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タラレバなマクロ経済からの視点として

ミルクコーヒー様
山中教授

面白ネタが段々と温まってきましたので続けて見ましょう。
wikiで拾う限りですが、くだんのジオン公国は「総人口1億5千万人」だそうです。
開戦当時の総人口は100億超だそうですので、技術上や経済的な優位性があったにせよ、
えいやで平均的ならば総人口比で1.5%、どんなに多く見ても3%程度でしょう。つまり地球連邦との国力比は30分の1と言う感じですね。

で、ここからがタラレバ経済学です。
2020年の世界総生産量は84兆4823億ドルでした。ちなみに人口は78億人くらい。
じゃあ平均2%の成長を順調に続けたと仮定して、100年後は7.25倍くらいです。
舞台になる宇宙世紀は果たして何年後をイメージしてるかさっぱり判りませんが、えいやで100年後だとして、
その世界の総生産高は612兆ドルくらいです。でその3%はずばり18兆3600億ドルが公国の年間GDPです。目安なタラレバですけど。
2021年における日本のGDPは、約4兆9千億ドルですので今の日本の3.75倍くらいという感じですね。
人口1億2千万人の今日本に対しての1億5千万人ですので人口1.25倍に対して3.75倍ですので約3倍の稼ぎになっている訳です。
じゃあ所得も3倍、赤けりゃ何でも3倍みたいな感じですが、たぶん物価やインフラなどの必要経費も3倍いやそれ以上なのかも知れませんよね。
つまり所得増に応じて比率的な支出部分も同程度の増加になっているだろうと思われます。
ですので、物価上昇率を超過する勢いで所得が増えない限り国民の生活は豊かにならない、という訳です。
この辺が今の我々の世代の課題なんでしょうね。いや脱線してしまいましたが。
ともかく、18兆3600億ドルのGDPな国家である、という推測ができました。ここまではめでたし。
じゃあGDPつまり国民が総出で稼いだ総額に対して、国家予算、つまり歳入はどんな感じよ?ということです。
これは統計で調べてみると面白い事が判ります。
よほど極端にGDPが低い国とか極端な事情をもっていない限り押し並べて30%前後、先進国は20%台、日本は25%と言う感じです。
これに戦時ならば戦時国債などを発行したりして借金して歳出を増やす訳ですが、まあこの辺は財政家の判断ですので幾ら借金するか判りません。
参考までに大戦前の日本の国債発行額は歳入と同じくらいか1. 2倍と言う感じでした。その後が乱発行になりますが、あれは何年間もの戦争だったからですね。
ですのでベースとなる国家の歳入は無理に頑張ってもGDPの3割というところでしょう。
つまり、GDP18兆3600億ドルの3割な5兆5千億ドルくらいが歳入の国家という感じになるでしょうね。
じゃあ軍事費は、というとこれは上下限に幅が出ます。
仮に歳入に対して歳出を国債を足して1.5倍増しにして、×2.5倍の13兆7500億ドル、これがこの国の精一杯の借金漬け戦時歳出予算です。
で、軍事費を9割廻したとして、この開戦時限定の単年度軍事費は12兆3750億ドル。
その前年までを歳入5兆5千億ドルで仮に3割もの軍事予算を投下したとして、単年の軍事予算1兆6500億ドルを仮に5年間継続して、8兆2500億ドルです。
これが開戦直前の軍事用の準備金です。もちろん新兵器の開発も維持や訓練の経費も兵隊のお給料も食い扶ちも全部込み込みです。

1億5千万人の国家でしたので、人口比での労働人口は6割の9千万人、この50%は女性ですので、男性は4500万人。
実はちょうどロシアが総人口1億4600万人と近しい総人口な国家ですのでモデルになって貰いましょう。
ロシア軍全体の総数は約96万人、ニュースになっている予備役が2千万人。警察込の準軍隊47万人です。合計2143万人。
もしこれを全部投入するとなれば男性の労働人口の5割弱を投入してしまいますので、総生産高が激落ちしてしまい、
予定していた国家予算を維持できなくなってしまいますので現実的ではありません。
ですので、開戦当初は軍隊と準軍隊だけで持ち堪えて貰いましょう。予備役は登録制度だけにして。
つまり、150万人の公国軍+警察や警備隊治安部隊が開戦当時の手持ち戦力です。
うち純正の軍隊としての正面装備なのは100万人ですね。
ちなみにロシアのウクライナ侵攻にはこのうちの28万人が初期投入されたというのが米シンクタンクの見立てです。実に3割投入です。
単年の軍事予算は1兆6500億ドルでしたので、100万人だと1人あたり年間1,650,000ドルもある!なんですが。
開戦準備もこのお財布の中でしなくてはなりません。
単純に食べさせて衣服を揃えて医療や住居を準備してとなるとどうかということです。
>某国SDFの10式戦車が10億円でしたので、歩兵1人の人件費を1千万〜2千万円と見積もったのではなかったか
山中教授、そいつはちと安すぎです。人件費=お給金、だけではありません。
他にも軍服含みの被服、もちろん下着から靴からヘルメットから。
医療や衛生、歯ブラシから包帯医薬品もちろん胃薬まで。
それに駐屯地の維持管理、そこの消えかけて点滅してる電灯なんてすぐ取り替えろ、です。
つまりは普通に暮らせるエトセトラです。
それに何よりは兵隊を食べさせることですね。もちろんお給金以外でですよ。
兵隊さんはサラリーマンの様にお給金から全部何とかしろという雇用形態ではありませんから。
えいやで兵隊1人あたり年間約56万ドルくらい掛かるという研究がありました。円に換算で5600万円から8400万円と言った処ですね。
これを参考に採用して見ましょう。
もちろん軍隊としての兵器の値段や武器弾薬燃料含まずです。100万人なら×56万ドル=5600億ドル。
単年の軍事費1兆6500億ドルから差し引いて残り1兆0400億ドル/年で正面装備全てを準備しなくてはならないのです。
で思い出して頂くとして。
>半公式でもザクが1000億円
つまり単価1機あたり7億ドルから10億ドルの兵器を何機生産したか、です。
派生形やらいっぱいありますが、まあ全体でどれだけの生産ができるか、です。
年間1兆0400億ドルで単純に10億ドル/機で割り算して、年間生産できるのは1040機でスッカラカンです。もう弾薬1発も買えません。
もちろんザクの後続型なジオン脅威のメカニズムな開発なんてお財布の中は鼻血もでないので持ってのほか、となってしまいますよね。
まあここまで参考のタラレバ計算ですが、結構それなりな感じだと思いますよ。
やってみたら結構楽しくなって参りました。
大臣 2022/10/23(Sun) 10:15 No.1433

戦車と歩兵のコスト比較

ミルクコーヒー様

 大臣様も御指摘の通り「ザク1台が1,000億円」という提示はとても怪しいと思います。
 1,000億円もする高価な兵器を、ポンポンと消耗品の如く、前線へ投入できますかね?
 ジオン公国がザク100台を調達するだけで、軍事費10兆円ですよ?
 米国の軍事費が凡そ年間100兆円なので、同じくらいの経済力が必要ですね。

 ミルクコーヒー様が参考にされた、例の戦闘ルールは、戦車1台のHPが50〜100程度。
 つまり、歩兵50〜100人分の人件費で運用できることを意味しています(私はそう解釈しました)。
 このルールを作った頃、某国SDFの10式戦車が10億円でしたので、歩兵1人の人件費を1千万〜2千万円と見積もったのではなかったかな。

 ザク1台が1億円程度であれば(比較的)気軽に投入できますし、10億円ならば、主力戦車と同じ感覚で使えます。
 参考値として御利用下さい。
山中 2022/10/22(Sat) 18:07 No.1432

蛸足の如き蛇足

ミルクコーヒー様

山中教授の「人件費を基準」というのはあくまでも目安です。
例えば、戦艦大和の建造費は1936年の価格では137,802,000円ですが、1936年ごろの消費者物価指数と2021年の消費者物価指数を比較するとえいやで4.2倍くらい。
じゃあですので、×4.2=5億7900万円なのか、というとそう簡単には言えません。
他の試算ではGDPの増加や物価などを総合的に換算して当時の1円は今の2500円相当という考え方もあります。
となると×2500=3445億円、イージス艦の約2隻分相当、なんて計算が成り立つのです。
つまり何を申し上げたいかというと、時間軸も含めて「物価や経済力を勘案しないと価格なんて出せない」ということです。
参考までに、例えば零式艦上戦闘機の真珠湾攻撃時モデルな21型は15万6千円で、×2500なら3億9千万円です。
が他の試算で例えば米の値段基準でやれば2500倍ではなく700倍であるとか、まあ考え方が色々と違うのですよ。

>半公式でもザクが1000億円(ファンの考察による推定価格?)
にしたところでその技術的根拠はとなると甚だ疑わしいそれこそえいやな値じゃないでしょうか。
今の最新鋭戦闘機F-35 ライトニング IIのお値段は116億円ですので、1000億円ならばF-35の8.6機分が果たして吊りあっているかどうか、という評価の是非を
ミルクコーヒー様がどう考えるか、ということです。

トラベラーでの物価は一律で帝国の発行している通貨のCrで統一ですが、実はこれも物価の変動が確実に影響していると思うのですが、
帝国ならではで他の恒星間国家の含めて、涙ぐましい物価安定の操作がされていて、「価値が変動していない」と看做して想定せざる得ないのではないでしょうか。
実際のマクロ経済学としては年間の経済成長は自然に2%程度発生する、と考えられています。
簡単に言えば、今の100円は来年には102円の価値、2年後には104円になる、という感じです。が実際には景気の変動も加味されますので、そう簡単ではない訳です。

加えて申し上げると、この価格と言うのは正確には「売り値」ですよね。
つまり良く聞く「小売希望価格」です。メーカーが市場に提供するのに利益込みでこの価格でお願いします、というお値段です。
ですので、これを消費者がいいよ、と納得する事で商売が成立する仕組みなのですよ。
じゃあ兵器はどうかというとちょっと仕組みが違います。
よく日本の防衛装備調達額が高いと言われますが当然で、(兵器開発費総額+製造コスト×調達総数))/調達総数という仕組みです。
要するに開発費を販売価格に乗っけて売っているのです。ですので、少ない生産数ならばその分の費用が跳ね上がる仕組みだからです。
ところが他の国の兵器生産はそうではなく、プラス他の国でも買ってくれるだろうと期待できる数量を含めることができるからです。
この仕組みは数が出れば費用が下がるということを意味していますよね。
そういう点も考慮した上で、
>ザクが1000億円
が妥当なのか否かを考慮する必要がある訳です。
つまり単純にネジが幾ら、ケーブルが幾らで部品代をかき集めたからヒトヤマ幾らとはならない、ということも申し上げたく存じます。
大臣 2022/10/22(Sat) 16:24 No.1431

色々サンクスです&しかし・・・

今現在でモビルスーツ価格って

半公式でもザクが1000億円(ファンの考察による推定価格?)くらいしかわかってません💦・・・・

加えて💦・・・「人件費」計算法も全く無知式です
せめて
武装要員=1HP/人
特殊部隊=2HP/人
重装甲=50

の例とかでの例式とかやってくれてたら助かりましたが?💦
ミルクコーヒー 2022/10/22(Sat) 08:09 No.1430

HPの計算方法(横やりですが)

ミルクコーヒー様
山中教授

面白ネタですので一枚噛ませて頂きたく。
>「プレートメイルを着た徒(かち)の徒騎士(低TLの剣の世界)」は、HPはどうすればよろしいでしょうか?
簡単ですよ。
武装要員=1HP/人 なのです。これを1HPとして比較したら幾つか、と言うだけの問題です。
それをミルクコーヒー様が独断と偏見で決めれば良いだけです。
このルールの製作者は「特殊部隊=2HP/人」とか「騎兵=1.5HP/人」とかにしていますが、これまたルール製作者が勝手に決めたことです。
ですので、「プレートメイル装備の重装歩兵」を2HPにするとか0.8HPにするとか根拠を考えて決めれば良いのですよ。
もちろん山中教授が御提示して下さった
>HPは「歩兵一人に掛かる経費」が元になっていますので、人件費を基準
でも良いのです。むしろこのやり方の方が根拠がある=高い装備品の方がより戦闘力が高いに違いない、ということを根拠にした考え方ですね。
つまりはどう決めるか、だけの問題だと思います。

同様に、
>あとガンダム「モビルスーツ・モビルアーマー」はどの位になりますでしょうか?
も勝手に決めれば良いのです。
ジオン公国軍の主力MSたるMS-06Fを100HPに決めても1000000HPにしても問題ありません。
つまり、100HPと決めたならば武装要員100人と同じという評価であるということですね。
このやり方ならばモビルスーツだけじゃなく何でもカンでも投入できます。
バトルドレスでフュージョンガン装備の強化歩兵から各種ロボットや鉄人28号、はたまた戦隊ヒーローから仮面ライダーいやいやウルトラマンからゴジラに至るまで。
どう評価して値を決めるかだけが問題です。

これを専門的には「交換比率」と言います。
ポピュラーなのは、戦闘ヘリ1機と戦車10両が等価、という感じですが、これはつまり対戦車ヘリ1機が撃破されるまで戦車10両を撃破できる、ということを意味しています。
この交換比率はランチェスターの2乗則でも出てくる値です。
じゃあホントに戦闘ヘリ1機で10両の戦車が撃破できるのか、というとそんな事はありません。
なぜならば戦場は単純に戦車が10両いるだけではなく、対空戦闘装備車両から携帯地対空ミサイルを持った歩兵までぞろぞろいますよね。
そんな中にのほほんとヘリが単独で飛んでいるとあっという間に撃墜されてしまいます。
つまり重要なのは部隊で1つの戦力なのだということです。
ですので、この兵器とこの戦闘チームでこういう支援装備込みで「この部隊は果たして戦力幾ら」ということをどう積み上げるのかと言う事が重要です。
1個班から分隊、小隊を経て師団や軍単位までどの規模同士の戦争をどうやって評価するのかということです。
この辺りはウォーゲームデザイナーから軍隊での図上演習まで様々な考え方を取り入れて提供されています。
あまり複雑化してしまえば煩雑になりますし、単純化してしまえば再現性が難しくなるという匙加減の困難さがありますが、
それらも含めて、ミルクコーヒー様が納得できる方法を採用されれば良いと思いますよ。
大臣 2022/10/20(Thu) 22:57 No.1429

HPの計算方法(推奨しませんが)

ミルクコーヒー様

No.1427へのレスです。

 あの戦闘方式は、大人数の戦闘に向いていません。
 なので、双方が精々100人くらいまでの戦闘に使って欲しいところですが、そのあたりは好みの問題なので、仕方ないでしょう。



 真面目なレスは以下の通り。

>「プレートメイルを着た徒(かち)の徒騎士(低TLの剣の世界)」は、
>HPはどうすればよろしいでしょうか?(1? 2?)

