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海賊についての考察 (その17)

(11)治安警備側から見た海賊対策について
本項では海賊側から見た観点とは逆に、海賊に対抗する治安警備側の行動を考えてみましょう。
まず前提として、海賊はスポンサーも含めて、社会から孤立した者ではなく、「恒星間社会の流通を狙った犯罪者」として活動している、という点と、彼ら海賊自身も、犯罪者であること、治安警備側が毅然とした対応をとる、つまり投降して裁判を受けて、禁錮何年で釈放される罪状ではないということを充分に理解している、という点の2点です。
つまり、海賊は慎重に行動し、決して治安警備側から補足されない様に細心の注意を払って海賊事業に臨んでおり、更には支援を受ける社会の一部としての機能を有している、ということになります。
もし海賊を掃滅すべく軍隊や艦隊を大規模に投入するとなれば、ほぼ確実に事前に海賊組織と関連する支援組織に察知されてしまい、結果として海賊を一掃することはできません。
結果論的には、地道な捜査と警備を万全にするのが最も効果的と言えます。
では、その地道な捜査と警備はどうするのか、という事になります。

まず、海賊は一般社会に存在している、つまり支援組織を介して市場があったり、休息や整備をしているだろうとすれば、その過程で海賊を特定できれば、治安警察などを投入して逮捕拘禁することが容易になります。
そうした支援側からの特定をする捜査を継続する、ということが結果として海賊の撲滅に繋がる、ということです。
つまりは、宇宙港などの地上側での捜査による治安警備活動で、襲撃現場以外の逮捕拘禁などの制圧行為です。
これには幾つか方法があってノウハウがあって、となると思いますが、通常捜査による証拠固めや潜入捜査などをする場合など通常の組織的犯罪の摘発をする手段が流用できます。その手段は多岐に渡るでしょう。

それ以外には、現行犯での治安警備活動、つまり略奪行為中に戦闘艦艇で現場に急行して、その場で海賊を制圧する方法です。
この警備活動に使用される艦艇は星系に配備されているSDBや戦闘艇部隊、星系を廻っているT型哨戒艦などの哨戒用艦艇や海軍の警備任務艦艇などが担当することになります。
民間船が襲撃されている場所に警備艦艇をタイミングよく派遣対応できれば、その投入戦力さえ間違いなければ制圧できます。
しかし海賊側も治安警備体制を想定して活動していますので、なかなか難しい場合の方が多くなります。
ですので、その想定の裏をかいた体制を柔軟に運用して限られた警備戦力を活用できれば良いのですが、それもまた難しかったりします。
つまり、海賊に体よく逃げられてしまうのです。海賊も必死ですから。

そうした対策の1つとして、民間船に偽装した戦闘艦艇などで囮として海賊退治任務をするとか、が考えられます。
ハウスでしたが、A2型自由貿易船の外殻を使用して中身は別物の200排水素トン級、R型の400排水素トン外殻そっくりのの大出力戦闘艦を再設計の上、建造したりして、そうした対海賊掃討任務のシナリオをやったことがあります。装甲度も高め、高いコンピュタ性能を有し、大出力のパワープラントを有する高移動力の高加速な対海賊用戦闘艦です。
また、通常型の商船をチャーター利用して、その船倉に例えば50トン級大型戦闘艇を搭載して、海賊船が接近してきた場合に高加速戦闘艇が発進し、反撃を開始します。
この際に、海賊側は判断に迷うことになります。
攻撃してくる戦闘艇を攻撃すべきか、離脱しようとしている商船(母船)を攻撃すべきか、という判断に迫られます。
あるいは、通常の商船内部で対海賊任務の完全武装した海兵隊が待ち構えていて、というパターンもあるでしょう。
乗り込みして海賊がいよいよ略奪開始、さあ海賊の時間だ、となると共に海兵隊が逆襲を開始という手筈です。
海賊よりも兵数が多く、正規の戦闘装備の海兵隊相手に乗り込みした側の海賊達は奇襲攻撃になりますので、よほど統制の取れた海賊でもない限りは戦局を立て直す事が難しいことになります。
つまり、きちんと対応して、きちんと戦力を投入されれば、大抵の海賊組織は脅威にはならない程度の戦闘力でしかありません。所詮は犯罪者集団ですから。
その結果として、戦力が準備できない辺境星系に熟練した海賊達が流れ込んで、その地域だけ被害が増加するという流れにもなる可能性がありますが、海賊の側だけではなく、治安警備側も合わせて考えて行って、そのまた海賊の対応を考えてという繰り返しをして、均衡させた状態が通常のトラベラー宇宙であると言って良いでしょう。
そうして考えると、T型哨戒艦というのは、恒星間国家たる帝国の「私達はちゃんと海賊を警備してますよ」ということを宣伝するのがまず第一の任務であって、1隻で広範囲をカバーできるのが望ましく、限られた守備範囲を警備しているいわゆる巡回中のパトロールとしての役割になると思われます。
その広範囲をカバーするという課題に対しての解答が与えられているのが高ジャンプ性能と言えます。
そしてこのジャンプ性能と加速性能を駆使して数隻でのT型哨戒艦ローテーション体制を確立して運用ということになるでしょう。
もちろんT型哨戒艦だけではなく、海賊と交戦して撃破するのは別の仕様の艦艇がある、ということも申し上げた通りで、他にも民生用の艦艇を改造して、あるいはそのまま使用していたり、海軍払下げの旧式化した戦闘艦艇を哨戒部隊が使用するなんて場合とか、多岐に渡ると思います。
この辺は政治絡みのシナリオですので、予算と人員の駆け引きの上になり、色々と面白いシナリオになることでしょう。
大臣 2021/11/14(Sun) 18:12 No.1305

海賊についての考察 (その16)

(10)偶然の遭遇から見た海賊達
MTの「宇宙船との遭遇」フォローチャートから見ても判りますが、商船、民間船、非恒星間船舶の全てが海賊をしている可能性があります。
Xボートすらも海賊をする可能性があって、偵察局や海軍艦艇では私掠をしている可能性があります。

偵察局や海軍艦艇の場合の私掠行為は自身の武装をもって行なう略奪行為または通商破壊作戦の一環になると思われますが、非武装のXボートや非恒星間船舶のタグボートではどうやっても略奪行為を行なう事は無謀でしょう。
そこで前述した通り、この手の「偶然の遭遇」で海賊をしていると出た船舶は「略奪行為以外の海賊行為を働いている海賊」と看做せば良いのです。
密輸品を輸送しているのかも知れませんし、海賊版商品を輸送途中なのかも知れません。
あるいは海賊稼業に必要な情報を運んでいるという可能性もあります。つまり海賊稼業に要する何かしらの従事をしていることも含まれるでしょう。
そうした脛に傷持つ後ろ暗い船舶であれば臨検されない様に行動するでしょうし、プレイヤーの船から怪しまれて治安警備当局へ通報されることを恐れているかも知れません。
その結果として不自然な行動や言動に出たり、極度に接触を避けようとして航路を変更するかも知れません。

そうした判断はレフリーに委ねられることになりますが、申し上げたいのは海賊と出た船舶は「一律に略奪行為を目論んで襲撃はしてこない」のではないか、ということです。
更に遭遇した船舶の対船舶戦闘力はある程度は走査して分析類推できますので、略奪行為をするにしても勝ち目のあるなしを判断するでしょうし、何よりもこれまでに述べた様に、偶然の遭遇だけに頼って辻斬り強盗を働くような海賊は出たとこ勝負の駆け出しな「素人海賊」です。
略奪を主とする海賊ならば綿密に獲物になる船舶を情報を得たり探知機で確認して「安全に略奪できる」相手、尚且つ「儲けが出せること」を吟味してから襲撃することになります。
さもないと治安警備部門が民間船を装った警備艦艇なのかも知れませんし、民間船であっても強力な武装をした海賊に勝ち目のない相手である可能性もある訳で、そうした偶然の勝ち負けに命を委ねるほどに職業的な海賊ならば無謀ではない、ということです。
ですので、商船側は行き当たりばったりでの偶然の遭遇の結果としての海賊に出喰わす危険性はそう多くはなく、むしろそれ以前から狙われているというケースが殆どになるでしょう。
ということを考慮すると、海賊に襲われた商船は襲撃が明確になった段階で相当に勝ち目が薄い、とも言えるのではないでしょうか。

(11)偶然の遭遇から見た「通商破壊作戦」
海賊のついでに、偶然の遭遇で発生する海軍や偵察局の艦艇が私掠している場面に会うことがありますので、あわせてこちらも述べておきましょう。
軍艦の私掠行為あるいは通商破壊でも海賊のケースと似た様なもので、効率よく通商破壊をする必要があります。
それには敵国の輸送量に対してより大きな痛手がある大型商船をまず優先して狙います。
そうした大型商船には護衛の戦闘艦艇が付くことになりますが、運航スケジュールや護衛艦艇の不具合などで独航せざる得ない場合もまた存在します。
また、護衛艦艇の戦闘能力から見て通商破壊艦で対処できる程度ならば通商破壊作戦を躊躇しないでしょう。
つまり、通商徘徊作戦での私掠行為もまた行き当たりばったりの偶然ではなく、綿密に相手の大型商船の動向と護衛についての情報を得て、効率よく作戦が遂行できる行動を取ることになります。
こうした通商破壊艦の任務では、敵国の通商能力に打撃を与えるだけではなく、敵海軍の戦力を警備に廻すように分散させて吸引するという狙いもあります。
ですので、隠密裏に行動するばかりではなく、派手に動き廻ってより多くの艦艇が通商破壊作戦に従事している様に偽装する場合もあります。
なぜならその方がより多くの戦力を割かなければ対処できない、と敵国海軍に判断させることができますから。
加えて申し上げれば、この通商破壊作戦による商船撃破はなにも必ずしも成功しなくてはならない、という訳でもありません。
そうした危害を加えられるかも知れない、というリスクに対して、該当する通商航路に出る商船が減ったり、警備警戒コストが高騰してしまいますので、それだけでも充分に作戦の目的が達成できる場合もあります。
しかも常に通商破壊作戦に艦艇を張り付けて私掠する必要もなく、攻撃する側は任意に襲撃をしていても、防御側は常に警戒していなくてはならない、という点で支払わなくてはならない負担が防御側にとって重いということになります。

また、通商破壊作戦では積荷と商船を破壊すれば良く、私掠という意味が示す様な積荷を強奪して自身の物資にするという行為は軍隊にとっては意味合いが低く、言って見れば作戦に伴うボーナスの様なもので、統制が取れている軍隊である程に、物資強奪は厳禁されていることでしょう。
というのは、もし特例であっても物資強奪を許容してしまうと民間人への強奪や殺害が常態化してしまい、戦闘集団としての規律統制が容易に失われてしまうからです。
ですので、軍規を順守させることで機能維持する上でも私掠たる物資強奪は少数例であるか、軍隊の命令として特定の物資を狙って強奪する、ということになるでしょう。
大臣 2021/11/13(Sat) 09:13 No.1304

海賊についての考察 (その15)

9-2-4.休息地
山中教授の海賊考察の「主要産業としての海賊」で言及されている1つ目の基地(根拠地)の条件がこれに相当します。
海賊事業の航海の間を乗員の休息をしないと長続きできないでしょう。
その為には、安全がある程度確保できる休息地は必要になります。
この辺は山中教授の御論でも、「根拠地」として言及されていますのでそちらも含めて御参照を御願い致します。
その休息には治安警備体制の逮捕という危険性が常に付き纏いますが、その兼ね合いとなると多岐に渡ります。
ですので、必要なのは、社会から隔絶している根拠地でもいいですし、闇社会がコストと引き換えにして守ってくれる社会でも良いですが、休息地です。
条件としては「安全性と快適性」です。
その程度の差はあるとしても、休息地が複数ある海賊業者は活動の幅もでますし、なにより乗員の不満が蓄積しないでしょう。
特にこの休息については、安全性だけでは駄目で、快適性も人員にとっては重要です。
安全だからといって人里から遠く離れたガスジャイアントやアステロイドベルトの片隅で自由に飲んでいろ、では恐らく何回かは良いでしょうが、乗員のフラストレーションが蓄積、結果的に組織として維持できなくなることになるでしょう。
儲けを出すだけではなく、適度に散財できることが休息地には必要な要素であろうと思います。
できれば戦闘損耗の結果としての負傷者の十分な医療体制も欲しい処ですが、常に確保できるかその必要性の高さは別の話です。
それに負傷するということ自体が、その負傷した海賊の不始末を意味するのであれば、必ずしも医療体制は必要条件ではない場合もあるのではないでしょう。
傭兵ならば負傷して組織に負担をかけること自体が即座に脱落、つまり死に直結する、なんて組織もあります。
海賊船に高度な医療設備とスタッフがある、という場合もありそうですし、支援組織としてこういう闇医者が存在している事自体が基地(根拠地)の売りになっているかも知れません。

9-2-5.人員供給地
海賊事業は装備だけでは成立しません。人員つまりメンバー、それも信頼できる人材の確保が重要です。
この信頼できるという点については、まず事業に対する任務遂行能力があることがまず前提で、次に組織に対して不利益を生じさせない、この2点が満足して確保できているかということです。
そして海賊組織については、「緩やかな結束」と「強固な結束」の2種類が存在します。

緩やかな結束での海賊組織であるならば、海賊船長を含めた主要メンバーを中心にして、それ以外のメンバーはパートタイム的に業務を遂行します。
全てのメンバーはまず事業での利益を得ることが最大の行動原理で、対応する海賊事業に応じて人員を自由に拡大縮小できる利点があります。
ですので、事業に対する人員の最適化を図ることができるということが緩やかな結束組織での最大のメリットとも言えます。
結果として、儲けが長期に渡って出ない場合には最小限化して経費を節減も可能ですし、必要ならば組織を最大限、例えば海賊船に搭乗できる人員最大値をもって海賊稼業に臨むことも可能です。
つまり必要に応じた人件費削減が可能な組織という位置付けができるでしょう。
強固な結束での海賊組織であるならば、組織長を頂点とした組織独自の決め事に応じた組織体制を構築します。
大規模な人員を要する組織ほどこの型になりがちなのは組織自体を維持する事が容易であるからです。
海賊組織でこの型の場合には、その人員の採用あるいは辞職に対して、独自の厳しい審査基準が存在し、自由に就業離職は困難になる傾向が強くなることでしょう。
また、事業遂行に於いても色々な禁止事項や罰則あるいは特典等が明文化あるいは非文書なのかも含めて、その組織として決定されていることになるでしょう。
重要なのは、所属人員がそれらの決め事を心因的に受容しているとは必ずしも限らないが、組織構成上は受容している、ということです。
更にそれらの決め事を厳格に適用して監査している組織も存在するでしょうし、逆に決め事には多くの抜け道があって、例外適用が多い組織も存在することでしょう。
その適用程度は組織自体の性格に影響され、組織維持や任務遂行能力に対して大きく影響します。

海賊組織の人員の戦闘損耗も間違いなくあるでしょうし、緩やかな結束の組織であれば、儲けが出たから辞めます、という選択もあるでしょう。
前にも述べた通りに、海賊になるにはまず技量があって、海賊事業に有益であることが原則的な条件であって、組織によっては信頼性や忍耐度など、活用できる何か価値がある人物ということになるでしょう。
それを満足できる人員供給ができる場所が海賊組織には必要な支援になります。
もちろん休息地がこれに同一である場合もあるでしょうし、市場や業者、整備業者、同業の海賊からも紹介されるなんてこともあるでしょう。
が、供給過剰な場合よりは、その条件を満足できない場合の方が多いなんて場合には、海賊稼業は慢性的な人手不足という状態になってしまいます。
つまりは、海賊の事業を維持継続するには、優秀で信頼できる人員の配置が決定的に必要不可欠な要素である、と言えるでしょう。
誰が海賊事業に参入しても問題ないのではないということであって、他の組織的犯罪集団とはこの点が決定的に違っている、ということになるでしょう。
ですので、人員の厳選も人事担当がいて、船長などの指揮官が兼務かも知れませんが、その判断基準に依ることになるでしょう。
それは海賊としての戦闘力たる襲撃する能力に直結しますので、その戦力整備は、設備整備と並行した海賊事業を営む場合には常に維持し続けなくてはならない問題でもあります。
ドリンカー船長は単純にレックのならず者達を雇い入れた様子ですが、この場合はレックの繁華街だか反社会組織がこの人員供給地に相当します。
彼らの信頼性や戦闘力を船長がどう判断したのかは判りませんが、海賊稼業は通常の犯罪行為よりも数段危険が付き纏います。
通常の航海ですら危険がある程度あるのに加えて、戦闘行動が確実に付随していますし、なによりも発覚した場合に治安警備側は問答無用で殲滅を選択しますので、裁判すら受けられない行為である点からもそのリスク度合いは通常の犯罪行為とは比較にならない程に高いことは海賊になる段階で承知していることでしょう。
つまりは船乗りとしての能力に加えて、戦闘員としての能力が海賊稼業には必要不可欠です。もちろん程度の差はありますが。
ですので、このならず者達から見ても海賊船の船長、この場合はドリンカー船長に対して大きな信頼がなくてはならず、自分達が警備艦艇からの対艦艇用レーザー砲撃で蒸発することも止む無し、と判断したと言えます。
海賊には捕縛された場合にも通常の裁判を受ける権利もありませんし、その場で逮捕ではなく無条件での射殺の可能性もあります。
そういう最悪事態をレック在住のならず者達がきちんと考えていたかどうかは知りませんが、法的に一般論としてはそういう判断の結果、海賊稼業に加担したということになります。
つまりは、そういう危険事業に自身が参加しても良しと見做せる乗員を安定供給できることがこの要件の条件になります。

9-2-6.海賊稼業での基地(根拠地)のまとめ
整理すると、
第一に、取引が可能な市場や業者
第二に、情報を仲介できる事業者
第三に、装備の整備補修業者
第四に、休息地
第五に、人員供給地

これが海賊事業に於ける支援として必要な体制あるいは社会となると思います。
規模や満足できるかどうかの質や量は様々になるでしょうけれども、その全ての要素が満足できることが基地(根拠地)としての役割になります。
ですので、人里離れた辺境に海賊が単独で基地(根拠地)を建設して維持している可能性はゼロではありませんが極めて低いと言わざる得ません。
なぜならばどの要素を満足するにしても全く効率的ではないからです。
ですので、一時的な隠れ家としてはそうした隠れ里的な基地があるとしても、多くの場合は高人口星系の治安の程良く、いや程悪く、海賊達とその提携業者達から治安警備当局がリベートを得ながら共存している様な星系になるのではないかと考えられます。
山中教授も考察の中で「帝国領内で条件を満たす根拠地は見つからなかった」と仰っていますが、そうした背景があって見つからなかったのでしょう。
でなければ、偶然の遭遇で出くわす海賊達が海賊稼業に勤しむことがとても難しいとなってしまいます。
大臣 2021/11/12(Fri) 19:30 No.1303

海賊についての考察 (その14)

9-2-2.情報を仲介できる事業者
次に必要なのは、海賊事業に有効な情報を供給できる組織、情報屋とか情報源の類です。
スポンサーがこの代行をしている場合もまたあるでしょうが、熟練した生き残っている海賊ならば、常に複数の情報源を持っているのが通例だと思います。
というのはもちろん、その情報源は信頼性や情報の鮮度などに違いもあり、また同一情報源であったとしてもバラつきが出ることになるでしょう。
情報屋の方も得た情報の真偽や有効期限を厳選して販売しなければ、偽情報を顧客に販売してしまいかねないですし、それは即座に命取りになりかねません。
仮に信頼できると見た情報が故意に流された欺瞞情報の場合も有り得るので、その鑑定眼力も情報屋としての価値になるでしょう。
また、情報屋自身を顧客側の海賊がどう評価するのかという点も海賊自身の海賊としての評価にも繋がって、良い情報屋を適正に評価できない海賊は、周辺の関連事業としての他の支援体制から軽く見られる、あるいは取引するにしても危険性があると判断されて取引拒絶という場合もあると思います。
つまりは、海賊稼業は良い取引に対しては良いと評価し、悪い取引に対してはきちんと報復できなければ成立しない、という「厳しい事業環境」である、と言えるのではないかと存じます。
情報屋は、襲撃対象の船舶、襲撃場所と周辺の警備体制等々、海賊業務に必要な情報を分割してあるいは纏めて海賊業者に売買することになるでしょう。
その情報源の秘匿はもちろんされるでしょうし、情報の確実性等の品質の程度によって信頼できるか否かが定まると思います。
支払いはその情報屋と海賊間で異なるでしょうし、価格も違ってくることになると思います。
つまり相場としての価格はなく、支払い方法についても前払いもあれば後払いもあるということになるでしょう。

9-2-3.装備の整備補修業者
更に略奪行為を主とする海賊の場合には特にですが、被襲撃側あるいは治安警備側との交戦、つまり反撃を受ける可能性があります。
その反撃を防いで、離脱あるいは襲撃完了を達成できたとして、その損傷した海賊船の補修あるいは整備や修理を請け負う業者が必要になります。
それ以外の海賊船でも違法な改造や特殊な装備がされている場合があるでしょう。
そうしたケースであってもきちんと整備補修ができ、尚且つ治安当局に通報しないことが条件になります。
恐らく戦闘による損傷と航海上の自然損害は確実に違いがあるでしょうから、その戦闘損傷を治安当局も含めて他者に漏洩しない体制と設備が満足できる業者であることが望ましいことになりますが、こうした船舶修理業者、トラベラー宇宙では造船所業者が該当することになりますが、末端の従業員すらも他者に情報を売る事がない、ということです。
また、損耗した部品などからも戦闘によるものと断定される可能性があるので、そういう微細な証拠漏洩を含めて対応できる業者であれば、海賊からは安心して海賊船の整備を任せることができるでしょう。
TLや整備に係る費用の安価さだけではなく、安心して、事業の根幹たる海賊船を担当できる修理事業者が海賊事業には必要である、ということです。
これも1つの修理業者に限らず、連携した修理業者企業連合体なんかで請け負ってくれるなど色々な設定が考えられるかと存じます。
結果として、その修理業者と海賊業者の関係を良好に保たないとならないでしょう。
また、この修理業者から見た場合として幾つもの海賊船が口コミで顧客化してくれれば、安定した顧客確保ができますし、顧客たる海賊も多少割高になっても品質さえ満足できれば、定常的な取引を望むでしょうから、修理業者は同業他社との販売額ダウン競争に関係なく事業展開が見込めます。
加えて、装備品等についても整備や調達できる業者もこの修理業者には提携していることでしょう。
こちらも治安レベルやTLレベルの満足できる、なおかつ品質に信頼性のある、事業を秘匿できる相手が望ましいです。
もし海賊船に民生用装備ではない軍用装備がされているのであれば、その整備維持ができる事も重要になります。
結果、価格としては通常の修理よりも割高あるいは数倍になったりするでしょう。
ですから、常にこういう修理業者を使う場合もあれば、それとは別に通常の修理業者とも契約して、軽微な通常点検や修理であればそちらに依頼してコストを低減させるなんて方法もありそうです。
その辺りは、海賊側がどう考えるかで異なってくることでしょう。
大臣 2021/11/11(Thu) 20:14 No.1302

海賊についての考察 (その13)

