤川次郎著

を読んだ。
 前回3人組は高校3年生をもう1年繰り返していたのだが、今巻から大学に進学している。
すごく適当な感じ(笑)

吸血鬼社長、がんばる
 突然クロロックが社長になった会社で、毎週書類が1部盗まれるという事件が発生。
犯行は必ず金曜の夜から月曜の朝の間で、鍵のかかった書類棚から盗まれており、なにより奇妙なのは盗んでも意味のなさそうな書類ばかり盗まれているということだった・・・。

 このシリーズには珍しくトリックが面白い。

吸血鬼よ故郷を見よ
 年末商戦でごった返すデパートで火事が発生し、何人も死人が出た。
火事の原因を目撃していた女性が言うには、高価そうな服のおばさんが睨みつけた男性が燃え上がったと・・・。

 クロロックの過去に関わる話で、やはりトランシルヴァニアの描写が出てくると雰囲気があって盛り上がる。

悪魔は夜によみがえる
 自殺しようとしていた女教師を救ったエリカ。
彼女は担任している教室の生徒達が突然眠ってばかりで授業にならなくなり、それが繰り返されるのに絶望していた・・・。

 前の巻で学校が黒幕だった話でもそうだったが、ちょっと悪どすぎて違和感がある。
特に儲かっていそうな私立高校でそんなリスクを犯すとは考えにくいところが。

吸血鬼博覧会
 「経営の神様」松本幸之助(笑)がクロロックの会社を訪問。
その要件は近々行われる創立50周年の記念博覧会でドラキュラの展示をするのを手伝ってほしいというもので・・・。

 冒頭からよくわからない展開(笑)なのだが、それよりなにより驚いたのはエリカのマンションでみんなで鍋をつつくシーン。
エリカの友達である千代子とみどりは普通にしているが、化夢宇留仁の記憶が確かであればクロロックの後妻としての涼子とは2人共少なくとも描写としては初対面である。
涼子は3人組とは1学年下の後輩で、シリーズ第1話でのバンガローでの惨殺事件の唯一の生き残りであり、その後両親までも惨殺され、本人はそのまま行方不明になっているのである。
それがいきなり友達の父親の奥さんとして出てきて鍋を作っている。
しかも子供までいる(笑)
いくらなんでもこの状況で普通に鍋をつつくのは考えられない。
それまでに会っていたとしても、少なくとも再会時のびっくり描写は必要なのでは(笑)

20210722(mixi日記より)
20210916



ジュラシック・パーク(上下)
マイクル・クライトン著。酒井昭伸訳。

 コスタリカの漁村近辺で奇妙なトカゲが人間を噛んだ。
そのトカゲの一部のX線写真を見た古生物学者のアラン・グラントは、それが恐竜プロコンプソグナトゥスだと気づいて戦慄を覚える。
そこに昔少しだけ協力したジョン・ハモンドから招待の連絡が入る。
なにやら彼はコスタリカの近くの島を買い取り、リゾート開発をしているらしいのだが・・・。

 もちろんあの映画の原作である。
そうだろうとは思っていたが、映画とは随分内容が異なる。
基本的には小説の方が盛りだくさんで見せ場も多く、特に前半のワクワク感は素晴らしい。
化夢宇留仁がスピルバーグだったら映画化させろと言うだろう(笑)
映画の方も上映時間内にあれだけ詰め込んで、印象的なシーンのいくつかは見事に映像化しているので文句は無いのだが、やはり小説は読者のペースで想像力を駆使して読むので、構造的に映画が勝つのは無理というもの。
とか言いながら主要登場人物は全部映画のキャストを思い浮かべて読んでしまったが(笑)

20210722(mixi日記より)
20210917



ジュラシック・ワールド
2015年アメリカ/コリン・トレヴォロウ監督

を先日(9/13)観てきた。
 とりあえず悪くはなかったが、特別よくもなし。
化夢宇留仁が一番期待していたのは、第1作から望んでいた「パークが完全に機能している状態で普通にツアーを楽しむ」ことで、今回は確かに営業はしていたのだが客の視点でそれを満喫というわけにはいかず。
なんですぐにメチャメチャにしてしまうかなあ。
「本物の恐竜がいる遊園地」というだけでも充分に見てみたいと思うんだけどな〜。
むしろそれがしっかり見せられてからでないと、異常をきたした状態が異常だと分からず、盛り上がらないと思う。
だから3部作として作って、1作目では客視点で島を満喫。一部舞台裏も出てきてトラブルを未然に防ぐ。
2作目では舞台裏をメインにして、いろいろ出てくる問題に対処しつつ、新しい出し物を成功させる・・・が、3作目につながる不吉な前振りもたくさん出しておく。
で、3作目では大事件が発生して色々滅茶苦茶に・・・という展開なら最高だったと思うのだが。
 それと本作では遺伝子操作されて生み出されたオリジナル恐竜が出てくるが、これも全然いらないと思う。原作にもあったらしいが。
だってまだまだ「本物の恐竜」の面白さやすごさは観せ切れていないと思うのだ。
 とりあえず化夢宇留仁の好きなモサくんが出てきたのは嬉しかった♪

