究極のSF -13の解答-
ファーマン&マルツバーグ編/浅倉久志他訳
SFアンソロジーだが、よくある既存作品を集めたものではなく、本の企画としてSFで代表的な13のテーマを設定し、それを得意と思われる著者に直接依頼して集めた作品で構成されている。
ファースト・コンタクト「われら被購入者」
フレデリック・ポール著。
ウェイン・ゴールデンは遥か彼方の宇宙からの異星人による超光速通信波によって、操り人形として働いている。彼はその宇宙人に購入されたのだ。
そんな彼がまれにもらえる自由時間には、決まって意中のキャロリンの居場所を探すのだが・・・。
遠く離れた異星人に購入された人間というアイデアは面白い。しかし物語のオチは納得の行かない部分があり、かつちょっと注目すべき視点がずれた感じで少々残念。
ファースト・コンタクトテーマとしてはこのオチはありがちなもので、それよりも被購入者という設定の方が興味深いのだ。
宇宙探検「先駆者」
ポール・アンダースン著。
光速の1/5の速度で巡航できる恒星間宇宙船が開発されたが、それの搭載スペースは限られており、人間を乗せるには、その脳のデータのコピーを2人分が限度だった。
こうしてジョウルとコリーンの脳のデータのコピーを搭載した宇宙船はアルファ・ケンタウリへ向かう。
彼らは人間が生息可能と思われる惑星を発見するとそこに着陸し、彼らのクローンの身体を培養し、自分たちのデータを更にコピーして与えることで、人類が他の恒星系にたどり着くことを可能とする。
しかし惑星の環境は一筋縄ではいかず、様々な惑星で何人ものクローンが生成され・・・。
これは名作。人間の意識を持った機械宇宙船による永遠の旅というのはそれだけでうっとりするアイデアであり、それを一定のページ数で彼らの人間らしさの表現と共に見事にまとめている。
不死「大脱出観光旅行(株)」
キット・リード著。
貧乏な老人たちが、お金持ちたちがこぞって出かけてゆく大脱出観光旅行を羨ましがり、ある日強行突入して旅立ってゆくが・・・。
どう不死なのかよくわからなかった。老いの表現は不死のテーマにつながるというのはわからないでもないが、だからと言ってそれで十分ではないし、旅行先の展開も納得行くものではなかった。
イナー・スペース「三つの謎の物語のための略図」
ブライアン・W・オールディス著。
交通事故を起こした女との出会いと別れ。人間の感覚器官を遮断し、行動をコントロールする実験。地球文化を絶賛するあまり、それを改造してしまう宇宙人との会見。
夢の記録なんだかアイデアメモなんだかそれを装った巧妙な作品なんだか、全く判断がつかない。
「お前は何を言っているのだ?」
ロボット・アンドロイド「心にかけられたる者」
アイザック・アシモフ著。
USロボット・アンド・機械人間社は窮地に立っていた。あと2年でなんらかの結果を出さないと、会社が解体されてしまう。
最大の懸案は人間によるロボットの不信感で、そのせいで結局ロボット達は宇宙開発や惑星上の工場でしか使用されていないのだ。
研究部長のキース・ハリマンは、この問題を現在までに作られた中で最高の知能を持つロボット、ジョージ10に相談する・・・。
意外にも既存のロボットシリーズの世界にどっぷりと根を下ろした作品で、しかもその世界をひっくりがえすような展開に。
とりあえずアシモフ独特の雰囲気のある会話シーンだけでも楽しい(笑)
しかしこの話で浮き彫りにされる疑問が。
そもそもロボットは人間をどうやって人間だと見分けていたのか???
不思議な子供たち「ぼくたち三人」
ディーン・R・クーンツ著。
人間の能力を遥かに超越した3人の兄弟。彼らは自分たちが新たな種であると自覚し、自分たち以外の人間を滅ぼす。
しかしその内の1人が妊娠し・・・。
あっさりショートショートだが、わかりやすくてよい。
未来のセックス「わたしは古い女」
ジョアンナ・ラス著。
招待した客たちに自分の自慢の彼氏デイヴィーを紹介するわたし。
デイヴィーはセックスロボットだった。
ごめんオチ書いちゃった(笑)
他のことも書かれているのかもしれないが、化夢宇留仁には上記の事しかわからなかった。
女性作家のセックステーマはほんと理解できない(笑)
未来のセックス「キャットマン」
ハーラン・エリスン著。
テレポート能力を持つ泥棒が、高度なセキュリティーを突破し、非常に貴重な物を盗み出す。
しかし彼の前に警官キャットマンが立ちふさがった。
彼らの激しい戦いは今回は泥棒の方に軍配が上がり、キャットマンは相棒のパンサー型ロボットを失う。
家に帰った泥棒は、キャットマンである父が母と口論しているのを聞き・・・。
なにがどうセックスなのか、ここまでの紹介ではさっぱりわからないと思うが、この話は前半と後半で内容が全然異なるのだ。
実はキャットマンを途中まで書いてから、この本の依頼が来たので後半をそれに合わせたストーリーとして仕上げたという。
製作工程はまあいいとしても、その結果上記の通り前半と後半が全然違う話になっているのではいくらなんでも雑すぎると言えるだろう。
テレポーテーション能力を持つパート泥棒と、その父のパート警官という設定は面白いのにもったいない。
それでテーマの未来のセックスだが、要するに機械とのセックスである。
ごめん、またオチ書いちゃった(笑)
スペース・オペラ「CCCのスペース・ラット」
ハリー・ハリスン著。
辺境の惑星で飲んだくれているネズミは、かつてはCCCのスペース・ラットという超精鋭宇宙海兵隊・・・のようなものの最初の一員だった。
彼の昔話は耳を疑うような壮絶なものだった・・・。
宇宙ミリタリー物のパロディを主に、いつものスペオペパロディ&セルフパロディをごたまぜに。
だいたいスペース・オペラというテーマで普段からそれを否定するようなパロディー作品ばかり書いているハリスンを指名するのもどうなんだ?