 基本的に、HPは「歩兵一人に掛かる経費」が元になっていますので、人件費を基準にして下さい。
 プレートメイルを着た騎士1人が、訓練不十分な騎士ならばHP1で十分。
 特殊部隊並みの精鋭(エリート)ならば、HP2が適切では?



 そして、モビルスーツ……、低TL、剣で戦う世界にモビルスーツを登場させる想定なのかと思いますが。
 真面目な話、モビルスーツは攻城兵器的な扱いとして、戦力には数えない方がよろしいかと。

 モビルスーツで、敵の兵士を一人ずつ、ビームライフルで狙い撃ちするとか、一人ずつ追いかけまわして踏み潰すとか、そういう戦闘をイメージしている訳ではないですよね?
 城塞や城壁の防御力を新たに設定して、その防御力をモビルスーツで削る形にしたらどうかと思います。

 低TL側にドラゴン等の巨獣が登場するのであれば、そのドラゴンとモビルスーツ同士の戦いが(航空機同士の戦いの如く)発生するだけで、
 直接、モビルスーツが敵歩兵を殺戮する状況には成り難いでしょう(まともな教育を受けて、正気を備えた軍人/パイロットならば、そうします)。

 どうしても戦闘に参加させたいのであれば、モビルスーツの製造費と維持費を計算して、それを歩兵1人の経費で割って下さい。
 出て来た数値が、モビルスーツのHPです。
山中 2022/10/18(Tue) 05:37 No.1428

お久しぶりです。

http://kemkem1.com/TRAVELLER/hukkou/hukkou2/matunagasan/pirates2.1/page04.html
  
  ↑の、「2.2.1.2 地上戦闘」の「1. 部隊HPの決定」で、

歩兵なと普通の武装要員:1HP/人 
特殊部隊       :2HP/人
大型支援火器     :10HP/門 
騎兵         :1.5HP/人

と、なっておりますが

「プレートメイルを着た徒(かち)の徒騎士(低TLの剣の世界)」は、
HPはどうすればよろしいでしょうか?(1? 2?)


あとガンダム「モビルスーツ・モビルアーマー」はどの位になりますでしょうか?

厳密的には

【初期の初期型ガンタンク 〜 ザクT、ザクU、ドム、ガンダム・GM、ゲルググ 〜
Z、アッシマー・ギャプラン等初期の変形型MS、ジ・オ 〜 
サイコガンダム、同markU 〜 
ミノフスキークラフト/ドライブ装備MS(閃光のハサウェイの「ペーネロペー、クスィーガンダム」、F91、Vガン時代のMS) 〜

Vガンから更に60年たった「ガイアギア」時代のマンマシーン

の感じでお願いします。
 
ミルクコーヒー 2022/10/16(Sun) 13:57 No.1427

トラベラー協会(その4)最後

4.トラベラー協会は会員審査段階での反対票があることによってのみ入会不受理になる組織である。
設定から見て、トラベラー協会員に入会希望したとして、書類を準備して、入会金を現金で用意したとして、誰でも即入会できる訳ではなく、入会審査を満足しないと受理されません。
その審査は(並、管理、10分安全)だそう。
ですから、実際には10分程度の審議時間でしかなく、管理技能があれば優遇されるので書類審査重視なのでしょう。
並の判定となれば、2D6で7以上なので確率58%というところ。まあ10人に6人が受理、4人が不受理な割合という感じですね。
問題になるのは確率論よりもその不受理理由です。
行為に失敗した場合、入会について反対票が投ぜられたことになり、会員になる機会は失われます、となっていますので、その審議時間10分では反対票の有無を確認した程度の時間なのでしょう。
そしてその審議は申し込んだトラベラー協会施設=審議認定機能がある、の周辺で連絡が可能な既存のトラベラー協会員からの反対があるか否かだと思われます。
仮に既存会員Aさんが常々仲が悪いBさんに対して、トラベラー協会員に申し込む可能性がある、と見越して、事前に「Bさんがトラベラー協会員になる事は反対」と表明しているケースもあることでしょう。
そうした幾つかのケースも踏まえて、反対票の有無を審議して、ただの1票も既存協会員からの反対票が投じられなかった場合に入会審議受理となるのではないでしょうか。
また、トラベラー協会になる恩典から見ても、犯罪履歴の有無や英雄的な行為の有無はあまり重視されず、経歴部門自身の推挙の結果として入会金込みの入会審議受理が通った結果ではないでしょうか。
そうなると、トラベラー協会が新規入会者に重視しているのは既存協会員から反対がない事だけで、それ以外の財産や経歴や出身など様々な要件は存在していないのかも知れません。
仮に重犯罪者になったとしても、トラベラー協会が既存協会員を除名処分することもないのかも知れませんし、社会身分度が2だろうがFな公爵閣下だろうが、協会員としての扱いは同じなのでしょう。
そうした一種独特なトラベラー協会員としての同じ立場であることを利用してシナリオやキャンペーンでの舞台装置として活用できると思われます。
つまり、他のファンタジーTRPGにあるような誰でも入れる酒場での冒険依頼の様な風体ではなく、限定的な会員制の特別感がトラベラー協会にはあるでしょうね。

5.トラベラー協会は一般向け情報提供と会員向け情報提供の2種類が存在している。
先の3項目でも申し上げた通り、トラベラー協会は情報提供として「トラベラー・ニュースサービス(TNS)」の運営を何らかの形で関連していると思われます。
これは噂表でもたらされる一般的な報道としての無償の情報であると思われます。
他にも数Crで購買できる新聞や雑誌などの様な一般向けの情報提供があるでしょう。
これら低価格あるいは無償の情報は繋ぎ合せないと必要な情報にならない可能性もありますし、断片的な事実を示していて、シナリオやキャンペーンで有意な情報もあるでしょう。
しかし、トラベラー協会はそうした一般向け報道に供する情報以外にも、政治的あるいは経済的あるいは軍事的あるいは技術的な情報も収拾していることでしょう。
その様な特定の情報を求める人物も恒星間旅行者の中には存在するのは確実です。
そうした人物は商売上の利益を求めている場合もあるでしょうし、仕事上の有利さを求めている場合もあるでしょうし、他にも様々な理由から特定の情報を得ることができれば、その結果として他の誰よりも先行して正しい判断が可能になりますので、トラベラー協会の持つ各種の情報は使い方によっては莫大な価値を持っていると言えます。
そうした価値をもつ情報をトラベラー協会が無原則かつ無作為に誰にでも提供しているとは考え難いでしょう。
ですので、こうした特定情報はトラベラー協会員に対してのみ提供されることになるでしょうし、情報の内容次第では会員といえども無償ではなくある程度の有償の可能性もあることでしょう。
つまりこの様に一般向けの無償あるいは有償の情報提供とトラベラー協会員向けの情報があり、トラベラー協会は情報提供の形態を考慮して使い分けているであろうと考えられます。

以上が公式設定等から想定したトラベラー協会の法人格です。
つまり、トラベラー協会と言う背景を使えば、これらの側面を使ってレフリーがより指向的にシナリオやキャンペーンを展開する事ができ、単純な酒場やレストランという舞台装置ではない仕組み、これは組織や機構としての意味合いですが、としての使い方が可能だと考えます。
他にもハウス的な設定あるいは地域限定の特典やトラベラー協会の催し物など折角のトラベラー協会を登場させるやり方は幾つもあって良く、こうしなければならないということはないと思います。
こうした背景を踏まえてトラベラー宇宙を旅する上で、トラベラー協会を活用する幅が増えると更に旅が楽しめるかと存じます。
大臣 2022/09/25(Sun) 11:07 No.1426

猛毒性大気の設定

zaza様

No.1421へのレスです。

 興味深い情報をありがとうございました。
 レスが遅くてすみません。
 検証の時間が無いので、以下の書込みは推測を含みます。



 大気レベルC:猛毒性大気は、腐食性大気(No.1420)でも説明されていた通り、
 塩素やフッ素といったハロゲン、あるいは、硫黄化合物によって構成されている、
 のだと私は考えておりました。

>例えば地球のような温度と圧力で、大気中の塩素の割合が高い惑星では、大量の塩化水素ガスが大気中に存在し、液体塩酸の海ができると予想される。
>塩化水素の飛沫は、vaccスーツの露出部分に凝縮し、関節部た隙間に入り込み、最終的には小さいながらも数十の致命的な漏れで、スーツの防護性を完全に失わせる可能性があります。

 なので、上記の文章には納得なのですが。



>遭遇する可能性のあるinsidious大気の具体的なタイプの一つは、驚くほど無害な混合ガス、つまり単純な水素(H2)で構成さることが多い。

 この記述は驚きでした。

>水素は非常に小さいので、布地やプラスティック、さらには固い金属に至るまで、核酸というプロセスで浸透することができる。
>気密密封は必ずしも水素気密ではありません。

 「核酸」は「拡散(diffusion)」の誤変換でしょうか?

 水素が金属(鋼)内に浸透して、水素脆化(hydrogen embrittlement)を引き起こすこと
 を意味しているのかと思いましたが、後の文章を読むと、
 拡散/透過した水素が、宇宙服内の酸素と結びついて、燃焼する(爆発する)、
 というニュアンスで使われているように思えます。

 鋼鉄内に浸透した「水素」が、鋼鉄の中にある「炭素」と結びついて、「メタン」を作り出す(鋼鉄内に亀裂を作る)、
 という腐食メカニズムが有りますけれど、水素を含んだ高温高圧の環境ならば有り得るのかな?
 その場合は「メタンと同じように」とは書かないか。

 あるいは、鋼鉄の中にある「酸素」と結びついて、「水」を作る「水素病」のことを指しているのかも。



>環境をinsidiousとみなす最終的な要因は、巨大な太陽に非常に近い惑星、ガスジャイアントの放射線地帯内、
>または最近の核戦争が惑星を荒廃させた世界で遭遇する可能性のある高放射線です。

 最後の一文は、Hard Timesの公式設定。
 「無法戦争によって世界の大気レベルがCに変わり、人口レベルもゼロになる」という、怖いルールを裏書きしてくれる訳ですが、
 そのレベルまで大量の放射性物質を撒き散らす為には、実際に何発の核ミサイルが必要なのだろうかと悩みます。
山中 2022/09/24(Sat) 17:54 No.1425

トラベラー協会(その3)