20150919(mixi日記より)
20210918

 2回目。
 最初に観た時にはイマイチに感じたのだが、今回は思いの外楽しめた。
ちうかこれまでで一番おもしろかった。
最初に観たときはとにかくインドミナス・レックスの存在が嫌で、拒否反応を起こしていたのが大きい。
なにしろジュラシック・ワールドなのだから、遺伝子操作で作られた怪獣を展示するのは筋が通らない。
しかし今回はそのへんがわかった上で観たこともあり、なにより最初から望んでいた完全に機能しているジュラシック・パークを観たいという希望がある程度満たされたのも大きい。
あ〜〜〜〜あのボートで川下りのチケット欲しい(笑)
インドミナス・レックスの存在が気にならなくなると、それ以外の要素も実によく考えられていて、演出も頑張っているのがわかった。
ちうかあの体温偽装による「実はそこにいる」展開も盛り上がった。
最後の最後でいいところを持っていくあの年寄(笑)もいい。
面白かった。

観ている最中も思ったのだが、完全に機能しているジュラシック・ワールド全体を再現したVRソフトがあったらぜひ買いたいのだが、なんで作らないんだ?

20210725(mixi日記より)
20210918



ジュラシック・ワールド/炎の王国
2018年アメリカ/J・A・バヨナ監督

 を観た。2回目。
 これは前に観たときと大きく感想は変わらず。
前半の火山島のシーンは見どころ満載で面白いが、後半は著しくパワーダウン。
やっぱり人間の生活環境に入ってしまったら恐竜の魅力はほとんど失われるということか。
最終的にはガメラ3みたいな世界になっちゃったけど(笑)

20210725(mixi日記より)
20210918

 



銀河辺境シリーズ5
惑星スパルタの反乱
A・バートラム・チャンドラー著/野田昌宏訳

 惑星スパルタの巡査部長であるブラシダスは、恋人のアクロンの仕事に付き合い、哺育所を訪問した。しかし医神官ヘラクリオンに追い払われ、神官の態度に不審なものを感じる。
そんな折、スパルタの宇宙港に奇妙な宇宙船が着陸しようとしていた。
その船は銀河連邦監察宇宙軍の調査艦シーカー3といい、艦長はジョン・グライムズといった・・・。

 スタートレックTNG以降でもたまにやっていたファースト・コンタクトの相手側の視点で物語を進める手法で、スタートレックでも名作ばかりなのだが、本作でも実に素晴らしい仕上がりになっている。
男しかいない惑星というのが印象的だが、それよりも面白いのは偽ギリシャ文明が根付いているところで、特にギリシャ語と言いながら英語をしゃべっているところは面白すぎる。
またオースティン・パワーズを思い出さずにはおれない描写があることも付け加えておく(笑)
本編とは別なところで驚きなのは、前巻「異次元のエデン」で辺境の無人航路標識局にウナ・フリーマンとともに島流しになり(おそらくその後もエッチしかしていなかったと思われる/笑)、助かったとしても非常に評価されにくい状況に立たされていたと思うのだが、本巻ではちゃっかり巡洋艦クラスの艦長に収まり、しかも前々からなんとかいい仲になろうとしていたマーガレット・ラゼンビー博士をクルーに引き込んでいるのである。
グライムズちゃっかりしすぎ(笑)!

20210723(mixi日記より)
20210919



複数の時計
アガサ・クリスティ著/橋本福夫訳

 盲目の女性が1人で住んでいる家に、タイピストが派遣される。
ところがそこで彼女は複数の時計と、男性の死体と遭遇し、そこに家主が帰ってきてパニックに陥る。
そこに通りかかった海洋学者兼秘密情報部員であるコリン・ラムは、友人の警部とともに調査に乗り出すが・・・。