それって編者がこのテーマが時代遅れだと宣言してるということでは?
もうひとつの宇宙「旅」
ロバート・シルヴァーバーグ著。
狂ったように騒がしい世界、蒙古人が版図を広げている世界、第2次大戦でドイツがイギリスを屈服させ、アメリカが参戦せず、枢軸国が勝利を飾った世界、核戦争で燃え続ける世界、死者の世界、元とほとんど同じ世界・・・様々な異世界を旅する男。
主人公の目的が、当初失った彼女を探すことだと思っていたらそうではなく、そのへんがはっきりしないので読んでいる方もはっきりしない気分で、せっかく盛り上がりそうな話なのに残念だと思った。
コントロールされない機械「すばらしい万能変化機」
バリー・N・マルツバーグ著。
人々は万能変化機という機械を被り、プログラムをセットすると、希望通りの異なる現実の世界を体験できた。
それにどっぷりはまっているハヴァフォードだったが、妻のルースは現実を見ろと文句ばかりで・・・。
ショートショートっぽいオチがついているが、どこを見回してもテーマであるコントロールされない機械につながるとは思えない(汗)
ホロコーストの後「けむりは永遠(とわ)に」
ジェイムズ・ティプトリ・ジュニア著。
14歳で初めての猟銃を手に入れたピーティは、小舟を鴨から身を隠すフトイの茂みの裏に進めようとするが、池の氷が思ったよりも厚く・・・17歳の少女ピラーのことを処女だと思いこんでいたが、そんなことはなく・・・彼と結婚してくれると思っていたモリーは・・・ノーベル賞確実と思われた論文を発表する直前に届いたのは・・・そして死後も意識が残り・・・。
先日読んだ「幻想の未来」と近いところがある。
ただしこっちは視点が限られていることもあり、「幻想の未来」の壮絶なイメージとは比べ物にならず。残念。
タイム・トラベル「時間旅行士へのささやかな贈物」
フィリップ・K・ディック著。
時間旅行機が帰還中に内破によって爆発し、搭乗していた飛行士3人は死亡した。
その死亡したはずの飛行士たちがマリールウの前に現れる。
彼らは爆発する前の時間旅行機から未来へ船外活動に出ていたのだ。つまり彼らはそのあとで過去の旅行機に戻り、爆死することになる。
飛行士の1人アディスン・ダグは、彼らが時間の輪の中に囚われており、それから脱出するために死にたいと言うが・・・。
興味深い話だが、そもそもの時間の輪がどうやって成立するのかいくら考えてもわからなかった。個人の視点による意識のつながりからすれば、進行は一直線で最後は爆発にたどり着くので、輪になりようがない。
客観的な視点から死んだ後も意識があるということになってそこから輪が始まるのだとしても、それならどこか(例えば爆発の直後)で意識の始まりがなければならないが、そんな流れは無い。
あとオチは・・・まあ意外なものだったが、そもそも上記の問題があるのでピンと来ようがなかった(汗)
最初はアメリカで1974年に出たそうだが、今見ると13のテーマ自体がすごく古びている。
そしてこういう依頼&競作形式に対して抱いていた不安が的中した感じで、読みにくい話が多く、そもそもちょっと気軽な短編集でもと思って手に取ったのに、なかなかヘビィーだった(汗)
誰しもあなたはこんなテーマが得意なので競作短編集に作品を書いてくださいと言われれば肩の力が入って、普段よりも難解な作品を書いてしまうのではないだろうか。
しかもテーマと書かれた時代の現在とのギャップが絡み合って、わざとボケているのかそれとも本気で衝撃を与えようとしているのか判断しにくい展開も多く、とにかく色々な意味でクラクラした(汗)
しかしそんな中でもアンダースン、アシモフ、クーンツ、ハリスン、ディックはほとんど緊張した様子もなく、いつも通りのしっかりしてわかりやすい作品を仕上げているのは流石。
特にアシモフの変化の無さは逆にすごすぎる(笑)
20211003(mixi日記より)
20211108
短編集。16篇の小粋な作品。
「究極のSF」が予想以上にヘビィだったので、今度こそ軽い短編集を(笑)、ということで手に取った。
大恐竜
惑星リナーカスに巨大な恐竜の伝説があり、それが今も生きているという情報を受け取り、TV撮影ロケチームが現場に向かう。
果たして恐竜らしい足跡を発見したが、それは情報より遥かに小さく・・・。
要するに水曜スペシャル(笑)
意外にストレートなオチが用意されており、楽しい。
扉
監禁された部屋は金属の壁で囲まれていた。
見張りをノックダウンして脱出のきっかけを作ったのはいいが、見張りの話のとおりだとすると、ここは衛星軌道上のステーションの1室で、扉の外は真空・・・。
オチはまあいいとして(笑)、化夢宇留仁は換気扇の描写が気になった。
説明の通りだとすれば換気扇から空気が抜けてゆくはずでは???