9-1-2.密輸行為での基地(根拠地)の役割
密輸に加担する海賊船は先項の5-3.密輸用海賊船に求められる仕様 で指摘した通り、普通の貨物船でもS型偵察艦でも良いと言えます。
ですので、特定の基地(根拠地)は必ずしも必要ではなく、通常の自由貿易商人の様に振舞って海賊船を維持できていれば密輸行為は継続できます。
しかし、寄港する際には以下の要素が絶対に必要になります。
@密輸品の供給源になる取引業者が存在すること
A密輸品を買い取ってくれる取引業者が存在すること
B密輸行為をする為に必要な情報や治安警備部門の可能な限り詳細な情報が供給できること
C海賊の要員供給が可能なこと
になるでしょう。

9-1-3.海賊版商品での基地(根拠地)の役割
密輸と似ていますが、密輸の場合には供給源の業者と全く別に密輸業者な海賊が存在していて、それぞれが全く別の組織であることが一般的ですが、海賊版商品の場合は事業構造として、海賊版商品の製造業者と輸送業者が往々にして同じ組織の場合もあります。
もちろん密輸と同様に異なっている場合もありますが、この点が密輸とは異なります。
というのは、海賊版商品を製造するにはその商品製造の生産ノウハウが必要で、それなりに製造規模がないと事業としての利益が期待できないからです。
つまり、密輸の場合は売り手の言い値の売値で購入を希望している買手が代金支払いをしますが、海賊版商品の売値の上限はオリジナル商品の定価という上限が確実に存在しているという違いがあるからです。
ですので、それなりに販売数が一定数以上ないとならない構造です。
その点を踏まえると、海賊版商品を供給する側の基地(根拠地)は、
@海賊版商品を製造できる生産ラインが存在すること
A海賊版商品の生産ラインに製造が継続できるだけの原材料が供給できること
B海賊版商品の販売行為をする為に必要な情報が供給できること
C海賊の要員供給が可能なこと
以上6点が必要となる要素となります。
それ以外に、今度は海賊版商品の需要がある側の星系では、
F海賊版商品を売却できる星系で取引できる市場が存在していること
G海賊版商品を売却できる星系で安全に荷降ろし作業ができること

ここで留意したいのは、略奪行為の項に存在していた
・海賊船搭乗員が安全に休息
・海賊船の運航に伴う整備点検や修理修理ができる設備と労働力があること
・海賊に日常的に資材を供給する業者が存在していること
の3点ができることが必ずしもないと言うことです。
というのは、この海賊版商品を取り扱っている海賊船は発覚していない限りは単なる貨物船に過ぎず、一般船舶と何ら変わることがありません。
ですので、海賊船に日常資材を供給するにしても、船を修理するにしても一般の船舶と同様な取引業者が相手を海賊船とは全く知らずに取引をしているということがあり得るからです。

9-2.共通した海賊稼業での基地(根拠地)の役割
それでは、前項で述べた海賊稼業にとって必要な基地(根拠地)の役割を詳細に検討してみましょう。

9-2-1.取引が可能な市場や業者
これまでに海賊稼業をするにあたって、スポンサーが存在する場合があって、資金や資材を供給するというケースがある事を述べましたが、これは最初に提供して後は勝手にやってという場合もあれば、事業途中でも定常的に提供される場合もあります。
しかし、この資金や資材の供給だけでは海賊事業に対して、全く役には立ちません。
その資金資材を海賊事業に反映するには、まず海賊稼業に合致した海賊船装備や個人装備を準備して運用ができなくてはなりません。
この部分は企業の事業としては設備の整備に相当すると言えば判り易いかと存じます。
この設備の整備は通常市場で買い求めても良いですし、ブラックマーケットを含めての故買商から求めても構いません。
必要なのはコストと品質です。
ということで、まずは1番目の支援体制として、つまり海賊を始める以前からになりますが、その海賊組織と商取引の継続可能な市場や仲介業者が絶対に必要的になります。
駆け出しの海賊稼業に着手したアル・ドリンカー船長も最初に手元にあるA型自由貿易船だけでは海賊稼業ができません。
ですので、対船舶用の武装を準備して、乗り込み戦闘に必要な携行火器を準備してから海賊稼業に臨んでいますが、これらの装備品を事前に用意できる取引先が必要になります。
その取引先たる業者や市場と結び付きを浅くしている、例えば捜査が入っても相手が誰かも知らない様な関係性を維持している場合もあるでしょう。
ニュアンス的には、業者から見て、良く買いに来るけど何やってる人か知らないなあ、という顧客な海賊業者です。
この場合は、買い手たる海賊側の要求する仕様には応じることができず、市場や業者が今手元に在庫している商品のみが販売できるものですから、買い手の海賊としては必ずしも必要性を満足することが難しいという場合もあります。
その反面、誰に対してでも商取引ができるので、司法的な危険性が少ない、という利点はあります。なにせ一般市場での通常の売買ですので。
そういう一般市場とは異なり、強固な関係性を持った市場や業者を有する場合には、価格交渉もでき、商品に対してのこちらのニーズもある程度融通できるので、買い手側としての必要性を満たすことができます。
ですが、相手を良く知っているが故に、そちらから司法捜査の手が回って、芋蔓式に逮捕される可能性も高くなります。
もちろんそうなっては商売あがったりなので、司法担当者に対して市場や業者が手を廻して、なあなあの関係を構築して逮捕されないような環境整備もあることになるでしょう。
当然ながらそういった相手とは相互に信頼関係が維持できていなければ取引ができません。
その関係性の構築自体がとても難しいかと存じます。
つまりは供給元たる海賊業者と専門に売買する業者や故買商などの事業者と司法担当者の3者がそれぞれ相互に利益を出し続ける、互恵関係になることが最も海賊事業全体で望ましい形ということです。
ということで、海賊稼業にとってまず第1に必要なものは「取引が可能な市場や業者」です。

また、設備整備に要する市場や業者とは別として、異なる襲撃後の戦利品売却相手としての市場や業者が存在している場合もあるでしょう。
リスクを分散させる事が狙いになりますし、海賊事業にとっては取引の手間は2倍になりますが、戦利品を安全に売却して資金化できる1点に於いてであっても大きなメリットと言えます。
その辺の取引先は海賊側がどう考えるかや立場としての事情でも違ってくるでしょう。
またスポンサーの要求として、この市場や業者を使う事という事項があるなんて場合もあるでしょう。
その際に割引があるとかなるべく必要性を満足できる品揃えが期待できるとか色々と事業状況による特典も必要でしょうけど。
つまり、この第1の条件たる取引が可能な市場や業者というのは、海賊が買い手になって装備品を買い揃える場合と、海賊が売り手になって略奪品や密輸品や海賊版商品を売る相手先の場合との双方があり、同じ取引先になる場合もありますが、目的によって全く異なる複数の取引先になる場合もあり、商品の取り扱いやリスクなどを勘案して海賊側が使い分けている、ということになるでしょう。
極端に言えば、海賊船用の装備品を取り扱う船具業者、日用品を取り扱う業者、個人装備品を取り扱う商人、耐久消耗品を納める業者、戦利品を買い取る故買商など様々な取引先が取引先が寄港した海賊船と取引しているということになるでしょう。
大臣 2021/11/10(Wed) 18:40 No.1301

海賊についての考察 (その12)

(8)ここまでのまとめ
前回投稿までは、海賊の区分と特徴、海賊側の組織、スポンサー、海賊船に要する仕様、海賊稼業以外の事業に何があるのか、などを端的に述べました。
つまりは、海賊をしている組織自体ではなく、そのスポンサーの有無や特長で襲撃対象や方法と目的があって、それによって狙いが異なる、と言うことです。

1回の航海で襲撃できる相手数は限界がありますから、1回襲撃、精一杯無理をして2回が限界値なのではないかなあとハウス的には考えております。
ですので、略奪行為をするにしても、海賊側から見て全ての商船が襲撃対象になるのではなく、海賊自身の狙いに合致して尚且つ最も割のいい、つまりは反抗しない+儲けの出る襲撃対象が望ましい、ということになると存じます。
となると、1千トン以下級の個人経営型な海賊船で運用しているのであれば、スポンサーの有無に関わらず、自身の船体トン数程度の商船が戦力的にも効率から言っても望ましく、より大型商船の方はリスクの割に海賊事業としては効率が悪く、結果として襲撃対象から外れる、ということにもなるでしょう。
極端に言えば、10万排水素トン級の大型商船を200トン級海賊船が襲撃することを決心するのか否か、ということです。
逆に通商破壊作戦になれば、大型船舶の方が効率的ですから、小型船舶は低効率ゆえに狙わない、という判断もあるということです。
つまり、全てその海賊行動に対して、狙いがあり、その狙いに合致した被襲撃対象があって、襲撃方法が立案される、ということになると言えるのではないでしょうか。

(9)海賊稼業の支援組織について
9-1.根拠地の必要性とは
山中教授が海賊考察の「主要産業としての海賊」でも言及されていますが、「海賊には基地(根拠地)が必要である」とあります。
詳細は教授の考察を御参照頂きたいのですが、本稿では「なぜ基地(根拠地)が必要なのか」ということを紐解いて参りましょう。

まず、前項までで海賊稼業は主として@略奪行為、A密輸、B海賊版商品の3種類があることまでは申し上げました。
そのそれぞれの海賊稼業で基地(根拠地)が一体どういう役割を果たしているのかということです。

9-1-1.略奪行為での基地(根拠地)の役割
海賊の根拠地について山中教授が指摘されているのが、以下の要素です。
@乗組員が大手を振って歩き回る(休暇を楽しむ)ことが可能
A略奪品を安全に売り捌くことが可能
B宇宙港クラスにもよるが海賊船の整備や修理、改造が可能な世界
つまり、基地(根拠地)の機能は
@海賊船搭乗員が安全に休息でき、その間は治安警備部門の追求や逮捕が行なわれる心配がないこと
A略奪品を安全に換金できる市場(複数あるいは単独の取引相手)があること
B戦闘あるいは航行により損傷した海賊船の整備点検や修理修理ができる設備と労働力があること
と言い換えることができます。
山中教授は条件に含んでおりませんが、他にも
C海賊に日常的に消耗する資材を供給する業者が存在していること
D略奪行為をする為に必要な情報が供給できること
E海賊の要員供給が可能なこと
を付け加えておきましょう。
詳細な内容は次項に譲るとしておきます。
大臣 2021/11/09(Tue) 18:18 No.1300

海賊についての考察 (その11)

(7)海賊稼業以外の海賊的事業
主たる海賊稼業として前述しましたが、それ以外にも想定できる違法行為は以下が相当します。

7-1.亡命・逃亡の幇助
恒星間国家あるいは星系で恒星間移動が政府から禁じられていて、その地域の住人が希望している亡命あるいは逃亡を手助けするケースです。
この派生形にトラベラー協会が指定したレッドゾーン星系の侵入と離脱が含まれることになるでしょう。
当然、政府関係の警備艦艇が常時パトロールをしていて、申告なく星系への接近および離脱をする船舶の観測もされているでしょうから
任務の達成は密輸よりも高い難易度になることでしょう。
この亡命・逃亡の幇助は該当地域の警備体制に関する情報収集や使用船舶の加速性などの性能要求が絶対条件になるでしょう。
もちろんこのケースでの売上は亡命者・逃亡者からの謝礼で成り立ちますので、それなりに高額化するでしょう。
また、臨検などで船体走査をされることなどを考慮して、使用する船舶に専用隠し部屋の改造など工夫がされると思われます。

7-2.窃盗(いわゆる抜荷)
港には他の貨物船に積載する、あるいは荷降ろしをした貨物が溢れています。
そこに海賊船が横付けできるので、この貨物を横領してしまうケースです。
もちろん他人の管理している貨物を強奪して無理矢理荷積みする訳ですから、その荷積み作業の間、発覚しない程に港の警備体制が甘いあるいは警備管理側の一部を抱き込んで置くなど、準備が必要になります。
また、このケースでは該当する貨物の全てを強奪するのではなく、その一部を掠め取る方式が一般的です。
これは「荷抜き」あるいは「抜荷」と呼ばれますが、これは日本でも1950年頃まで見られたタイプで、海上保険の適用が全体積荷の2割までの損失であったことを悪用して、警備担当側や被害者側が面倒を避けて大事に至らないことを狙った窃盗行為です。
トラベラー宇宙でも警備体制や貨物管理が甘い宇宙港で、貨物の管理帳簿や管理番号を挿替えたり偽造したり等の手口を駆使するなど、色々な手口が考えられますが、要するに少ない必要経費で他人の貨物を強奪して売り払うことで利益を得るものです。
ですので、運用的な工夫でやり繰りできますので、このケースで使用される海賊船船には特殊な改造などを施す必要はなく、通常の貨物船でも充分可能でしょう。

7-3.破壊活動
要するに、地上設備や都市への攻撃をして金品や資材を略奪するケースが該当します。
このケースは「略奪行為を主とする海賊」の特殊な派生形に分類すべきでしょう。
恐らくこの類は星間傭兵が海賊行為を働くケースなど、海賊側に地上戦闘、襲撃のノウハウがないと成功が困難でしょう。
もちろん装備も同様で、単純な武装した犯罪者集団でこのケースを働くとなれば少数であっても訓練された警備体制が相手では被害の方が甚大になってしまい、成功したとしても続く襲撃後の追撃から逃れるだけの能力が喪失してしまう可能性もあるので、継続した海賊行為はできなくなると思われます。
このケースでの海賊船では対船舶戦闘能力は必ずしも不要ですが、引き換えに地上戦闘の能力とノウハウが必要不可欠です。
またこのケースでの利益は地上設備や都市からの略奪品はもちろんありますが、それ以外にスポンサーがいて指示された場合には、このスポンサーからの謝礼なども期待できる可能性があります。

7-4.盗品輸送
要するに盗難品を集積して貨物にして別の地域で売り払うケースがこれに該当します。
これまた我々の社会でも未だにある事件ですが、盗難車や盗難重機や盗難家電など国内では盗難品であることが発覚すると捜査が及ぶ危険性を国外に持ち出して売却してしまうのです。
もちろん輸送に使われる船舶側は荷主からは中古品との説明となるでしょうけれども、出発までの間に発覚した場合には積荷は没収されてしまい、厳しい窃盗事件としての捜査が入りますので、こうした盗難品輸送を全く知らないケースばかりではなく、むしろ窃盗団と組んでいる、という場合がこのケースになります。
ですので、使用される船舶も通常の目立たない貨物船です。
通常と異なるのは、先の窃盗と同じく、港の荷役管理者や警備担当者を抱き込んだり騙して、積荷が盗難品であることを発覚させないことです。
このケースでの利益は盗難品の売却益ですが、関係者は窃盗した者、輸送した海賊、売却担当者になりますので、その配分も難しいでしょう。
例えば、全ての取引が終わって売却担当者が得た売却益を分配する可能性もありますが、それぞれが異なる組織の場合は更に難しくなります。
窃盗した者が輸送する海賊に盗難品を売り捌いて、その盗難品を輸送して海賊が売却先で売却担当者に売り払うというそれぞれに独立した取引になる場合の方が多いでしょう。その方が揉めなくて安全ですので。
大臣 2021/11/08(Mon) 20:29 No.1299

海賊についての考察 (その10)

(6)海賊の種類のまとめ
これまでのケースを簡単に纏めてみましょう。
@発生から見た区分:4種類
「自由貿易商人崩れの海賊」
「生粋の海賊」
「転職組の海賊」
「切り裂き魔の海賊」

A海賊行為から見た区分:3種類
「略奪行為を主とする海賊」
「密輸行為を主とする海賊」
「海賊版製品の製造輸送販売を主とする海賊」

B組織から見た区分:3種類
「パイレーツ型」
「ローンウルフ型」
「単一型」

Cスポンサー:2種類
「スポンサーあり」
「スポンサーなし」

ですのでこの4項目の組み合わせが海賊の種類になります。
例として復興委員会での例や著名な宇宙海賊を幾つか区分して見ましょう。
a)山中教授投稿 アル・ドリンカー氏
「自由貿易商人崩れの海賊」「略奪行為を主とする海賊」「ローンウルフ型」「スポンサーなし」

b)本職投稿  クライド・ハガード氏
「生粋の海賊」「略奪行為を主とする海賊」「ローンウルフ型」「スポンサーあり」

c)松本零士氏著「宇宙海賊キャプテン・ハーロック」他 ハーロック氏
「転職組の海賊」「略奪行為を主とする海賊」「ローンウルフ型」「スポンサーなし」

d)神林長平氏著「敵は海賊」シリーズ ヨウメイ・シャローム・ツザッキィ氏
「生粋の海賊」「略奪行為を主とする海賊」「ローンウルフ型」「スポンサーなし」

e)笹本祐一氏著「ミニスカ宇宙海賊」シリーズ 加藤 茉莉香氏
「生粋の海賊」「略奪行為を主とする海賊」「ローンウルフ型」「スポンサーあり」

まあ異論反論があるのは確実かと思いますが、一応です。
大臣 2021/11/07(Sun) 09:40 No.1298

海賊についての考察 (その9)

(5)海賊船に要する仕様
ここまでは海賊稼業の詳細を見てきましたが、その稼業を支えるのが海賊船です。
しかし、海賊の主たる稼業でそれぞれ求められる仕様が異なりますので、その仕様の内容を検討して行くことにしましょう。

5-1.共通
まず海賊船は軍用艦ではなく、「民間船舶が基本」である、ということです。
もちろん稼業や業態によって要求される仕様が異なりますが、海賊船は以下の4つに分岐します。
どれを最優先するのかは海賊の主たる稼業が何かで選択されることになるでしょう。
しかし、共通して言える事は、海賊船は軍用船舶ではなくあくまでも民間船舶であって、一般の恒星間輸送の物流関連市場で入手可能な資材で対応する必要がある、ということが原則になると思われます。
もっとも例外は常に存在するでしょうけれど、それは稀な事である、という事です。

5-2.襲撃用海賊船に求められる仕様
この仕様で求められる要目はまず対船舶戦闘の能力です。
トラベラーの対船舶戦闘ルールでは装甲度、コンピュタレベル、探知器、武装、通常ドライブ能力(加速度)が重要な要素になりますが、
対艦戦闘を主目的として建造される戦闘艦艇とは異なり、海賊船は襲撃で獲得した資材等も襲撃場所から持ち運べるだけの貨物積載量も必要になります。
また外観が対船舶戦闘用に重武装した船舶ならば、治安警部部門から容易に警戒されてしまうでしょうから、まず他の民間船舶と差異がなく目立たない外観、もちろん見た目だけに限らず探知機による走査結果も含みます、にすることも基本になるでしょう。
つまり、相反する戦闘能力と積載能力と外観をどう解決するのか、がこの襲撃用海賊船に求められる仕様になります。
と簡単に見えますが意外とトラベラーとしては難しい要求仕様です。
例えば能動探知機類によるエネルギーで民間船に相応しくない大出力パワープラントだったりするとそれを露見しない工夫が必要になります。
ですので、襲撃用海賊船は貨物船と戦闘艦という相反する要求仕様をどうバランスして満足させるか、という難問を抱えていると言って良いでしょう。
その問いに対する解答は様々です。ある要求仕様を部分的に捨てて特化するなんて選択結果もあるでしょうし、輸送用と戦闘用の複数隻での襲撃をする、というのもあるでしょう。
いずれにせよ、最適解をその海賊がどう考えるのかということが襲撃用海賊船に求められることになります。

5-3.密輸用海賊船に求められる仕様
この仕様で求められる要目は秘匿性です。
つまり目立たず他のありふれた民間船舶と容易に区別ができないことが最も重要になるでしょう。
哨戒している警備艦艇も無限ではないので限られた臨検をどう避けるか、あるいは宇宙港で警備担当部門の立ち入り検査を決意させない程度の目立たなさがまず必要です。
ですので何の改造や特殊仕様もないありふれた民間船というのも密輸用海賊船では良い選択結果になるでしょう。
これに打ってつけの船舶はまさにS型偵察艦です。
帝国内外の至る処で見ることができるそうですから、まさに密輸専門船と指定しても不自然ではないと思われます。
また密輸はなるべく大きな船倉があれば一度に大量の貨物輸送が可能ですが、それよりもまず「目立たなさ」を重視した仕様を求めるとなれば、自ずと使用される船舶は限られてくるでしょう。
これを逆手にとって、Y型ヨットで貴族など重要人物を乗せておいて警備艦艇からの臨検を無言の権力で撥ね退けることを期待する、なんてケースも出てくるでしょう。
しかし、これも相手の警備艦艇指揮官の決断次第では臨検されて発覚してしまう可能性もあるので万能ではありません。

5-4.海賊版商品の輸送用海賊船に求められる仕様
この仕様で求められるのは先の密輸での秘匿性による警備側の介入を避ける必要もありますが、加えて重要なのは貨物積載量です。
つまり大きな船倉がまず重要で、1度に可能な限り大量の海賊版商品を供給先に届けて売り捌く必要があります。
その背景には何度も長期間の販売をすると海賊版であることが販売市場先で発覚する可能性が高くなる事情があります。
ですので「なるべく短期間に大量に販売して売り切ってしまうこと」が海賊版商品で最大の利益を出す為に必要ですので、
その為にも可能な限り貨物積載量が大きな船舶が必要になります。
となればこの海賊版商品に係る海賊船を選択する場合、貨物積載量を取るか、秘匿性を取るかの判断が難しい処になるでしょう。

5-5.通商破壊専用海賊船に求められる仕様
この仕様は例外的な物です。
というのは、海賊稼業は幾つかの種類をベストミックスすると前述しておりますが、通商破壊専門に特化するということは対船舶戦闘用の海賊船になるので、このベストミックスが成立しなくなります。
具体的にはまさに戦闘艦艇を民間で運用する様なケースになりますが、建造と保守点検を含む運用だけでも軍隊並みの技術力と調達能力が必要になりますので、単独の海賊組織程度では成立しないことになるでしょう。
しかし完全に無理でもなく、例えば恒星間国家がスポンサーの場合で、独自に建造した戦闘艦、もちろんその恒星間国家海軍の建艦思想と異なる設計、という具合で専用海賊船を準備して、保守点検等はスポンサーの助力を得る、という形など、諸条件がクリアできれば成立できるケースとなるでしょう。
大臣 2021/11/06(Sat) 08:33 No.1297

海賊についての考察 (その8)の補足として


と投稿した後にちょっと補足を致したく。
海賊にはスポンサーがいて、そのスポンサーが拿捕許可証によって海賊船に便宜を図ると引き換えに、海賊はスポンサーの目的を達成する為に海賊行為を行なう、という仕組みというまでは説明した通りです。
じゃあ海賊行為によって得た利益をスポンサーが上納あるいは取り分として要求するか、と言う点についてを考えてみましょう。
スポンサーは大きく分けて「公的機関」と「非公的機関」になる可能性があることが前述の通りです。
じゃあ海賊の分け前をどう「会計処理するのか」と言う点が問題になります。

公的機関の場合、分け前が発生したら入金の発生理由が必要になり、尚且つ使う場合にも明確な使用用途が必要になります。つまり何に幾ら使ったかという会計報告です。
ところが海賊行為による分け前となると、現金出納の入金理由を「海賊行為による」とは公的に報告できませんし、それを何に使ったかすら報告が難しいことになります。
となれば二重帳簿なり隠し資金なりで運用すれば良いじゃないか、となる可能性もありますが、実際にはそんな簡単ではありません。
単純に大きさはともあれ1つの部局が管轄することになりますので、自然とその部局は不明瞭な資金や支出がある組織となることを更にその上の組織が暗黙にせよ容認した状態になります。
そうなれば更にそうした不鮮明さは拡大し、果ては上位部局の統制を受け付けなくなる可能性があるのです。つまり組織統制として腐敗しやすい構図になる、という訳です。
ですので、公的機関がスポンサーになる場合には多少の利ザヤは捨ててしまい、分け前の要求はしない、と言う事になってくるでしょう。
一方、非公的機関の場合には全く逆です。
しかも請負っている海賊が優秀ならば更に継続した高収益が見込める、となれば臨時収入への期待も膨らみますよね。
ですので、非公的機関がスポンサーの場合には分け前の要求があって、事前に海賊行為の収益に対して幾らとか何%とか取り決めがされることでしょう。
つまり海賊も適当な会計処理をしてしまうと非公的機関なスポンサーとの軋轢を生じさせる原因にもなりかねません。
その手のトラブルを防止する為にも日頃の経理処理は通常の企業と同様にきちんと適切に処理される必要がありますし、スポンサーとの会計監査なんてことも常態かも知れません。
そう考えると、海賊とスポンサーは株式会社と株主の関係によく似た構図になる、ということなのでしょうね。
大臣 2021/11/05(Fri) 19:42 No.1296