3.トラベラー協会は資金運用をしている営利団体である。

設定から見るとトラベラー協会員には「配当として2ヶ月に1回、特等チケット」が支払われます。
株式の配当と同じ考え方ですが、面白いのは入会金が一律MCr1/人ですので、それ以上も以下もなく協会員は全員等しい出資に対する配当が2ヶ月に1回の特等チケットです。
2ヶ月に1回ですので1カ年たる12カ月では6枚の特等チケットとなりますので、配当はCr60,000/年です。
ここで一般的な利回り(%)を考えてみましょう。
計算式は、利回り(%)=収益(配当金+売却損益)÷運用年数÷投資金額×100 です。
普通の株式や不動産だとこの物件や株券自体を売却して得た損益がプラスやマイナスになったりしますが、トラベラー協会会員権は売却譲渡不可ですので売却損益はCr0です。
耐用年数は1年で見ると、トラベラー協会の利回り(%)Cr60,000(配当チケット代金)÷1ヶ年÷MCr1(入会金)×100=6%になります。
こうして見ると意外とトラベラー協会員は堅実な金融商品である気がしてきました。
ちなみに入会金MCr1と受け取った配当全額が等しくなる、つまりペイできるのは100/6=16.6ヶ年=16年と8ヶ月目な100枚目の特等チケットを受け取った時ですね。
この6%のイメージはと言うと例えば不動産で換算して見ましょう。
マンションや家を買うとします。購入価格が1億円、だったとしましょう。
この不動産を賃貸にして貸し出すのに利回り6%/年は600万円/年=月当たりの家賃設定は50万円です。
実際的には今の景気動向では精々頑張って都会の一等地でも利回り4%中盤くらいが妥当ですので、この億ションであっても月30万円代中盤がいいとこです。
つまりトラベラー協会会員権はかなり高利回りの優良金融商品であると言えますね。
じゃあ資金があれば会員になれるのか、というとそうでもありません。
というのは会員希望をした個人をどういう基準でなのかは不明ですが入会審査をして、しかもその記録は永年保存の様子です。
この点は次項4項で述べますが、つまりトラベラー協会とは誰からでもいいから資金を求めている団体ではない、ということがこの1点で推察できると考えられます。
しかし公式的にトラベラー協会が資金集めをしているのは会員が入会する際の入会金MCr1だけですので、その入会金による売上高では到底、組織の活動たる情報収集と評価の経費と高利回りな会員への配当は賄う事ができません。
それでは他に何をしてトラベラー協会は事業を継続できているのか、というと公式設定から読み取る限りは以下の事業が考えられます。
a)トラベラー協会員向けの設備提供サービス
幾つかのシナリオの導入でも言及されますが、NPCがプレイヤーキャラクターと懇意になってトラベラー協会の設備になっているレストランに招待する、というシーンがあったかと思います。
他にも確かホテルなどを利用できる場面もあったかと思います。
つまり恒星間旅行に供するホテルやレストランを経営していて、その事業利益がある、と推察できます。
完全にトラベラー協会員向けのみの経営になっているケースもあるでしょうし、同一設備をエリア分けして、こっちは協会員向け、あっちは一般利用者向けなんて設備もあるでしょうね。
また、協会自身が経営している場合ばかりではなく地元経営ホテルやレストランと提携してトラベラー協会は看板を貸しているだけ、というケースも存在するでしょう。
こっちの方が暖簾代だけの収益になって一種のフランチャイズみたいな高収益性な低リスク経営ができそうですので意外と主流な可能性もあり得ます。
もちろんこの場合はサービスの質などの維持は監督監査をしてトラベラー協会の専門部署が躍起になって維持していることになりそうですが。
ともかくトラベラー協会が投入する初期投資はあるにせよ、トラベラー協会の看板を使った有力な事業利益が見込めると考えられるでしょう。

b)人材斡旋業
よくキャンペーンなどの始まりで出身部門を放り出されたキャラクター達、PC、NPC問わずですが、宇宙港で途方に暮れた挙句に職探しをすることになる場合がありますよね。
そうした人材を探している事業主に対して失業中の労働者を斡旋する窓口をトラベラー協会の一部門が担っている可能性があります。
恐らくはかなり多くの宇宙港にこうした人材斡旋の窓口があるでしょうし、
その業態としての雇用情報が必要で、しかも定期的な収益が見込めないので一般的な人材斡旋業ではカバーできない可能性が高いと思われるからです。
もっとも斡旋手数料がどういうタイミングでどう決まっているのかまでは判りません。
例えば事業主から手数料を取る場合には成功報酬として雇用が決まった段階で労働者年額報酬に応じた割合の斡旋手数料が支払われる場合もあるでしょうし、事業主からは無償でも公的機関から契約成立件数に対しての一定額が支給される場合もあるでしょう。

c)情報提供
かつては雑誌「タクテクス」や「RPGマガジン」でも掲載されていた「トラベラー・ニュースサービス(TNS)」がこれに相当するでしょう。
キャンペーンやシナリオでも噂としての情報源でニュースサービスに接する機会はあります。
このニュース編集組織とトラベラー協会がどういう関連性なのかは公式設定には記述がない様子ですが、資金や人員や情報提供等において全くの無関係であるとは考え難いのではないでしょうか。
取り扱っているニュースから見ても政治、経済、軍事等の分野にも深く取材していることから相当の取材能力と専門人員を抱えている事が伺えます。
ということはそれに相当する規模の組織と能力を有する強力なマスメディア組織であることが確実です。
どこかのあるいは幾つかのメガコーポレーション級企業体が経営に加担している可能性は否めませんが、報道の中立性を取っている可能性もあるでしょう。
もっともニュースの端々に実は膨大なコマーシャルが挟まれていないとは限りませんが。
こうした広告収入源に頼ることなくトラベラー協会からの資金繰りだけで恒星間旅行者向けの情報提供が格安あるいは無償で提供されていると思われます。
しかしながら1人あたり僅かなニュース購読料であっても膨大な人数が継続して定期購入するとなりますので、膨大な売上になると思われます。
推測ですが、地元のマスメディアと一線を画した「恒星間旅行者向け」に徹した報道をして差別化されている可能性が高いと私は考えております。
(理由は下段にも記載しますが、地元企業との差別化を念頭にしているのではないかと思われるからです。)

これらの事業の元手としてもちろんトラベラー協会の入会金が使用されているでしょうし、この事業の収益を用いて別の星系での事業を開始あるいは拡充することに繋がっている事でしょう。
しかし、こうして考えて行くとトラベラー協会の事業として特徴的なのは、どの星系でこういう資材が不足しているから儲かる、という投機情報が集まる筈ですが、トラベラー協会自身は投機事業、あるいは貨物船運航などの物流事業、旅客船を運航する旅客事業や恒星間観光業などには主体的に事業化せず、精々地元企業への斡旋程度であって、こちらの斡旋手数料収益は上記のa)からc)に比べても僅かな手数料が入る程度でしかないのではないかと思われます。
つまり、地元経済を支える存在になる地元企業の経営を阻害しないことを考慮した事業展開をしているのではないでしょうか。

いずれの事業も利益を出すにはノウハウも必要ですし、幾つかの星系だけで事業をしている企業では対処が難しく、尚且つ宇宙船保有しているいない限らず恒星間旅行者全般に対してのサービスが提供できる業態に限ってトラベラー協会が事業化しているのではないかと思われます。
一見、地元企業と競合しそうなa)のホテルとレストラン経営でも協会員向け専門にしてしまえば数少ない協会員の持つシェア分に限定されるので、それ以外の大多数のシェアは地元企業のシェアになるので競合しない仕組みなど実は色々と工夫している事が伺えます。
となれば、新規にトラベラー協会が参入するとか規模を拡大するとなっても地元企業との軋轢が発生して大反対なんてことにはならないのでしょう。
そしてトラベラー協会独自で展開できる事業を協会の元手を使って資金運用していることは確実だと考えられるでしょう。
トラベラー協会は少なくとも協会員向け年利回り6%を越える営業利益を維持できる「営利団体」である点はこうした面からも言えます。
大臣 2022/09/24(Sat) 13:00 No.1424

トラベラー協会(その2)

まず1番目から参りましょう。
1.トラベラー協会は恒星間旅行者に対してサービスと情報を提供をする会員制組織である。

トラベラー宇宙で日常的に目にしている区分にトラベルゾーンがあります。
多くはグリーンゾーン、つまり一般的には安全に恒星間旅行可能を示しています。
アンバーゾーンは旅行者は注意が必要、を示しています。社会や自然状況に何らかの危険が予想されることを意味しています。
レッドゾーンは危険、旅行者の入国は原則禁止を示しています。
恒星間国家間の戦争状態になった場合には戦域に相当する全ての星系がレッドゾーンに指定されることもあります。
これら3種類のトラベルゾーンの指定こそが「トラベラー協会の情報提供」です。
そして5項目目で後述致しますが、このトラベルゾーンの情報とは「一般向け情報提供」に相当しますが、これらの情報の多くは恒星間旅行者に「無償で提供」される情報でもあります。
が、トラベラー協会の組織としての性格の上からも、設備や情報管理上からも必ず経費は必要になります。
しかも膨大かつ広大なトラベラー宇宙での情報評価をするとなれば必要人員もある程度は常態的に必要で、決して小さくない経費となるのは確実です。
それらの組織活動を支えているのはトラベラー協会員になる入会金1人MCr1です。
終身制で譲渡不能の協会員資格ですので、入会人数×MCr1が基本的なトラベラー協会の収入になりますが、その入会金だけでは組織が維持できませんので、後述する3項目目でトラベラー協会の経済側面を見て行くとしても、それら経費を支払っても、一律に恒星間旅行者に対して、協会員にも非協会員にも情報を提供して、恒星間旅行の安全性を支えている「非営利団体」であるというのがトラベラー協会のもつ組織の性格でもあります。

2.トラベラー協会は個人向け契約のみで構成会員を募集している。(法人契約は存在していない)

普通の会員制企業であれば、例えばゴルフクラブみたいに法人会員にした方がより多くの会員を集めることが可能になります。
トラベラー協会の設定にもある入会金MCr1はなんと現金即金の1回払いの様子ですが、個人で支払うにはかなり高いハードルだと思います。
しかし、入会審査の設定を考えるとトラベラー協会は法人や団体の協会員を認めてはいない様子です。
つまり、トラベラー協会は会員募集に積極的ではなく、そんな消極的募集であっても維持できるだけの個人会員が常に入会してくる組織であるということが言えるでしょう。
大臣 2022/09/24(Sat) 12:50 No.1423

トラベラー協会(その1)

トラベラー宇宙を旅する際に便利に利用されている方もあれば、パトロンとして仕事依頼人役で登場する事もあるのが「トラベラー協会」ですよね。

メガトラベラーの帝国百科、の記述から抜粋すると、
「旅と冒険の人生を送ろうとするならばできればトラベラー協会への入会を申し込むべきでしょう。
入会すれば各地の施設を利用できたり配当をうけることができます。
トラベラー協会員は配当として2ヶ月に1回、特等チケットを1枚受け取ります。
これはすぐに使っても良く、後の為に取っておくことも面額の90%(Cr9,000)で売り捌くこともできます。
トラベラー協会の会員権を得るには海軍や海兵隊の除隊時に恩典として獲得するか、
あるいはトラベラー協会員入会許可(並、管理、10分安全)判定に成功する必要があります。
行為に失敗した場合、入会について反対票が投ぜられたことになり、会員になる機会は失われます。
入会を認められた場合には直ちにCr1,000,000の入会金支払いが必要です。
入会審査は一度きりで会員権は終身で譲渡不要です。」

恩典表から見ると、海軍、海兵隊以外にも水兵、司法官、外交官、貴族、それに宇宙鉱夫や悪党でも
経歴除隊?後に特典として得ることが可能です。
それらの部門での現役時代の大活躍の結果としての御褒美というニュアンスであろうと推察できますが、どんな経緯でトラベラー協会員に認定されたのか、レフリーの設定しだいで面白い前日譚を作ることができそうです。

とまあここまでは普通?のトラベラー的話題として。
他にもネットで検索すれば幾つか設定的な解説がある個人HPも見つけ出す事ができますので、そちらも御参照頂ければ。

しかし、この投稿ではこれらの記述から見えてくる「トラベラー協会」の法人格としての側面を見て行くとしましょう。

まず言えるのはトラベラー協会とは果たして何か、どんな団体なのか、ということです。
(もちろん公式設定や公式シナリオだけから見てです。肉付けはレフリーの御自由にして頂きたく。)
それは以下の特徴があると言えるでしょう。
1.トラベラー協会は恒星間旅行者に対してサービスと情報を提供をする会員制組織である。
2.トラベラー協会は個人向け契約のみで構成会員を募集している。(法人契約は存在していない)
3.トラベラー協会は資金運用をしている営利団体である。
4.トラベラー協会は会員審査段階での反対票があることによってのみ入会不受理になる組織である。
5.トラベラー協会は一般向け情報提供と会員向け情報提供の2種類が存在している。

ちょっと長くなったので一旦ここで切ります。
大臣 2022/09/23(Fri) 22:41 No.1422

INSIDIOUS大気

INSIDIOUSな大気

TRAVELLRの冒険者が遭遇するすべての種類の大気の中で最も危険なのは、腐食性に似た性質の大気として定義されるinsidiousな大気ですが、2〜12時間であらゆる個人保護装置を無効にすることができる大気として定義されています。

本質的に腐食性と考察される大気のほとんどは、十分な濃度や厳密な環境下では、insidious大気とみなされる。
例えば地球のような温度と圧力で、大気中の塩素の割合が高い惑星では、大量の塩化水素ガスが大気中に存在し、液体塩酸の海ができると予想される。
塩化水素の飛沫は、vaccスーツの露出部分に凝縮し、関節部た隙間に入り込み、最終的には小さいながらも数十の致命的な漏れで、スーツの防護性を完全に失わせる可能性があります。

遭遇する可能性のあるinsidious大気の具体的なタイプの一つは、驚くほど無害な混合ガス、つまり単純な水素(H2)で構成さることが多い。
すべての原子の中で最も小さく最も軽い水素は、特殊な問題を引き起こすため、insidiousな大気の成分として分類する必要がある。
水素は非常に小さいので、布地やプラスティック、さらには固い金属に至るまで、核酸というプロセスで浸透することができる。
気密密封は必ずしも水素気密ではありません。

水素は有毒ではありません。
しかし、メタンと同じように水素と酸素が一緒になると、爆発的に結合します。
火花が爆発を起こし、その後に水滴が析出する可能性があります。
これらは2つの要素の組み合わせの産物です。

宇宙船の船体と建物の壁は、水素が漏れないように密閉することができる。
ただしvaccスーツは水素の拡散に十分な耐性を持たせることができません。
そうすることによって、スーツがかさばりすぎて、着用者が自由に動くことができなくなります。

水素は大きいサイズで、寒冷な世界の大気のかなりの割合を占め、メタンやアンモニアと一緒に存在することが多い。

温度もまた、大気をinsidiousにさせる要素になりえます。
例えば、私たちの太陽系の金星は、大気は主にCO2で構成されており、CO2は本質的に腐食性のガスではありません。
しかし金星の温度は480℃前後、気圧は海面で地球の90倍。
この地獄のような環境に探査機を送り込んでも、数時間しか持ちません。