マダム・フィグスの宇宙お料理教室
今日のお料理はナンブラーの不死身揚げ。
なにしろ不死身で凶悪な生物なので、注意して調理する必要があり・・・。
ありきたりと言えばありきたりだが、やはりこういうドタバタスプラッターブラックユーモア料理コメディは面白い。
最後の一夜
2年前の思い出を元に、死にゆく女性に安心を与えたいと思う男。
しかしそれは不確定要素として見えない計画を狂わしており・・・。
ほんわかする話。そもそも2年前に実行できなかったから今回もできなかったわけで。
カンゾウの木
移植用臓器を植物によって育てる技術が開発された未来。
その第1号を開発した男の墓の傍らには、立派なカンゾウの木が・・・。
毎日3杯は飲ませすぎ(笑)
断続殺人事件
時間旅行者であるユリエ・オノは、シンジ・キクチ殺害容疑で何度も逮捕されたが、その度に釈放された。
過去に遡り、何度も同じ人物を殺すという彼女の手口は、全て法律の範囲外に属していたのだ・・・。
時間司法SFという新ジャンル(笑)
目の付け所が非常に面白い。
半身の魚
砂漠をさまよう男に、魚の半身を分けてくれ、泊まる場所も提供してくれた男がいた。
男が言うには魚は尽きることがないが、絶対に勝手に釣ってはいけないということだった。
しかし腹が減った男は・・・。
鶴の恩返しかい(笑)!
ちうかそこまで重要なことなら最初にもっと丁寧に説明すべきとしか思えない。
ひとつの小さな要素
結婚の申し込みを断る女。彼女は会社のスパコンでシミュレーションを繰り返し、その結婚の結果がどうなるかをあらかじめわかっていたのだ。
条件を変えることで彼女の気を変えさせようとする男だったが、彼女のシミュレーションにはよい結果は現れず・・・。
傑作。この展開でSFでもなんでもないそっち方面からオチに突入するとは(笑)
トビンメの木陰
農民に生まれながら独力で宇宙船を組み立て、最終的には2つの銀河にまたがる大帝国を興したビョートル竜帝の墓を発見した考古学者。
そこには竜帝が竜帝たり得た理由が生き残っていた・・・。
ちょっと星野之宣作品を思い起こさせる壮大かつ地道な物語。
異星生物SF魂が燃える。
結婚裁判所
ロボットと人間の結婚は許されるのか?
しかしその世界の人間の定義は・・・。
非常に興味深く読めるが、オチはいまいちピンと来なかった。
二つ折りの恋文が
窓に虫が当たる音がする。
惑星ノルヴィアに住んでいる地球人の「僕」は、現地の可愛い女性アイシャの態度が突然硬化したことに戸惑っていた。
そこで同室の現地人ワノフに相談してみると・・・。
めっちゃホンワカしたロマンティックなストーリー。
化夢宇留仁もほんわか(笑)
ワーク・シェアリング
雇用問題を解決するために極限まで仕事を細分化した世界。ネジを開けるのと締めるのは別の専門家があたる。
「マネージャー」の担当である主人公はなんとか仕事を迅速に終わらせたいが、あまりにも細分化された作業は遅々として進まず・・・。
一応どんでん返し的な展開があるが、基本は細分化の描写がメイン。
化夢宇留仁が嫌でも思い出すのはハバロフスクに旅行に行ったときのこと。
まだ資本主義に慣れない社会という感じで、どんなところにもお婆ちゃんが配置されていたのが印象的だった。
公衆トイレや映画館のトイレの入口にもお婆ちゃんが配置されており、手数料を払わないと入れてくれないのだ(笑)
ナイフィ
ナイフィという生物はナイフのように鋭い切れ味があるが、進化の過程上人の肌を恐れ、どうしても触れてしまう状況でも自分の形を変形させて回避する。
それを利用した子供用の玩具&ペットとして販売されて人気があるが、子供の教育に主に使用される暗示システムによって・・・。
理屈頭がうふっと笑ってしまうオチ。
状況的にはとてもじゃないが笑い事ではないが(笑)
予告殺人
ミュータントだらけになった世界で、殺人の予告告白を聞いてため息をつく警察官。
しかし彼はその予告に違和感を感じ・・・。
ミステリー的なオチがSF的な補足で台無しに(笑)
仕方がないのだけれど。
生煙草
煙草に似た動物の話。
ちょっと「トビンメの木陰」とかぶる要素も。
ユビキタス
ネットによってあらゆる情報とリンクし、身体に埋め込んだモジュールによってそれらを縦横無尽にコントロールしている人々。
しかしある日ネットが全面的にダウンし、彼らは突然迷子に・・・。
ご都合主義的なところも目立つが、イメージが気持ちよく描かれているので楽しく読めた。
こういうところはこの著者の独壇場。
ちうわけで手軽で面白い短編集という条件を完全に満たす本だった。
やっぱ草上仁は別格。
20211003(mixi日記より)
20211109
ハストールのタン・ハドロンはよくいる火星の戦士の1人だった。
彼は自分の属する師団の長の娘サノマ・トーラに愛の告白をするが一笑に付されてしまう。
そして何者かに誘拐されるサノマ。しかも彼女を誘拐した者たちは、一瞬にして金属を消滅させる恐るべき武器を所持しているらしい。