海賊についての考察 (その8)

4-2-3.拿捕許可証について
公式ルールでは「拿捕許可証」なるものが貰える設定になっておりますが、これは果たして誰が何の法的根拠に基づき発行している「許可」なのかということです。
公式ルールには詳細な記載がありませんので、レフリーの裁量と解釈に拠る、でもよいのでしょう。
しかし、ここまで海賊稼業の内容を見て行くと自然と判断できる部分もあります。
「拿捕許可証」とは「略奪行為に対して、公的機関のスポンサーが出資相手の海賊と取り交わした文書」であるという位置付けができると思います。
要するに「誰が」は公的機関のスポンサー、つまり恒星間国家政府および軍隊、あるいは地方政府およびその軍隊、あるいは反政府勢力のいずれかとなるでしょう。
法的根拠は難しく、海賊とスポンサーとの因果関係を秘匿しておきたいケースならば、容易には第3者が読むことができない物になっているでしょう。
それじゃあ許可証の意味がない、と思われるかと存じますが、そこはもうひと工夫して見ましょう。
先の4-2-2-1.項の@海賊の存続に対する出資を思い返して頂きたく存じます。
つまり、「資金や資材を援助する」為の仕組みですので、「拿捕許可証」とは、この援助することに対しての「契約書」の意味がある、とする提案を致したいと存じます。
言い換えれば、「拿捕許可証」は「敵対勢力の商船の拿捕を許可する証券」なのではなく、「敵対勢力の商船を拿捕する行為に伴う援助についての契約書」ということです。
ですのでこの契約書には多種多様な契約内容があって、海賊船の維持補修、補給物資の供給、武器弾薬の補給、乗務員の医療や休息、資金援助など様々でしょう。
更にスポンサーの影響下の設備施設ならどこでも有効な場合もあるでしょうし、限定した星系の設備のみ、という場合もあるでしょう。
極端に言えば、スポンサーが提携している自身の勢力範囲以外の敵地内部の協力者でも良いのです。
例えば、ソードワールズ連合が出資している帝国内の企業体が海賊船と知りつつも補給や整備を請け負う、という様なケースがこれに相当するでしょう。
どうして地元恒星間国家、例えば帝国に敵対する勢力に手を貸す企業がいるのか、と疑問に思う方もいるかと思います。
そしてその疑問への解は簡単です。実入りがいいから。
つまり仕事を依頼する海賊スポンサーは選択肢が少ない脛に傷持つ身ですから、極端に言えば言い値で仕事が取れる可能性すらあります。
もちろん司法捜査などが入る危険性は当然存在しますが、やり方によっては知らなかった判らなかったで逃げ通せるかも知れません。

また、拿捕許可証はスポンサーと敵対している相手が海賊船を拿捕して過去データを解析した場合を考慮して、スポンサーとの関係性を秘匿したい場合などには幾つもの制限が付与されることになるでしょう。
この契約書という解釈ならば1つの海賊組織が複数の許可証を保有していても不自然ではありません。
例えば帝国領内の海賊が「敵対している恒星間国家」と「帝国内の反帝国勢力」の両方の契約書(=拿捕許可証)を持っているのであれば、その契約に基づいて帝国船籍商船への略奪行為をすることで、複数の援助先からの援助、例えば海賊船の補修は帝国外の恒星間国家で実施して、通常の物資補給は帝国内反勢力で行なう、などの使い分けをしても双方のスポンサーの目的は達成できる、と言えるでしょう。
大臣 2021/11/05(Fri) 18:40 No.1295

海賊についての考察 (その7)


4-2-2-2.スポンサーが非公的機関の場合
大きく以下の4つが非公的機関で海賊のスポンサーになり得ます。
@恒星間国家内部の企業
A軍閥
B個人
C犯罪組織(ギャング・マフィア他)
この「非公的機関」がスポンサーの場合、スポンサーが望む殆どの場合は「営利目的」です。
つまり事業の一環としての投資であり、投資額よりも大きな利益還元が求められます。
ですので、このスポンサーの出資目的から、リスクが可能な限り小さく、これは海賊としての事業存続が容易であることを意味しますが、それよりも重視するのは儲けが大きいこととなるでしょう。
つまり、このタイプのスポンサーが求める海賊稼業は必ずしも略奪行為だけとは限らず、むしろ密輸や海賊版商品の製造輸送販売が主で、
スポンサー自身が手掛けている密輸品の入手あるいは海賊版商品の製造をした後の取引相手までの輸送業務を担う為の出資になる場合があります。
もちろん更に分業化が進んで、丸々海賊版商品の製造から販売に至るまでを子会社化のように出資した海賊に担当させて、利益の一部を還元させることができれば、より効率よく大きな利益が見込める事業へと変貌します。

密輸や海賊版商品などの違法性ある商品を輸送するには出発港での搬入および積み込み作業から始まり、航行中の臨検への対応、仕向地での積降から引渡と代金回収まで、多くのノウハウが必要になります。
つまり、通常の貨物輸送に加えた専用の知識と経験を含めた対応が可能なことが任務遂行に対して必要になります。
ですので、恒星間輸送会社に勤務経験のある熟練の船乗りや自由貿易商人のうち、こうした違法性のある商品の輸送に携わることでひと儲けできるとスポンサーの口車に乗る可能性がある者に対して出資をするのがこのケースに相当します。
ですので何も恒星間輸送会社の全てが必ずしも海賊化していなくても良く、同じ恒星間輸送会社のうち、何隻かある商船のうちの一部が海賊として密輸や海賊版商品輸送をするということになるでしょう。
もちろん任務成功の際には予め取り決めた取り分での分け前が配分されますが、それは所属している恒星間輸送会社は知らない、という可能性すらあり得ます。
つまりこのケースは「経験ある船乗り」をどうやって海賊稼業に引き摺り込む為、仲間に引き入れた後に海賊稼業を継続させる為にスポンサーが出資することになります。

また軍閥の場合は更に特殊で、こうした営利目的も大きいのですが、同時に敵対している武装組織や政府がある場合には前項と同様に通商破壊をすることにも大きな意義があります。
つまり、軍閥がスポンサーになる場合は、略奪行為、密輸、海賊版商品の全ての海賊稼業を奨励している可能性があります。
もちろん、その軍閥が置かれている状況によってはその内のいずれか1つに特化した任務となる可能性も高いと言えます。
大臣 2021/11/04(Thu) 20:23 No.1294

海賊についての考察 (その6)

(4)スポンサーから見た海賊
前項では海賊自身の組織的な特徴から見た相違点を論じてみましたが、今度は海賊自身以外についてを考えてみましょう。
つまり、海賊組織に対して出資者たるスポンサーの有無についてです。

4-1.スポンサーの定義
簡単にかつ広義で言えば出資者です。
後述のスポンサーが存在するケースで細かく検討して参りますが、ともかく「海賊に出資する」者がスポンサーという位置付けと致します。

4-2.スポンサーの有無から見た区分
大きく2つに区分されます。つまりスポンサーがある場合とない場合です。

4-2-1.スポンサーが存在しないケース
多くの方が思い浮かべるであろうケースですが、要するに「独立採算制」で尚且つ同時に「単独決算」な海賊がこのケースに該当します。
事業の元手は横領だったり強奪だったりと様々ですが、要するに「海賊自身の才覚」だけで海賊稼業を継続している状態を言います。
誰からの援助もないケースです。
但し海賊が自身の才覚によって他者と取引をしていない訳ではなく、資金や資材あるいは暴力行為も含めた実力行使で取引を成立させることになるでしょう。
海賊稼業による儲けはそのまま自分達の物ですが、同時に必要経費も自分達が準備しなくてはなりません。
更にこうした資金繰りだけではなく、海賊稼業に必要な資材、例えば海賊船を維持させる為だったり生活や戦闘に必要な資材だったり消耗品や耐久消耗資材と多岐に渡りますが、それらもまた海賊自身が必要な数量を調達しなくてはなりません。
資金が十分にあっても必要量の資材が手元にない場合もあるでしょうし、満足できる品質ではないかも知れません。
そうした不自由さ度合いも含めて海賊稼業を成立させることができるか等がその海賊自身の持っているノウハウとも言えるでしょう。
このノウハウについては後述で詳しく取り上げることと致します。

4-2-2.スポンサーが存在するケース
これは組織の場合もあれば個人の場合もあるでしょう。
それに加えて、この出資者が一体「誰で」海賊の「何に対して」出資しているのか、でも異なります。

4-2-2-1.スポンサーが公的機関の場合
大きく以下の3つが公的機関で海賊のスポンサーになり得ます。
@恒星間国家政府および軍隊
A恒星間国家内部の地方政府および軍隊
B反政府武装勢力
最後の「反政府武装勢力」が果たして公的なのかは議論の余地がありますが、暫定的にこのケースに分類しておきます。
というのは、この「公的機関」がスポンサーのケースでは海賊に対して何を期待して出資するのかは明確かつただ1つであるからです。
つまり「指定の特定航路への通商破壊行為」であり、「商船を攻撃することによって、敵対する相手の物資輸送を妨害する」ことが狙いです。
そんなの自前の軍艦を使うのではないのか、という疑問を抱かれると思いますが、結果として通商破壊を実施できれば何でも良いということにはなりません。
海賊が通商破壊行為を行なえば、敵国が行なっているとは限らず、全く無関係な犯罪者が行なっているケースもあるのでこの区別が困難になるという大きな利点があります。
ですので、巨大な恒星間国家と敵対しているより小規模な恒星間国家あるいは単独独立星系などで通商破壊を常態的に行なっている可能性があります。
ちょうどスピンワードマーチ宙域で言えば、帝国とソードワールズ連合がこの関係性にありますので、ソードワールズ連合がスポンサーになっている海賊は多いのかも知れません。
となれば、ソードワールズ連合が出資した帝国領内での海賊を幾ら捕えても、その関係性を立証できなければソードワールズ連合とは無関係であるということです。
が、これがソードワールズ連合海軍の戦闘艦艇による通商破壊作戦となればそうではありません。
最悪この軍用船舶の戦闘行為を口実にして恒星間戦争に発展しかねない。という違いがあります。

更にこのケースの利点は海賊行為が必ず成功しなくても良く、危険性が常に存在しているという点が維持さえできれば、リスクを考慮して該当する恒星間航路の通商輸送量が大きく減少することになり、結果的に通商破壊の目的が達成できます。
ですので、このケースでのスポンサーは大きく2つの出資をしている事になります。
@海賊の存続に対する出資
役に立つ海賊がいれば資金や資材を援助するだけで済みます。
特に襲撃行為をすることになる通商破壊では戦闘によるリスクをどれだけ低減できるかが海賊の大きな問題になるでしょう。
ですので、戦闘に要する武器弾薬や装備品、生活物資や耐久資材等、あるいは必要な資金の提供などをするケースがこれに該当します。
もちろん注意すべきは、そうした物資類が自勢力内の製品であるとなれば敵対国家に関連性を疑われかねませんので、調達方式も工夫が為される事でしょう。
が同時に、これらの資材は海賊自身が調達した物であり、提供した物ではない、と知らぬ存ぜぬを突き通す事も可能です。
もっとも自軍の軍用品ではないと言う点は重要ですが。

A海賊の設立に対する出資
上記の通り役に立つ海賊ばかりとは限りませんし、そもそもスポンサーの必要数を揃えられない場合があります。
その場合には海賊になる希望者に対して設立を援助するケースがこれに該当します。
ダミー会社等を使って海賊船を用立て、装備品を集めてと海賊稼業の初期装備一式を全てスポンサーが調達しても営利目的ではなく「戦争の一環としての通商破壊」が目的ですのでスポンサーにとっては収支が見合うことになります。
ですので、このスポンサーの出資目的からしても主たる海賊稼業は略奪行為に対してとなります。

また付け加えると、同一の恒星間国家内部であっても敵対する勢力に対して補給物資を遮断すると言う意味で通商破壊行為は有用です。
同一星系に2つの敵対する地方勢力がある場合、その星系内部での敵勢力への輸送を妨げることで補給路を遮断あるいは弱体化させることになるので、軍事物資に限らず、相手勢力の喉元を締め上げる効果があります。
これは反乱など反政府勢力も全く同じで、敵対している政府と軍隊への補給路の攻撃と同じ意味を持ちます。
つまり、こうした通商破壊に従事している海賊は一種の軍事作戦行動の一環でもあるのですが、同時に必ずしも成功する必要はなく、常にリスクがある輸送であるというだけで警戒体制や対応するコストが嵩んで結果的に割高になる輸送を相手に強制負担させることになります。
大臣 2021/11/03(Wed) 09:06 No.1293

海賊についての考察 (その5)

B組織から見た区分
次の区分はその組織としての特徴としての観点です。
以下のケースが考えられます。

3-1.複数船舶で同一組織の場合
2隻以上の海賊船で海賊行為をする海賊組織がこの区分になります。
このケースを便宜上「海賊集団」=パイレーツ型と呼称します。
襲撃行為にしても密輸、海賊版商品の輸送にしても経費が大きくなってしまいますが、その分として大規模な活動が可能になります。

襲撃行為をこのパイレーツ型が行なう場合、艦隊行動となり、索敵や攻撃の幅が広がりますし、
乗り込み戦闘を行なうにしても警戒と襲撃など役割分担が可能なので総じて成功率が高くなります。
しかし参加する海賊も大規模な故に分け前が減るなどリスク低下に伴ったリターン低下となります。
同様に密輸、海賊版商品の輸送にしても1隻での行動よりも経費が掛かる上に警備側の注意や関心も惹き易く、
臨検や立ち入り検査などの可能性が高くなる場合もあるでしょう。
つまりこちらの場合はリターンが増やせるが反面リスクも増える可能性があることになります。

3-2.単独船舶での場合
多くの方がイメージするであろう単独の海賊船で活動する海賊組織がこの区分になります。
このケースを便宜上「一匹狼型海賊」=ローンウルフ型と呼称します。
前項のパイレーツ型に比べて襲撃行為では自身1隻で全てをこなさなくてはなりません。
特に襲撃中に警備艦艇の増援があった場合など難しい局面において適切な対応をしない限り何の支援も期待できません。
つまりある意味ではどんな状況変化にも万能の対策をする必要性がある海賊組織であるとも言えます。

3-3.単一の場合
先のローンウルフ型と似ていますが、こちらは「切り裂き魔の海賊」の典型的な例を区分する事とします。
つまり、外部の支援組織たる業者、
これには船舶を修理や保守するエンジニア関連もありますし、生活物資や個人装備や武器弾薬を供給する調達関連もありますし、
襲撃で得た物を換金する業者などなど、
つまり単独での船舶での海賊に見えても実際にはその支援組織があってローンウルフ型は海賊行為を事業として継続できています。
しかし「切り裂き魔の海賊」は異なっており、転々と襲撃相手を求めて移動するので、こうした支援組織が存在しない類型になります。
このケースを単一型として前項とは区分致します。
大臣 2021/11/02(Tue) 18:58 No.1292

Re:仕入れは「合法的」な密輸品

山中教授

御指摘ありがとうございます。
ちょっと分解して追加解説してみましょう。
そもそもで言えば、商売の基本として。
「安く仕入れして高く売る」ことが「利益を大きくする」原則ですよね。
で密輸に限って言えば、この「高く売る」が「競合相手がいない・少ない」ことと「購入希望者が多い」ことから
売値を高く設定しても、極端に言えば言い値であっても売れる構造が存在しています。
ですので、法的に禁止されている市場であれば「高く売れる」仕組みですよね。

じゃあ御指摘の「仕入れ側はどうか」というとこれまた同様に「安く仕入れる」ことができれば良い訳です。
つまり、仕入れ側の市場世界で「法的規制」があるのであれば当然品薄ですから高い仕入れになってしまいますよね。
ですので、法的規制がない=合法である必要性があります。
加えて言えば、合法であるのみならず、課税が安いとか、値崩れしているであっても良く、とにかく安く仕入れることが可能なことが重要です。
では、
>この場合、仕入れ世界で「密輸品を入手する相手」とのツテは必要有りません
となるかというと、このツテがない=誰でも買える分量と仕入れ価格となれば要するに小売商品をその時の取引で買い込んだだけの構造ですよね。
密輸のように「市場世界での取引が違法」となれば1回こっきりの取引とは買う側のリスクとしても高過ぎですよね。
ですので密輸品の買手側心理としては「ある程度の恒常的な取引が可能であること」が望ましい筈ですよね。
もちろんその買手が更に市場世界で別の買手に更に高値で売り付けて暴利を得るなんてこともある、というかこちらが一般的でしょう。
つまり、1回のみの取引であれば「入手するツテ」がなくても成立します。
しかし組織的に恒常的な取引を成立するにはどうやってもツテは必要不可欠になる、と申し上げたい訳です。

>市場世界での「高い関税」を避ける為に「密輸」を行う事例が紹介されていた筈。
>これも、仕入れ世界で「密輸品を入手する相手」とのツテは必要有りませんよね?
これまた日常的に空港で見ることができる光景だと思いますよ。
つまり関税を逃れるあるいは知らずに手荷物として市場世界へ持ち込むパターンですよね。
良く聞くのはブランド品や化粧品、タバコ、食料品や嗜好品等などだと思います。
例えばA国で購入したタバコ1カートンは誰でも店舗で買えます。これを禁止されているB国に持ち込めば、これは密輸ですよね。
ですが、A国でタバコ1万カートンを毎月買うには。というと「仕入れのツテ」が必要ということとなる、ということです。
大臣 2021/11/02(Tue) 18:56 No.1291

仕入れは「合法的」な密輸品

大臣様
 No.1289の投稿に対して、重箱の隅を突くようですが、ひとつ確認させて下さい。

 トラベラーは、星系(世界)毎に法律が異なっている為、
 とある星系では「合法的」に製造/販売されている商品が、別の星系では、製造/販売が(ついでに所持も)禁止されている、
 という事例が「密輸」の1つのパターンとして紹介されていた筈です(公式設定)。

 禁酒世界へ持ち込む「酒」や、特定の「薬品/書籍」などがイメージし易いでしょう。
 この場合、仕入れ世界で「密輸品を入手する相手」とのツテは必要有りません。
 普通に購入できますから(2-4で少し触れていますが、纏まった量の確保が困難との記述あり)。

 それに加えて、仕入れ世界での購入も、市場世界での販売も「合法」ではあるが、
 市場世界での「高い関税」を避ける為に「密輸」を行う事例が紹介されていた筈。
 これも、仕入れ世界で「密輸品を入手する相手」とのツテは必要有りませんよね?
山中 2021/11/02(Tue) 06:29 No.1290

海賊についての考察 (その4)

A海賊行為から見た区分
要するにどんな海賊行為をすることで違法行為になっているかという観点です。
以下のケースが考えられます。

2-1.略奪行為を主とする海賊
要するに海賊で思い浮かぶイメージそのままで、航行している民間船舶を「襲撃して船荷・資材・金銭・船舶自体など)を強奪する行為」を主な業態にしている海賊です。
前項4種類の海賊の全てが従事する可能性があります。
ここで難しいのは何でも強奪すれば良いのではない、ということです。
恒星間航行船は万能ではなく、物理的に現場から持ち運べる容量の範囲内、例えば海賊船の船倉の容量などに制約を受けます。
ですので、なるべく現金に換え易くなおかつ前項で述べた通り、解読行為が発覚し難い物で、容積がなるべく小さく取扱いが容易な物などが最も望ましい強奪対象品になるでしょう。
となれば現金や貴金属や貴重品類ですが、他にも積載されている輸送機器や恒星間宇宙船で取り外せる部品類などが該当するでしょうし、高値で取引が見込める船荷であればそれも該当するでしょう。

2-2.密輸行為を主とする海賊
密輸で利益を得るビジネスモデルを主な業態にしている海賊です。
前項4種類の海賊のうち、「自由貿易商人崩れの海賊」・「生粋の海賊」・「転職組の海賊」の3種類が従事する可能性があります。
しかし従事するには条件があります。
それは「密輸品を入手する相手」と「密輸品を売り捌く相手」の双方が必要不可欠なことです。
これは海賊船を保有していてもノウハウの乏しい「自由貿易商人崩れの海賊」の場合の特に初期の場合にはほぼ不可能でしょう。
逆に「転職組の海賊」ならばその発生過程としての犯罪組織が必要に迫られる理由はこの「密輸に従事するため」の場合も多いと思われます。
この密輸に従事する場合、臨検で密輸品の輸送である事さえ発覚しなければ攻撃能力がない船舶であっても、少人数であっても可能なビジネスモデルです。
ですので、偶然の遭遇表で発生する海賊船の何割かはこの「密輸」に従事している可能性があるのではないでしょうか。
100排水素トンのS型偵察艦(中古・非改造の純正品)で対船舶戦闘をより大型の商船に対して試みるなんて無謀な連中が宇宙に溢れ返っているとは思えませんから。

2-3.海賊版製品の製造輸送販売を主とする海賊
このビジネスモデルは海賊版製品を製造して、必要な消費地まで輸送し、消費地で販売することで利益を生じさせるものです。
ですので、この全てに従事している海賊もあれば、輸送だけを担当している海賊も存在するでしょう。
前項4種類の海賊のうち、「自由貿易商人崩れの海賊」・「生粋の海賊」・「転職組の海賊」の3種類が従事する可能性があります。
密輸のケースと同じく、ノウハウの乏しい「自由貿易商人崩れの海賊」の場合の初期には従事不可能でしょう。
同様に「転職組の海賊」はこの海賊版商品の輸送専用に従事するケースもあるでしょう。
というのは、対宇宙船戦闘をする可能性が低いというのがこの業態の最大の特徴です。
もっとも警備艦艇からの臨検を受けた際に反撃しない限りですが。
更に言えば輸送に供する宇宙船さえあれば単独でも可能な業態です。
ですので前述の密輸と同様に偶然の遭遇表で発生する海賊船のうちの何割かはこの「海賊版製品の輸送」に従事している可能性があると思われます。

2-4.混合した稼業を行なう海賊
事業として考えるべきは事業に臨むリスクとリターンがあります。
つまり、事業をするにあたって、先行投資がどれだけ必要で、事業を実施するのに危険度合いは何があって、その結果得られる利益がどれくらいなのかということです。
必要な宇宙船さえあればすぐにでも従事可能なのは「密輸」と「海賊版製品の輸送」ですが、これには前述の通りその取扱商品を仕入れる相手と販売する相手の双方が必要です。
「密輸」に耐える商品は販売が仕入元で合法である場合ならば入手は比較的簡単ですが、それでも仕入数が船舶輸送に供するだけの纏まった数を入手しなくてはなりません。
更に「海賊版製品」の場合は対象となる商品のコピー版を大量生産するだけの製造ノウハウや品質管理も必要となります。
手縫いで作ったお手製バッグに有名ブランドの専用ロゴを取り付けただけでは全く商品価値がない、と言えば判り易いでしょう。