高温または低温の問題は、非常に効率的な加熱または冷却システムで問題を補うことができると考えられています。
宇宙船や大型の居住地は、極度の寒さや暑さを克服できるよう設計されている。
より小さい機器の場合、一時的な休息が期待できる最高のものです。

環境をinsidiousとみなす最終的な要因は、巨大な太陽に非常に近い惑星、ガスジャイアントの放射線地帯内、または最近の核戦争が惑星を荒廃させた世界で遭遇する可能性のある高放射線です。

この環境では、防護服の持続時間による制限は、防護服が徐々に故障していくことを意味するのではなく、個人が受けることができる被ばく量を示すものである。
さらに被ばくは累積的問題であり、放射線が6時間で致命的になる惑星では、キャラクターは地表では6時間以内しか過ごすことができません。
外で2時間過ごしてから船に戻った場合、その後の移動では、さらに4時間しか過ごせません。
この全体的な時間要因を超えると、キャラクターは死亡するか、少なくとも放射線障害で重度の病気になります。

あらゆる形態のinsidiousな大気は、冒険に特別な危険をもたらします。
さらなる詳細はレフェリーに任され、冒険の状況に最も合うように開発されます。
insidiousな大気(化学反応によって引き起こされるタイプ)の良い例として、FASA社から出版されたTRAVELLERでの使用が許可された冒険である、"ORDEAL BY ESHAAR“を関心のある読者は参照されたい。
この冒険は。いくつかの社会的危険を示しており、insidiousな大気環境に存在する可能性のある生命体の問題にも取り組んでいます。


INSIDIOUSがトラベラーの日本語版と同じ訳語でいいか迷ったので、英語にしておきました。
ORDEAL BY ESHAARは一応見てみましたが、一部を訳せば載せられるような感じには見えなかったので、訳しませんでした。
zaza 2022/09/19(Mon) 17:23 No.1421

腐食性大気 終わり

窒素(N2)

遊離酸素と窒素が適切な割合で存在する世界では、腐食性の大気になります。
この場合、硝酸塩の海と大気中の窒化物(窒素と酸素の化合物)の存在により、保護されていない人間にとって最も危険な状態になる。


アンモニア(NH3)

せいぜい刺激物ですが、高濃度のアンモニアを含む大気は、腐食性があります。
通常、低温の特徴を持ちます。


塩素(Cl2)

大気中の塩素は、アンモニアより活性が高く、より有毒で、皮膚への刺激も強いので、最も穏やかな環境以外では腐食性がある。


硫黄化合物

十分な濃度の硫黄化合物が存在すると腐食性があり、危険で、保護されていない個人に損傷を与える可能性があります。


フッ素(F2)

塩素と性質が似ていますが、大気中のフッ素は少量でもより刺激性が強い。
フッ素を含む大気は、常に腐食性であると考えられています。
フッ素は塩素と多くの特性を共有しており、完全に異質な生命体をサポートする可能性を含んでいます。
匂いと色で簡単に検出できますが、大規模な漏出が発生した場合、すぐに致死量に達する。


保護服を必要とする腐食性の影響は、大気中のガスの混合状態以外の要因の結果である可能性があります。
その中で最も重要なのは温度である。
大気を構成するガスの構成に関係なく、温度が非常に低くても非常に高くても、保護がない人間は数分で死亡します。

好ましくない温度範囲を持つ世界での実際のガスの混合は様々です。
高温または極度に高温の世界の場合、大気には、私たちの身近な酸素と窒素の混合物、二酸化炭素、窒素、塩素、またはフッ素が含まれる可能性があり、興味深い硫黄混合物が混入している可能性があります。
低温の世界では、大気中にメタンとアンモニアの組み合わせが存在する傾向があります。

このような温度の問題に対処するために、防護服と真空スーツに適切な加熱または冷却装置を装備する必要があります。
このような機器(通常、真空スーツに組み込まれており、防護服に取り付けて使用することも可能です)は、低温または高温と設計された温度の影響に対処します。
極端な温度はさらなる問題を引き起こし、頑丈な機器や複数のバックアップがなければ、大気をinsidiousの分類に追い込む可能性があります。
このような問題に対処するための具体的なアイテムは、装備のセクションを参照してください。
zaza 2022/09/12(Mon) 23:38 No.1420

無題

>この情報は、惑星の環境(情景)を具体的にイメージ(想像)することに役立ちます。
 >というニュアンスでしょう

辞書を引けばよかったです。
visualizeも想像と訳してもよかったのか。申し訳ないです。
意訳(実際は意訳で放ったのですが)しようかとも思ったのですが、
それよりも日本語表現での想像の意味のとらえ方が間違っていて、想像と訳すよりこっちの方がいいような気がして。


shoeは何か言い回しが何かあるのかと調べたのですが、無さそうだったので。short timeかあ、それなら意味が合うなあ。
一応、誤植、スペルミスが見る限り全くなかったので、PDFの読み取りミスだとすると何か所か起こってそうですし。
元の書籍の文章から間違っていたのだと思います。


科学は日々進んでいますし、情報として古すぎたりするのではないかと心配したのですが
(否定されたり、訂正したりはあるものの、古典の中にも動かしがたいものはあるし。ただ全くわからない分野だったので)


化夢宇留仁さんの読書&感想というのをいまさら初めて見つけて、2日くらいずっと拝見していました。
zaza 2022/09/11(Sun) 19:41 No.1419

異種大気の成分あれこれ

zaza様

 面白い文献の紹介、有難うございます。
 遅くなりましたが、異種大気への返信。



No.1414へのレス

 二酸化炭素

>この情報は。非常に惑星を可視化することに役に立ちます。

 この情報は、惑星の環境(情景)を具体的にイメージ(想像)することに役立ちます。
 というニュアンスでしょう。



No.1415へのレス

>硝酸(HNO3)は特定の条件下で生成されることがあり、そのほかの興味深い化合物と同じように、
>低濃度では刺激性を示したり、高濃度では大気を腐食性にする可能性がある。

 文脈的に、かなり「悪者」扱いされている硝酸ですが、窒素肥料としては極めて重要です。
 自然生成される硝酸の大半はバクテリア製ですが、雷で大気中に生成されるものも有りだった筈(2割くらい?)。
 硝酸が存在しない場合、土地の生産能力はかなり低下します。



No.1416へのレス。

> In this respect, such atmospheres are more corrosive in nature, but a human could operate without protection for a shoe time and survive.

 「shoe」の部分は「short」の誤植だったりしませんか?
 文字が潰れて「rt」が「e」に化けているとか?

 拙訳は下記の通り。

 この通り、大気の腐食性はより強くなっており、防護服を着ていない人間であっても、僅かな時間であれば活動して、生き延びることが出来かも知れません。

 Butの後に続く文章がhuman can(現在形)ではなく、human could(過去形)になっているのは不自然なので、推量のcouldだと思われます。

 宇宙服無しで真空へ飛び出して、エアロックを手動で操作して、宇宙船内へ戻る描写のように(2001年宇宙の旅、ボーマン船長)、
 短時間だけ外へ飛び出して、生存に必要な操作(電源スイッチを入れる、酸素ボンベを回収する)が出来るかも知れない、
 ということを説明しているのではないでしょうか。

 毎分2ポイントのダメージならば、頑張って30秒から1分くらいの屋外作業は出来そうです。
 その後に、適切な治療を受けられないと、そのまま死んでしまいそうですが。
 冒険の演出としては「有り」ではないのかな。
山中 2022/09/10(Sat) 17:42 No.1418

腐食性大気

腐食性大気

腐食性大気では、防護服や真空スーツを使用して、着用者を危険から保護する必要があります。
刺激性に分類される大気のいくつかは、実際には穏やかな形態の腐食性大気です。
この2つの主な違いは、その大気がもたらす危険性の程度にあります。
刺激性のある大気は軽い損傷を与えるだけだが、真の腐食性大気は、保護されていない人間を短時間で死に至らしめる。

腐食性大気を持つ世界を作る場合、レフェリーは特定の環境の性質について、追加の詳細を記入することを希望するかもしれません。
次のページにある腐食性大気テーブルは、そのような背景を提供する一つの方法です。
この表は、大気の性質を定義できる結果を示しています。


Corrosive Atmosphere Table (2D)

2 Extreme Low Temperature
3 Very Thin, Low Temperature
4 Very Thin, Moderate Temperature
5 Very Thin, High Temperature
6 Thin/Standard/Dense, Low Temperature
7 Thin/Standard/Dense, Moderate Temperature
8 Thin.Standard.Dense, High Temperature
9 Very Dense, Low Temperature
10 Very Dense, Moderate Temperature
11 Very Dense, High Temperature
12 Extreme High Temperature


圧力の指定 (主に世界の統計に本当らしさを追加するために使用)と温度の説明が与えられます。
低温とは平均して−25℃〜−200℃の間の温度を指します。
適度な温度とは、私たちが知っているように、生命が生存できる温度です。
高温は50℃を超えます。
極端な温度は、温度スケールの上限と下限にあり、発生した問題を補うために追加の機器が必要です。

一般に、腐食性大気の呼称が適用される理由は、大きく分けて二つあります。
これらについては以下に説明します。

一部の腐食性大気は、空気中の腐食性化学物質の濃縮の結果である。
これらのいくつかは、以前にも取り上げられたことがあります。
エキゾチックな大気のセクションでは、より高い濃度で発生すると腐食性とみなされます。
このセクションでは、これらの物質について簡単に説明します。
zaza 2022/09/08(Thu) 21:33 No.1417

エキゾチック大気3 終わり

塩素(Cl2)

エキゾチックな大気でみられる刺激物である塩素は、酸素に代わる可能性のある、生命維持のための気体として考えられることが多い。
塩素は多くの点で酸素と似ており、様々な化学反応において、酸素と同じように反応しやすい。
このため、生命を維持する大気として有力候補となるが、そのような生命は我々の生命と比較すると、かなり異質なものとなるだろう。

緑がかった黄色で、塩素は比較的低濃度でも猛毒であるが、致死量に達するずっと前に臭いで感知される。
また、露出した組織にとってアンモニアよりもはるかに危険であり、頭からつま先までの防護服が必要です。
このような防護服がないと、毎分2ポイント(2戦闘ラウンドに1ポイント)のダメージを受ける。
この点により、このような大気は本質的により腐食性であるが、保護機能のない靴でも、人間は行動し、生存することができます。
[ここ、訳に自信がないので]
― In this respect, such atmospheres are more corrosive in nature, but a human could operate without protection for a shoe time and survive.  ―

大気中に塩素を含む惑星は、神秘的で不気味な環境であり、緑黄色の露が景色を濁った緑色の薄明りの揺らめかせ、物体や形を隠したり歪めたりします。
そのような条件下で進化する生物は、地球上の生命体よりも活動的で精力的であると予想される。
これは塩素の優れた反応性が、酸素で稼働する動力装置よりも、塩素を呼吸する生命体の動力装置がより効率的になる可能性があるからです。


硫黄化合物

様々な硫黄化合物は、非刺激性から腐食性まで、様々な大気で見つけることができます。
これらの化合物は、その他の点で完全に地球のような世界の大気中にも見られ、実際にスモッグの主要な構成要素の一つです。

エキゾチックな大気では、硫黄化合物は、長期間の工業化によって引き起こされた極端な大気汚染の結果の可能性もあります。
大気中のほかの成分には、酸素、窒素、およびその他の完全に正常な気体が含まれる可能性がありますが、空気は全く呼吸できません。
その他のケースで、硫黄化合物は世界の自然の過程による大気の一部として出会う可能性があり、おそらく多くの火山活動がと密接に関連している。

硫黄化合物は、通常の炭素ベースの有機物に代わる良い代替品であろう。
これらは、完全に異質な生命体を生み出すであろう。
zaza 2022/09/07(Wed) 10:33 No.1416

エキゾチック大気その2

窒素 N2

エキゾチックな大気の(通常は)非刺激的成分であるチッソは、おそらく古典的なエキゾチックな種類の典型です。
窒素は比較的不活性であるため、標準的な温度や大気圧の範囲であれば、窒素を含む大気が問題になることはめったにありません。

窒素と酸素が特定の組み合わせで大気中に存在する場合、大気はやや好ましくないものになります。
硝酸(HNO3)は特定の条件下で生成されることがあり、そのほかの興味深い化合物と同じように、低濃度では刺激性を示したり、高濃度では大気を腐食性にする可能性がある。

窒素を含む大気は、ほぼすべてのタイプの世界で想像できます。


メタン(CH4)

エキゾチックな大気の非刺激的成分であるメタンは、地球上の沼地で'湿地ガス'として見られます。
また、「天然ガス」としても知られており、それが地球上で示す性質は、メタンは冒険者にもたらす特別な危険の主な代表です。

メタンが通常の酸素と窒素の大気と混合されると、その結果として生じる組み合わせは、非常に危険なものになる可能性がある。
空気中のメタンの濃度が7%から14%の臨界濃度になると、火花によって爆発し、激しく燃焼する。
メタンの割合が多い大気中に遊離酸素が見つかる可能性はほとんどないが、メタンの世界を訪れる冒険者自身が爆発に適切な条件を自ら作り出してしまう可能性は非常に高いです。
適切に循環できないエアロック、船や居住区、宇宙服の小さな漏れがあると、メタンの濃縮につながり、電気機器(または静電気)によって火花が発生し、壊滅的な爆発や火災につながる可能性がある。
メタンは、地上の湿地帯では悪臭を放つが、通常は無臭、無色のガスであり、手遅れになるまで気づかれず見逃される可能性がある。