彼女の奪回を誓ったハドロンは奴隷の1人の証言から、誘拐犯がジャハールの者だと突き止め・・・。
相変わらず一筋縄ではいかないバロウズ。
このタイトルから想像するストーリーは、状況を一変させる秘密兵器を敵国が開発し、それが量産されるのをなんとか防ぐというのが一番ありそうなものではなかろうか。
しかしその兵器はすでに量産が開始されている。
しかも本当に恐るべき威力の武器であり、下手をするとイデオンでも倒せそうな(笑)
そうなると次に予想されるのは、その兵器に対する防御兵器を開発する、またはその兵器を奪って敵を倒すという展開。
ところがその兵器に対する防御兵器もそれを開発した敵国は実用化しており、すでに装備されているのだ。
そうなるともはや予想がつかないが、そこに出てくるのは件の防御兵器を標的とした攻撃兵器。それがなんと自律型の誘導ミサイルである(この作品の発表年は1931年である/汗)。
そしてまたそのミサイルさえ防ぐことのできる遮蔽兵器が(笑)
もはやついてゆけない(笑)
しかもそんなすごい展開も、実はこの本のメインストーリーではないのだ。
今まで一切登場しなかったキャラクター、正真正銘のビッチ美女の登場で、シリーズは新たな展開に(笑)
何しろ初めてのことなので(「火星の女神イサス」に出てきたファイドールもビッチだったが、あっちはそれよりもツンデレ成分の方が多かった/笑)、どうなることかと思わせておいて、そこに登場するとびっきりのいい女(笑)
これがまた今までのシリーズで出てきた中でも、性格的にも能力的にも最強のいい女で、要するに主人公ハドロンがビッチと超いい女の間で悩むのがメインストーリーなのだ(笑)
しかもこのハドロンがいわゆるバルスームの一般的男性(笑)である上に超クソ真面目で、そういう方面にはうとすぎて、言ってることとやってることとがどんどんギャップまみれになっても気が付かない。
最終的には超いい女タヴィアも、ハドロンのことを愛しつつも頭がいいので「あ、この人はアホなんだわ」(笑)と気づき、何度か苦笑をせざるをえない状況に(笑)
ストーリー展開的にもなにしろハドロンがアホなので(笑)、敵の策略には100%はまり、もう勝ったと思ってから何度も絶体絶命のピンチに陥り、流石に最後の方はいい加減に覚えろといいたくなった(笑)
しかしなにしろタヴィアがいい女なので彼女の幸せは祈らずにはおれず、そのためにはハドロンに頑張ってもらわなければならないわけで、回り回ってハラハラドキドキさせられるというややこしい構成(笑)
いや〜〜〜ほんとにバロウズは一筋縄ではいかんわ。
20211006(mixi日記より)
20211110
mixiの本や映画の感想を転記しているホームページの方で、掲示板にて「ここまで火星を読んだなら当然、「火星の大統領カーター」も(笑)」というご意見を賜ったので、ただちに注文(笑)そして今日読んだ。パロディ短編集である。
火星の大統領カーター
大統領選でレーガンに破れた失意のカーターが、はっと気づくと火星に。
ほとんどそのワンアイデアとあとはパロディだけで成立している。
化夢宇留仁の一番古い記憶の大統領はカーターだった。まだ大統領というものがどういうものかもよくわかっていなかったが。
そのカーターが本編に登場したのは、ほんとに単なるシャレだけであって、それ以外の意味はあり得ない。
なので本題はパロディの方にあるのだが、大元帥カーターが年老いているなど、原作の設定を無視しているところも目立ち、特別よくできているという感じではない。
ただ後半にはローダンシリーズのパロディも挟まってきたりと、今このタイミングで読んでよかったと思うところがあった(笑)
エンゼル・ゴーホーム
突然地球のあらゆる場所に天使が現れ、人々に善行を説く。
天使には実体がないようで、なにを言われても反撃することも叶わず、やがて世界は天使の教えに膝を折る。
しかしエロ小説家の主人公は茜という女性との出会いで折れかけていた心を取り戻し・・・。
残念ながらオチの意味がわからなかった。
パロディ元の「火星人ゴーホーム」と同じらしく、化夢宇留仁は昔「火星人ゴーホーム」を読んでいたのだが、全然覚えておらずわからずじまい(汗)
ただ天使に支配された世界は化夢宇留仁にとってこの上なく不愉快だったのは確かだった(汗)
ロバート・E・ハワード還る
庭先にいたコナン(野蛮人の方)を部屋に連れ込んでしまった松原が困り果てているので、相談に乗る編集長だったが・・・。
なんだか色々と変な話。なんとなく「アフリカの血」っぽいところもあり、それも含めて全体的に勘違いしているような、居心地の悪い雰囲気が。
あの状況でコナンは黙っていないし、部屋に閉じこもったりもしないと思う。
とにかく行動して未来を切り開いてゆくと思う。
ナマコの方程式
燃料をギリギリしか積んでいない宇宙船に密航者が。しかもそれは美少女の声を持つナマコのような異星人だった・・・。
積み荷の一部を放棄すればよかっただけでは?