ですので、同じ海賊とは言ってもその発生区分から見て混合するケースはあるでしょうけど、比較的業態の住み分けが為されている、のではないでしょうか。
例えば、「自由貿易商人崩れの海賊」は初期段階では略奪行為が主ですが、常に戦闘のリスクがあります。
ですので、その内に地下社会で名前が売れれば、比較的安全な「密輸」や「海賊版商品の輸送」などの話が持ち掛けられる、とか、「生粋の海賊」ならばその伝手でめぼしい略奪対象船がない場合には「密輸」や「海賊版商品の輸送」に従事している、とか、3種類を混合した事業になると推察されます。
また逆に「転職組の海賊」が他の海賊と組んで略奪行為に従事するケースもあるでしょう。

纏めると以下の通りになります。
業態            事業ノウハウ    必要な先行投資       事業のリスク度合い  利益
略奪行為          戦闘・略奪品売却  戦闘に要する装備      戦闘に際するリスク  不確定
密輸            仕入・売却     仕入と商品管理に要する資金 臨検に際するリスク  確定(利益大)
海賊版商品の製造輸送販売  製造・輸送・販売  製造に要する設備等     臨検に際するリスク  やや確定(利益小から大)

つまり、その業態によって必要なノウハウも先行投資もリスクもそして得られるであろう利益も全く性格が違うのだということが言えます。
その違いをベストミックスして、リスクをなるべく低くして、利益を最大にできる組み合わせが混合した海賊稼業では必要である、ということになると思われます。


それでは「行為から見える違い」は果たして何があるでしょうか。
それは警戒すべき相手が異なる、という点です。
「略奪行為」では襲撃の際に当該星系を警備している艦艇や軍隊との交戦や離脱が可能かなどを検討する必要があります。
「密輸」や「海賊版商品の輸送」では戦闘艦艇との交戦の可能性は低く、臨検による違法行為の発覚さえしなければ危険度はありません。
更に仕入星系の離脱や売却星系への侵入が合法にできるならば輸送する船舶の補給と整備も可能です。
非合法であってもどこか別の星系で可能であれば問題ありません。
つまり、ここで強調して置きたいのは「どんな海賊行為をするかで対処する事が異なる」ということです。
大臣 2021/11/01(Mon) 21:46 No.1289

海賊についての考察 (その3)


(3)海賊側の組織について
まず最初に言えるのは個人としての海賊稼業は難しく、複数人が集まらないと成立が難しい業態であることです。
ですのでこの項では海賊の組織を検討して見ましょう。

海賊は自然発生的に成立する犯罪組織ではありません。
また公的な登録がある訳でもなく、名札を付けている訳でもありません。
つまり、その人や組織の行為そのものが違法か否かの問題であり、日常的に違法行為をしている海賊は稀で、その多くが日常的には「通常の生活」をしていて、その時々で違法行為に従事していると推察されます。
それではそれぞれの観点で区分して見ることに致しましょう。

@発生から見た区分
要するに「どういう過程を経て海賊になったか」ということです。
以下のケースが考えられます。

1-1.自由貿易商人から海賊になったケース
代表例は山中教授の海賊考察で取り上げられているA型自由貿易船「ジャックポット」の船長アル・ドリンカー氏です。
つまり、自由貿易商人をしていて通常事業で失敗してしまい、海賊稼業に手を染めたケースです。
このケースの利点としては自由貿易商人としての商船が既に入手してある事です。
ですので、海賊稼業に鞍替えするにも元手が殆ど不要で、海賊稼業を開始するにあたっての先行した初期投資が殆どないことです。
一方このケースの欠点は装備的なアレコレではなく、海賊をするために必要なノウハウが全く持っていないことです。
後述しますが、海賊稼業をして強奪した商品や手元にある違法品は売却しない限り現金化はできません。
つまり事業としては海賊行為をしただけでは成り立たず、それを売ってようやく初めて事業になり得ます。
その為に、海賊船があるだけでは成立しない業態なのですが、その後半部分に相当するノウハウを持ち得ないというのがこのケースの最大の欠点です。
考えて見れば当然で、海賊になる以前は犯罪とは無縁の個人商店主が思い立って職業犯罪者になる訳ですから、相当に無理がある、ということです。
このケースを便宜上「自由貿易商人崩れの海賊」と呼称します。

1-2.元々海賊だったケース
代表例は本職の投稿した「ある日の海賊」のP型商船改「陽気なクラリス」船長クライド・ハガード氏です。
つまり元々海賊稼業の船舶を代替わりして譲り受けたケースですが、
他にも海賊としての経歴を積んで果てに海賊船を任されるケースもあります。
要するに、帝国市民サプリメントでの「海賊」の職業がこのケースに該当します。
このケースの利点は先の自由貿易商人からの商売替えのケースと真逆で、既に海賊をする為の事業環境や情報が整っていることがまず挙げられます。
一方このケースでの欠点としては、まず第1には職業的な犯罪者ゆえに司法の取り締まりの結果としてのリスクがある事です。
キャラクターメイキングの際の2D6で毎期の生存判定6+が通常の商船暮らしよりも危険であることを物語っていると言えます。
また、先の利点の裏返しですが、今迄手を組んでいた関連事業者と手を切ってもっと有利な条件の相手に変更することが職業的犯罪者故ゆえに困難を伴うことです。
司法追求のリスクを業態全体として分散している構造であることがそのグループの影響下から容易には抜け出せないという構造になるのは当然の結果で、個々の判断だけで参入離脱するのは難しく、相互の信頼と関係者全てが納得した上で無い限りは協力も手切れも許されない、ということになるでしょう。
つまりは職業的犯罪者特有のリスクがそのまま欠点であるということです。
このケースを便宜上「生粋の海賊」と呼称します。

1-3.他の犯罪組織から海賊になったケース
トラベラー宇宙では海賊以外にも組織犯罪者集団が幾種類もあります。
ギャング、マフィア等の犯罪組織が代表例ですが、他にも軍閥などがあり得ます。
また星間傭兵が海賊行為をパートタイムあるいは専業として働く場合もこれに該当します。
要するに元々の組織が必要に迫られて外部組織として海賊を用意するケースです。
例えば、ギャングやマフィアが密輸をしている場合、他に輸送を担当する者が必要になりますが、そこに信頼が置けない場合もあり得ますし、儲けの多くがその輸送を担当する相手に流れてしまえばその分の旨味がなくなってしまうなど、幾つかの可能性の果てに、必要経費は掛かるけど自前で輸送部門を用意してしまえ、となるケースなどが該当します。
他にもある星系の一部分を武力制圧した軍閥が他星系の友好的な組織と連絡を取りたい、相互の物資輸送をしよう、などの必要性から連絡及び輸送用船舶と乗員を自前で持とうというケースも同じく該当するでしょう。
このケースの特徴はまず必要性が組織設立よりも先にあるので、母胎となる組織が出資者になり、独立採算制ではないという点です。
ですので利点としては赤字化しにくい、言い換えれば連結決算である、という点でしょうか。
つまり、取り扱う全ての取引が必要に迫られた物であり、システムの一部と言っても良いでしょう。
反面な欠点としては、自由行動は許されず、規定された取引範囲内でしか対処が許されない、という点が相当するでしょう。
このケースを便宜上「転職組の海賊」と呼称します。

1-4.思い立って海賊になったケース
山中教授の海賊考察04「海賊の始め方」の第3項 ハイジャック に記載がある通り、
3Dで18が出れば(1/216=0.46%の確率で)「ハイジャッカーが乗り込んで」いるルール設定となっています。
山中教授の御解釈ではゆえに「スピンワードマーチ宙域全体では、1千トン級以下の商船に限っても15万隻が運行」なので
「毎週350件のハイジャックが発生」ということになっておりますが、
本職としては、「ハイジャッカーが乗り込んでいる確率」は0.46%ではあるのですが、その全てが「必ずハイジャック実行を引き起こす」とは限らず、「ハイジャックをしようと考えていた」が「防御側の船舶の警備体制を考慮して実行を断念した」ケースが相当数あるのではないかと提案致します。
全く何も防御態勢をしていない、最悪なら呑気にアンチハイジャック・プログラムを起動すらしていない、乗客の御希望があればブリッジの見学も自由、なんてお気楽な船であってもハイジャックを企図している乗客が存在していなければハイジャックは発生しません。
しかし、もしハイジャックを企図している誰かさんがいれば話は別、というのがこの1/216=0.46%の意味なのではないでしょうか。

で、この結果としてハイジャック犯が無事(?)ハイジャックを成功して、敵対する乗員乗客を全て排除(!)してしまえばハイジャック犯が保有する船舶になります。
そしてもしこのハイジャック犯が前述したハードタイムスで言う処の切り裂き魔であれば、切り裂き魔の所有する海賊船に早変わりです。
蛇足ながら、それ以外のハイジャック犯の利益が得られるケースとしては、@特定の乗客の身代金要求 A船舶や船荷の売却 などが考えられますが、それは別の機会と致しましょう。
元に戻すと、この項「思い立って海賊になったケース」とはハイジャック等で元々の船舶所有者以外に「強奪されている船舶が海賊行為に従事するケース」が該当します。
このケースの利点はハイジャックなどの先行した犯罪行為が発覚しない限りはなりすましての通常の事業として運営の継続が可能な事、になるでしょう。当然ハイジャックが発覚するまでですが。
欠点としては前述1-1.項と同じく海賊稼業としてのノウハウが恐らくは全くないので略奪行為をしても売買をする能力が欠落している事になりますので、自然とこのケースでは略奪行為を働くのであれば、専ら現金や換金性の高い貴金属類貴重品が主な強奪品目となるでしょう。
このケースを便宜上「切り裂き魔の海賊」と呼称します。

前述の通り「日常的には通常の生活をしていて、その時々で違法行為に従事している」ことが前提ですが、もちろん犯罪行為としての海賊稼業がこの船舶と持ち主であることが発覚していない場合に限定ですので、当然ながらあらゆる海賊は海賊稼業が自身の犯罪行為である証拠を可能な限り現場に残さない、ということが大前提になります。
しかしながら、「切り裂き魔の海賊」に限ってはその性格上として、自己顕示欲がある場合ならば逆に痕跡をわざと残す場合もあり得ますので、その限りではありません。
大臣 2021/10/31(Sun) 12:45 No.1288

海賊についての考察 (その2)

(2)そもそも海賊とは何か
一般的には海賊とは「海上で略奪行為を行なう盗賊」ですので、トラベラー宇宙で言い直すと「宇宙空間で略奪行為を行なう盗賊」となります。
ここでポイントになるのは「略奪行為」とは果たして何を指すのか、ということです。
「略奪行為」を再定義しなおすと「他者の所有財産(船荷・資材・金銭・船舶自体など)を不当に強奪する行為」となります。

が、それでは恒星間国家の海軍や宇宙空間を警備している公的組織は果たしてこの「略奪行為だけ」に対して防備しているかというと必ずしもそうではありません。
例えば密輸です。
密輸とは「法的な手続きをせずに物品の輸出入をすること」を指しますが、これまたトラベラーで言えば「恒星間国家が法的に認可していない物品を密かに恒星間輸送すること」になります。
ですので、何の変哲もない日用品ですら、その星系に持ち込みを禁じられているのに輸送した場合には「密輸」となり、取り締まり対象になるでしょう。
例えば我々の現在の世界であっても、法的に定められた手続きを経ずにタバコや酒が旅行者の手荷物として持ち込まれて関税を免れてしまえばそれは密輸品となります。
またトラベラー宇宙で特徴的なトラベルゾーンであるレッドゾーンは法的な区分で言えば侵入禁止星系です。
ですからレッドゾーンに対して輸送をする(持ち出す、持ち込む)行為は全て密輸行為に該当します。
恒星間国家内部での取り決めにもよりますが、人間をはじめとする知的生物を攫って奴隷として売買する行為は違法になる場合と合法になる場合があるでしょう。
ヴァルグル連合でペットショップでの犬の売買を容認するか規制するのかに似たケースと言えばイメージしやすいかと存じます。
つまり、人類社会内部で人間ショップなる商売を合法か違法か、ということですが、要するに人道云々の問題ではなく国家が設定した法律の拘束力こそが決定するのであって、言い換えれば一たび国家としての法秩序が失われてしまえば、出現する可能性がある商売であるとも言えます。
同様に違法薬物も違法なのはその国家の法律が定めているからであって、それ以外には何の制限もない、という事です。

少し脱線しますが武器も同様で、トラベラー宇宙で言えばその星系の治安レベルたるその星系の法規制が定めた結果としての合法か違法かです。
しかし公的ルールにはその違法行為に対する処罰の程度の記載がありません。
つまりレフリーの判断に拠るのですが、単純に違法物品の没収から追放や罰金や投獄、あるいは強制労働から死刑に至るまで処罰の種類があるでしょう。
そしてその処罰は違法行為たる「法規制に反した物品の所持」に対して決定されることになります。

他にも海賊的な物品の代表として身近な物は「海賊版商品」です。
ブランド品や印刷著述品などに似せたコピー版商品がその多くとなりますが、これを売買目的で輸送することもまた違法行為に該当します。
その多くは高額取引が見込める商品を低額でコピーして「差額を稼げる商品」あるいは、元手が小さくでも大量に売買できる「売上が稼げる商品」です。
前者の代表が有名ブランドバッグなどの海賊版商品、後者は映画やゲームなどの海賊版コピー商品です。
もちろん作っただけでは儲けが出せませんので、製造から輸送そして販売に至るまで1つの纏まったパッケージにしての商売になりますが、規模によって1つの単独組織で行なう場合と、分業してしまう場合とに分岐します。
ここで難しいのは分業した場合です。
製造する部門はもちろん違法性を承知していますが、
輸送する部門はその商品輸送のみを請け負うので中身が違法物品とは知らないケースもありますし、その低コストゆえに完全に民間業者が輸送を受注している場合もあります。
また販売する部門もその取扱商品の知識が乏しい場合には正規商品と思い込んで販売しているなんて場合も少なくありません。
あるいは違法商品と知っていて販売しているケースもありますが、その場合にはおおっぴらに店頭販売しないなど配慮が為されます。
後述する通り、取り締まり機関の摘発があった場合、違法な海賊版とは知らなかった輸送業者や販売業者であっても商品は没収されて廃棄されます。
ですので、輸送代金や仕入れ代金が回収できない状態になる危険性を有しています。

纏めるとトラベラー宇宙での海賊とは「宇宙空間を利用して略奪行為や密輸など売買の違法行為を行なう犯罪者または犯罪組織」と定義しておきましょう。
そしてその主たる業態は以下の3点になります。(それ以外については後述として海賊稼業以外の海賊として纏める事と致します。)
・略奪行為
・密輸行為
・海賊版販売
そしてもし法的取り締まり機関たる海軍や司法機関の摘発を受けた場合、必ずその対象たる商品や資材は没収廃棄となります。
大臣 2021/10/30(Sat) 07:56 No.1287

海賊についての考察 (その1)

今までは恒星間国家同士を考えて恒星間戦争をテーマに取り上げて参りました。
が、それとは別に山中教授がトラベラー復興委員会で考察されておいでの「海賊考察」でテーマとされておりますが、恒星間国家内部での「武装した脅威」としての大きなものに海賊があると思います。
そこで今回はこの海賊をテーマにしてみたく存じます。
詳しくは山中教授の考察に譲りますが、なるべく被らない部分を今回投稿では検討して参りたいと考えております。
(もし被っていたら申し訳なく存じます。)

(1)公式設定から見た海賊
まず最初に。
MT版のハードタイムスでは以下の3種類が設定させています。
@切り裂き魔
これは個人経営的な1人の加虐趣味的な犯罪者が海賊を生業としているタイプです。
ですので構成員は最低1人、この人物のカリスマ性で参加してきる人々が集団化している場合もあるようです。
もちろん組織的な行動をとる前提にないので、行動の決定はこの中心人物の判断と気分次第、ということでしょう。
帝国分裂期に多発した様子ですが、分裂前にも恐らく帝国をはじめとする恒星間国家の司法を逃れた犯罪者が類型の行動を取っていた可能性があると思われます。
その生存は運次第で、分裂前なら尚更に司法当局の捜査や海軍の警備など追及を逃れて生き残り続ける可能性は低いでしょう。
分裂前で言えば、後述のコルセア型とこの切り裂き魔型の2タイプが「偶然の遭遇表」で出現する海賊に相当する、ということになります。

Aコルセア
イメージされる一般的な海賊がこのタイプになります。
詳しい説明はハードタイムスを御参照頂ければと思いますが、それ以外を今回投稿以降で深掘りして参りますので後述と致したく。
また、帝国分裂前から存在している海賊の類型になりますが、分裂以降も変わらずに海賊として存在しており、恒星間交易での重大な脅威となり得ます。

Bヴァイキング
ハードタイムスで説明がある通り、恒星間国家の海軍に代表される恒星間国家の組織が中央の統制から外れて自活するタイプが相当します。
その殆どの場合が帝国分裂後となりますが、僅かながら部隊ごと艦艇ごとで軍隊を脱走したケースも存在すると思われます。
但し、軍隊としてはこうした脱走を絶対に許容できません。
最悪は国家間での戦争開始の直接原因になる可能性も極めて高く、国家同士では知らぬ存ぜぬは通りません。
ですので、脱走の存在が判明した場合には無理矢理にでも全軍を上げてでも脱走部隊を追捕あるいは殲滅をすることになります。
よって、もし脱走部隊がある場合には、その存在自体が秘匿されるでしょうし、活動も例え能力があったとしても海賊的な略奪襲撃行為のような目立った行動などはかえって命取りになりますので控えるでしょう。
つまり、帝国の恒星間国家としての統制が喪失した結果として分裂後に生じた形態がヴァイキングであるとも言えます。

以上、3つのタイプが海賊にはあると前提して、
今回は「組織的な犯罪者集団」としての側面で「略奪襲撃を主とした海賊行為」をするコルセアを主たる題材にして議論を進めて参ります。
大臣 2021/10/29(Fri) 19:17 No.1286

なんとか納得?!

宿題もやってないのに申し訳ないですが。

長年悩んでいた(兵器を造るときに引っかかってしまう)バッテリーの問題なのですが、
一応なんとか自分を無理やりにでも納得させることができた?!ので。

TNEでバッテリーを使用した機器を作ろうとするととても嵩張ってしまい、
製造できない感じになります。

それで、現在のバッテリーを比較のために調べに行くと、蓄電量とかが異常に低いように思えました。
MTとの差も非常に大きくて、何か造っても、MTファンから文句が出そうでしたし。

現在のTL前後しか見てませんので、各TLでこれから書くことがあっているかどうかわかりませんが。

結果をまず先に書くと、MTの方は、1kリットル、1トンになっていますが、
体積エネルギー密度は現実とほぼ同じ。
重量エネルギー密度は、定義が水と同じ密度になっているので、オーパーツレベル、TL3つくらい。
ただTLごとの上昇率が低いので、近未来に個体電池が出回るようになれば、体積エネルギー密度が現実より低くなってしまいます。
重量は、1立方1トンのせいか、TL2アップくらいまでは追い抜くことはなさそうです。

TNEの方は、1kリットルあたり2トンのせいか、重量エネルギー密度の方が現実に近く、数値だけ見ると、だいたい現実より、TL1低い感じで移行していきそうです(超未来のバッテリーが理論だけでも出てきていないので、TL10以上のような上はどうなるかわかりませんが)。
体積エネルギー密度もだいたいTL1低い感じで推移していきそうです。

スマホのバッテリーなんかを見て、多分、テクノロジーの進化が予想より大きかったんだ思っていた(そこが不満)だったのですが、
他にもいろいろな要素があることに気づき。
家庭用蓄電池を見て、初めて気づきましたが、10KWhも蓄電量がありながら、災害時の使用は、最大500Wしか使用できず(細かい数字は忘れましたが、理屈では20時間使えるはずですが、もっと低かったと思います。12時間?)
スマホのバッテリーなんか数ボルトしか取り出せません。
他のパーツで電圧を上げてあげればよいとはいえ、高い電圧を取り出すというのはバッテリーは難しいようです。
磁気ライフルとか、家庭用機器と同じ100Vや200Vでいいのか、もっといるのかよくわかりませんが、
単純にkWhだけ見て計算していいものでもなさそうです。

あと価格。設計ルールのパーツ関連が、どのレベルの製品(特殊、簡単に手に入る民生レベルなのか、中間なのか)になっているかが。
設計ルールの常として、2,3レベルの違う価格の製品を出すのは難しいですし、どのレベルかで価格を統一しないといけません。
(装甲なんか安すぎるよなあ。金属パーツとしての価格と先進的な技術を使った軍事用との差でしょう)。
宇宙船にも使える精度の高い部品としてみると、相対的にかなり価格が高いと思われるTNEでも、安すぎる可能性すら出てきます。

あと寿命ですね。一応宇宙船レベルの40年でも劣化は気にしなくていいですし。
端末用のバッテリーなんか1年の保証があればいい方ですし、業務用でも3年とかありますし。

価格、寿命、信頼性なんやと思い込めば、なんとか合理的に思える範囲には収まっているようです。
(大きい機器だと他の要素があるので、あまり影響ありませんが、TNEでのバトルドレスが、バッテリーを芝刈りなみに背負ってしまわないと必要要件を満たせないので。
小艇未満のミサイルとかのレベルの大きさでも、結構問題が起こります。)
zaza 2021/10/20(Wed) 11:46 No.1285

補足の説明として。

ついでなので先の投稿で御紹介した用語を解説してみましょう。
(1)遅滞
敵の行動を阻害する行動の一切を指します。
今回ケースでは敵軍が撤退しようとしている自軍を追撃している、なんて状況です。
ですので、敵軍の侵攻速度を抑えることができれば自軍は安全に撤退できます。
そこで行なわれるのは、敵侵攻ルートに鉄条網や障害物や地雷を設置するとか、
敵軍が通過しなくてはならない平滑地に火力集中点を形成して足止めを試みるというのがこの場合に相当します。
他にもアイデア次第で敵軍の侵攻速度を遅くさせるあるいは停止させるなんてこともできますので、作戦次第ですね。
     
(2)陽動
敵に自軍の意図を誤認させて、自軍の行動目標を阻害させないようにする行動を指します。
今回ケースでは自軍が撤退しようとしている事自体を認識させない、なんて状況です。
ですので、大規模な逆襲攻撃をした後に準備した通りに撤退してしまうなんてのは陽動作戦に相当しますし、
部隊を分けて敵の側面や背後に侵攻を試みて、別に成功しなくてもそういう企図を相手に理解させる程度でも良いのです、
敵軍が警戒を厳にして防備を固めた間に撤退してしまう、なんてのも策ですね。
つまり敵軍が自軍が攻撃に転じようとしている=撤退を企図していない、と錯覚させるのが肝です。
敵軍が自軍企図を阻害しようとする心理を利用することで撤退を完了させるという事です。
これもまたアイデア次第でどんな心理トリックを相手に仕掛けるかでバラエティが発生しますが、
やり過ぎると敵軍に真の企図を見透かされることもありますので程度問題でしょうね。
上手く作戦が嵌れば敵軍からは魔術師だのペテン師だのの称号が貰えるかも知れませんけど。