メタンは一般に、大きくて冷たい世界の大気の一部として活発に発生する。
メタンガスの一部を構成する水素は、小さくて暖かい地球のような世界では、惑星の初期の段階に失われるのが普通である。
したがって、大気中にメタンを含むほとんどの世界は、一般的な居住可能世界よりも大きく(サイズ8以上)、寒い傾向があります。
高密度、非常に高密度な大気がもっとも一般的です。
ただし、例外もあります。
太陽系のタイタン(サイズ4)は大気中にメタンを含んでいますが、居住可能世界よりもかなり寒いため、防護服が必要です。
zaza 2022/09/04(Sun) 12:01 No.1415

エキゾチック大気

二酸化炭素 CO2

エキゾチックな大気の非刺激性成分であるCO2は、単独で、または様々な組み合わせで一般的に発生します。
ある種の生物が光合成によって二酸化炭素を分解し、空気中に酸素を放出するようになる以前は、地球自体も大気がほとんど二酸化炭素だったのです。
大気中に二酸化炭素が存在する惑星は、地球のような生命体が誕生する非常に初期の段階であるかもしれないし(ほんの数億年以内に大気は完全に変化します)、あるいは、光合成の反応を使わずに太陽光から、あるいは熱、放射能、化学的、またはさらに異常なソースからエネルギーを得て、全く異なる方向に声明を進化させているかもしれない。
大気中に二酸化炭素が存在する世界では、生命が全く発生しない可能性もあります。
二酸化炭素は熱を閉じ込める性質があり、温室効果と知られるプロセスを引き起こすが、これにより惑星の気温は完全な保護具なしで人間が反映できる範囲をはるかに超えて温度が上昇する可能性があります。
この種の大気が(より極端な条件ではなく)エキゾチックと定義されるポイントに存在するためには、世界はおそらく恒星からかなり離れており、おそらくかなり低い大気圧(非常に薄い、または薄い)になります。
そのような世界の水界度の割合もおそらくかなり低く、例えば30%未満でしょう。
これらのすべての要因により、CO2の保温特性にかかわらず、惑星から熱が放射される可能性があります。
この情報は。非常に惑星を可視化することに役に立ちます。
温暖な気温、より大きな水界度など、異国情緒あふれるより熱帯的な条件を持つ惑星にCO2大気が存在すると、惑星は危機に瀕することになる。
温室効果が暴走し、数世紀以内に惑星は地獄のような状態になる可能性がある。

温室効果に関する科学的な研究を背景に、そのような世界を舞台にした冒険を設定することができるレフェリーには、それを有効活用できるでしょう。
50世紀の惑星科学者も、現在と同じように興味を持つでしょう。
zaza 2022/09/03(Sat) 19:50 No.1414

JTAS17号

CPUだけ交換するつもりが、パーツ1個変えるごとにテストするも、エラーが治らず(ほぼないんですが、流石にCPUの初期不良を疑い)。
結局、OSの起動ディスクとPCケース以外は全部変わって、試行錯誤してやっと昨日安定して動くようになりました。
ほぼ2か月くらいかかりっきりだったと思います。

大気の話ですが、Traveller Wikiを見ますと、基本的に大気コードA〜Cは、致死性の等級であり、A < B < Cで、
同じ大気成分でも、一方はA、しかし一方は有毒物質の割合が多いからより致死性が高いのでCとされることもあるようです。

表記のあったJTAS17号のSpecial Supplement 2 Exotic Atmospheresを見てみました。


エキゾチック大気

トラベラーブック(CT?)では、エキゾチックな大気を酸素ボンベは必要だが、防護服は不要とされています。
実際には、以下に具体的な説明の記述にあるように、場合によっては追加の防護服が必要になる場合があります。
基本的な定義では、エキゾチック大気は、かなり一般的な圧力と温度の範囲にある星で見つかることを示しています。
したがって、その世界は、大気以外ではすべて多かれ少なかれ地球に似ています。
エキゾチック大気は、呼吸可能な大気と同じように、レフェリーによって分類されるかもしれない。
あえてこれを行う場合は、下の表を参照してください。

Exotic Atmosphere Table (2D)

Die  Atmosphere
2  Very Thin, Irritant
3  Very Thin
4  Thin,Irritant
5  Thin
6  Standard
7  Standard,Irritant
8  Dense
9  Dense,Irritant
10  Very Dense
11  Verry Dense,Irritant
12  Occasional Corrosive

この表からは主に特色?に役立つデータ(大気の相対圧?を扱うもの)と同じものを生成します。
大気成分の分類に重要な情報も得られます。
薄い、標準などの用語は、その組成ではなく、大気圧を意味します。
刺激性があると示される大気は、エキゾチックな大気と腐食性大気の中間のような境界線上のケースで、
キャラクターが生存したり、健康を保つためには酸素の供給以上のものを必要とする場合があります。

12の出目の時折腐食性は、通常はエキゾチック大気を示しますが、ある条件の時にははるかに危険です。
例としては、窒素の大気で、時折硝酸が祈出するようなものです。
大気そのものは(酸素供給があれば)完全に安全かもしれませんし、軽い腐食性なだけかもしれませんが、それとは別の問題です(ここ自信なしです)。

より一般的なエキゾチック大気のいくつかを以下に示します。
zaza 2022/09/03(Sat) 12:19 No.1413

トラベラーの経済区分について まとめ

18)まとめとして
ルールブックの通商貿易フローチャートを基本にして貿易区分のそれぞれの背景とパターンを考えてみました。
よく考えると不自然な点も多々あったかと思いますが、トラベラーの公式設定等となるべく矛盾のない様に考察して見た次第です。
トラベラーの面白い点の1つに政治や経済や軍事や工学等、今の我々の社会で実用されている論理や仕組みがそのまま規模を恒星間の膨大な物量にして適用されると言う点です。
どんな恒星間国家同士でも著しい優位な特殊設定が存在している訳でもなく、御都合主義の魔法やヒーローの特殊な特典も存在しません。
あるのは人の才覚と力量のみで、帝国の皇帝であろうが辺境の農民であろうがそう大きな違いはありません。
ですので、今は例え無一文いや無一クレジットであっても洞察力と実力とちょっとの幸運があれば恒星間国家であっても当世一代の成功者になる可能性がある訳です。

そしてプレイヤー達も超人的で特殊なチートの能力がある訳でもなく、登場するNPC達もまた同じ様にありふれた生活をしている人々ばかりです。
超能力も設定されてはいますが、使い方も難しく、制限がアレコレと付いているのは御存じの通り。
つまりトラベラーでは超能力者といっても神にも等しい人間ではないのです。
しかも他のTRPGとトラベラーが大きく異なるのはマクロにせよミクロにせよ人類が経験した通りの経済原理からは逃れられない文明社会の中で生活しているという点でしょう。
つまり、超能力を持ったキャラクターも、とんでもない金持ちの大貴族も、宇宙港のスタンドカウンターで生ビールを売っているお姉さんも、街角でバンド活動をして明日のスターを夢見る青年も、変装名人の大泥棒と美人な相棒も、猛者達を率いて宇宙を転戦している暑苦しい傭兵隊長さんも、S型偵察艦を頼みに宇宙を駆け巡る孤独な偵察局員も、海賊船に乗って髑髏の旗の下で帝国海軍の大艦隊と戦っている宇宙海賊頭目も、全ての人々が持っている財産の範囲だけで同じ社会の中で生活しているのです。
ですので、私達が冒険で出会う人達は皆、背景を持って生活をしていて、同じ様に楽しみ、喜び、悲しみ、怒りがあって、それぞれが希望や野心や夢あるいは愛を持っていて、これまで見て来たような様々な社会で生きているごく普通の人々なのです。
味方になる善良で親切な人であっても、敵役として出現する悪役であっても、殺され役として出てきた敵兵でも、一見無関係そうな行き交う通行人NPCであってもです。
決してぽっと出のベニヤ板製のカキワリでもなければ、コンピュータに配置されて無限の時間を同じセリフしか喋らない村人Aではありません。
そうした人々がどういう社会でどう生きているかが、世界を表現している無味乾燥なUWPデータからでもぼんやりと見えてくる、そんなトラベラー宇宙での冒険の一助に今回の考察がなれば嬉しいなあ、と考えております。
大臣 2022/09/01(Thu) 21:25 No.1412

トラベラーの経済区分について 蛇足

17)蛇足的な参考として
今迄の全ての貿易区分の世界はルールブックの通商貿易フローチャートを基準にして考察しています。
しかしその基本とした通商貿易フローチャートとはいったいナニモノなのかと言う点を最後に触れざる得ません。
まず言えるのは、「恒星間貿易の全てが必ずしもこのフローチャートに支配されている訳ではない」ということです。
というのは以前にもこの掲示板で触れた様に恒星間国家での輸送を業とする企業体は小は個人である自由貿易商人から大はコングロマリットであるメガコーポレーションに至るまで様々な形態があり、また輸送に従事していなくても各種規模の商社や事業者が存在している事は明らかです。
巨大なメガコーポレーションが常に通商貿易フローチャートを使っていたらあっと言う間に赤字転落でしょう。
また数十億人が生産と消費をしている高人口世界に於いて、たった1回のダイスの目による貿易品しか存在していない、なんてこともどう考えても不自然です。
つまり、通商貿易フローチャートで提示される貿易品は「自由貿易商人規模の営業拠点を持たない通りすがりの交易者が何のツテもなくても自由に売買できる『余剰品』であること」を示していると考えられます。
そして彼ら通りすがりが使えるツテと言うべきか手助けしてくれるのは金で雇い入れたブローカーや売買の交渉相手たるバイヤー達だけなことが通商貿易フローチャートの構造からも明らかでしょう。
というのは通常ならばその土地で活躍している地元の自社バイヤーなどが契約に必ず影響しているからです。

ですので実際には恒星間国家の貿易品はチャートに示されておらず余剰品にならずに自由貿易商人達には通常は供給されない貿易量が存在しているのはほぼ確実だと思われます。
そしてより大規模な、とはいっても数隻単位の小規模運輸会社以上ですが、は定期航路を就航させることで定期的つまり安定した恒星間輸送をすることで星系同士の商取引を担っているということでしょう。
しかしながらそれではなぜ通商貿易フローチャートを基準にして考察したのかという理由は、取り上げられる貿易品はまさしく余剰品であるが故にその生産している星系での生産品目を表していて、その星系で生産していない製品は貿易品として出現しないことが想定できるからです。
ですので、完全には恒星間国家の内情を網羅できないにせよ、ある程度の生産と消費そして商取引の取り巻く環境が推察できるかと存じます。
大臣 2022/09/01(Thu) 21:22 No.1411

トラベラーの経済区分について(16)共通する貿易品目

16)共通する貿易品目として
各経済区分では敢えて触れませんでしたが、ルールブックの通商貿易フローチャートでは貿易品として情報と珍品があります。
これは全ての貿易区分で得られる可能性があるものです。

情報はその内容から推察すると、つまりは人が社会を形成している上でそれがどんな社会であっても形成される類のもので、しかも他の社会に持って行っても価値があるものです。
もちろん持ち込んだ先の社会で熱狂的に歓迎されるケースもあるでしょうし、反対に嫌悪されて排斥対象になるケースも存在するでしょう。
そしてここで指摘しておきたいのは、生産基盤が工場や農場などの様に大規模な設備を必要としないことと、この情報を作り出すことに必要なのはクリエイティブさつまり創作能力と他で模倣できない独創性であると言う点です。
ですので、原材料などが目に見えて存在する製品ではなく、製造過程で人件費等のコストが発生する性質の製品です。
また一過性に需要がある市場価値でもあり、継続して何十年も一定の需要が保てる商品とは限らず、今は売れても来週には全く売れなくなる可能性がある商品でもあります。

珍品は取り扱いが難しい商品です。
言える事は現品限りで複製品や模造品では価値がないことが特徴と言えます。
内容が「新種の〜」となっている珍品はこれから市場価値がでるか否かを計るパイロット商品を指していると思われますし、「工業製品の原型」も試作品や金型などで工業製品を量産する上で重要なものです。
こうした珍品がどうやって通常の流通している市場に出回るのかその過程の方が気になりますが、ともかくフローチャートとして売買できる商品でもあります。

そしてこの情報と珍品は貿易区分がどうであれ、市場が存在していれば売買されており、他星系での市場価値がある取扱商品として存在している共通の貿易品目であると言えるでしょう。
大臣 2022/08/30(Tue) 18:54 No.1410

トラベラーの経済区分について(15)海洋世界

15)海洋世界
海洋世界の条件はただ1つ。水界度レベルAだけが条件です。
つまりはほぼ惑星表面全てが海水面で巨大な水玉です。
とは言え陸地が全くない訳ではなく、島嶼あるいは大きめの島がある可能性もあります。
水界度90%だと海洋世界になりませんので、ぎりぎり5%程度までの陸地がある状態が含まれるとすれば、例えば地球と同じ規模な規模8だったとして
表面積5%は5.1億km2×5%=2550万km2で5000q四方たるオーストラリア大陸3つ分までの陸地が許容されることになります。
これは小さな群島や島嶼であったり、もう少し大きな島の場合もあるでしょうし、あるいは陸地が全く存在せず、岩塊や潮の満ち引きで水没してしまう程の岩礁ばかりかも知れません。