ちうかオチがすごくおかしなことになっているが、わざとなのか?まさか気づいてないわけないよね?
だって重量変わらないし・・・(汗)
最後の方程式
かつては大志を持ち、宇宙戦艦に乗っていたヤンだったが、今では輸送船を操縦しつつ、ただ死を待つばかりの日々を送っていた。
そんな彼の前に、大志を持った若き密航者が・・・。
本短編集唯一のシリアスな話。パロディなのは変わりないが。
まあ色々と考えさせられる内容ではあるものの、そのどれも考えても仕方がないもので(汗)、内容的に仕方がないとは言え、なんとも微妙な読後感だった。
ちうわけで振り返ってみると辛口な感想ばかりになってしまったが、読んでいる間はそれなりに楽しんでいた。
やはりこういう内容の作品は、冷静に振り返ってはダメだ(笑)
20211007(mixi日記より)
20211111
囲碁をテーマにした短編集コミック。アマゾンプライムで無料で読める。
どれもよくできていて、囲碁を知っていても知らなくても楽しめる作品に仕上がっている。
化夢宇留仁が特に気に入ったのは表題の「いしのおと」1〜2話だが、それ以外も高いレベルでまとまっている。
気になったのはキンドルの仕様なのか、モノクロ原稿なのにカラーで取り込んでいるせいで、スクリーントーンなど一部が微妙にカラーで表示されるところ。
変に目立つのでグレースケール変換くらいはしておいてほしかった。
20211009(mixi日記より)
20211112
囲碁をテーマにした短編集。前巻のキャラクターを引き継いだ続編的な話も。
1と比べると少々観念的な要素が増したが、相変わらず高いレベルは保っている。
特に最初の詰碁の話がお気に入り。
化夢宇留仁にもさっぱり解けませんでした(汗)
20211009(mixi日記より)
20211112
海の男ホーンブロワー1
海軍士官候補生
セシル・スコット・フォレスター著/高橋泰邦訳
1793年。17歳でイギリス海軍ジャスティニアン号に配属された士官候補生ホレイショ・ホーンブロワーは、いきなり船酔いにかかるなど将来を不安視されるが、持ち前の正義感と理数系の思考能力で様々な任務をこなしてゆく・・・。
海軍物の小説は何冊かは読んでいるのだが、帆船物は初めてで、どうなることかと少々心配だったのだが、期待を逆方向に裏切られた。
とにかくテンポが良くて読みやすい。
初めての帆船勤務に慣れるまでをじっくり描くのかと思いきや、さらっと流し、そして色々あって最初の配属艦ジャスティニアン号が出港する前に転属になり(汗)、次は新たな配属先の船に乗り込むシーンかと思えば、いきなりそのフリゲート艦インディファティガブル号が敵船団の中に殴り込む戦闘シーンが始まったり(笑)
ちうかそもそもこの本は1つの長編と言うよりも連作短編の集まりのような構成になっているのだ。
そしてそれぞれの短編が、あまりにもバリエーション豊かなのには驚かされる。
最初はホイストでの勝負(笑)、次が米の輸送、フランス私掠船からの脱出、フランスのコルベット艦への闇討ち、神と悪魔を観た男との語らい(笑)、フランス王党派と共にフランス上陸、スペインの寝返りとガレー船との対決、任官試験とスペイン軍の襲撃、黒死病による隔離と食料輸送(汗)、公爵夫人の護送とスペイン大艦隊との遭遇、スペインでの捕虜生活(笑)と、当時の海軍士官の活躍の幅の広さには驚愕するしか無い。
そして帆船の操作や生活振りも予想通り興味深かったのだが、なにより印象的だったのはこの時代そのものだった。
時はフランス革命戦争の最中。ナポレオンの台頭の前である(汗)
今では滑稽としか思えない風習や技術水準の低さは勿論のこと、野蛮なところはとことん野蛮だけど一部では現在よりむしろ紳士的であったり、そんな教科書や歴史の資料なんかで見るだけでは想像しにくい時代をその時代に生まれて生きている主人公の目を通して見るのは、まるでタイムマシンに乗ってその時代にやってきたような感覚にさせられる。
艦長は勿論かつら。士官は正式な場では白いタイツで脚線美を強調。足りない乗員は強制徴募(笑)、王党派フランス軍は仕返しとばかりにギロチンを港町に持ち込んで革命派の首の山を築き、極めつけはガレー船。
1000年単位で時代遅れじゃないのと思わされるガレー船だが、帆船時代にあってもなにしろ唯一エンジンを内蔵した船なので凪でもいつもの機動力を発揮でき、使い所があるのだ。
しかしそのエンジンは放おっておくとどこかに行ってしまうので壊れるまで鎖でつないでおかなければならず、おかげでガレー船が近寄ると凄まじい糞尿の臭気が・・・(汗)
ちうわけで奴隷に人権などという考えは欠片も存在しない時代なのである。おとろしい・・・。
というわけで読みやすい上にどこもかしこも興味深く、とても面白かった。
また主人公ホーンブロワーが、頭はいいけどクソ真面目(笑)という、その判断はいつも納得がいくし、でも卑怯なことは性格的にできないというまさに完全なヒーローと言える造形なのもお見事。
あとは事件の最後に顛末を聞いた艦長から意外な意見を言われるシーンは、まさに銀河辺境シリーズそっくりなのも面白かった(それ逆/笑!)