(3)誘引
敵軍を誘い出す行動を指します。
今回ケースでは自軍撤退ルートとは全く異なる方向に敵軍の侵攻方向をそらす、なんて状況です。
ですので、小部隊を誘引部隊として敵の追撃に合わせて撤退させておき、それとは別に主力部隊は撤退してしまうという感じになります。
誘引はそれ以外にも使えます。
例えば誘引部隊がひと当たりしてから総崩れを装って撤退、釣られて追撃を開始した敵軍を主力部隊の縦深陣に誘い込み、袋叩きにすると「釣り野伏せ」の完成です。
誘引する部隊は敵の攻撃下でも実際に潰走状態に陥らないこと、自然な撤退に擬態できることが重要です。
ですので、高い練度と士気を持つ兵と戦術能力に優れ冷静に状況分析ができ尚且つ兵と高い信頼関係にある指揮官が絶対条件になります。
ハードルは高いのですが、上手くできる部隊があればどんな状況にでも使えますので、戦術展開のバリエーションが飛躍的に増えますのでおススメです。

簡単にそれぞれを補足説明して見ました。
大臣 2021/10/17(Sun) 11:55 No.1284

結果が同じでも違いがあること、について。

zaza領主閣下
山中教授

お呼ばれ致しました故、参上仕りました。
ようやく領主閣下の御下問内容が判りつつあります。
要するに以下の2つのケースを混同されているのですよ。
状況:敵勢力下に孤立した友軍があり、戦闘救出作戦を要する。
   戦闘救出作戦遂行にあたって、損害が出る可能性が高い。
ケース1:戦闘救出作戦での損害をゼロにはできないので、戦闘救出作戦自体を行なわない。
ケース2:戦闘救出作戦を立案遂行するが、作戦過程で予想以上の損害が発生して戦闘救出作戦を断念した。

さて、このケース1、ケース2では結果として、戦闘救出作戦が失敗してしまい、孤立した友軍を救出できていません。
どちらも同じ結果でしたが、果たして全く同じでしょうか。
それは違いますよね。
状況次第ではケース2では救出できました。しかしケース1ではどうやっても救出はできません。
なぜなら戦闘救出作戦自体を実施しない訳ですから。
まさに領主閣下が
>登山で遭難者が出て、捜索隊が結成されても、捜索前、捜索中に、天候が悪化した場合
と仰っているように、状況によっては失敗する可能性があるにせよ、
そもそもリスクが存在しているから「救出しない」ということと結果として「救出できなかった」という場合を混同されていると存じます。

で、そこまでを踏まえて。
>それが軍隊でもあるのではないかと思っていたので、そういう判断が致し方なしと周りも思ってくれる状況の境目が知りたかった
何と言って伝わるか判りませんがやってみましょう。
士気が高い軍隊ほどだと思いますが、戦闘救出作戦は志願制のケースが多く、しかも多くが志願してきます。
リスクが高いと知りつつも窮地にある友軍の命を救出する価値を戦場で見知らぬ敵兵を多く殺害するよりも価値を見出す、と言えば伝わるでしょうか。
ですので、戦闘救出作戦を実施する場合には断念する敷値の判断は難しいと言えます。
先にも申し上げた通り、片手程の数人の将兵を救出する為に1個師団を投入してもおかしくない、いやそのまま戦争になって全軍が投入される可能性すらあるのです。
そうした危険性は近代現代ですら多くの戦争で見られる通りですよね。
例えば日本軍の盧溝橋事件などはたった1人の日本兵が行方不明になったことから端を発している通りです。
ですので私見ではありますが、戦闘救出作戦中止を判断するのは「作戦がどうやっても失敗することが明らか」な場合ではないでしょうか。
つまり損害数が多いから断念する、のではないということであろうかと存じます。

>ゲームとかで、平気で、時間稼ぎや、より多くの部隊を守るために、少数の部隊を突出させたり、敵に当たらせたりしますが
これは軍隊では「遅滞」とか「陽動」とか「誘引」とかまあ色々ケースがありますが。
もちろん担当した部隊は損害が大きくなりますが、その作戦自体を遂行する事で友軍の多くが窮地から脱することを承知しているケースが近代では殆どだと思います。
つまり無意味な捨て駒ではないということですね。
>兵隊さんは全員死んだりしておらず、安全地帯に退却はしているのかもしれませんが
御指摘の通り、部隊全部が玉砕、なんてのは旧日本軍くらいなもので。
ゲーム的には「組織的な戦闘行為」ができなくなったという状態と思って頂ければ。
部隊の何割が死亡すると戦闘行為が維持できなくなる、なんてのは諸説ありますが。
>実際の軍隊は、ゲームのように捨て石に見えるような戦法は取らないということでしょうか
いえ、ですので、そうした戦術は採用されます。そして後退作戦においては頻繁です。
日本史の戦国時代では信長公の「金ヶ崎の退き口」が有名でしょうか。
大戦中だと日本軍の「キスカ島撤退作戦」は複数の戦艦を含む強力な米打撃艦隊を出し抜いて5千人を全くの無傷で撤退させた見事な作戦でした。
撤退戦こそ準備も情報も満足にない状態で損害をどれだけ少なくできるかが難しいのです。
教授が仰る様に、
>自分が戦い続けることが、味方(戦友)を助けることに繋がる(と信じられる/納得できる)のであれば
の通りですね。
大臣 2021/10/17(Sun) 11:06 No.1283

救出作戦を中止する理由

zaza様
 レスの書込み、有難うございます。

>取り残された人がいても、いまにも建物が燃えて崩れ落ちそうだったら、
>隊員の生命を守るために、救出に行かないと思うのです。

>登山で遭難者が出て、捜索隊が結成されても、捜索前、捜索中に、天候が悪化した場合、
>二次災害を恐れて、捜索は中止すると思うのです。

 ちょっと視点が違うような気がしました。
 消防士や遭難者捜索の場合、救助対象を助けられるかどうか、が問題になるのだと思います。
 建物が燃えて崩れ落ちそうなのであれば、例えば、
 それが1分以内か5分以上先かを判断する(しなければならない)、のが指揮官の仕事でしょう。

 崩れ落ちるまでに時間があると判断したのであれば、突入ルートや捜索個所をきちんと指示して、部下に突入させて取り残された人を救出させます。
 闇雲に探させるなんて危険なことはさせられません。
 取り残された人が何処に居るのか、例えば、夜中の火事ならば寝ている場所でしょうし、
 其処から移動しているとしたら、何処へ移動している可能性が高いのか、なども検討して指示する筈。

 勿論、消防士や捜索者の犠牲は「ゼロに抑える」ことが前提ですね。
 犠牲を出すことが前提ならば、その救出作戦/捜索活動は論外(決行してはいけない)かと。
 結果的に犠牲者が出てしまった場合と、最初から犠牲が出ることを見込んでいる場合は、同じ扱いをできないと思います。



>ゲームとかで、平気で、時間稼ぎや、より多くの部隊を守るために、少数の部隊を突出させたり、敵に当たらせたりしますが

 確かに、やりますねぇ。

 作戦上どうしても必要なことであれば、という条件付きですが、
 私が指揮官だった場合、そうした命令を出しますし、
 私が部下だった場合も、命令に従って時間稼ぎの戦いをすると思います。

 命が惜しくない訳では無くて、その命令(時間稼ぎの戦い)が必要なことだから、ですね。
 自分が戦い続けることが、味方(戦友)を助けることに繋がる(と信じられる/納得できる)のであれば、頑張れるのではないのかな。
 戦争(殺し合い)ですから、仕方ない。

 私の感覚が正しいかどうか自信がありませんので、これに関しては大臣様の書込みを待ちましょうか(他力本願)。
山中 2021/10/16(Sat) 17:55 No.1282

無題

山中様のお話は、例えとしては、意味は理解しました。

警察官は使うことは出来ないのですけれど、
消防士さんだと、取り残された人がいても、いまにも建物が燃えて崩れ落ちそうだったら、
隊員の生命を守るために、救出に行かないと思うのです。

登山で遭難者が出て、捜索隊が結成されても、捜索前、捜索中に、天候が悪化した場合、
二次災害を恐れて、捜索は中止すると思うのです。

双方とも可能な限り頑張ると思いますが、被害の拡大を防ぐため、そういう行動をとるときがあると思います。
それが軍隊でもあるのではないかと思っていたので、そういう判断が致し方なしと周りも思ってくれる状況の境目が知りたかったので。
軍隊がそういうことがない組織なら、仕方がないでしょう。

映画内でも、作戦に参加していた車輛部隊が救出に向かうものの、退却を選択せざるを得なくなっていますし、
国連軍の協力がなければ、あらためての救出作戦も開始できなかったか、
もしくは米軍だけでいって、同じように失敗したのではないかと思われます。

ゲームとかで、平気で、時間稼ぎや、より多くの部隊を守るために、少数の部隊を突出させたり、敵に当たらせたりしますが、ゲーム内でも火を見るよりも明らかで全滅を前提としてそういうことしたりしますが、
全滅と言っても、部隊として戦闘力が発揮できない状態になったので、ユニットとしては消えるとしても、
兵隊さんは全員死んだりしておらず、安全地帯に退却はしているのかもしれませんが、
実際の軍隊は、ゲームのように捨て石に見えるような戦法は取らないということでしょうか。

Lock'n load Tacticalシリーズの最初のゲームの題材の中の一つ(PC版ではまだ出ていませんが)のようですが、
中身はよく知りませんで、出てくるらしい、タイヤのバリケードなんか意味あるのかなあとか思ったのですが、映画見るとなるほどですな。
ゲームではM1戦車のユニットがあるのですけれど。
PC版は、今度はゾンビのモジュールらしいのですが、賢いゾンビとか、凄く速く走れるゾンビとかでない限り、
民間人ならともかく、軍の部隊なら、いくら数の脅威があっても大丈夫のような気がするのですが。
弾切れになると負けるゲームというのも面白くないと思いますし。
どうなんでしょう。
登場ユニットというかプレイヤー側も民間人だったりとか、民間人を守ってとか救出してという形になるのかなあ。


ビルの窓という窓から銃撃されても、装甲車両って大丈夫なのかあ。
あそこまで銃撃あったら、故障とかしそうですが。
銃手や、運転手はやられても、車輛自体は大丈夫だったようで。
映画の表現ですが、RPGはホバリングしなければ、当たりそうではありませんでした
zaza 2021/10/15(Fri) 11:40 No.1281

助けに行かなかった場合に起こること

 土曜日から、この掲示板にアクセスできず、試しにIEを使ってみたら、アクセスできました。
 Edgeとは相性が悪いのかな?



Zaza様

 大臣様が感情的になることも分かりますが、命の危機感を感じていない一般市民ならば、ある意味、当然の反応ではないでしょうか。
 こういう言い方なら通じるかも知れない、と思って説明を試みてみます。

 zaza様が、犯罪に巻き込まれて110場通報をしたり、家が火事になって119番通報をしたり、しているとしましょう。
 そこで警察署や消防署監督から、
「その犯人は凶器を持っていますね?
 警察官の命が大事なので、犯人が凶器を手放すまで、警察官は救けに行きません。
 消防活動は危険なので、火事が収まってからでなければ消防士を派遣しません」
 と言われたら、どう思います?

 そういう言い方をされて、警察や消防を信用できますか?

 110番通報をしたら、警察官が助けに来てくれる。
 119番通報をしたら、消防士が消火に来てくれる。
 ということが日本人の一般常識だと思いますが、zaza様の
>命を大切にするため助けにいかないという理屈もあると思う
 という考えは、そうした信頼関係を損ねる行為なのです。



 で、私は大臣様と違って、そういう行動も有りだと思っています。
 「命が危ないから、助けにはいかない」と言った瞬間、その兵士、上官は周囲からの信頼を失いますし、
 その考えを全員が共有しているのであれば、その軍隊は全員が前線で戦うことを拒否して、役に立たなくなります。
 敵国が攻めて来ても、銃を取って国を守る、ことはしなくなるでしょう。

 警察官が、110番通報を受けても救援に来ないのであれば、一般市民は犯罪に巻き込まれても、警察に頼れません。
 消防士が、119番通報を受けても消火に来ないのであれば、一般市民は火事が起きても、消防に頼れません。
 そういった社会に変わることをイメージできる(受け入れられる)のであれば、命が大切だから見捨てる(助けに行かない)、選択は有りだと思いますよ。

 そうした危機(犯罪や火事)に頼れるのは、同じ部族や身内だけ、という状態が、
 ある種の無政府状態(政治形態0)や無法状態(治安レベル0)に該当するのではないかと考えていますので。
 などと無理矢理、トラベラーネタに引き戻してみました。
山中 2021/10/13(Wed) 02:59 No.1280

どういう場合でもダメです。

zaza領主閣下

残念ながら全く御考え違いかと存じます。
>助けにいかないと、兵士の士気が下がって今後に支障が出るから?
そんな程度の騒ぎでは収まりません。
実態で言えば軍隊が全く戦闘行為やそれ以外の危険を伴う行動ができなくなりますよ。
考えてみて頂ければ。
もし怪我などをして敵中に孤立する可能性がある行動が必要な場合、自軍は損害を考慮して見捨てる可能性が僅かでもある、というケースです。
そんなリスクがある任務を兵士だけではなく命令する下士官や将校の立場だったとして、部下に「任務失敗したら見捨てるけどね」と言えますか?
本職であればどの立場であっても真っ平御免です。
ですので、
>米国なら救出に向かわなければ世論がまずそうですが
世論なんかより遥か以前に軍隊を軍隊なさしめる為に絶対必要不可欠なのがこのコンバットレスキューという任務です。
世間体で戦争してる訳ではない、と御理解頂ければ。
>状況的に被害が数十倍になる場合でも助けにいかないといけないのでしょうか
ええ、その通り。何百倍になろうが何千倍になろうが。戦争してるんですから。
逆に言えば、捕虜になったとしても生きてさえいれば友軍が必ず助けに来てくれる、という希望が将兵を戦地に立たせることになる訳ですよ。
もっともその被害をどう抑えるか、迅速に、可及的速やかに、手持ち装備で被害最小限度での救出作戦を立案するのが作戦を立てる上でも重要なのです。
そんな作戦立てられない、なんて参謀がいたら給料泥棒ですから即刻クビにしてしまうべきです。
ですので、
>命を大切にするため助けにいかないという理屈もあると思うのですが
そんな理屈はシャバでは通用するでしょうけど、戦場などのリスクがある死地に兵士を追いやる職業では存在しません。
少なくとも何か救出できる手立てを構築するのが通常の考え方です。
できない、ではなく、やる、のですよ。
大臣 2021/10/12(Tue) 18:14 No.1279

どういう場合なら見捨ててもいいのでしょう

映画 ブラックホークダウンをみたのですが、
明らかに救出に向かう方が被害が出そうでした。

助けにいかないと、兵士の士気が下がって今後に支障が出るから?
米国なら救出に向かわなければ世論がまずそうですが、
状況的に被害が数十倍になる場合でも助けにいかないといけないのでしょうか。
命を大切にするため助けにいかないという理屈もあると思うのですが
zaza 2021/10/11(Mon) 19:47 No.1278

気がついていませんでした

米海軍のレールガンの開発が凍結だとか
zaza 2021/10/07(Thu) 19:34 No.1277

無題

>zaza様は「自由は多ければ良い、範囲が広ければ良い」という考えだと推測します。
 >zaza様の追及する/獲得した「自由」が、他者の権利や自由を侵害するものだったら場合、自分の「自由」を押し通すのか、他者に配慮して我慢するのか、気になりました。
 >その時の状況に合わせます、と言われるかな?

漠然とした意味で書きました。
理由は、そのことについて、少なくとも皆様ほど深く理解していない。
また勉強していない。
これはどうなんだ、ああなんだと尋ねられると、自分の意見のなかに多数矛盾が出てきそうで。
それではいけないという事もわかってはおりますが、自分の中に他の方よりよく知っている分野はないので、建設的な発言ができないのは申し訳ないのですが、ある程度目をつむっていただけると助かります。

一々定義や前提を書いていくと収集つかなくなるとも思いますので。

あと、大きな行動をするときはともかく、常に合理的に考えている
かというとそうでもないと思うので。
感情というか想いで行動することの方が多いのではないかと。
少年漫画のキャラが「自由でいたい」とか「俺は何物にも束縛されない」と発言したとしても、多分突っ込んでいったら、色々困ることが出てきそうですし。
でも、そういうことを想ったという感情はその時そこに存在したのは間違いないと思うし、結局、似たものも含めて、そのようなみんなの思いや欲求が最終的に大きな流れになっていくとも本当に思っているので
zaza 2021/10/04(Mon) 07:53 No.1276

自治権と自由と社会の変化

zaza様
 返信、有難うございました。
 レスが遅かったので、今回も大臣様に書き込まれてしまいましたが。



>自由に自分の星系内のことは自分で決めていいというなら、参加してもいいと思っています。
 と書かれていますので「自治権」に関しては、日本国内の地方自治体をイメージしている想定で良さそうですね。
 今、zaza様が享受している「自治権」がそれに該当すると思いますので。
 zaza様が米国人であれば、合衆国政府内の州や市といった自治体をイメージするのかも。



 「自由」に関しては、zaza様が書かれた、
>食欲とかの本能まではいかないとしても、「自由でいたい」、「束縛されたくない」等という欲求は普通にみんな持っているはずです。
>……中略……
>欲求である以上、人間は追い求めていくと思います。
 という内容を理解しました。

 しかし「自由」を「抑制/制限」する主旨の書込みが見当たりませんでしたから、
 zaza様は「自由は多ければ良い、範囲が広ければ良い」という考えだと推測します。
 zaza様の追及する/獲得した「自由」が、他者の権利や自由を侵害するものだったら場合、自分の「自由」を押し通すのか、他者に配慮して我慢するのか、気になりました。
 その時の状況に合わせます、と言われるかな?



 奴隷制についても有難うございます。
 自分が奴隷から解放されたのであれば、世界が変わったのではなく、自分の立場が変わったと考えるべきではないかと思うのですが、些事ですね。



>江戸時代から明治や、第二次大戦後などは明らかに社会や制度も価値観もかわっていますよね。
>そういうことが社会構造の変化だと思っていたので。

 江戸時代から明治を経て、戦後への変換は、表面的なものでしょう。
 これを社会の変化、制度の変化、と呼ぶ方も多いので、zaza様の言い方も分かりますが。

 その根底にあるのは、日本という国家を維持/存続/生き延びさせるという根本的な目的があります。
 その目的を達成するために統治システムや身分制度を変化させている、と考えれば、面白いものが見えて来ると思いますよ?



 人間が欲望を抱き、他者の権利を侵害してでも「自由」を得たいと考え、それを実行する「困った生き物」である以上、
 それを管理/抑制/制御するための枠組み(国家や司法制度)は不可欠です。

 多くの人口を抱える国家ほど、圧制的なものにならざるを得ない(個人の自由が制限される)という話は、
 政治形態と治安レベルの投稿で書き込もうと思ったのですが、此処に書いてしまいましょう。

 大臣様の書込みと合わせて、ちょっと考えます。
 有難うございました。
山中 2021/10/04(Mon) 05:50 No.1275

御回答への感謝とともに。

zaza領主閣下

まずは自由について。
>欲求である以上、人間は追い求めていくと思います
領主閣下の御考え、承知致しました。
自然欲求としての自由という考え方も確かに存在しますので、その内容はともかくということですね。
とは言え、同じ人間の中には他者を束縛して利益を得たい、差別をする、という心理的な構造も同時に存在していて、
それらがせめぎ合っているのではなく別物なのだということは指摘しておきたいと存じます。

>江戸時代から明治や、第二次大戦後などは明らかに社会や制度も価値観もかわっていますよね
ええ、御指摘の通り社会というよりは生活の価値観自体も様式も変容していきます。
より生活しやすい最適解が採用されていくという感じですね。
一例をあげれば、戦前戦中の大家族制度は戦後の雇用形態の主たるサラリーマン形式の普及により核家族化が進んで今ではすっかり主たる生活形式に落ち着きましたよね。
この例で言えば、世帯所得を得る仕組みが給与所得を主体とする構造に変化したことや働き口が都市化したことなどなどが要因になった故ですが、
要するに大家族での生活よりも核家族の方が「効率的であった」からと言えます。
しかし礎になる根幹部分の社会構造までは変わることなく、中央集権体制の国家は維持されていますよね。
つまり申し上げたいのは、社会や制度や価値基準が変わるとは言っても、それはより効率や機能性があると判断された結果の最適化の結果であって、テクノロジーがもたらした利便性の結果ではない、ということなのです。

>第三帝国は「夜警国家」と思っていました。
夜警国家というのは「自由主義の下で国家の機能を安全保障や治安維持など最小限にとどめた」国家です。言い換えれば「自由主義国家を目指すべき」姿とする考え方でもあります。
そもそも的に言えば、トラベラーで扱われている第3帝国自体は封建主義ですので、自由主義を標榜とする国家ですらありませんから、残念ながら実態とは異なると言えるでしょうね。
しかしながらある一面として、地方政府に高い自由度を持たせており、帝国自体の主たる任務は「恒星間国家の国土防衛」と「恒星間国家としての治安維持」と「安定した経済維持」となっていると看做せば、
確かに仰る通りの夜警国家としての「安全保障や治安維持など最小限にとどめた」国家とも言えます。ですのでその観点で言えば大賛成です。
しかしながら、
>帝国自身も、やれるのなら、全部中央が決めて実行もしていきたいのでは。
そんな手間暇は恐らくどんな為政者にとっても御免こうむる面倒臭さだと思うのですよ。
簡単に言えば、各方面で勝手に上手くやってもらって、恒星間国家としての利点が得られる国家であれば為政者側は文句を言わないと思いますよ。
この辺りも中央集権と地方自治の綱引きになるでしょうけど。
何でもかんでも中央のお伺いがないと機能しないなんてのはどんな小さな会社や個人経営ですら存在しないと思いますよ。
その為の権限分与が存在していて、何かしら末端でも判断できる仕組みですよね。
例えば店員さんにお客さんが何か尋ねて、何一つ答えられないから必ず店長が応対しているなんてケースと同じです。
つまり地方に任せるというのは中央の負担を肩代わりさせて低減しているとも言える訳ですね。
何でも中央集権すれば事足りる、ということではないと申し上げたく。
大臣 2021/10/03(Sun) 20:38 No.1274

無題

食欲とかの本能まではいかないとしても、「自由でいたい」、「束縛されたくない」等という欲求は普通にみんな持っているはずです。
同じく、理由もなく差別されたくないとかも、普通にそういう欲求は人間にはあると思っているのですが。
何が自由か何が差別かは置いておいて、
欲求である以上、人間は追い求めていくと思います。

前回書いていて、「そういえば貴族制度があって、普通に民主主義の国もあるし、階級制度があるなしで、平等であるとかないとか測れないいのかも」と思ったり、
アフリカや中東を見て、必ずしも先進諸国が当たり前に思っている価値観が受け入れられていないとも思いますが、
そう思いつつも基本的には、人間の中に根本的にそういう思いがあると思っているので、
思い(欲求)がある以上、それに向かっていくと個人的には思っています

そして「自由」は、まったく見たことはありませんが、外国の憲法にも同じようなことが書いてあるんじゃないかと思っているのですが、
普通に日本国憲法や法律に記されている自由を思い浮かべました。


自分が奴隷で、労働途中で死ぬかもしれないという思いを抱えていて、
さらに、子を持ったとしても、その子も奴隷。そして子孫も奴隷と思っていたら、
ある日、奴隷制度がなくなって、奴隷階級でない人と同じように何をしてもいいとなったら、
やはり「世界が変わった」と思ったと思うのです。