 クリスティを読んだのは何年ぶりだろうか。おそらく20年くらいは経っていそう。
しかし読み始めてすぐにクリスティ節というのか、描写やテンポなどに懐かしさを感じた。
どことははっきり言えないのだが、やはりクリスティには他にない特徴があるのだろう。
この話はポアロものの末期に書かれたもので、ポアロは老け込んで自宅にこもりっきりで、ヘイスティングスも南米だかどこかに行ったきりで連絡もとっていない。
そこに友人であるコリン・ラムが事件を持ち込んでくるわけで、安楽椅子探偵として怪奇な事件の謎を解く。
で、物語だが、この真相にたどり着ける人はよほどのミステリ、それもクリスティを読み込んでいる人だけだろう。
化夢宇留仁としては最初のトリックが想像着いたとしても、真相には1歩も近寄れない(笑)
いやあの人が犯人の可能性はそりゃあったし不自然さも感じはしたけど、あの動機はやっぱり思いつかないよ(汗)
そしてこの物語にはダブルミステリとも言うべき2つの全く異なる謎解きが同時進行で進行していたりもするので余計にややこしい。
というわけで久しぶりに密度の高いミステリを読んだなあという読後感がそれはそれで楽しかった。

でも知っている人を「あの女の人」とは言わないよね。これは翻訳のミスかしら?

・・・なんだかもやもやしていたのだが、改めて変なことに気づいた。
ミスEが殺されるシチュエーションは不自然だ。
ミスEは加害者の偽証を疑っていたのに偶然会った当の加害者の言うとおりにして殺されている。
いくら命令されたらその通りにするのに慣れていると言っても、この流れは不自然すぎる。
だからバカだバカだと何度も書かれていたのだとは思うが・・・(汗)。

20210725(mixi日記より)
20210920



キャプテン・フューチャー 太陽系七つの秘宝
エドモンド・ハミルトン著・野田昌宏訳

 考古学者ケネス・レスターの惨たらしい遺体が発見された。
調査の結果彼の発掘物で1つだけ盗まれたものがあった。神秘の石である。
一方地球に休暇に来てサーカスを観ていたカーティスは、そこに古代火星の超技術を使用した奇術を見出し、それを行っているのが地球人と火星人と金星人の混血であるウル・クォルンだと知って戦慄する・・・。

 今回は悪のボスが最初から面が割れており、しかも美女をはべらせたりしているので007みたいだと思いながら読んでいたら、しまいにはカジノで対決とか出てきてびっくりした。ちうか書かれたのはこっちの方が遥かに早いし(笑)
そういうわけで今回は悪の視点の描写もしっかり成されて魅力的なキャラクターを作り上げることに成功しており、7つの秘宝を探し出すというアドベンチャーの王道のような設定もあってとても楽しめる作品になっていた。
興味深いのは悪のキャラクターが魅力的になることで、今まで全然感情移入できなかったフューチャーメンの方までキャラクターの厚みが出てきたように感じたところで、やっぱり異なる視点の交錯というのは大事なのだなあと思わされた。
最後の秘宝の秘密がそんなに大きな脅威に見えなかったことはおいておいて(笑)、これまでで一番楽しめたのは確かだった。
流石に最初に翻訳出版されただけのことはある。

20210726(mixi日記より)
20210921



新・吸血鬼はお年ごろ 吸血鬼のための狂騒曲
赤川次郎著

を読んだ。
 それにしても会社から帰ってキャプテン・フューチャーを読み終えたあとに読み始めてその日の内に読み終わってしまうとは・・・マンガか(汗)

吸血鬼のための狂騒曲
 友人の別荘に遊びに来ていたエリカの一家といつもの友人2人。
その家の関係者である少女が1人溺れて死にかけるも、辛くもクロロックが救出する。
しかしそれは事件の始まりにしかすぎなかった・・・。

 このシリーズには珍しいはっきりとしたミスリードがあり、化夢宇留仁はしっかりと引っかかったのであった(汗)
かと言ってミステリとして面白いかと言うと、そういうシリーズではない(笑)

吸血鬼のための料理教室
 生徒の殆どが男性で、夢中になって仕事さえ二の次になってしまう料理教室。
その調査のために入会してみるエリカだったが・・・。

 そう来るか!?というオチ。
しかも頼んでもいない敵の中の裏切り者によって解決(笑)
いろいろと意外性は楽しめた(笑)