20211013(mixi日記より)
20211113
シリーズ3作目。本作は1巻「憂鬱」と2巻「溜息」の間で起こったエピソードを語る連作短編となっている。
ちうか冒頭で一人称主人公(?)キョンが「憂鬱」と「溜息」の単語を使って2つの事件のことを語るのは、あまりにもメタすぎてびっくりした。
前巻の話をする登場人物というのは珍しくないが、本のタイトルまで言及したのは初めて見た(汗)
涼宮ハルヒの退屈
6月のある日、涼宮ハルヒが「市内アマチュア野球大会」への参加を表明する。
それはアマチュアとは言え、2日間に渡ってトーナメント戦を戦うなかなか本格的なイベントだった。
小学生であるキョンの妹まで動員した急造チームで、相手はここ数年連覇している強豪チームで、まともに相手になるわけもなかったが、コールドゲームを前にしてハルヒのいらいらが限界を突破し、閉鎖空間が発現。このまま負けるわけにはいかないと・・・。
トーナメント戦というのはそれだけで絶対面白くなる印籠みたいなものなので、面白かった(笑)
いろいろあってトーナメント戦になる前に終わるが(汗)
笹の葉ラプソディ
突然ハルヒがみんなで七夕をやる!と言い出して竹の木を切ってきたので、みんなで願い事を短冊に書く。
その後みくるに呼び出されたキョンは時間を越えた冒険に・・・。
時間物というのは面白くなる条件としてはトーナメント戦に勝る数少ないものの1つであり、当然面白かった。
やはりありがちながら過去のエピソードに厚みをもたせるというところは最高に面白く、第1巻のあのシーンで、実は隣の部屋では〇〇された〇〇と〇〇が〇〇していた(笑)というところはシビレた。
気になったところ:竹に笹の葉は生えない。
ミステリックサイン
ハルヒが描いたSOS団ロゴマークを公式ウェブサイトにアップロード。
それから少しして、彼氏が行方不明になったので探してほしいという相談がSOS団に持ち込まれる。
そう言えばキョンが前に苦し紛れによろず相談受付の張り紙をしていたのだった。
かくして行方不明になったと思われるコンピュータ研の部長が住むマンションを探索する一行だったが、そこでは予想を上回る異変が発生していた・・・。
これから盛り上がりそうと思ったら終わった(笑)
まあ悪くはなかった。
孤島症候群
夏休みに古泉の遠縁に当たる金持ちが所有する孤島に建てられた別荘に招待されたSOS団。
そこではハルヒの期待通りミステリアスな事件が・・・。
ハルヒの専門はSFだけかと思っていたら、この話からミステリーも含まれるようになったらしい。
ミステリーとしては当初「まさかこんなしょうもないオチじゃないよね?」と思っていたオチそのままで驚いた(汗)が、やはりミステリー的な雰囲気は楽しめた。
化夢宇留仁もお刺身舟盛り食べたい(汗)
気になったところ:モノポリーにルーレットは無い。
第2巻がありきたりな内容でどうなることかと思ったが、第3巻はどれも面白く読めたのでほっとした(笑)
やっぱりトーナメントと時間物は外さないね(笑)
20211014(mixi日記より)
20211114
康夫は鉄道写真を撮るが、ひどい失敗にカメラマンへの道を諦める。
実家の板金工場は弟の義郎が取り仕切っており、遺産相続の放棄を頼まれる。
というのも康夫はレストランチェーンを経営する一家の一人娘である北城セツ子の婿養子になるという条件で、彼女の家へ転がり込んでもう5年になるのだ。
そんなところにセツ子に見合いの話が。
セツ子と彼女の両親は形だけだから心配するなと言うが、いざ見合いをしてみると・・・。
高校〜大学の頃から好きな映画で、この度DVDを借りて見直してみた。
あらためて観るとやはり最高に面白い。
細かいところは覚えていないものの、流石のつかこうへい脚本だけあって、多くのセリフをはっきりと覚えていた。
何が面白いってやっぱりそのノリと台詞回しで、あまりにも濃いキャストも生き生きとしていて、話が進むにつれて滅茶苦茶度がヒートアップしてゆき、最後はどうでもよくなるというのがすごい(笑)
キャストの見どころは大竹しのぶが超カワイイのと、岸田今日子が彼女の母親役なのだが、これまた凄まじく妖艶かつ頼りになる存在感で、過去に人を殺したことがあるという運転手の柄本明、あとは京都の旅館の仲居さんの邪悪な笑い声(笑)などなど。
また今となっては非常に古い映画(1987年)でもあり、街中のシーンになると走っている車がすごく古風なのに驚かされる。
化夢宇留仁の高校時代ってこんなに昔だったんだ・・・(汗)
20211016(mixi日記より)
20211115
死にゆく太陽の惑星
クルト・マール著。
スターダスト2は見たことのない宇宙にいた。いくつかの恒星が観測できるが、そのどれも常識では通用しないスペクトル型を示している。
すぐに近くの恒星へ調査に向かうように要請するトーラだが、ローダンは常識の通用しない世界で不用意に移動するべきではないと判断した。
そこにタナカ・セイコが何者かからの信号を受け、やがてスターダスト2は通常の空間に現れた。というよりもこれまでは一種の幻を見せられていたらしい。
彼らの前には火星に似た赤い惑星が存在していた・・・。