海洋世界は同時に荒涼世界あるいは高人口世界あるいは低人口世界あるいは非工業世界あるいは富裕世界あるいは真空世界の可能性があります。
既知宙域のUWPデータを見ると真空世界でかつ海洋世界な氷玉の世界は僅かに2つしかないのは御参考程度に致しましょう。
今回は非水海洋世界でかつ海洋世界のケースも存在しますが、ここでは省くことに致しましたことを注記致します。
これも踏まえて、海洋世界でのケースパターンを考えてみましょう。

15)-1.1.人口が集中して存在しているケース
社会インフラを構築するのには人口が集中して都市を構成している方が効率的です。
海洋世界の場合、都市を建設するにも基礎になる陸地が存在しないあるいは微小ですので、都市建設には以下の可能性があるでしょう。

a)海上都市
浅瀬の海底からやサンゴ礁を利用して基礎を作る海上プラットフォームという方法か船舶上に都市を建設するメガフロートという方法です。
他にも人工島として埋め立てる事もあり得ますが、海洋世界の場合はその必要な土砂を惑星の海底から掘り出すか別の惑星からの土砂を輸送する必要があります。
ですのでコストとの勘案になりますが、強度的にも海底からの土砂では強度不足になるので都市建設には適さない様子です。
となれば、前者の2パターンのいずれかが適しているとなるでしょう。
そこで更に分岐させて考えてみましょう。

a)-1.海上プラットフォーム式の海上都市
海洋構造物としては歴史が古く、1938年には実用化していますので、TL5もしくはTL4でも充分に建設可能な技術です。
もっともその最初の構造部材は他の星系から輸送するか海洋上に設けた浮遊した工場船で工作しなくてはなりません。
固定方法も多様で単純に海底にアンカーを設置して固定する方法もあれば強度部材としての脚部(リグ)を海底に打ち込んで基礎とする方法もあります。
このうち、海底深度が500m程度までならば後者の脚部(リグ)での固定式のほうが経済的と考えられています。

a)-2.メガフロート式の海上都市
海上浮遊式の構造物であり構造は船舶と変わらないが海底を利用して固定される点が船舶とは異なります。
基本構造は直方体形状の浮体ブロックを大量に生産し、各ブロックを繋ぎ合わせて大型化した後、海底に設けた杭等に係留する構造です。
各ブロックは主に造船所で建設されて建造現場へ曳航され、海洋上にて接合される一種のユニット工法です。
この方式には以下の様な多くの利点があり、今後の我々人類史にとっても海上空港等、軍事利用も含めた技術的な確立への期待が高まっています。
ただしこの方式はTL8後半あるいはTL9での建設技術の必要があるでしょう。

・水深や地盤に関係なく海域を利用可能である。
・海底と関係なく浮遊しているので耐震性に優れている。
・ユニット工法による工場生産から工期が短い。
・浮遊構造なので移設が可能(将来、必要に応じて固定をはずし曳航移動させることが可能)
・環境への影響が少ない(海流、水質汚染、設置工事に伴う環境への負荷等)
・必要に応じて拡張、形状変更が容易
・内部空間が利用可能(例として駐車場や物資備蓄スペースとして)
・重量物設置が可能(剛強度構造さえもてば追加補強工事が不要)

b)海中都市
1960年代から各国で海底に長期間滞在する海底居住施設での試験が開始されてはいますが、いずれも小規模です。
1970年代に入ると海中居住施設の建設・維持費用が高く、水深100m以下の海底は暗黒で目的とする調査研究の対象が少ななります。
その主たる理由は以下の通りです。
・24時間体制で十分な潜水支援体制が海上になければ、海中居住は維持できないこと
・費用対効果が劣っていること
・海底での高水圧に耐える構造物が難しいこと
・海水による腐食に対する維持管理が困難なこと
今の人類技術でも大規模な海中都市建設は費用対効果以外でも多くの課題を有しています。
SF的な概念や着想は古くからあり、多くの科学者も実現性を予想していましたが、今なお実用化には程遠いのが現状です。
恐らくはTL11以降の技術で大型宇宙船建造技術の流用なのではないでしょうか。
また実現した場合には、海洋の気象条件に影響され難いなどの利点もあり、海上都市とは異なる安全性が確保できることになるでしょう。

15)-1.2.産業構造
どんな都市なのかはともかく、大人口を抱えることが可能な場合、工場を建設して工業化が進む事も可能です。
海洋世界での海底資源等を採掘できれば、それを原材料として工業製品を主たる貿易品目にすることが充分に可能でしょうし、そのまま原材料を未加工(天然資源)あるいは1次加工として精錬(加工品)して輸出するなどのケースもあるでしょう。
また海洋からの海産物魚介類等(天然資源)を貿易品目にするケースもあるでしょう。
特にこの海産物を収穫する場合には集団による漁業となり大型化大規模化が一般的になるでしょう。


15)-2.1.人口が分散して存在しているケース
個々人が海洋上で生活を営むパターンが該当しますが、それでも以下の様な種類が存在することでしょう。
a)船上での生活
各種の船中で生活を行うケースです。
小型の船舶を住居として生活する場合から大型で設備も整った豪華クルーザーでの生活をする場合あるいは潜水艦などで生活する場合など様々でしょう。
b)フローティングハウスでの生活
浮力を利用して陸上に建てる家と同様のものを水上に浮かべるケースです。
そのまま集落を形成することも多くあります。
c)高床式水上家屋での生活
浅瀬に杭をうち、その上に高床式の家屋を建てるものです。前述した海上プラットフォーム式の個人版です。
家同士をつなぎ、また通路を建設することで大規模な集落になることも多くあります。

この人口が分散して存在しているケースでの生活はいわゆる水上生活者ですが、今も中国、ベトナム、フィリピン、カンボジア、マレーシア、ブルネイ等で広く見られます。
またオランダやイギリスなどでもハウスボートで生活する場合もあり、貧困ゆえに水上生活しているケースから一部の特権としての停泊権利を有して豪奢な特注品ハウスボートでの生活をする者まで様々です。
日本でも東京湾や瀬戸内海で1960年代まで水上生活者が存在していました。

水上生活での集落を形成する場合によっては学校や警察機構などを有しているものもあります。
また生活物資の殆どは外部からの行商などでの個人取引で売買しているケースが多いのも特徴となるでしょう。
これは飲料水やガスなどのエネルギーや食料品や生活消耗品類も全てが賄われます。
ですので多少の割高であっても生活維持する上では行商人との取引は消費生活を存続させる必要不可欠な生命線とも言えます。
また電力はそれぞれの単位で発電機で電力供給する必要があり、発電機を持っていない場合は電力での生活もできません。
このケースでの多くの水上生活者は個人規模の漁業による生計を主としており、魚介類を仲買人に売って現金収入を得ています。
恐らくはこの仲買人が卸業者へ売却して、この魚介類が海洋世界の交易品(天然資源のうちの動物(生)が該当)になるのでしょう。
個人規模あるいは小規模ながらも海産物の養殖も営んでいる場合もあり、これもまた天然資源となることでしょう。

15)-2.2.産業構造
先の都市構造を有さない場合の産業構造はいずれも都市構造を有する場合よりもかなり小規模な個人規模あるいは最大でも集落規模の産業までが最大となります。
工業化していたとしても継続した設備投資は難しく、また労働人口も限られることから大型あるいは大量生産の工業製品はできません。
結果的に小規模工場としての生産能力での工業製品の製造となり、必要コストの割合が高くなる傾向になるでしょう。
また、天然資源の採掘や精錬についても同様で小規模生産が主力の産業となります。
漁業も同様で、個人規模の漁獲高に加えて、小型船での単独あるいは少人数での漁業が主力になることから生活拠点を大きく離れた範囲での活動は非常に難しく、限定された範囲での収穫に依存することになります。
つまり、事業規模に加えて活動範囲が制限される産業構造を有しており、不漁の可能性はあっても著しい豊漁の可能性は低いと言えます。
これらの産業構造を高収益性にする手段は効率化も含めて集団化が必須ですが、社会構造として人口が分散を選択している以上、集団化は望めないでしょう。

<トラベラーでの海洋世界の取引>
トラベラーで設定されている海洋世界との交易相手は以下の通りです。
1)海洋世界の生産物が良い市場になり得る相手先
工業、海洋
2)海洋世界が良い市場になる相手先
工業、富裕、海洋

ここで言えるのは、まず海洋世界同士が互いに良い市場であることです。
これは他の世界でも言えることですが、自星系では全く生産能力がない貿易品があり、それを補完して生産をしている場合や生活必需品である場合など様々です。
そうした海洋世界での需要がある貿易品が工業、富裕、海洋のそれぞれの貿易品であるということが推察できます。
大臣 2022/08/29(Mon) 18:21 No.1409

トラベラーの経済区分について(14)真空世界

14)真空世界
真空世界の条件はただ1つ。大気レベル0が唯一の条件です。
似て非なる小惑星世界と異なる点は規模1以上の惑星であるということです。
となると小惑星帯での生活とは異なり、有重力下での生活ができることを意味しています。
また惑星表面で社会が構築されていることを考慮すると、惑星自転による昼夜があり、恒星との関係による季節が存在する事でしょう。
トラベラーでは宇宙船の仕様として大気を有する惑星に侵入する為には非流線型は適しませんが、真空世界ではその限りではありません。
参考までに既知宙域のデータを見ると約1割弱が真空世界で、この1割弱のうち有人の真空世界は2/3あります。
TL1〜3程度の有人の真空世界もありますが、どうやって恒常的な生活ができているのかというのも気になる処ですね。
真空世界の場合、同時に荒涼世界あるいは高人口世界あるいは氷冠世界あるいは低人口世界あるいは非工業世界あるいは海洋世界が存在します。
これも踏まえて、真空世界でのケースパターンを考えてみましょう。

14)-1.人口が集中して存在しているケース
惑星上で都市を建造する場合には惑星表面か地下に建設されることになるでしょう。
真空世界での都市となれば、密閉されて呼吸可能な管理をされた都市になるでしょう。
現在の月面都市計画の様に、大気に守られていない為による隕石の衝突と降り注ぐ放射線による生体への悪影響をどう阻止するかが課題になります。
ですのでその解決策として地下式あるいは半地下式などの都市となるか、あるいは剛構造体で外郭部分を建築した都市構造になるでしょう。
これらは何も都市全体を覆う外郭である必要性はなく、あるいは各建物が必要な構造を満足させていれば良く、拡張や維持補修も含めた都市計画が真空世界の都市では他の世界と比べてより重要性を持っている事が伺えます。
となると、都市計画に基づいていない個人の勝手な建設は容易なことではなく、住居の増改築も含めて相当の困難なことになるでしょう。

14)-1.1.産業構造
貿易品目の多くが天然資源のうち鉱物資源類です。また加工品もこの精錬品です。
また工業製品は全般的ですが、恐らくはこれらの採掘資源を原材料にした工業製品ということでしょう。
つまり真空世界の主たる産業は鉱業であり、特にこの人口が集中している場合には精錬加工と工業品製造を加えた産業構造を有している事が伺えます。
真空世界であるがゆえに、卑金属類であっても酸化しておらず、純度の高い可能性も考えられることから小惑星での鉱業に比べては露頭が少ないとは考えられるが、それでもなお高品位での低コストの鉱物資源採掘が見込まれるのではないかと思われます。
更に小惑星帯での行動に比較してではあるが惑星表面での採掘なので事故リスクは低く、また纏まった鉱脈さえ発見できれば比較的長期間の効率的な採掘が可能ではないかと思われます。
これらの鉱業的な要素も踏まえて、人口が集中している場合には、より労働人口を集中して投入する事が可能であるので、効率的かつ安全性を高めた生産活動としての採掘、精錬、工業製品加工が可能であると考えられるでしょう。

真空世界での都市で生活する場合、呼吸する大気にもコストが掛かっていますが、その社会構造によっては課税などコストを徴収される場合もあるでしょう。
あるいはそれら呼吸も含んで色々なインフラ使用込みでの費用徴収など一纏めでの課税など様々でしょうし、あるいは社会構造として無課税で、社会構造が良いことをアピールするなどの狙いもある場合もあるでしょう。
ここで指摘しておきたいのは普通に呼吸することができない社会であり、どうコスト計上するのかもその政体の考え方によるということです。
また大気を汚染する行為は都市の生態系に大きな負担を生じますので喫煙などは厳しい姿勢になることでしょうし、家具や衣料品も含めて構造材や生活消費材として、可燃物は火事を引き起こすことを懸念してあるいは一切違法かも知れません。
所有するには高額な関税を必要とする場合もあるでしょう。
ですので、入国しようとした船乗りが綿の安物シャツを着ていて、高額な課税請求があるとか違法品持ち込みとして逮捕拘禁される可能性すらあります。

また真空世界であっても生態系を都市内部に設けていれば、必要な植物育成プラントや牧畜業なども可能です。
他星系からの輸入コストと比較して多少の割高であっても内需向けの食料確保も可能なケースが存在するでしょう。
それでも農業世界よりは割高でしょうけど。
ここで指摘しておきたいのは、真空世界かつ非農業世界です。
非農業世界は「合成食糧の生産に力が注がれている」世界を意味していました。
つまりこの場合にはその真空世界では食糧を天然の動植物を育成する仕組みをほぼ持っておらず、食糧生産を合成食糧で賄っていることが伺えます。
となれば、他の非農業世界よりも更に深刻に天然の動植物での食糧は極端な高級品で取引されている事もあるでしょうし、天然由来の食料品を食習慣として持っていない可能性もあり得ます。