20210726(mixi日記より)
20210922



サイレント・シー
ハリー・ホームウッド著/中原尚哉訳

 第2次大戦の中盤から終戦にかけての、アメリカの潜水艦イールフィッシュとそのクルーたちの様子を描いている。
著者は実際に大戦中に潜水艦に乗り込んでいた経験があり、非常にリアルな雰囲気がある。
ところで潜水艦の物語と言えば、狭い艦内で人間関係が悪化したり、爆雷攻撃の中を水中で耐え忍んだりと、非常に過酷なイメージが強いと思うのだが、この物語はリアルにアメリカの潜水艦を描いているだけあって、そういうイメージと比べるとぬるい(笑)
あくまで他の国の潜水艦と比べればだが、艦内は広いし食事はいいし休暇ももらえるし、敵は科学技術や兵站上で劣っている日本海軍だし、オーストラリアの基地に帰れば若くて美しい女性に超チヤホヤされるし(笑)、フィリピンでも超ラブラブ接待してもらえるし(笑)、ほとんど極楽である。
もちろん戦時の潜水艦にはつきものの苦労はあるのだが、それよりも化夢宇留仁的にはアメリカの国力からくる余裕の方に注意が向いた。
陸上での描写も多く、上陸すると必ず手紙を読みながらリンゴをかじり、オーストラリアの地主に招待されてアボリジニのガイド付きで狩猟を楽しんだり、故郷に帰るために必要な装備を他の船から盗んできたり(笑)、むしろ航海中よりもそっちの方が面白かったかも(笑)
というわけで一般的な潜水艦の物語を期待すると肩透かしを食う確率は高いが、アメリカ海軍の潜水艦のリアルな雰囲気を味わうということであれば楽しめる本だと思う。
ただし忘れてはいけないのが敵は日本ということで、もう日本軍は史実通りひたすら悲惨な目にあっているので、そっちが気になりだすと楽しむどころではない(笑)
そしてタイトルだが、読み終わってもどこが「サイレント」なのかさっぱりわからなかった(笑)

20210728(mixi日記より)
20210923



火星のチェス人間
E・R・バローズ著/小西宏訳

 カーターの娘ターラが乗った快速艇が、バルスーム始まって以来の巨大な嵐に巻き込まれ、彼女は未知の土地バントゥームに流された。
そこは奇怪な頭だけの生物と、首なしの身体が共生する世界だった・・・。

 バロウズがまたすごいアイデアをぶちこんできた。
ほとんど物体Xかヒルコ様みたいな(笑)カルデーンと、カルデーンに操られる脳みそのないライコール・・・最初はブライアン・ユズナの映画や、ゼリア・ビショップの「憤丘の怪」みたいなグロテスクな描写が気味悪く描かれるのだが、まさかのその内の1人が仲間に(笑)
しかもその者ゲークの大活躍がもう痛快で痛快で(笑)
 もう一人の主人公格であるガハンは、王でありカーターに並ぶほどの腕前を持つ剣士でありターラを愛する騎士道精神に溢れた男・・・と、このシリーズでは一般的男性(笑)といえる設定なのだが、面白いのは誘導系の罠には何も考えずにすぐはまるというところ。
2回目でもはまる(笑)
 そして表題のチェスはバルスームではジェッタンといい、更にマナトールという国ではそれを人間をコマにして殺し合いをさせる競技としている。
これはスターウォーズのホログラフィック・チェスのアイデア元か(笑)?
多作なバロウズだが、一作一作にびっくりするようなアイデアをガンガン盛り込んでくるのがほんとにすごすぎる。

20210731(mixi日記より)
20210924



ごみ溜めの犬
ローバート・キャンベル著/東江一紀訳

 1980年代のシカゴ。
27地区の民主党員班長であるジェームズ・フラナリーは、ガスの検針の他、地区住民の便利屋のような日々を送っていた。そうして民主党への票を増やすわけである。
ある日堕胎診察所が爆破され、知り合いの老女と堕胎手術を受けようとしていた少女が亡くなった。
ジェームズは現場で知り合った看護婦に一目惚れしたり、親父の意見を聞いたりしつつ、爆破の犯人を突き止めようとするが・・・。

 まず誰からも愛される民主党員班長という存在が興味深い。ある意味小説の主人公として申し分のない設定。クトゥルフの呼び声の探索者とかにもピッタリ(笑)
そんな立場ならではの「僕みたいなちびすけがあなたの靴の上に乗る。あなたは突き飛ばさないまでも、押しのけなければならなくなる。僕は乱暴されたとわめきながら地面に倒れる。善良な市民を助けようと、警察が駆けつける」と言ったような、世にもしょぼい脅し(笑)とか見どころも多い。
また親父とすごく仲がいいのも興味深い。
毎週水曜の夜には親父と2人で仲良くレストランで食事し、親父の警告や意見を実に素直に聞く。
こういうのってボンボンの息子という設定意外では日本で見たことがないと思うのだが、すごく羨ましい。やっぱり頼りになる親父はかっこいい。
ちうわけでちょっと変わったハードボイルド(?)ミステリー(?)で面白かった。

20210731(mixi日記より)
20210925


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