惑星探索&ミステリー(?)編。
赤い砂漠しか無い地表に住むビーバーによく似た動物と、奇妙な形状のロボットの謎・・・なのだが、状況が奇妙すぎてなんだかよくわからなかった(汗)
ツグランの反徒
クラーク・ダールトン著。
<ネタバレ>
ビーバーたちの中で唯一高度の知性を維持し続けることができる個体が、スターダスト2に密航。彼は遊びのつもりでテレキネシスでスターダスト2の航法計算を入れ替えてしまった。
結果スターダスト2がたどり着いたのは、目的地であるヴェガから遠く離れたアルコンの支配下にある星系ツグランだった。
その時ツグランでは反帝国の陰謀が進行していた・・・。
植民地視察編(笑)
1話毎にあまりにも物語のタイプが違うので、しばしば頭を切り替えるのに苦労する(笑)
そしてこの話はこれまでのシリーズとは全然雰囲気が異なり、それこそ「銀河帝国の興亡」の1エピソードみたいだった。
クレストがいかにもな失敗をやらかすが、これはそういうキャラクター設定なので仕方がない。
それにしてもローダンがなんの脈略もなくいきなり彼を「グッキー」と名付けたのに驚いた(笑)
そして「ミッキーマウス」というセリフが2回も出てきたのにも(笑)
20211017(mixi日記より)
20211116
トランスポーター
リュック・ベッソン製作・脚本/ルイ・レテリエ監督
を観た。今更(笑)
運び屋のフランクには3つのルールがあった。
1.契約厳守、2.名前は聞かない、3.依頼品を開けない。
しかし鞄の中身が人間だったと知ったとき、彼はルールを破ってしまい、その後はなにもかもが滅茶苦茶に・・・
一斉を風靡しただけあって実によくできている。
脚本、演出、アクションともに文句をつけるところはない。
勿論物語をじっくりと楽しむような映画ではないが(笑)
惜しむらくはラスト近くに飛行機に乗ったのと、トレーラー絡みのアクションが007っぽすぎたところ。
よかったのは女優のなんともいえない顔(笑)と、フランクにまとわりつく刑事のキャラクター。
化夢宇留仁は基本的にフランスは合わないのだが、軽妙な頭空っぽアクションは当たりが多い。
20211017(mixi日記より)
20211117
復活祭の日、エミリイ・アランデルの家に、彼女の甥や姪達が集まっていた。
しかし彼らの目的は彼女からお金をせびることだった。
古風でしっかりした性格のエミリィははっきりと断るが、その夜階段から転げ落ちて死にそうになり、それが皆が言うように犬のおもちゃのボールが階段に置き忘れられていたのが原因ではないと気づき、悩んだ挙げ句にポアロに手紙を出し、更に遺言状を書き換え・・・。
実に面白かった。
最初からまあまあ多くのキャラクターが登場するが、それぞれの説明と、それぞれの視点からの他の人物に対する言動など、見事に印象づけており、そのまま殺人事件など起きなくても普通の物語として読めそうな状態まで持ち込む。
クリスティの「そのへんの青二才と一緒にしてもらったら困りますの」という声が聞こえてくる(笑)
そうして事件が発生するまでの状況を説明し終わると、おもむろにポアロとヘイスティングズが登場。
この2人の最初の会話がまた振るっている。
「ポアロ、しがないワトソンだけど、ぼくがひとつ推理してみることにしようか?」
「喜んで聞きましょう。何です?」
「あんたは今朝、非常にあんたの興味をそそるような手紙を一通受け取ったね」
「まさにシャーロック・ホームズです。あなたの推理はまったく正しい」
ドラマの吹き替えの声がはっきりと聞こえてくる(笑)
しかも内容が(笑)
ちなみにヘイスティングズの推理をポアロが褒めるのは、この本でこれが最初で最後なのは言うまでもない(笑)
肝心のミステリー部分だが、この話は最初の殺人未遂とそれに続く殺人・・・かどうか怪しい状況が提示され、しかも依頼者がすでに亡くなっているという非常に特殊な状況でポアロが調査を開始する。
そして殺人の動機たる遺産相続に至っては、全く関係ないと思われる人物にほぼ全額が譲られるという結果になっており、それもミステリーの一環を成している。
被害者兼依頼者はすでに亡くなっており、動機のある容疑者達にはなんの利益も生じていないというなかなか滅茶苦茶な状況から始まっているのだ。
このへんはタイミングやらなんやらがなかなか複雑に絡み合って混沌としているのだが、ポアロの調査とともに被害者がなぜ遺言状を書き換えたのかは明言はされないが途中でわかるようになっており、化夢宇留仁も確信を持って断言することができた。
しかし実際の犯人となるとやはり全然わからず、最後の謎解きでなるほど!と思わされる著者の術中(笑)
ちょっといくらなんでも断言するには情報が足りていないような気もしないでもないのだが、最初から最後まで実に面白く読めたのは確かだった。
いや〜〜〜〜、流石です。
20211020(mixi日記より)
20211118
銀河辺境シリーズ9
黄金の星間連絡艇
A・バートラム・チャンドラー著/野田昌宏訳
グライムズは退職金として譲渡された連絡艇で個人輸送会社を立ち上げることにした。