14)-2.人口が分散して存在しているケース
何らかの理由によって集中して都市建設ができないケースがこれに該当します。
つまり経済的なコスト節約などのメリットよりも優先させる何かの理由があることを示唆しています。
そしてその意味する処は前項のs人口が集中したケースと決定的に異なる点として、産業が大規模に行なえないことです。
加えて、それぞれの生活環境を個別にそれぞれの規模で保有して維持管理する必要があり、決して経済的とは言えません。
更に個別ゆえに事故発生リスクも高く、真空世界であるがゆえの窒息や酸素欠乏等の重大事故に直結する可能性があります。
そうした危険性を充分に承知していてもなお、都市が建設できない程に深刻な理由が存在していることが伺えます。

14)-2.1.産業構造
産業的にも大規模化ができないので、鉱物資源類をそのまま小規模で採掘しているか、小規模な加工品のみをしていることになるでしょう。
また、この分散したケースでは前項と異なり、生活必需品や食糧などの生産は規模が不足しているが故に不可能ですので、そうした一切を外部からの供給に頼るほかありません。
つまり、このケースでは産業が限定されて、鉱物資源類の採掘が産業の主流になっていることが伺えます。

<トラベラーでの真空世界の取引>
トラベラーで設定されている真空世界との交易相手は以下の通りです。
1)真空世界の生産物が良い市場になり得る相手先
小惑星、工業、真空
2)真空世界が良い市場になる相手先
小惑星、工業、非農業、真空

まず言える事は、真空世界では真空世界同士あるいは似た環境である小惑星世界の生産した貿易品が相互に良い取引である点です。
これはその真空世界では生産していないあるいは不得意な生産である貿易品の需要がある事を意味しているのでしょう。
また非農業世界で生産されている合成食料も真空世界の需要があることを意味していると考えられます。
大臣 2022/08/28(Sun) 12:34 No.1408

トラベラーの経済区分について(13)富裕世界

13)富裕世界
大気レベル6ないし8かつ人口レベル6〜8かつ政治形態4〜9の世界が該当します。
ただしアスラン人の富裕世界は政治形態は無関係、ヴァルグル人の富裕世界は7を除きます。
この富裕世界の区分だけが唯一の政治形態が問われる貿易区分というのが最大の特徴とも言えるでしょう。
言い換えると社会構造として、分散し過ぎる(政治形態0〜3)のでもなく集中し過ぎる(政治形態10以上)でもない適度に政治的な安定を有する社会がこの貿易区分に該当します。
富裕世界も貧困世界と同様に高所得な世界を意味していません。英語のWealthでしょうから、他の意味は「豊富」ですので、富裕世界の意味しているのは「生産が豊富で貿易品目が多い」貿易区分であると考えます。
富裕世界は同時に農業世界あるいは砂漠世界あるいは非工業世界あるいは海洋世界の可能性があります。

これも踏まえて、富裕世界でのケースパターンを考えてみましょう。
13)-1.共通すること
一転して貧困世界とは異なり、人口レベルが極端に少なくもなく多くもないことが富裕世界の条件の1つです。
また大気レベルも限定して標準か濃厚以外にはなく、政治的に安定している条件も必須です。
これらから言えるのは、生産基盤も安定していて、社会的にも安定した住み心地の良い星系であると言えるでしょう。
農業世界にもなり得る条件ですので動植物の自生する環境でもあり、豊富な生態系を有している場合もあるでしょう。
水界度の縛りがないので砂漠世界や海洋世界である可能性もありますが、これらの場合ではあっても生態系として人工的な生活環境を作るより他に選択肢がない区分より遥かに居住に適した環境であると言えるでしょう。

13)-2.人口が集中しているケース
他の貿易区分でもある通り、都市を形成してインフラを集中したり産業を集中することによって効率を高めるケースです。
「生産が豊富で貿易品目が多い」ことからも生産効率が高いこのケースが一般的なのかも知れません。

13)-3.人口が分散しているケース
他の貿易区分では人口が分散しているケースは経済的な有利さを捨ててまで都市を形成しない理由が必要だと申し上げましたが、富裕世界での人口が分散しているケースはこの経済的有利さとの比較ばかりとか限りません。
その鍵になるのは豊富な生態系あるいは快適な生活環境などを有している場合、ある程度の生活さえできれば都市部の利便性や生産性ではなく生活しやすさを追求した結果としての分散があり得ます。
つまりは田園的な生活環境を求めた結果としての人口分散です。
この場合に限っては都市部を形成する低コスト化ではなく、分散していても比較的低コスト化が可能である適した生態系を持つ富裕世界特有の条件だと考えられます。

<トラベラーでの富裕世界の取引>
トラベラーで設定されている富裕世界との交易相手は以下の通りです。
1)富裕世界の生産物が良い市場になり得る相手先
農業、小惑星、高人口、工業、低人口、富裕、海洋

2)富裕世界が良い市場になる相手先
農業、砂漠、高人口、工業、非農業、富裕

まず言えるのは、富裕世界の貿易品は豊富な品目であるが故に良い市場になる相手もまた多いことです。
富裕世界同士は得意不得意が生じた結果として相互に良い取引相手になることでしょうし、同様に需要がある品目を生産している結果、富裕世界の貿易品が良い取引になる相手が多いことが伺えます。
大臣 2022/08/27(Sat) 18:22 No.1407

トラベラーの経済区分について(12)貧困世界

12)貧困世界
大気レベル2〜5かつ水界度3以下の世界が該当します。
ルールブックの記載には「貿易品目はあまり生産されません」とあります。
まず指摘しておきたいのは、貧困世界とは「所得が低いこと」を指している訳ではないと言う点です。
恐らく英語のpovertyを直訳した結果だと思いますが、この単語の他の意味には「貧弱、劣悪、欠乏、不足」がありますので、こちらのニュアンスのほうが正しいのではないかと考えられるのではないでしょうか。
つまり、貧困世界が意味しているのは「生産が貧弱で貿易品があまりない」貿易区分であると考えます。
貧困世界は同時に砂漠世界あるいは非水海洋世界あるいは高人口世界あるいは工業世界あるいは低人口世界あるいは非農業世界あるいは非工業世界の可能性があります。
これも踏まえて、貧困世界でのケースパターンを考えてみましょう。

12)-1.共通すること
貿易フローチャートは自由貿易商人などが取り扱う貨物量を表現していることから星系全体の生産能力を必ずしも示していないことが考えられますが、貿易区分としては貧困世界は「生産能力が低い」ことを表現していると考えられます。
基本的には産業としては人口、特に労働人口が大きければ生産能力が高く、技術力、トラベラーで言う処のTLが高いほど工業化が進み生産能力が高いのが一般的です。
そして貿易フローチャートも例えば船荷表で軸になるのは人口レベルであることからも明らかです。
が、貧困世界の条件は大気レベル2〜5かつ水界度3以下の世界ですので、人口は全く関係ありません。
ここで考えるべきは基本に戻ってルールブックにある「貿易品目はあまり生産されません」でしょう。
つまり、貧困世界は貿易品目が数多くないということがまず言えるのでしょう。
そして、区分の条件になる大気レベルが希薄以下で、水界度が低いことを無理やり考慮すると生産性が低く、星系としての全体の生産能力が小さいということなのではないでしょうか。

12)-2.一般的な貧困世界
人口レベル8以下たる高人口世界ではない貧困世界がこのケースに該当します。
つまり労働力が豊富でもなく、生産品目も少なく、生産能力が低い為に生産量が少ない状態です。
ですので恒星間貿易による外貨獲得よりも内部での生産による自給たる地産地消が基本的な構造で、恒星間貿易による物資供給はあったら便利だけどなくても困らない、という程度になるかも知れません。

12)-3.工業世界でもある貧困世界
貧困世界は人口レベルに影響されないがゆえに、既知宙域では貧困世界かつ高人口世界かつ工業世界というケースが存在します。
既知宙域では実に404星系、高人口世界の13.5%にも相当しています。
皆さんが最初に冒険の舞台としているスピンワードマーチ宙域でも帝国領内に幾つもこのケースが存在しています。
実はこの状態は貧困世界よりも周辺のそれ以外の貿易区分の世界で深刻な事態になります。
というのは、恒星間貿易ではより近くの工業世界相手にどう売り込むかで外貨獲得が決まるのに、なんと格好の取引相手の工業世界が同時に貧困世界であるが故に恒星間貿易の取引に乗り気ではない事を示していると言えるでしょう。
ですが多くの場合にはその次に近い工業世界があるので、非貧困世界な工業世界を主軸にした恒星間貿易が成り立つことになるでしょう。
つまり、貧困世界で工業世界かつ高人口世界というのは一般的な工業世界とは異なり、積極的に他の星系に貿易品を売り込む構造ではなく、総じて消費市場としての生産と消費が為されている星系であると推察します。

<トラベラーでの貧困世界の取引>
トラベラーで設定されている貧困世界との交易相手は以下の通りです。
1)貧困世界の生産物が良い市場になり得る相手先
なし
2)貧困世界が良い市場になる相手先
工業

まず言えるのは、工業世界の製品はどこの貿易区分であっても歓迎されますので、貧困世界においても良い取引相手になることを示しています。
がしかし、工業世界が取引相手での貧困世界の貿易品は良い取引相手にならないと言うことです。
これは希有なケースで、どう解釈して良いものか難しいですが、まず他の貿易区分と異なるのは「貿易品があまりない」と言う点に焦点を当てましょう。
つまり貧困世界で生産している貿易品は、品目もさることながら生産量も少ないと言う事です。
そうなると、商圏の中心たる工業世界と取引をしている他の星系と比較して、競争原理が働いた結果、少量でしかも代替がきく貿易品では優位性が働きません。
となると、その貿易品が不足した場合に限ってのみ需要がある状況になり、市場では優遇されない取引相手としての位置付けになってしまっていることが推察できます。
つまり貧困世界が常態的に取引をし続けるだけの相手は貧困世界自身の生産構造によって困難になっていることが伺えます。
大臣 2022/08/25(Thu) 22:01 No.1406

トラベラーの経済区分について(11)非工業世界

11)非工業世界
人口レベル6以下の世界が該当します。
非工業世界の貿易品を他の非工業世界で売ることは困難というのがルールブックの記載にありますので、恐らくは非工業世界同士は似たような貿易品であって、需要が無い為であることが伺えます。
非工業世界は同時に農業世界あるいは小惑星世界あるいは砂漠世界あるいは非水海洋世界あるいは氷冠世界あるいは低人口世界あるいは非農業世界あるいは貧困世界あるいは富裕世界あるいは真空世界あるいは海洋世界の可能性があります。
参考までに既知宙域での貿易区分で最も多い区分が非工業世界で、全星系数比で72.2%と約3/4に迫る最頻度の貿易区分です。
これも踏まえて、非工業世界でのケースパターンを考えてみましょう。

11)-1.共通すること
非工業世界は人口が少ない為に工業化できないことを示していると考えられます。
条件は人口レベル6以下ですので数百万人規模の世界が全て該当します。
非工業世界は通商貿易フローチャートでも特にこの貿易区分用としての表が設けられている程です。
その内訳はというと、天然資源(11〜66)が大半で、加工品と工業製品が貿易品目になり得ます。
つまり非工業世界は全く工業が存在していない訳ではなく、産業としての中心が天然資源である、ということが伺えます。
では、他の貿易区分と何が違うのかと言うと、加工品や工業製品つまりひと手間加えて付加価値を上げることができないことを意味しています。
それは人口が少ないことに起因する労働人口の少なさにも拠るでしょう。

11)-2.発展する可能性が大きいケース
非工業世界でも人口が増加して例えば工業化に成功したり高人口化する可能性があります。
そうなる兆候があるだけでも外部からの投資や移住が進行して発展することが見込めます。
その発展する要素は様々で、中には希望的観測に基づいたあやふやな期待感から発展するケースもあるでしょうし、
人為的に企業や恒星間国家あるいは星系政府が投資等をして発展するケースもあるでしょう。
その発展ペースも様々で、急ピッチで発展するケースから、段階的に発展していくケースまで様々でしょう。

11)-3.発展する可能性が小さいケース
こちらは衰退してしまう可能性があるケースです。
今は人口レベル6や5かも知れませんが、星系からの移住が進み人口がどんどん減ってしまうと、人口レベル3以下の低人口世界にまで至る可能性があります。
低人口世界で申し上げた限界星系のケースがこれに相当します。
そうなると産業も衰退してしまい、更に星系を去る人が増加してしまうことでしょう。
その結果として労働機会を失う労働人口ほど生活を維持する為に移住してしまい、低人口世界で触れた限界星系の原型が形成されることになります。
一度こうした消極的な移住が進むと喰い止めることはかなり困難です。
その星系で生活するだけの経済的な状況を構築できなくなりますし、なによりも生活に必要な物資に枯渇する可能性が生じ始めると
実際に困らなくてもそれだけで移住を決心する場合が出てくることになるでしょう。
つまりそうした状況下では星系政府が人口流出を喰い止める施策をしても効果が見込めない可能性があり、そうした兆候に至る遥か手前で打てる対策を施す必要があると言えるでしょう。
ですので、星系内の産業振興や教育やインフラ整備や外部からの投資誘致などその星系に合致した適切な内容と規模の対策が必要となります。

