多分こうであろうという事件の発生順に並べている。ネタバレ注意!
1985年アメリカ映画。
少年時代のワトソンがロンドンへ転校し、若き日のホームズと出会う。
その頃ロンドンでは原因不明の自殺が連続して発生していた・・・。
少年時代ワトソンとホームズが出会っていたというのは明らかに「緋色の研究」の内容と食い違うので、ファンタジーととる以外ない。
なにより問題なのは少年時代のホームズの性格。
爽やかで、しかも女の子に夢中というのが許せない。
一応最後にもう恋愛対象は作らないという展開にはなるが、もっと屈折していてオタクな少年であってほしかった(笑)。
簡単にキスしようとしているのも当時(1870年?)のイギリスの常識から外れていると思う。
またレストラーデ刑事というのが出てくるが、多分レストレードなのだろう。スペルを確認すればいいのだが。
彼と少年時代のホームズが交友があったというのは筋が通らないわけではないが、後の2人の関係を考えるとやはり無理がある。
ちなみに彼は今回の事件を解決した功績で警部に昇進する。
ラストは実はモリアーティ教授も関係していたというのが判明するが、「恐怖の谷」でホームズ本人の口から言及される教授との関係と噛み合わない(モリアーティが短い期間だが、少年時代のホームズの家庭教師をしていたという報告もあるにはあるのだが)。
帽子とパイプ、そしてコートというアメリカで(日本もか)ホームズと言えばトレードマークとして扱われているアイテムがそろってゆく過程も描かれるが、ここまでやるとくどい。
総じて雰囲気は悪くなく、それなりに楽しめるが、良くも悪くもアメリカ映画という感じである。
シャーロック・ホームズ vs ヴァンパイア |
2002年カナダ、アメリカ/ロドニー・ギボンズ監督
修道院で殺人事件が発生。被害者の首には2つの牙の跡が。
事件の関係者は口々に吸血鬼の仕業だと言うが、ホームズはそんなものは存在しないと言い切る。
ワトスンはと言えば、科学で説明できない事象も存在するとホームズを説得する・・・・。
オリジナル脚本によるテレビスペシャルドラマ。
タイトルから想像する荒唐無稽なイメージと違い、意外に聖典に忠実にあろうという姿勢が伺える。
残念なのはホームズの役者で、あまり賢そう&エキセントリックに見えないので、単なるホームズ独特の独断的な態度に少し不安を感じてしまう。
しかし脚本がしっかりしているので、その辺も気にならなくなった。
最後のオチは実にいい感じに出来ていて、ニヤリとさせられる。
ホームズファンにも、そうでない人にもそこそこ楽しめる佳作だと思う。
20090429
スティーブン・ノリントン監督、ショーン・コネリー、シェーン・ウエスト、トニー・カラン出演。
1899年。
イギリスとドイツが正体不明の組織の攻撃を受け、両国ならびに諸外国はお互いの不審を深め、今にも世界大戦が勃発しようとしていた。
大英帝国情報部(?)のMに集められた「超人紳士同盟」は、世界大戦の危機を回避すべく行動に移る。
ホームズは出てこないが、モリアーティ教授が悪の親玉として登場する。
しかしどう見ても若すぎて教授には見えない。
時期的にはホームズと共にラインバッハの滝に落ちて(1891年)から8年後ということになり、実は生きていて新たな計画を練っていたというのは問題ない。
ただし原作ではホームズは決闘の傷が癒えずに静養中となっていたらしいが、3年後の94年には復活して「空き家の事件」を解決し、再びワトソンと行動を共にしていることを考えれば腑に落ちない。
原作と映画では時代設定が微妙に異なる可能性もあるが。
そもそも大英帝国と世界を守るための「超人紳士同盟」にホームズがいないというのが納得できないが、この点はメンバーを集めたのが実はモリアーティだということを考慮すれば当然だな(笑)。
・・・そう言えばモリアーティの片腕のような存在だったあの男は名前をなんと言ってたかな?大佐?
もしかしてあの大佐かな???
そうだとしたら彼はこの映画で死んでしまったので、少なくとも「空き家の事件」のあとの出来事というのは確定する。
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