江戸時代から明治や、第二次大戦後などは明らかに社会や制度も価値観もかわっていますよね。
そういうことが社会構造の変化だと思っていたので。
科学の進歩がそういうものを支えたり、そのせいで以前と同じままでいることもできないという場合もあると思います。
その中でも時間と距離はラスボスの武器でもありますし、かなり大きな変化を与える要素と思っていました。


第三帝国は「夜警国家」と思っていました。
帝国自身も、やれるのなら、全部中央が決めて実行もしていきたいのでは。
でもそれは時間と距離の都合でできない。
それで今の社会制度になっていると思っていました。、


ビラニ帝国は蛮族としか思ってくれていないようなので無理だと思いますが、
外交、防衛と、所属星系も等しく守らないといけない、まもらないとおかしくなるようなこと、最低限の義務以外は
自由に自分の星系内のことは自分で決めていいというなら、参加してもいいと思っています。


例えば虫から進化した知的生物がいたとしたら、人類種からみれば奴隷としか思えない階級があったとしても、それは責められませんよね。
当人はまったく不幸なぞ感じていないかもしれませんし
(よく異星人のタイプでこういうなのが出てきますが、地球の虫がそうだからって異星のむしがそうともかぎらないのでは。
まあシステムだからあってもおかしくないし、作品としても、見た目も理解もしやすいからかな)。

ただある程度現代の人間の感覚で普通と思えることを前提にしないといけないのではないかとは思います。
時代劇でも、当時の感覚や考え方、価値観と違う表現をしていると言って怒る方がおられますが、
お食事時に、首を化粧しているシーンも流せないし。
当時の価値観そのままでドラマを作ったり放送したら逆に不快に思う人が大部分では。

驚異の世界を登場させることは、おもしろいしいいと思うけれど、
通常自分のいる世界は、現代の延長線上のままの世界がいいのではないかと。
だから法律とかもあまり変わり映えしなくてもよいのではと思います。
いろいろ凝ると却ってゲームしにくいのでは
zaza 2021/10/03(Sun) 09:02 No.1273

自治権と自由と奴隷制

zaza領主閣下
山中教授

きっとたぶん恐らく、zaza領主閣下は本職がNo1265,No1266で書き込みしたものへの御感想的に思う様お書きになったことと存じます。
が、その中に自治権、自由と平等、奴隷制度と議論俎上になる事柄の三色丼でしたので、まあ本職もそして恐らくは山中教授も疑問や補足をして発展させようとしていた、ということでしょうね。
で、領主閣下からの御返答がまだない状況で大変恐縮ですが、補足的に1つずつやって参りましょう。

まずは自治権について。
というかそもそも「国家体制としての権利って何?」ってところからですよね。
本職が申し上げたのは今の世界でポピュラーな考え方で「民族自決権」というのがあります。
その第一定義としては「他の国家、民族からの干渉がされないこと」です。
そもそも的に言えば国家の要素として、領地がある事、国民が存在している事、主権を有している事の3つがあります。
この内の「主権」とは何を指しているのか、ということです。
実は一概には明確にこれというのが言えず、一般的にはというぼんやりとした内容になってしまうのだ、というのが大前提ですが、
まず1番目にあるのが、「統治権」たる「国民と領土を支配する権利」です。まあこの中身すら曖昧ですが何となく御理解頂くとして。
2番目は「対外主権」つまりは自国以外のいわゆる外国に対して交渉できる権限です。

で、単一の国家機能に集約されて地方を形成する場合、例えば帝国の一部として併呑されてしまう場合は、まず独立国として有している「対外主権」は喪失してしまいます。
簡単に言えば、地方自治体の県や市が外国の政府と交渉して条約を締結する、なんてことができないという仕組みですね。
もちろんその下の法人格や個人も同様で、どんなに有利な条件であっても外国政府と自国政府との間に決め事を取り纏めることはできません。
ですので、「自治権」とは「統治権の一部を限定的に地方の自治体に分け与える」という見方もできます。
広くは国防に関する自衛権とか、徴税する権利やらアレコレありますよね。
トラベラーで取り扱われる第3帝国であるならば、その恒星間国家に参加している星系政府にどれだけの自治権を統治権の一部として与えているか、となるとレフリーの設定にもよるでしょう。
国防にしても、独自の惑星防衛機構が惑星海軍や防衛大隊として存在している場合もあれば、警察機構のみだったり、自警団だけだったり、という感じになるでしょうか。
租税徴収にしても、この課税は中央政府への納税、こっちの課税は地方への納税と区別されることになるのが一般的でしょうけど、
それ以外の方法としてはに一括で地方に納税して、その内の規定額あるいは規定割合に応じて中央政府へ納付する、なんてやり方もあるでしょうね。
また、それ以外の統治に係る機能をどう分与しているのかにもよりますが、要するに地方への権限分与を大きくすると相対的に中央政府の権限が低下してしまいます。
その結果として、国家いや組織としての内部統制能力の問題にもなります。
言い換えれば権限の綱引きみたいなモノですから、中央と地方のどちらの権限が強ければ良い、ということではないと思いますよ。
中央に集権させるメリットもありますが、同時にデメリットもあり、柔軟に実情に適合した内政ができなくなる可能性もあります。
じゃあ地方を強化してしまうと、中央の統制から外れて暴走してしまう可能性もまたある、という感じでしょうか。
各論でのケースは他にもいっぱいありますが、簡単にはそんな程度として。

次に自由について。
日本語としては比較的新しい概念なので難しいのですよね。
英語で言う「Liberty」リバティと「Freedom」フリーダムも日本語では同様に自由と訳されますし。
前者のリバティは「社会的政治的に制約されていない」ことを指しますし、
後者のフリーダムは「他者からの強制・支配を受けず、自らの意思による」状態とでも言えば良いでしょうか。
ニューヨークに立っている自由の女神像ならば前者の「リバティ」が適切な様子ですね。
山中教授は
>恐らく、一定の枠内での「自由」、zaza様が想定している秩序を保った中での「自由」を言いたいのだと
御想定されている様子ですが、それも含めて気になる処です。

最後に奴隷制度について。
こちらも山中教授が御指定されております通り、
>そもそも「奴隷」って何? という定義から擦り合わせないと始まりませんので。
についてですよね。
自由についてにも関係しますが、そもそも的に言えば、労働というのは「人間が自然に働きかけて、生活手段や生産手段などをつくり出す活動」なんだそうで。
ですのでそこから敷衍すると「人が自由な状態から時間と労力を切り売りして対価を得る経済行為」とも言えるのではないでしょうか。

今の我々国家の政府はどうやら同一労働同一賃金化を狙っておりますが「この仕事をやって同じく千円が手に入る労働」ということですよね。
しかし難しいのは、そもそも的に「この労働」ってどのなに?から始まらなくてはなりませんし、同じ労働の結果でも全く同じ製品が製造される訳でもありません。
ですので、同じ入力たる労働の結果として、出力たる生産物が違ってしまうのですよね。
農家や漁業なら良く判ると思いますが、例年同じ農作業をしても生産できる野菜は出来栄えも収穫量も異なりますよね。
そこに来て、「同じく千円が」手に入るとしてしまうと、儲かり過ぎな企業も出て来ますし、逆ザヤになって事業に行き詰る企業も出てきてしまいますよね、きっと。
つまり、労働の対価を適切に決定する事は難しい、ということをまずは大前提として申し上げたく存じます。
で、奴隷制度ならぬ奴隷的労働ってどんな状態なのか、ということを御考え頂ければ。
例えば、人間1人の持っている時間は有限で、1日24時間×1年365日×平均年齢75歳で生産年齢たる15歳以上65歳未満なる50年だとして、
最低賃金例えば千円/時で24時間×365日×50年×千円/時=4億3800万円で1人の人間の自由が売り買いできるのか、ということです。
今の法制度ではできませんけど、それじゃあその当の本人がその額面と引き換えに望んだらどうでしょうか。
世界中で実際にはもっと安い額面で人身売買が労働契約の形を借りて行なわれており、今もなお国際問題になっているのは御存じの通りです。
人身売買に限らず、労働形態にも問題があって、我が国ではブラック企業なんて言葉も市民権を持っていますよね。
労働に対する労働条件や労働環境が劣悪な企業を指しますが、言い換えれば、労働の内容に見合わない対価などもこうした奴隷的労働に相当するとして良いと思います。
もっとも当の本人達たるブラック企業側も雇用者たる労働者側も自分達が奴隷的労働関係にある、とは感じてもいないでしょうけど。
労働の対価が高い安いはありますし、企業の収益性に起因するのでやむおえない場合もあります。
しかし、不当にそして著しく、例えば時給換算で相場の1割とか2割、なんてケースならば「奴隷的労働」であると言っても良い、のかも知れませんよね。
っと一例的にブラック企業を出してみましたが、これ以外にも研修制度やら試用期間やらも含めて、色々と労働問題がありますよね。
「労働対価が不適切で労働環境や条件が劣悪にも拘らず労使間協定が締結されない、改善もされない状態」もまた奴隷的労働に含めるとどうでしょうか。
今の国連が把握している人権侵害よりも拡大する事は確実でしょうね。
以前に掲示板で取り上げられたフェアトレードもそうですが、恐らくは労働とその結果たる対価を不当に安価な設定をする、なんてことは
今後も同様に経済活動を継続して行く以上は解消されることが難しい問題であるとも言えるでしょう。
恐らくはトラベラー宇宙でもそうした状況がどうやって解消されているのかは難しいと存じます。
大臣 2021/10/02(Sat) 18:53 No.1272

自治権と自由と奴隷制

zaza様
 私好みのネタなのですが、zaza様にとって「自治権」や「自由」はどういったものを指しているのでしょうか?



>すぐそこまでビラニ帝国が迫っているはずですが、加盟を誘われたとしても、自治権がない限り、加盟したくないものです。

 自治権の範囲にもよりますが、
 軍事力の行使や外交権も含めた独立国家、地球連邦という形を保って、帝国と対等の同盟を結ぶのか、
 主権の一部を譲渡して、帝国の一部へ組み込まれる形で加盟するという意味なのか、
 あるいは、すべての主権を放棄して、帝国に従属することを意味しているのか、
 自治権に関して、zaza様が考えている内容次第、ですね。

 例えば、日本の都道府県や市町村は、日本という国家の中で「自治」を認められているという認識なのか、
 日本政府に支配され、従属しており、「自治」をしているとは認められないと認識しているのか。
 このあたりをちょっと考えて、「自治権」が何を意味しているのか、zaza様の考えを教えて頂きたいと思います。

 議論は、その次、ですね。



>基本的に、自由、平等に社会は向かっていくのではと思っているので、科学の進歩がそれを助ける形になるのでは。

 「自由」という言葉も曖昧ですね。

 フランスの某新聞社が語っているような「本当の自由」の状態になると、
 赤信号で車を停めるという、ある意味、当たり前の交通安全規則も「自由を侵害」している状態ですし、
 道路の速度制限も、車検制度や保険加入の義務化も「自由を侵害」しているので撤回すべきだ、
 ということになるのではないでしょうか?

 zaza様が「自由」と「無法状態」を混同しているとは思いませんので、恐らく、
 一定の枠内での「自由」、zaza様が想定している秩序を保った中での「自由」を言いたいのだと思っているのですが、如何でしょうか?



>そこにいるとしたら、奴隷制のある世界とない世界では、世界が全く違うと感じるだろうなと思うので。

 文の流れから推測してzaza様は、現代の地球に「奴隷」が存在しない、「奴隷制」もない、認識なのだと思われます。
 その解釈で良いですか?
 このテーマ、かなり難しい問題になります。
 そもそも「奴隷」って何? という定義から擦り合わせないと始まりませんので。

 何年も前(10年以上前?)に、「トラベラー世界の奴隷」について議論した覚えがありますが、掲示板が荒れました。
 それぞれのイメージする「奴隷」が大きく異なりますし、感情的になり易い話題ですので、個人的には取り上げたくない話題であります。

 重複する内容が多いのですけれど、せっかく書いたので投稿させて頂きました。
山中 2021/10/02(Sat) 14:10 No.1271

御返信として。

山中教授

>恒星間通信や高速ジャンプなどの技術が発展したから、社会が変わる訳ではないと大臣様が「変わらない」と仰っているのは、そのことでしょう。
補足ありがとうございます。
まさにその通りです。


zaza領主閣下

>すぐそこまでビラニ帝国が迫っているはずですが、加盟を誘われたとしても、自治権がない限り、加盟したくないものです。
政治形態によって、得られる政治権限は様々である、というのは大前提として。
領主閣下の仰り様は面白いテーマだと思いましたので、掘り下げてみたく存じます。
自治権、と仰っておりますが、ではどういう自治権であるならば、第1帝国たる大ヴィラニ帝国への参加をするのでしょうか。
まあ別にトラベラー史に限定して、第1帝国でなくても良いのですけど。

広義的に「民族自決権」を指しているのであれば、「他の国家、民族からの干渉を認めず、政治的判断を決定する権利」であってそれは自治権ではなく独立です。
自治権とは、中央の認める範囲での自由裁量が認められる権利であって、その範囲は様々です。
外交権以外を持つ半独立国家的な広範囲な場合もあれば、極僅かな権限が残るのみなんてケースもありますが、後者であっても自治権がありますので文句なし、なのでしょうか。

>それは他の世界でも同じだとは思うのですが、第三帝国の在り方は、やはり世界が大きいから、仕方なくの部分も大きいと思うのです。
仕方なく、というのはどういう意味を仰っているのかも気になる処です。
軍事的圧力に屈服した結果として、なのか、はたまた経済的な事情の結果なのか、それとも文化上の判断の先なのか、
他にも人種的やら地理的やら歴史的経緯なんかもあって、地球上ですら有史以来あちこちの国で国家を形成したり分裂したりを繰り返していますよね。
ここで世界史の地域ごとをやるには非難轟々になりそうですので割愛致しますが。

某エイリアンものなハリウッド映画よろしく、正体不明の宇宙船がオーバーテクノロジーを背景にした巨大な軍事力で攻めてきた結果として、
軍事的な敗北をしてしまうので仕方なく、なのかも知れません。まだ戦ってもいませんけど。
あり得そうなのは経済的事情の結果、も可能性はあるかも知れません。
今の人類総人口70億、将来的には110億人を越える、という予測もあれば、90億人で頂点に達して減少に転じるなんて予測もあります。
要するに経済的な成長に行き詰ってしまうという可能性です。具体的に言えば、生産と消費の増加が横這い、という状態ですね。
1つの生命体として経済活動を捉えた場合として考えると、人類の経済活動が老化に転じる、と言えば判り易いかと思いますが、
結構色々な種類の学者さん達が危機感を持って研究されていますので、全くの荒唐無稽な話でもありません。
そうした老いに陥った経済事情を一転させるにはもってこいな展開です。
つまりは生産能力と消費市場の拡大を人類以外も含めた展望が可能になるという結果として、なのかも知れません。

他にも「仕方なく」の意味する部分をどう解釈するかで意味合いが違ってきますが、理由はともかく何か明確に存在していると思われます。
後の第3帝国に所属するにしてもそれぞれの星系、星域ごとに異なる色々な理由があるハズです。
もっと極端に言えば。
独立を選択するにも全く同じです。独立を選択した明確な理由があるのです。
ただ単純に自由が尊いから、とか自決権があるから、ではないもっと「具体的で実利的」な理由です。

>ジャンプや通信で世界が狭くなるのですから、中央の力が大きくなり、自由度もある程度は下がると思うのです。
突き詰めて言えば、時間的距離が技術的に縮まった結果ということですよね。
領主閣下は「時間的距離が圧縮されれば、中央集権化されて、地方の自由度は下がる」という御認識だということでしょうか?

>基本的に、自由、平等に社会は向かっていくのではと思っているので、科学の進歩がそれを助ける形になるのでは。
「社会は自由と平等に向かう」と思われている理由は何かあるのでしょうか?

実際の処、民主主義自体は人類史にとってはあまり真新しい概念ではありません。
用語や構造はともかくとして、多数決での決議は古代中国でもやっていたので共和制という語源になっている程です。
この辺りは答えなどなく、歴史などを学ぶとこうなるのではないか、という多様的な考え方ができるのでしょうね。
フランシス・フクヤマ氏は著書「歴史の終わり」で人類は自由民主主義と自由経済が勝ち残って全ての争いが終わる、としておりましたが、
御存じの通り、テロとの戦争へと続いて現在に至っている通りです。
自由になったのに?皆平等なのに?今の世界各地の戦争の理由は多種多様ですよね。
経済、民族、人種、歴史、宗教、1つだけではなく複合して幾つもの理由から発生している場合もありますよね。

本職は人類が今のままの構造であれば、色々なパラメータ、もちろん自由の度合いもあるでしょうし、経済的豊かさもあるでしょうし、他の戦争の理由になる全ての事柄がパラメータになり得ます、
を増やしたり減らしたりしてバランスをどうにか取って生活する社会になっていくのではないかと思うのですよ。
そして平等なんて永遠に人類には発生しないとも考えております。
あるいはどこかの親切な誰かさんが人類の幼年期を終わらせてくれる、のかも知れませんけど。

>奴隷制のある世界とない世界では、世界が全く違うと感じるだろうなと思うので。
ここは異論ありです。というかここは人類をどう捉えるかという問題に根差しているのでしょうから相当に奥が深いテーマでもあります。
それと奴隷制とは何か簡単に一口には言えないとも思うのです。
奴隷制度廃止をしたところで、今でも世界の至る所で奴隷的な搾取、被搾取は存在していますよね。
名を変え品を変えで今も私達の生活のすぐ隣にそして日常的にすら存在しているとも言えます。フェアトレードのテーマで結構前に掲示板で書いた気がしますね。
要するに、奴隷制度自体が人類の精神的な構造上に存在しているからではないか、と思うのです。
奴隷制度のない世界とは、全ての人類の精神構造から奴隷という概念を払拭してしまい「誰かが誰かを支配しない精神構造」になった世界なのではないでしょうか。
一概には難しいのですよ、これは年齢によらず全ての人が互いに強い自我を持ち続けて、相互に理解し合わなくてはならないことを意味していますから。
果たしてそれが本当に実現可能なのかとも思いますが。
ですので、領主閣下の仰る「奴隷制のない世界」とは「奴隷制度が存在していない」ではなく「隠れていて見えないだけ感じられないだけの世界」なのではないでしょうか。
大臣 2021/10/02(Sat) 11:14 No.1270

無題

すぐそこまでビラニ帝国が迫っているはずですが、加盟を誘われたとしても、自治権がない限り、加盟したくないものです。
それは他の世界でも同じだとは思うのですが、第三帝国の在り方は、やはり世界が大きいから、仕方なくの部分も大きいと思うのです。
それがジャンプや通信で世界が狭くなるのですから、中央の力が大きくなり、自由度もある程度は下がると思うのです。
貴族がいる国で民主主義の国もちゃんとありますが、誤認かもしれませんが、身分制度も宇宙が広いからの上で定まっていると思っていたので、身分制度にも変化がある可能性もあるのではと。

基本的に、自由、平等に社会は向かっていくのではと思っているので、科学の進歩がそれを助ける形になるのでは。
今、鉄のカーテンがひかれていたとしても、隠すことは出来ないでしょうし、
最終的にはうまくいったのかわかりませんけれど、スマホがアラブの春を助けましたし。

人の在り方はそれほど変わらないのではないかとは思うのですが、
そこにいるとしたら、奴隷制のある世界とない世界では、世界が全く違うと感じるだろうなと思うので。

丸太橋と反重力車輛での例を見ても、思い浮かべたのが、社会構造というものではなかったのでしょうね


Twilight:2000の物理版の出荷がCOVID-19の影響で(船待ち。製本と出荷が英国らしい)1か月伸びて、10月になるようです。
いつも英文字で検索していたのですが、日本語で検索してみると、T2KV4のFree LeagueのYear Zero Engineを使った、The Loop RPGの日本語版がこの6月に発売されていました。
中々評判良かった作品のようでしたので、T2Kv4のオプションで、エイリアンとともにこれが割引で入手できたので、少し考えたのですが、これ以上翻訳するのは嫌だったのでやめたんですが。
ダークコンスピラシー日本語版を購入すれば、TNEやT2Kv2の翻訳が易しくなるというものでもなさそうなので、Loopの購入はしないと思うのですが。
クトゥルフやD&D以外でRPGが翻訳されて出版されるという事は近年ないので、よほど原作本の評判も良かったのでしょう
(元の元は、イラスト集らしいですけれど)
Amaz〇n 〇riginalでドラマ化もされているようで(原作に忠実化はわかりませんが)、探してみると見ることができました。
事前に作品に関しての知識がなければ厳しい作品かも(こういう作品にしては評価が低かった) 。

日本語で検索して初めて知りましたが、結構、同人TRPGというのが作られて販売されているのですね。
みんなが好きそうな作品って偏るのですかね。なんかラノベやなろうの作品の傾向が似ているような気がします。
SFもあるのですが、人型機動兵器の呪縛からは逃れられないのかなあ。
自分も好きですけれど、全部の作品に無くていいのではないのと思ってしまいます。
スペースオペラではいいけれど、ハードSFを名乗っているのに、人型機動兵器があると・・・。
勿論あってもいいのですが、やはりその兵器が必要であるという納得できる屁理屈がないといけないと思います
zaza 2021/10/01(Fri) 23:10 No.1269

移動と通信の高速化が、社会に与える影響?

zaza様

 トラベラーで、恒星間移動(通信)に時間が掛かる設定になったのは、
 西部劇の舞台(事件が起きても助けを呼べない、現場に居合わせなければ何があったか知ることも出来ない「辺境(Frontier)」)、
 を作るためだったと思います。

 辺境で強盗事件が発生して、それを恒星間通信でリアルタイムで通報/公開でき、高速ジャンプ(1日当たり数パーセク)で警察が駆け付けるようになれば、
 確かにトラベラー世界の雰囲気は大きく変わりますが、でもこれって犯罪者側にも同じ恩恵がありますよね?
 遠隔監視装置や内通者からの情報を恒星間通信で受取り、高速ジャンプで現場へ駆けつけ犯罪を実行、その後は高速ジャンプで逃走できます。

 分かり易いように「強盗(犯罪)」を例に挙げてみましたが、「政治/経済/戦争」も同じことが言えるのでは?