商業路から外れた惑星間での小質量の貴重品の高速輸送に狙いをつけ、最初に舞い込んだ仕事は惑星ティラルビンからボガーティ星系への急ぎの貨物で、更にティラルビンの美しき郵政局長も船客として輸送することに。
これは宇宙捜査官ウナ・フリーマンとの甘くほろ苦い体験を思い出させる内容だったが、今回の旅はあの時とは比較にならないほど悲惨なことになるのだった・・・。
まず「黄金の〜」という表現は通常「非常に素晴らしい」というような意味で使われることが多いので誤解が生じるかもしれない。ちうか化夢宇留仁は誤解した(笑)
この「黄金の星間連絡艇」というのは文字通り黄金でできた連絡艇という意味であり、その航海に素晴らしい伝説を残したという意味では断じて無い(笑)
ちうわけでいつものグライムズのボラボラな銀河辺境ライフ(笑)が描かれるわけだが、今回は上記の通り非常に悲惨な状況に追い込まれており、普通だったら心が折れてしまいそうなところだが、このシリーズの骨格には「能天気」が流れている(笑)ので、なんとか正気のまま危機を脱するのに成功する。
まあいつもの通りのぬるくていい感じ(笑)でなかなか面白かったというわけである。
ところで「銀河辺境シリーズ7 傷ついた栄光」の感想をホームページに転記したところ、掲示板に書き込みがあり、そのレスとして化夢宇留仁はこのシリーズ名に対して不満があると書いた。
そこでここに化夢宇留仁の考えるこのシリーズの内容にふさわしいと思えるシリーズ名を考えてみた。
「銀河のセキセイインコ グライムズ・シリーズ」
うんこれで完璧(笑)
20211023追記
そういえば冒頭でグライムズがホーンブロワーの子孫だって断言しちゃってるけど、許可もらってるのか(笑)?
20211022(mixi日記より)
20211119
ヘイスティングスの友人チャールズ・アランデルが、湖でボートのスピード記録に挑戦するというので、2人はウィンダミアを訪れる。
挑戦はエンジントラブルで失敗に終わり、祝賀会あらため残念会に参加する。
その夜チャールズの叔母でリトルグリーン荘の女主人エミリーが階段から転げ落ちる事故が発生。
みんな飼い犬のボブの置いたボールが原因だと思いこむが、ポワロは階段の壁に刺さったネジ釘に気づいていた・・・。
原作が面白かったのでドラマの同じ話を観てみたのだが、換骨奪胎というのか、ずいぶんいろいろなところが変わっている。
とりあえずポワロとエミリーが生きて話をしているし(笑)
なんでも原作の元になった短編があり、そっちでも依頼人がすでに亡くなっているという展開で、先にそっちをドラマ化してしまったので同じにするわけにもいかなかったらしい。
それ以外にも登場人物達が全員快活になって、活気がある感じに。
しかし化夢宇留仁的には原作の引っ込み思案で陰気だったり軽薄だったりする感じが面白かったところでもあるので、これも残念。
なんだボートのスピード記録挑戦って(汗)?
ちうわけで原作の雰囲気が再現されているのを期待してみると残念としか言いようがないが、別な話として考えればそう悪くないという感じだった。
それにしてもトリップ姉妹の活躍ぶりはどうしてそうなった(笑)?
20211022(mixi日記より)
20211120
闇夜の庭園でジェームズ・ボンドが何者かに殺される。
しかしそれは特殊メイクをした偽物で、殺し屋グラントの訓練だった。
チェスの世界チャンピオンであるクロンスティーンは実はスペクターの幹部であり、ソ連の暗号解読機レクターを奪う計画を発案。それにはソ連KGBとイギリスM16を罠にはめる必要があり、その計画の中にはDr.NOを殺した憎き007を殺すことも織り込まれていた・・・。
4〜5回目?
今回改めて観て、その面白さにびっくりした。
とにかく素晴らしいのは脚本と、舞台であるイスタンブールの画とイスタンブール支局長のケリムのキャラ、そして殺し屋グラントの存在感。
ボンドとケリムのやり取りはほんとに息が合った感じでワクワクさせられるし、イスタンブール、そしてオリエント急行と、舞台の画がほんとにどれも素晴らしい。
脚本も原作では少々無理矢理感のあったソ連諜報部の計画が、スペクターを介入させることで自然な流れになっている。まあスペクターの存在を自然と感じることができればだが(笑)
もちろん問題もある。
まずこの作品ではボンドの活躍は終わり近くのほんの少しで、それまではひたすら超有能なグラントの手の中で踊ってるだけ(笑)
命まで救われてるし(笑)
逆にグラントの活躍はこれぞ諜報部員という感じで超かっこいい(笑)
ちなみにボンドがなんとかグラントを撃退できたのは、もちろんボンドが「必要ない」と言っていたQの秘密兵器のおかげである(笑)
それとなにより壮絶なのがイスタンブールソ連大使館(?)に仕込まれた潜望鏡(笑)で、これがなぜバレずに放置されているのか、どう考えてもわからない(笑)
と、古い映画ならではの問題もあるにはあるが、いいところの方が100倍多い超名作だった。
スペクター以外はまあまあ原作に忠実にできてたんだよね。確か。
20211023(mixi日記より)
20211121
※役名を間違っていたので訂正
20211124