 恒星間通信や高速ジャンプなどの技術が発展したから、社会が変わる訳ではないと大臣様が「変わらない」と仰っているのは、そのことでしょう。
山中 2021/10/01(Fri) 07:12 No.1268

普通のSFの未来宇宙に近づいて、特色亡くなるかも

中央集権化くらいは社会の在り方が変わるというのとは違うということでしょうか。

スタンダードになっていないTraveller5を前提(一応今までのルールシリーズをまとめた的な役割を果たしている部分はあるけれど)とするのはまちがいかもしれませんが、
概ね、TL-15超が一番よく書かれているのがこれなので。

飛ぶ距離が長くなると難易度が上がようなので、無制限にジャンプできるわけではありませんが、
ジャンプの「レベル」が上がるごとに、かかる時間は約1/7になりますので、
TL-17では1×10^1ジャンプしかできませんが、日数が一日になりますので、一週間で数十パーセク飛べることになると思います。
Traveller5では通信には触れられていませんが(見つけられてないだけかも、700ページ弱ありますので)、
星系間通信も可能になるのではないかと。

まあトラベラーのゲームというか、プレイは変わるでしょうか
zaza 2021/09/29(Wed) 21:31 No.1267

蛇足とは思いつつ。

連投になってしまい恐縮ですが。領主閣下の仰る事に対して述べておきたくなったので。我儘をお許し願いたく。

>形としては、第三帝国のようになるんじゃないのでしょうか
つまりはどんな思想=志し=希望=理想をもって社会を形成するのか、ということですよね。
そして何も今回の様な巨大な恒星間国家には限りません。

>より高TLの10倍ジャンプや100倍ジャンプのようなものが出てこない限り、あまり変わった体制にはならないような気がするのですが
いえいえ、技術力が発達したら違う未来は存在しません。便利になるくらいです。
大なるは国家という規模から始まって人が集まれば社会です。
そして社会は結局の処は人なのですよ。
丸木舟と徒歩しかなかった太古の昔たるTL0とジャンプドライブを持った恒星間宇宙船で反重力機器を乗りこなすTL15でも基本的な社会構造は全く同じです。
ただちょっと複雑で、ちょっぴり便利になって、早くなって、遠くまで届く程度の違いですよね。
技術は社会を便利にはしますが変質はしません。便利になった結果としてのアレコレはありますが。

社会は国家に限らず、地域社会かも知れませんし、隣近所かも知れませんし、友達や家族、夫婦や恋人だって社会ですよね。
本職とzaza領主閣下の2人の間ですら一種の社会を形成していると言えるのです。
そんな関係に思想なんてあるもんか、確かにその通り。自然発生的に人が集まって形成している社会だから。
ですが、潜在的には必ず方向性というものが存在します。
生活の為もあれば、楽しいからもあれば、何か損得があるから、一緒にいると幸せだから、エトセトラえとせとら。
まして会社や軍隊などの様な機能集団ならばそこには目指す仕事や任務、果たす為の役割とかいった部分が入ってきますが、
自然発生的な家族の様な社会集団であっても役割が発生しますよね。

っと遠回りしてしまいましたが。
要するにどんな規模で性格を持つ社会集団を形成するにせよ、皆その一員な訳です。
そしてその社会集団に所属する事によって社会性を持った役割を誰しもが必ず持ちます。
まさにTRPGそのまんま、みたいな感じですよね。役割をロールする訳です。

そうした社会の構造の中で、ただ単純に自然のまま例えば居心地の良い悪い、感情のまま例えば好き嫌い、が重要視される場合もありますし、
より大規模で複雑な社会であれば、そこには組織理論や経営学や経済学や哲学や工学などの知識諸々や各種の技能、
果ては国家であれば地政学や歴史学や他の多くの学問に基づいている知識が必要になります。
しかし構成員の全ての人がそれら多くの知識や技術のエキスパートである必要性はこれっぽっちもありません。
得意で好きな人が知識や技能や技術をその社会で活かせば良いだけです。
そして、そうした中で社会集団はその集団機能を働かせて方向性を決めて行く訳ですよね。
議会やら重役会議があるならば多数決で決めるかも知れませんし、ワンマン社長やら皇帝やら独裁者が勝手に決めるのかも知れませんし。
はたまた恋人同士ならば2人の話し合いによって決めることになるでしょう。
決め方はそれぞれです。そして決めるべき内容もそれぞれ。

本職がここで申し上げたいのは、社会とはどんな規模でもどんな時でもぼんやりと漂っていつの間にか決まっている訳ではない、ということです。
そして誰しもがその構成員としての役割を持っていて、その役割をどうやって果たすのか、ということがその人の人生でありドラマなんでしょうね。

第3帝国はトラベラー宇宙にある架空の恒星間国家ではあります。
しかし同時にその構造は今の我々の現実を生きている社会と何ら変わる存在ではない、と申し上げたく存じます。
後はその構成員たるそれぞれがどのような社会を目指すのか、その思いこそが未来へと続く行動の原動力になるのではないでしょうか。
今の我々の社会の果ては未来へと繋がっているのです。それがどんな未来なのかは・・・
大臣 2021/09/28(Tue) 23:17 No.1266

帝国分裂について。 〜その3 の通貨との関係〜

そうでした、タイプミス。暗殺は帝国歴1116年ですね。謝罪と共に訂正を致します。

と、通貨の話から大きく帝国分裂にかけ離れた話になったなあと御思いになったzaza領主閣下と諸兄には申し訳ございませんでしたが、今回でようやく辿り着きます。

帝国が分裂してしまい、各勢力が群雄割拠に至ってしまう過程は先の投稿でも申し上げた通りです。
こうして確認して行くと、帝国とは分裂以前には、政治的に言えば、各星系の広い地方自治に任せた封建制度が採用されていたのは公式設定にもある通り。
そして、帝国の封建制度を支えていたのは貴族制度でもありました。
更に軍事的に言えば、その封建制度に従った軍制を布いており、いわば緩やかな中央集権体制たる命令系統の一本化と共に地域別の枠組みに従った防衛体制を構築していたと言えます。
つまり言い換えれば、その任務は防衛であり、星系や星域や宙域単位での外敵侵入に対する即応防御を主任務にしています。
そして恒星間国家としての反攻作戦は中央集権的なより上位判断による戦略的な軍事行動として取り扱われることとなります。
この辺りは以前の投稿として第5次辺境戦争で申し上げた通り。

また経済的に言えば、巨大恒星間国家としてのブロック経済たる高人口世界を主軸とした商圏を形成しており、それぞれ商圏内部と商圏間での相互の経済取引が為されていたということです。
この結果、より最適化された生産および消費活動が為されており、帝国より規模の小さな恒星間国家とは比較にならない程の規模での経済活動が展開可能であったことが伺えます。
そしてその経済規模に裏打ちされた莫大な税収益こそが帝国の恒星間国家としての規模を支えていた、とも言えます。
つまり、軍事力にしても恒星間通商にしてもそうした資金力があってこその恒星間国家である、という事です。
その直接的な力として、例えば帝国海軍をはじめとする軍事力、偵察局をはじめとする恒星間通商を整備する能力として恒星間国家を支える諸組織が存在していました。

しかし帝国は御覧の通りに分裂に至ります。
もちろんそれらの組織はすぐさま瓦解はしませんでした。それぞれの勢力指導者の下で目の前の任務に没頭する事になります。
が、それでは、それらの組織の源泉になる経済力はどうなるのでしょうか。

先の投稿でも申し上げましたが、
総生産量と通貨総量がバランスされなければ物価は安定しません。
分裂した帝国では旧来の帝国が発行しているクレジット通貨が流通していますし、分裂後もどういう仕組みかは判りませんが恐らくクレジット通貨が発行されて流通している事でしょう。
例えば、デュリナー領での生産活動の結果としての総生産量は果たして領内での通貨総量はバランスされているのだろうか、ということです。
それぞれの勢力支配圏で全く同じ事が言えますが、極端な話、ルカンが無計画にクレジット通貨を増刷した場合、程なくして領内の総生産量<通貨総量となってしまいます。
そうなればインフレーションが加速されますよね。
しかも分裂して後のハードタイムス期に至れば、社会への攻撃が実施されてしまいますので、生産基盤の破壊が発生します。

通常の「総生産量<通貨総量」ならば単純にインフレ状態になります。
しかし、以下の3つの条件が揃ってしまうと更に急激なハイパーインフレになります。
条件その1:生産設備の徹底的な破壊です。
      つまり経済の片方たる市場が大幅に縮小せざる得ない状況、これは要因が戦争の結果だったり、暴動などの暴力的な原因に起因します。
条件その2:生産設備があっても労働力がない為に発生する市場縮小です。
      端的に言えば労働力の年単位の不足です。これは革命やらストライキやら社会が混乱した結果として生じる人的要因です。
条件その3:通貨の急激な発行です。
      通貨総量=市場価値総額の関係が大きく崩れてしまった場合です。
通常的に運営されている国家であれば、市場の破壊はあり得ませんし、労働力も存在しています。
だから通貨を無計画に増刷してもインフレにこそなりますが、極端なハイパーインフレにはならないのです。
ですので、今の日本でハイパーインフレが発生したら、なんていう人がいますが、それは構造的にあり得ない無用な心配ですよと申し上げたく存じます。

しかし、先に申し上げた通り、ハードタイムス期には条件その1、条件その2が人為的に引き起こされます。
ですので、ルカンがクレジット通貨を無計画に増刷した場合、条件その3も揃ってしまいます。
その結果として巨大な恒星間国家であった帝国規模でのクレジットのハイパーインフレーションが引き起こされる可能性がある、と申し上げたいのです。
そんなの他の諸勢力は打つ手ないじゃん、と仰ると思われます。
確かに帝国の基軸通貨たるクレジット通貨を使っている限りは「打つ手がありません」よね。
じゃあ発想を変えて。
帝国のクレジット通貨を「使わなければ良い」のです。
つまり経済的に切り離してしまい、自勢力領で通用する新通貨を設けて「通貨切り替え」をしてしまうのです。

これには経済的にも別の意味を持つことができますので解説して見ましょう。
例として先のデュリナー領で考えてみます。
経済学的に「国際金融のトリレンマ」という考え方があります。
これは
@固定相場制、A独立した金融政策、B自由な資本移動の3つのうち1つは実現できないという考え方です。

以前の投稿で申し上げた日本史の戦国期での例で言えば、渡来銭での流通をしていたことから、
@固定相場制=○
A独立した金融政策=×
B自由な資本移動=○
でした。
デュリナー領も同じく、帝国のクレジット通貨による自領内の経済活動ですので全く同じ。
@固定相場制=○
A独立した金融政策=×
B自由な資本移動=○
ですね。
言い換えれば、同じクレジットを流通している経済圏内ならば、Cr100の品物を別の処でもCr100で取引可能ですし、
そのままCr100を持って行って別の地域であっても取引が成り立ちます。
帝国が統一されていた頃ならそうした便利さが日常的だったから、とも言えますよね。
例えばスピンワードマーチ宙域で持っていたCr100をコア宙域に持ってきてもCr100はそのまま使えますし、
何か商品を持ってきて、これCr100だよ、と値札を付ければCr100が支払われて取引が成立する、ということです。
その代わり、自領内あるいは自星系で勝手にクレジット通貨の増刷ができない、という訳ですね。

しかし帝国は分裂してしまいましたから、デュリナー領での生産をしている業者が別の勢力の支配圏での取引をするか、というと
不可能ではないにせよ難しいのではないでしょうか。
つまり統一した経済圏という利点が活かせないというのがまず最初の1点です。
そして、「独立した金融政策」を確保することが次の2点目です。
これはつまりインフレ、デフレの影響を少なくして物価安定をすることが重要ですし、金利や構造的失業率なども支配するので、
これを自勢力が確保する為には固定相場制を放棄するか、自由な資本移動を放棄するかしか道がありません。

自由な資本移動を放棄とは例えば、自領内での統制経済的な仕組みのことを指しますが、そこまで経済構造を一変してしまうか、
固定相場制を放棄する、つまり別の通貨制度を用いて変動相場を採用するか、という選択になります。
ですので、同じ帝国のクレジット通貨使用に固執せず、新通貨を自領内で発行してしまえば、
@固定相場制=×
A独立した金融政策=○
B自由な資本移動=○
になり、自領内の物価が安定できる経済政策が可能になります。
その新通貨と旧帝国クレジット通貨の交換レートを設けて一定期間の流通を認めてから一斉に廃止してしまえば良く、
これだけでも自領内部の安定が実現できるでしょう。

つまり申し上げたいのは、通貨1つを題材として見ても、自勢力支配圏の経済的な安定を考慮するのであればどういう政策に変えるかを
各勢力支配者が導き出す答えとして、旧来の帝国クレジットを採用するか、別の通貨を新設するか、だけを限定して見た場合、
新体制の支配者たらんとする資質があるか否かを測ることができると言えるでしょう。
極端に言えば、旧帝国クレジットを使用し続けるルカン以外の諸勢力支配者はその1点だけで「領民の経済的安定を考慮していない人物」として断定してよいと思いますよ。

ですので、zaza領主閣下から
「帝国分裂の折、自領内の経済を安定させることが急務である。為に独自通貨たるzazaクレジットを発行すべきと考えるのだが、貴公、何ぞ意見あるか」
と御下問頂けたら即座に賛成したことでしょう。
大臣 2021/09/28(Tue) 21:20 No.1265

無題

同じ路線を進むならば、遅かれ早かれ、行きつく先は同じだったという事ですか。
ビラニ帝国、人類の支配(でいいのかな)は情報が少ないので現在との違いとかはわからないのですが、
第三帝国が崩壊して、多分生まれるであろう第四帝国も、形としては、第三帝国のようになるんじゃないのでしょうか
(と思ったら、超能力も取り入れているゾダーンのような国もありますよね)
でも、トラベラー5の、より高TLの10倍ジャンプや100倍ジャンプのようなものが出てこない限り、
あまり変わった体制にはならないような気がするのですが。
想像力の欠如かなあ。

最初からそこを目指していないのなら、また能力とは別の気がしたので。
本塁打五百本以上打って、育成失敗と言われているK元選手は、
昔の選手はほとんどそうかもしれませんが、、成功者を夢見てのプロ入りだったようで。
やりたいことの全て叶えることができたようですし。
もう一人のKさんほどには、アスリートとして極めたいという思いは薄かったようです。
そういうタイプの最後の最後の選手ですかね。
レベルが上がって、もう夜遊びなんかしていたらついていけないですし。

あと1066年はデュリナーさんのご生誕年で、
暗殺は1116年では
zaza 2021/09/28(Tue) 20:54 No.1264

帝国分裂について。 〜その2として〜

こうして分裂してしまった帝国は再統一も果たす事ができずに各陣営同士がぶつかり合う「群雄割拠時代」に突入します。
もちろんこれを見ている外国勢力も動きが様々です。
ゾダーン連盟は当面の対立危機が過ぎ去りましたので、静観しているのでしょうし、
アスラン帝国の特に土地を所有していないアオラハト達にとっては好機ですので帝国領を切り取り放題、
ヴァルグル海賊は帝国に侵入して略奪しても安全に行動できますので、海賊稼業に安心して勤しむ事ができます。

一方、群雄割拠時代を迎えた分裂した帝国の各勢力は大きく以下の2種類に分類できます。
帝国の皇帝位を有してると主張する陣営=ルカン・デュリナー・真のストレフォン
実効支配を確保していて、皇帝位を将来的にも有しない陣営=他の全ての陣営

この群雄割拠を勝ち抜くには絶対的に下位の貴族達の支持が必要ですし、その貴族達にしても直接的統治責任者として自身の領民の生活を保障する必要があります。
つまり、分裂状態の帝国から勝ち抜いて他の競合相手を引き離す為には、「皇帝位の正当性」と「実効支配できる実力」の双方が不可欠ということです。
しかし、「皇帝位の正当性」は分裂状態が長く続けば続くほどに意味が薄らぎ、別の正当性たる「新秩序の統治者としての実績」がとって変わります。
ですので、「貴族達や市民が自陣営を支持するか否か」がこのレースの勝敗を決定づけるということになります。

ここまでを踏まえて。
皇帝位を主張している3陣営の全てに言えるのは、他の陣営を圧倒するだけの実力が決定的に欠けています。
そして、他の陣営全ては「帝国を再統一する積極性」に欠けていて、現在の実効支配を維持することで精一杯あるいは満足している状態です。

恒星間輸送会社の一連の投稿でも申し上げておりますが、帝国に限らず、恒星間国家は高人口世界を中心にしたそれぞれの経済圏を形成しておりますので、
恒星間国家の国力たる総人口に裏打ちされた生産能力と市場規模を担っている高人口世界を確保することが重要になります。
つまり高人口世界は金の卵を産むガチョウであり、このガチョウの奪い合いが恒星間国家の戦争/紛争を実力たる経済力と軍事力で解決する条件になります。

そこでこのレースにどうしても勝ちたいと考えているルカンは思案したことでしょう。
自身の戦力は他陣営を圧倒するには少なすぎて、抱えている高人口世界を守り切れません。
そして他陣営の有する高人口世界=自陣営を皇帝位の正当性をもってしても支持しない、を制圧する戦力の余力もまたありません。
ないない尽くしの台所事情です。
ではどうするか。
「恐怖によって従えればよい」という考えに至ったのでしょう。
それぞれの星系に対して自陣営に従うのであれば攻撃せず、従わないのであれば星系社会に対して戦略爆撃なり軌道上から艦砲射撃なりで攻撃してしまう
ハードタイムスで言う処のUWPの変化を伴う被害が発生することになるのでしょう。
この掲示板の過去ログの極初期のどこかでも議論された遥か遠い記憶がありますが、
申し上げておきたいのはルカンは「狂ってしまった結果として」この様な市民社会に対する攻撃を実行したのではないということです。

つまり充分に潤沢な戦力を有していたのであれば、こうした市民社会への攻撃を実施せず、通常の戦争手段としての「高人口世界の陣取り合戦」をしたと思いますが、
実際のルカン陣営は残念ながら不足している戦力と内在している自陣営内部の不協和音を解決する手段として、市民社会への攻撃を採用したということでしょう。
古くはモンゴル帝国で、服従しない都市国家に対して無差別攻撃の上、捕虜も全て断首した、中には飼っている鳥獣まで首を切った例がありますので、従事している兵士達もさぞや重労働だったと思われますが、
そうした野蛮な行為を知った他国都市は容易にモンゴル人に降伏をした、という結果に繋がります。
つまり従えば重用する、が従わなければ死して塵埃に帰す、と行動によって示す訳です。
恐らくはルカンもこうした見せしめ効果を狙って、星系の市民社会への攻撃を実行したのでしょう。
そして加えて言えば「自陣営が利用できない金の卵を産むガチョウならば焼き殺してしまえ!」そして「焼き鳥ならば他陣営には利用されない!」という面も狙ったのでしょう。
要するに戦略攻撃の基本としての「戦略価値を喪失させる機能」を重視した判断であったということが伺えます。

残念ながら現実はルカンの思惑通りには行かず、彼自身の統治者としての能力と資質に対して彼に当初賛同していた者すらも疑問を抱く結果になった、ということでしょう。
要するに人心を失ってしまい、覇者の資格がないとルカンは自身の行動によって明確に示してしまいます。
しかし更に残念な、そして帝国の多くの市民にとって不幸な事に、他の競争相手の陣営も手を拱いてしまい、ルカンの失点を上手に自陣営の得点に繋ぐ事ができませんでした。
そうした各勢力指導者の消極性こそが後年の歴史では非難されるべきでしょうけれども、そうした積極性のある行動ができるだけの背景にある国力たる経済力と軍事力を有する事ができなかった側面も大きいのでしょう。
そして、その国力減衰こそがまさに前述の通りにルカンの戦略攻撃の狙いでもありますので、その意味に関してはルカンの戦略構想が功を奏した、と言えるでしょう。

ということで、メガトラベラーでの帝国分裂からハードタイムスに至るまでを本職の観点を踏まえて申し上げて見ました。
それぞれの陣営の事情や背景もありますが、総じて言えば、どの陣営の指導者も「覇者の資質」たる何かが欠落していて、帝国を再統一するにはかなり難しいと思料します。
一転して各陣営指導者の内なる何かが目覚めて次の巨大恒星間国家の指導者たるべき覇者に生まれ変わるかも知れませんし、
zaza領主閣下の様な貴族位の中から「我こそが覇者たらん」と志し「帝国の混乱と衰退に終止符を打つのは自分を於いて他になし」と立つ人物が出現する、かも知れません。
ええ、ですのでzaza領主閣下が今すぐにでも良いのですよ。
あるいは今まだそうした資質を持つ覇者は銀河に生を受けておらず、彼もしくは彼女の誕生と成長を経て覇者として立つまで、長く混乱と衰退、それに伴う無用で無益な人命の損失を続けることになるのかも知れません。

もし。そうした覇者に相応しい人物が本職の前に現れて。
その人物が「宇宙を手に入れることができると思うか」と問われたならば。
「あなた以外の何者にそれがかないましょうぞ」と喜んで申し上げたく存じます。
もちろん本職の可能な限り精一杯の御助力と忠誠を御捧げ致しますよ。
ですのでその働きに見合う俸給はお願いしますね。
大臣 2021/09/27(Mon) 23:50 No.1263

ごく個人的な注釈として。

zaza領主閣下

>それも十分叡山に攻撃する理由になりますよね。
残念ながらなりませんよ。
今回の様にマクロ経済的視点を持って、将来展望も含めて、「これからは渡来銭ではなく自国の鋳造貨幣を使う市場にしないと物価が安定しない」
なんて見識は当時の殆どは持っていなかった観点だと思いますよ。
持っていたのは、寺社勢力のトップな僧侶の何人かたぶん片手もいなかったのではないかな。
あとは貨幣鋳造構想を持っていた織田信長公、それに公家の何人かくらいじゃないかと存じます。

比叡山焼き打ちの際に、命じられる部将どもにしても、なぜ焼き打ちするのか、との答えに、
「マクロ経済として邪魔な存在だから」では到底納得なんかできないでしょう。
そして、今現在にしても、そうした広大な経済事情を説明しない限りは納得されない内容だと思いますよ。
>事実なんでしょうが、生臭坊主の方が、取り上げにくいだろうに、そっちは触れているのはいっぱい見ました
遥かに誰にも判り易く物欲的で善悪の判断は付き易いですからねえ。
要するにマクロ経済は「流行らないマイナーでジミで日の目を見ない存在」なのですよ。
こうして分解して解説するととても面白いのですけどね。

>デュリナーが、「帝国には手出ししないけれど、自分の領地では、理想の帝国をつくる」と独立した場合
恐らくデュリナーはこれも考えたと思いますよ。
そしてこの策を採用しなかった訳です。なぜなら。誰も彼の理想とする帝国に賛同しそうになかったから。
だからこそ、暗殺規約による帝位簒奪の正当性に自身の権力を求めたのではないか、ということです。
>少なくとも過去にデュリナーの思う理想の帝国の時代があったのではないかと。
ええ、彼自身が「強い帝国」「かつての栄光を取り戻す」と明言している通りですね。
しかし、
>その理想に向かっていったのだけで、壊すことは頭になかったのでは。
旧来のやりかたで不可能なことを旧来の道具で別の誰かならば何とかできるという点からして限界である、と申し上げているのですよ、領主閣下。
旧来のやり方を打ち壊してあるいは変革して、別の観点、別のやり方、別の方策、別の発想を用いてこそ新天地が待っているのだ、ということです。

今やっている誰かさん、この帝国で言えば現皇帝のストレフォンは暗君でも暴君でもない統治者ですからそれなりに優秀な君主です。
そこから理想があるにせよ、何倍いや何十倍もデュリナーが優秀な統治者でもない限りは同じやり方では似た様な結果が待っているだけです。
いずれにせよですが、こっちが間違っていてこっちが正しい、なんてことを申し上げたい訳ではないのですよ。
申し上げたいのはデュリナーの発想は旧来の仕組みのままであった、という点を指摘したかったのです。
大臣 2021/09/27(Mon) 17:51 No.1262

よく大統領選で聞くやつかな

エイリアン2は、完全にトラベラーに変換できる武器とか装備、vehicleにはなっていないので、
メイキング映像や設定、改造元の実兵器などの、知らない解説もあるかなあと思い購入しました。
全くなかったわけではなかったので、ギリギリ損はしなかったかなあと思えるレベルでした。

一応、エイリアンD20の海兵隊マニュアルの設定をどこまで信じていいのかも見て見たかったのですが、
元の映画がきっちり決めていたわけでもないようなので、それもなんとも言えない感じでした。
ただ、トラベラーで変換する場合は、基本D20版の数値等を基本にした方がいいような気がします。

(いっぱい書いたんですけれど、一部以前触れたことのある話もあるので、書き直し、これ位にまとめました)


大臣様

全く知らなかったですが、そういうことがあるなら、それも十分叡山に攻撃する理由になりますよね。
まあ大臣様がお書きになられているという事は、どなたがそのことを書いており、また同じようにそのことを理由に挙げている方も多数おられるでしょうに、
自分も一般人よりかは、そういうのを見たり、気にしたりはしてるんですが、そういう指摘は見たことがありませんでしたので。
でもタブーには当たりそうもないですし、尺の問題があるとはいえ、なぜTVとかでも取り上げられてなかったのかな。
(事実なんでしょうが、生臭坊主の方が、取り上げにくいだろうに、そっちは触れているのはいっぱい見ましたし)


デュリナーが、「帝国には手出ししないけれど、自分の領地では、理想の帝国をつくる」と独立した場合、
「勝手なことを」と現実には分裂した地域も帝国としてまとまって攻撃されたのか、
すぐにそうならないまでも、「じゃあ、うちらも」という風にそういう方向に行って、例えば、帝国も攻撃しようにもしにくい、もしくはできない状態になったのかもしれません。

どうなるかは自分には想像(お話を作り出す事は)できないのですけれど。
でも、単純な独立はやろうと思えばできたのではないかと思うので、デュリナーの理想はわかりませんが、
少なくとも過去にデュリナーの思う理想の帝国の時代があったのではないかと。

単純にオールドタイプだからとか、新秩序を作り出せない能力だったとは言い切れないのではないかと。
こういう第三帝国が理想というか、本当の第三帝国だと思っていて、その理想に向かっていったのだけで、壊すことは頭になかったのでは。

そういう人間だから、またそういう人間には新秩序は作れないんだとしたら、今回の私の想像もあまり意味はないと思いますが
zaza 2021/09/27(Mon) 11:48 No.1261

帝国分裂について。

ちょうど良いので流れに任せて。
先の投稿では「通貨の安定ってだいじだよね」と申し上げましたよね。その流れの先として。

メガトラベラーでは帝国歴1066年-113にデュリナー・アストリン・イレリシアン大公が皇帝ストレフォン・アルカリコイを暗殺して帝国の分裂が始まります。
ではもし。
そこで今迄の恒星間国家の構造や戦争について本職が申し上げてきたことを踏まえて。
帝国が分裂しない未来はあったのだろうか?ということです。
そんなの原因になったデュリナーの皇帝暗殺事件がなければそのままの皇帝統治が続いたに決まってるよ、という声があちこちから聞こえてきそうです。
が、本当にそうでしょうか?

デュリナー大公は自身の計画に従って皇帝を暗殺した後に古い帝国暗殺規約を論拠にして自らの帝位継承を正当化していますが、
法の解釈はどうあれ、この計画自体が彼の統治者としての限界を物語っております。
彼はストレフォンの統治では帝国が衰退すると危惧して退位を迫ったがこれを拒否されて暗殺を決意した旨が帝国百科に記述されています。
つまり、表面的には繁栄を続けていた帝国も国家としての命数を使い果たしており、帝国歴1066年には緩やかにせよ衰退期に入っていたのはある程度の統治者には自明だったのでしょう。
そしてデュリナー大公は「帝国の正当な後継者」を目指して暗殺を実行します。
これが何を意味しているのかと言うと、彼には「新秩序での統治」ではなく「旧来体制の建て直し」の発想です。
なぜその発想なのかというと大公自身が旧体制ではなく「新しい強い国家を作るぞ」と言っても誰も賛同しない、という政治的指導者としての限界を示しています。
要するに、皇帝に対して「独立を宣言して、デュリナー新帝国を建国する」という発想ではなく、政治的な礎を旧体制の暗殺規約に求めざる得なかったということです。
ですので、デュリナー大公は強力な指導力や政治能力があるにせよ、その能力をもってしても新秩序を作り上げて従う領民を幸せに導けるだけのものではない、ということが見えて来ます。
言い換えれば、民心の求心力が不足している事を大公自身が良く理解しているからこそ暗殺規約による正当性に縋るしか道がなかったということです。

一方、暗殺事件後に皇帝後継者会議は皇帝ストレフォンの妹リディアの息子であるルカン、ですから暗殺された皇帝の甥に相当します、を選定したことを根拠にして
新皇帝ルカンとなります。
彼は皇帝ストレフォン存命の御世には皇帝位継承権第3位。
上には皇女シエンカ・イファジニア、実兄のヴァリアンがいました。
しかし暗殺に巻き込まれてデュリナーに皇女シエンカ・イファジニアも殺害されてしまいますし、混乱していた情勢でルカンの実兄ヴァリアンが暗殺されていたり、
皇帝後継者会議は開催が中断されて停止されているので正式な任命がない、等の道義的に正当性に対する疑問符が付き纏う玉座になっています。
つまり、ルカンがどさくさに紛れて空位の皇帝椅子取りゲームの勝利者になった感が拭えず、ルカンがどんなに正当性を喧伝しても万民が納得できる説明ができないのが苦しい処です。
ではありますが、そのような正当性は政治的には実効支配でなんとかなってしまいますし、
しかも当面の政治的敵対者は、秩序を暗殺という行為によって破壊したとして誰もが納得できる相手たるデュリナーですので政治的な構図が単純明快なのがルカンの利点でもあります。

この様にして暗殺事件をめぐってデュリナーとルカンが台頭します。
が、では最初の問いに戻ります。果たして帝国が分裂しない未来はあったのか?
これは某教授の歴史心理学の範疇になりかねませんが、本職は暗殺がなかったとしても帝国は分裂に至ったと思われます。
もちろんすぐではなく、徐々にひび割れはじめて修復が追い付かなくなるような流れになったのではないでしょうか。

というのは、デュリナーとルカンの政治的軍事的対立に呼応して、帝国内は他にも幾つもの勢力に分裂します。
主だった処では、暗殺された皇帝は影武者で正当な皇帝としてガシュメク宙域に現れたストレフォン陣営、アンタレス大公ブルズク、
ダイペイ宙域陣営、マッシリア宙域のマーガレット公女陣営、デネブのノリス公、ヴィラニ人メガコーポでジル・シルカ再建を標榜にしたヴラント陣営、等々。
これにどの陣営に付こうか思案している地方領主やら陣営やらメガコーポレーションやらがあることでしょうから、その他多数ですね。

統一されていた国家が例え一時的に分断してしまっても、細かい幾つもの陣営に分裂しているのは愚なのは明白です。
区々たる政治的対立や相違があるにせよ、経済的軍事的に言えば大きく集まっている方がより大きな力が投入できるのでとても有利です。
まして帝国は分裂直前段階では既知宙域全体GDPのうち、31.5%を占める超大国です。
第2位にいるゾダーン連盟の8.2%、第3位のソロマニ連合の7.8%と比較すれば歴然とした差があります。
これが第5次辺境戦争をゾダーン連盟が企図することになる遠因であることは以前の投稿で申し上げた通りです。
しかし分裂してしまい、速やかな再統一ができなければ待っているのは使える範囲での力の行使と競合相手同士での摺り潰し合いのよる消耗です。
ですので、当初の強力な国家であればあるほどに、対立する各論は置いても再統一に各勢力陣営が動くのは人類の歴史的に見ても多くの例がある通りです。
それが再統一できないということはもう既に再統一もできない程に帝国は「衰退している国家」である証しでもある、とも言えると存じます。
となれば、暗殺事件が発生しなくても何かの切っ掛けであちこちにひび割れが発生して、結果的には分裂するに至っていた、となると思うのです。
大臣 2021/09/26(Sun) 23:32 No.1260

先の投稿の続きとして。 〜通貨の安定について その2〜

zaza領主閣下

ちょっと日本史ネタからばかりで恐縮ですが。
まあトラベラーでも使える経済学的視点として御考え頂ければと存じます。

ちょっと追加的に。
此方、寺社勢力の最有力勢力+琵琶湖の交通権 だった比叡山延暦寺。
片や畿内覇権を狙う織田家はこのまま進めば国内統一化までは困難な道程でも秀吉がやった様な戦国期に終止符を打つ事は充分に可能だったでしょうね。
信長公は江戸幕府が行なった貨幣鋳造計画たる三貨制度の原型を考えていたのは確実です。
恐らくは盟友の松平家康には将来のプラン案を内々に打ち明けていたのでしょう。
でないと自領としての経済圏に松平家領地を含めませんから。軍事的政治的な支配ではない経済的支配という点で物価を支配できますので容易になります。
その後の江戸幕府開闢すぐに家康は貨幣鋳造に着手した訳ですが、
その効果を知っていましたでしょうけど、そうした発想自体は彼が独自に持っていたのではない、のかも知れませんよね。
こうした情勢下の中で織田家に味方しない比叡山延暦寺はどうしても先にしかも完全に潰して置くべき相手であった、という視点も出て来ますよね。
その結果としての比叡山焼き討ちです。
最有力勢力に強硬策を取れば、他の勢力が日和見を決め込むことも見越して徹底的な弾圧を敢行した、のではないでしょうか。
まあある角度での視点ですけど。

通貨を支配するというのは強力なアイテムです。
というのは通貨の発行総量は物価を左右するだけの能力があるからです。
それに似た構造はトラベラーにもありますよね。
御存じの通り、帝国のクレジット通貨です。
ですので公式設定にあるのかどうかまでは判りませんが、他の恒星間国家でも帝国クレジットが日常的に使える場合と使えない場合があるのではないかと思うのです。
ちょうどユーロ圏ならばどこでもユーロが使えるのと同じですね。
じゃあ基軸通貨ならば日本国内でもドルが使えるのか、というと使えません。
なぜならば日常的に使える通貨ではないから、ですよね。

ついでながら。
よく国にお金が足りないなら国債を発行せずに通貨をすればいい、という意見を聞いたことがあるのではないでしょうか。
これは今迄申し上げてきたことを踏まえれば判ってくると存じます。
もし国家の生産総量、今で言えばGDPですが、に見合わない大量の通貨を発行したというケースですね。
こうなると、総生産量<通貨総量 となってインフレに傾く訳です。1個1000円の物が明日には1500円になる感じですね。
国民当たりの資産、つまり今持っているお財布の中身はすぐには変わりませんから、実質的には資産を減少させることに直結しています。
ですので、消費税増税とかよりも無計画な通貨増量は経済的に影響が大きい訳ですね。

更に。じゃあマトモな通貨ではなく、偽造通貨をいっぱい刷って流通させてしまえばどうなるか、ということも触れておきましょう。
ニュースでも最近、旧1万円札な偽造紙幣があったと思います。
要するにこうした偽造通貨もまた、総生産量<通貨総量 となってインフレにしてしまいます。
更に始末が悪い事に市場つまり私達市民が通貨を信用しなくなる可能性があります。
今持ってきた1万円、本当は偽札じゃないの?という具合で取引をしないケースが出てくると言えばなんとなく。
実際はもう少し複雑ですが、イメージとしてはそんな感じです。
ですので帝国はクレジット通貨の偽造に相当な神経を尖らせているのはこうした背景があるからと言えます。
恐らくは他の恒星間国家でも同様に自国通貨の偽造を防止する為にかなりの技術と労力を注いでいるとなるでしょう。
大臣 2021/09/25(Sat) 10:07 No.1259

びっくりしました

ありがとうございます。
今まで、そんな感じのことは聞いたことがあるというような話は多かったのですが、
お寺のお金の話は、超初耳でした。

その当時に貿易する権利のあった人が仕入れていた(日明貿易とか、例えば大内氏とか)と思っていました。
zaza 2021/09/25(Sat) 07:16 No.1258

先の投稿の続きとして。 〜通貨の安定について〜

戦国期が進むと農業生産効率が向上しますし、また金銭も渡来銭に頼っていた構造から徐々に銭が安定した価値を持ちはじめます。
そうした中で全ての人々が武装している事自体が社会の不安定化になること、また常備軍を持てるだけの経済力を持った事で、農繁期にも軍事行動が可能な状態が維持できる、
軍隊として貸し出す武具を高品質に維持できる、補給と兵站を均一化できるなどの多くの利点から兵農分離を実施する戦国大名が出現し始めます。
その代表例が織田信長ですが、程度の差や徹底具合の差こそあれ、多くの戦国大名たちがそれぞれに兵農分離を推し進めて行きます。

つまりは、トラベラー的に言えば、テクノロジーレベルの向上に伴って、社会的な必要性に加えて、農業生産量や工業生産量とそれに伴う貨幣経済の安定した成長が背景にある訳です。
が、それ以前は渡来銭が国内の流通貨幣として使用されています。
こうした独立国自身が外国の通貨をそのまま自国経済に取り込む例は他には存在しません。
歴史的に言えば、戦国期を通じて日本国内のどの戦国大名も市場流通を狙った貨幣鋳造に着手できませんでした。
例外的なのは豊臣政権での報償的な大判金貨たる天正大判の発行ですが、これは市場での流通を狙った貨幣ではありません。

なぜ貨幣鋳造ができなかったのかというと、通貨を安定する以前の問題として、貫高制が採用されていたことがまず課題でした。
貫高制とは、田地の面積を収穫することのできる平均の米の量を通貨に換算し「貫」を単位として表されたものです。
ですので、貫高制では土地の面積や大まかな質によって年貢高が定められていますから、実際の収穫高とはほとんど無関係でした。
結果的に、実際の収穫量が定められた評価よりも遥かに大きいなんてケースも後年には普通になってきます。
しかし先の通り、自国内で鋳造していませんので、貨幣の輸入量がそのまま国内の貨幣総量ですので、必要な貨幣量が国内には足りなくなります。
要するに国内が貫高制で経済を計算していた為に、総生産量>通貨総量となって、いわゆるデフレになった訳です。
しかも生産量を増やそうと農民やその時代ごとの為政者達が努力した為に益々その傾向が深刻化します。
極端に申し上げれば、こうした室町幕府後半の経済政策の大失敗が戦国期に繋がったとも言えるでしょうね。
更に戦国後期には銀生産量の増加、流通経済の活性化から渡来銭に代わって銀や米が価値の基本となりつつあった為に、太閤検地に代表される様に石高制に切り替わります。
この石高制は検地などによって計測した面積からの「公定の生産高」を石高として算定して評価したものです。
言い換えれば「国内の総生産量の整備をして再評価した」と言う感じですね。
ここまでが戦国期後半たる豊臣政権でようやく実現したのです。
そして江戸徳川幕府が三貨制度として金貨、銀貨、銭の3種類の基準通貨を流通させる貨幣制度を採用し、1603年(慶長8年)から開始されますが、
この段階でようやく流通貨幣の国内鋳造がされて、慢性的なデフレ状態の解消が着手されることになります。

とは言え、鋳造品位の粗悪化や米価の高騰や急落に伴う貨幣価値の変動など幾つもの問題点は依然として残りました。
当然ながら徳川幕府内部では近代経済学なんてものを理解している高級官僚は存在していませんでしたので、
たまたま運よく経済を本能的に理解している人物が重役や将軍の時には良いのですが、概ね経済政策を失敗し続けて、国内経済を悪化させてしまい、
その結果として明治維新となり、近代へと繋がる流れになります。
というのはその後のお話、ですけど。

じゃあ室町幕府期あるいは戦国期に流通貨幣となっていた渡来銭は一体誰が手に入れてきたのか、ということが問題になりますよね。
これ経済的な立ち位置はとても重要なのですよ。考えてみて頂ければ。
国内の通貨総量を支配する立場ですので、今の経済仕組みで言えば通貨を発行している中央銀行と全く同じです。
そう今の「日本銀行」です。
その立場にあったのはまあ各研究者の御論を探して見て頂ければ詳しく解説がありますのでそちらに譲ってしまいましょう。
結論的に言えば、京都五山などの寺社勢力です。代表格は御存じ比叡山延暦寺。
他にも有力寺社は軒並み。奈良の興福寺なんかもこの時代の金融マフィアの一員です。
大陸、宋や明ですが、に修行僧を送って学ばせることを筆頭にして、対中国大陸との貿易をして、経済的にも莫大な利益を生みます。
更にその上、政治的には免税になることを使って農民から進んで土地を寄進させて荘園を形成します。
そりゃあ農民から見ても当然で、重い租税を課す他の誰かさんよりも免税優遇されている寺社の荘園に進んでなった方が遥かにお得ですから。
そして大陸での貿易の取引の結果として渡来銭たる明銭、宋銭を国内に持ち帰って流通させる、
更に荘園を通過する為の通行税を取って、国内流通網に対しても利益を生みます。
特に京都周辺や琵琶湖畔や街道要所を抑えていればより莫大な通行税が徴収できます。
更に更に、豊富な資金源を使って当時の金融業者たる酒屋土倉に資金を貸して市場に貸付をします。

という点が寺社勢力の強みです。
今風に言えば、総合貿易会社(対大陸貿易)と大規模不動産業(荘園経営)と中央銀行(渡来銭)と道路公団(通行税)と銀行&消費者金融(資金貸付)
が一体になっている経済的政治的な化け物が寺社勢力でした。
もうこうして書いているだけで空恐ろしいばかりの支配力ですね。
ここでは怖くてやりませんが、試しにそれぞれのトップ企業を並べて合体させてみて下さい。どれだけの企業体の規模なのかお判り頂けると思いますよ。

そしてその様な寺社勢力が国内経済を安定させる為には渡来銭の通貨量を調整して物価を安定させよう、なんて発想は微塵もないのは明らかです。
ですので、先の投稿で申し上げた様に、貨幣経済が安定しない、ということになるのは至極当然あたりまえ、というか安定する方が奇跡な仏の御加護ですよね。

傭兵についてのついでのお話にしようと考えておりましたが、思いがけず予定外な経済的なネタに広がってしまい恐縮ですが、
通貨を軸にして経済を考える上で、通貨価値の安定が重要であるのは申し上げるまでもありません。
例えタンス預金がMCr100あったとしても、価値が1/百万になったら、その瞬間にCr100に早変わりですから。
今の世界でも経済の安定たる労働対価の安定、これには雇用の安定やら賃金の安定が含まれますし、市場経済の安定、物価の安定があってこそ
金融市場での安心した貸し借りもできますし、事業も可能になりますよね。
そうした安定する為の努力を各国政府および官僚がそれぞれに頑張っている訳です。
逆に言えば、こうした安定を目指す観点がない場合の恐ろしさを御理解頂ければと存じます。
大臣 2021/09/25(Sat) 00:00 No.1257

Re:また進んでしまった いえいえ、さらに進めましょう!

zaza領主閣下

>お話の中でだけかもしれませんが、旗本衆よりかなり下に扱われていたようなので
それはそうですよね。
旗本衆は正規雇用しかも幹部級ですので一般社員の上位グループ的な感じ。
一方の牢人衆は臨時雇いのパートタイムでなおかつ試用期間中ですから、扱いが相当下になるのは当然ではないでしょうか。
今で言えば、「大学院卒の将来は重役候補」な人達と「バイトでこの先は正規雇用になるかも」な人達の違いと言えば判り易いかと。

>伊賀、甲賀も傭兵には当たらないのかな
そういう意味では該当しません。
と言うべきか、日本の近世前半たる室町末期から戦国期では申し上げた様な傭兵=金銭を得て自身の戦闘技能で奉職する職業、というのは厳密には存在しません。
御指摘の伊賀、甲賀の忍者集団はそもそも「戦争に従事する」職業ではありません。
それぞれの土地に住む農業や行商であり、情報収集に従事する、いわば「フリーランスの諜報員」ですね。
こうした忍者集団は戦国時代に戦国大名に仕えますが、その形態は様々です。金銭での契約を主とした例もあるので、この意味では広義として傭兵と言えるかも知れませんね。
しかし殆どのケースでは土地の支配者たる戦国大名に土豪集団として仕えていますので、いばわ土着の武家集団たる国人衆と同等と言えるでしょう。
つまり所属している集団自体が戦国大名達に従属して力を貸すか、それとも反抗して対抗するか、という構図であって、金銭で雇われる様な雇用形態ではなかったと言えます。

小説などでも散見しますが他にも雑賀衆や根来衆の鉄砲集団なんかもこうした傭兵っぽい扱いをしている読み物がありますよね。
あれもまたかなりなフィクションな部分が多く、基本的に彼らもまた地侍集団です。
もっとも傭兵的な面もあり、報酬を得て依頼された勢力に兵を貸し出して与力する、ということをしておりましたので、そういう意味では傭兵もしていた、とも言えます。
しかし組織としての構造としては基本的に地侍集団を核にした地元の各種職業から成り立つ共同体でした。
言い換えれば、そうした海運業者や鍛冶職などを含んだ職能集団を抱えていたからこそ鉄砲の大量投入を可能にしたという背景があると言えるでしょうね。

兵農分離が推し進められるまでは各農村自体でもある程度の自衛用武装をしていて、なおかつ訓練もしていましたので、あらゆる人々が所属している階層職業に関係なく武装していました。
そうした中から所属していた地域からのドロップアウトした者などが食い扶ちを求めて傭兵になったいうケースがあったのではないか、と思われるでしょう。
しかしそうしたケースは需要があった戦国期ですら少数派です。
というのは、戦国大名達の配下たる大名家の旗本衆の多くは国人衆であり、自分の先祖伝来の土地を安堵されることを条件にして主家に従事しています。
後年に広大な領地を持って国替えを断行している織田家は別格ですが、それでも畿内制圧をするまでは他の戦国大名と同じ構造でした。
そして、彼ら国人衆はその領地に農村を抱えていて、それぞれの格式で戦さの際に捻出する兵数が決まっていました。
一説には100石につき平均動員数3人、例えば200石の俸禄である地侍なら、自領から6人以上を率いて参陣すること、なんてことになります。
他にも旗持ちは、馬は、槍は、弓は、と後年になれば更に鉄砲が、と負担が増えて行きます。
つまり、この軍制の枠組みの中では地域からのドロップアウトした者が組み込まれない仕組みなのですよね。
考えて見れば当然で、そうしたヨソモノを戦争という極限状態で果たして信じて使えるか、ということですから。

併せて大きな問題として。
その当時たる戦国期においては、貨幣経済がそこまで安定していません。
ですので傭兵がもし存在していて、貨幣で支払われても、その報酬額としての価値が異常に低くなる場合、あるいは雇い主から見て大きな負担になる場合になるのです。
例えて言えば、今1万円支払います。
がそれが来週には価値が1%になってしまうかも知れません。それでは雇われた側たる傭兵の不満になりますよね。
あるいは逆に支払い決済もまだなのに100万円になるかも知れません。そうなったら今度は雇い主が支払いに躊躇しますよね。
つまり戦国時代に傭兵という職業があっても、貨幣での雇い入れという構造では価値が安定していない為に雇用契約が不可能ということになるのです。
それでも食えないよりはマシ、という臨時雇いはあるでしょうが、それはつまり先の投稿で申し上げた通り、浪人を一時的な臨時雇いをする様なケースであって、
俸給として支払って戦争に従事する、というケースではない、ということです。

ちょっとこの辺りは面白ネタになるので勝手に次投稿でも続けます。一旦は中断。

>ただ「いざとなったら、やるで」みたいに、意思を見せたり、その為の軍事力を持たないと、
>逆に交渉で同じ立場にたてず、やられ放題になるものかもしれないので、よくわからないのですけれど。
大阪の両戦役では豊臣家内部の統一した戦略が見られない、という事に尽きるのでしょうね。
領主閣下の御感想にある通り、よく判らないのは、そうした意思統一に欠ける為、ということなのではないでしょうか。

>治安レベルと政治形態は、トラベラーより、作成システムを詳しくしようとしたものでも、
>議論になっているものが決められるほど細かく作れるものは見かけておりません。
ありがとうございます。
であれば、逆手にとって勝手にレフリーで解釈してしまえ、ということで支障なし、だと存じます。
大臣 2021/09/24(Fri) 21:41 No.1256

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