<トラベラーでの非工業世界の取引>
トラベラーで設定されている非工業世界との交易相手は以下の通りです。
1)非工業世界の生産物が良い市場になり得る相手先
工業

2)非工業世界が良い市場になる相手先
工業

ここでまず言えるのは工業世界相手の取引は全ての貿易区分で良い取引相手になりますので、なにも非工業世界に限らないと言う点です。
つまりは非工業世界相手に良い取引ができるのは工業世界以外では存在しない、とも言えます。
そして工業世界の項で触れた様に、工業世界は恒星間国家では大きな商圏の核として存在していますので、恒星間貿易ではあらゆる貿易品が取引される相手です。
前述した通り、既知宙域の約3/4が非工業世界であることから、工業世界と非工業世界での取引が恒星間貿易の主軸であると言っても決して過言ではないでしょう。
そして、非工業世界以外の全ての貿易区分と非工業世界の間では歓迎される取引に成り得ない、ということを示していると考えられます。
酷い表現にはなってしまいますが、非工業世界は魅力に欠けた取引相手であると言えます。が恒星間国家にとっては最も大きな星系数を占めている区分でもあります。
ですので、何らかの対策をして、特色がある産業を持つ星系へと転化できるか否かが発展するかしないかのカギになるということだと考えられます。
大臣 2022/08/24(Wed) 20:44 No.1405

トラベラーの経済区分について(10)非農業世界

10)非農業世界
大気レベル3以下かつ水界度3以下かつ人口レベル6以上の世界が該当します。
ルールブックの記載には「合成食糧の生産に力が注がれている」とあります。
つまりは星系の生態系として動物および植物の自生が適していない、にも関わらずそれなりに人口を抱えている星系ということでしょう。
言い換えれば少ない動植物の量に対して、人口が比較的多く、結果的に食糧自給率が著しく低いというのが非農業世界になると考えられます。
非農業世界は同時に高人口世界あるいは氷冠世界あるいは工業世界あるいは非工業世界あるいは貧困世界の可能性があります。
これも踏まえて、非農業世界でのケースパターンを考えてみましょう。

10)-1.共通すること
まずルールブック記載の「合成食糧の生産に力が注がれている」というのが共通する点です。
食糧自給率が低いことがUWPからも推察できるとなれば、その不足分を工業的に合成して補っているということでしょう。
そしてただでさえ少ない動植物による食糧自給はこうした結果としてコストが他の星系のケースよりも著しく高騰化してしまい、
高級品化あるいは採算が取れなくなってしまい廃業せざる得ない方向になりやすく、最終的には全ての供給できる食料品が合成食料品のみとなる可能性があります。
合成食糧はパッケージ化された流動食や固形栄養食の様な形態あるいは錠剤やカプセルなど形状は様々でしょう。
原材料もクロレラの様な植物由来の工場生産品から栄養素を工場で加工した製品あるいは点滴状にして体内に入れる製品まで様々でしょう。
実際に昆虫食やミドリムシなどからの食糧供給が現時点の我々のテクノロジーでも実用化寸前あるいは既に市場に出回っています。
また栄養素とは別に満腹感をもたらす薬剤などを併用するケースなどもあるかも知れません。

ここで強調しておきたいのはトラベラー世界と言えども恒星間旅行は限られた職業や一部の市民しか利用しないものです。
総人口比で言えば、0.00107%が恒星間旅客の割合になります。(職業として恒星間旅行をする人数を除く)
つまり、10万人に1人程度の割合が1年に1回旅客者として恒星間宇宙船の旅をしていて、残りの殆どは恒星間旅客は縁遠い存在です。
ですので、その居住している星系の生活が全てであり、他の星系の生活様式には接する機会が殆どないということが言えます。
となると、合成食糧しか接したことがない非農業世界で生活している殆どの人々は「農産物として動植物や魚介類が存在していることは情報として知っているが食べた事はない」という社会になる可能性があると言えるでしょう。

10)-2.合成食糧と天然食糧を混合して生産しているケース
星系内の人口を飢えずに食べさせる為に、天然資源を材料にしている場合と並行して合成食糧で補っているケースが該当します。
コスト的には天然資源を生産するのは非農業世界では困難であり、
特に動植物を育成するのに使用される水資源、一般的には仮想水と言いますがこれらの水資源の供給が難しい場合が背景に存在するでしょう。
結果として、天然資源を材料にした食料品は消費市場の需要と比較して供給量も少なく、コストも膨大になる為に高額になります。
しかし、全く接したことがない訳ではないので、食べる機会もありますし、ひょっとしたら天然由来の食料品を食べること自体がステータスになっているかも知れません。
あるいは反転して一種の奇食として扱われてしまっているかも知れません。

10)-3.合成食糧のみ生産しているケース
星系内で天然資源からの食糧供給はされず、完全に合成食糧のみで生活しているケースが該当します。
調理器具も合成食糧に応じたものしか存在しませんし、調味料すら必要としないかも知れません。
個人の生活として台所は存在しないでしょうし、数多くの食器類も需要がありません。
このケースの非農業世界が他の貿易区分世界と大きく違っているのは食習慣でしょう。
ですので外の星系から訪れた恒星間旅行者や貿易従事者は違和感を感じることになるかも知れません。
発達した非農業世界では食生活や食嗜好に起因して健康管理が発達するかも知れません。
塩分や糖分の過剰摂取ができない様になっているとか、過食による肥満やアルコール摂取などの制限があるなど色々と他の星系とは異なる社会が形成されている可能性があります。
また外食産業も他星系とは大きく異なり、高級レストランに招待されても提供されるメニューは合成食糧のみです。
このケースでは天然資源の食料品を食べる食習慣が存在しない事を意味しています。
ですので、このケースの非農業世界で天然資源由来の例えばハンバーガーを食べていたら奇妙なモノを食べていると珍しがられるか
あるいは非衛生なゲテモノ喰いとして激しく嫌悪されるかも知れないのです。
つまり、このケースの非農業世界に天然資源由来の食料品、例えば穀物や野菜や果物、肉や魚や卵などを持ち込んでも全く需要がない可能性が高いことになるでしょう。

<トラベラーでの非農業世界の取引>
トラベラーで設定されている非農業世界との交易相手は以下の通りです。
1)非農業世界の生産物が良い市場になり得る相手先
非農、小惑星、砂漠、真空

2)非農業世界が良い市場になる相手先
なし

まず指摘しておきたいのは合成食糧のみで生活している非農業世界の項から言えることですが、農業世界で生産される貿易品は非農業世界は必ずしも良い市場になり得ない点です。
一見すると生産していないのだから需要があると思えるのですが、食習慣がないので全く需要がないということを示していると考えられます。
ですので、他の非農業世界で生産している合成食料は非農業世界同士での需要があるので良い市場になりますし、同様に需要に合致した製品を貿易品にしている場合であれば非農業世界では需要がある取引となりえるでしょう。
大臣 2022/08/23(Tue) 19:20 No.1404

トラベラーの経済区分について(9)低人口世界

9)低人口世界
人口レベル3以下の世界が該当します。
つまり星系には1万人未満すなわち最大でも数千人規模の人口なのが低人口世界です。
またルールブックの記載には「自活している事がめったにない」とあります。
考えるべきはその少ないながらの年齢別の人口分布です。
もし少子高齢化が進み、人口比率の50%以上が65歳以上を占める場合にはその星系は限界集落ならぬ「限界星系」と言えます。
社会を維持する為の共同生活すら困難で、既に構築している社会インフラの維持管理も困難さが日増しに深刻になる可能性が高いことが伺えます。
もし3割が20歳未満の若年層で、3割が60代以上の高齢層、残りの4割が20代から60代までの労働人口であれば継続して維持できる、あるいは発展の可能性がある星系と言えます。
低人口世界は同時に小惑星世界あるいは砂漠世界あるいは非水海洋世界あるいは氷冠世界あるいは非工業世界あるいは貧困世界あるいは真空世界あるいは海洋世界の可能性があります。
また低人口世界は人口レベルによって決定している事から、同時に必ず非工業世界でもあります。

これも踏まえて、低人口世界でのケースパターンを考えてみましょう。
9)-1.共通していること
ひとくちに低人口世界と言っても全く性質の異なる場合があると言えます。
今後徐々に人口が減るであろう限界星系のケースと今後徐々に人口が増える可能性を持つケースのどちらも現時点での人口で「1万人未満」であれば低人口世界となります。
ですので、分割しての議論検討が必要になりますのでこの部分は後述するとしても、共通して言える点を触れておくことにしましょう。
まずルールブックにある「自活している事がめったにない」という記述です。
これは低人口世界には自活できるだけの産業がなく、他星系との貿易で生活必需品や消費財を賄っている事を意味しています。
簡単なところから言えば、食糧にしても自給率が100%ではないことを示しており、飢餓状態に陥らない為には他星系からの食糧供給は必須です。
他にも日用品の消費財も低人口世界での生産だけでは需要ができず、必然的に生活を維持する為に他星系からの購入が必要になる訳です。
が、全て持ち出しでは低人口世界の経済が破綻してしまいますので、有する産業に応じた取引があって外貨を獲得していると考えられます。
貿易品としては低人口世界はその他の区分ですので、天然資源と加工品と一部の工業製品が貿易品のラインナップになりますが、低人口世界としての労働力不足がどのパターンであっても付いて廻る問題になることでしょう。

9)-2.人口が集中している限界星系
人口比率の50%以上が65歳以上を占めていて、尚且つ人口が纏まって生活しているケースがこれに該当します。
もともとは都市部として生産や消費活動が盛んだったのに、他星系への移住や少子高齢化が進んだ結果として、このケースに陥ったパターンです。
つまり以前のもっと大人口だった頃のインフラは残したままで運用ができなくなった状況ですので、何らかの理由で人口が増加に好転すれば低人口世界としての労働人口不足を容易に脱却できる可能性を持っています。
しかし低人口化に陥った要因は恐らく様々で、簡単に解決できる類の問題ではないことでしょう。

9)-3.人口が分散している限界星系
このケースは前項と同様、人口比率の50%以上が65歳以上を占めていますが、人口が集中しておらず、星系の各地に点在しているケースが該当します。
もともと分散して生活していた場合もあるでしょうし、もとは集中していたのにそれぞれの判断で分散した場合もあるでしょう。
ここで言えるのは自給自足をしている部分もあるにせよ、「自活している事がめったにない」ことからもそれぞれの生活している拠点を廻る行商人の類が存在しており、その取引によって生活が成り立っているという状況が伺えます。
また前項と異なるのは、ただでさえ少ない労働人口を分散しているが故に、家内制手工業レベルの規模でしか産業が営めず、外貨獲得手段が著しく限定されてしまう点が大きく違います。
そうした結果として更なる人口流出を加速させてしまう可能性も有しており、そうなると行商人の商売も成り立たず、将来的には放棄されてしまい荒涼世界へと至る可能性を有しているのがこのケースでもあります。

9)-4.人口が集中している低人口星系
こちらは人口比率の50%以上が65歳以上を占めていないケースです。
おおよそ高齢層たる65歳以上が3割、学業層な18歳以下が3割、労働人口が4割というあたりの年齢別人口構成になります。
前の限界星系と異なるのは過去の産物たる放棄されたインフラや生産設備もなく、これからの投資を必要とする状態です。
そうした投資の集中、あるいは労働人口の集中を効率的に行なう為に、人口が集中していた方が効率的なのは明白です。
ですので、今は1万人以下の低人口世界であっても今後の動向次第では成長する萌芽を孕んでいるのがこのケースであるとも言えます。
もちろん産業の育成や社会の発展に失敗して現状維持あるいは衰退に至る可能性もありますが、産業を発展させるあるいは新規事業を展開する可能性を有している場合も多く、また競争相手も少ないことから早期投資をして開発着手を検討する企業や有力者が存在するかも知れません。
また、恒星間国家にしても全くの無人地帯を入植開拓するよりも低人口世界としての試行がある方が失敗する可能性が低いので、積極的に移民政策を誘致する可能性があるのもこのケースです。
つまり、遠い未来の高人口世界の卵である可能性を有していると言えるでしょう。

9)-5.人口が分散している低人口星系
前項同様、人口比率の50%以上が65歳以上を占めていないケースですが、前項と異なるのは都市部を形成せず、人口が分散しているケースがこれに該当します。
年齢別人口構成も前項同様ではありますが、このケースでは少ない労働人口を集中することができません。
ですので、重工業は育成されず、小規模な産業が可能な限りの労働人口で継続されます。
家族単位での産業をして、若年層や高齢層までも労働力として従事させるより他にない可能性もあり得ます。
こうした人口が分散している理由は恐らく様々で、社会的な問題が起因している場合や心因的な要素を有しているなど、社会効率よりも優先させるべき何かが理由であり、容易に解消されることがないでしょう。
そうした問題点は外部からの投資を検討する際には否定的な要素となり、結果的には経済的にも社会的にも発展し難いことになり易く、前項と同じ構造であっても、発展しないあるいは徐々に衰退する可能性があると言えるでしょう。

<トラベラーでの低人口世界の取引>
トラベラーで設定されている低人口世界との交易相手は以下の通りです。
1)低人口世界の生産物が良い市場になり得る相手先
工業、富裕

2)低人口世界が良い市場になる相手先
高人口、農業

まず言える事は低人口世界とは生産にせよ消費にせよとても小さな市場であるということです。
帝国で言えばXボート網に組み込まれている低人口世界も皆無ではありませんが、貨物の多くはただ通過するだけで
低人口世界で取引がされる訳ではありませんので低人口世界の経済には影響しません。せいぜい貨物船の補給がされる程度です。
更に深刻なのはXボート網から外れた低人口世界の場合です。
小さい市場であることから大手の物流を担う大規模恒星間輸送会社では取り扱うには利益が出にくいので定期的な運航がされ難いことでしょう。
ですので、この様な場合にはより小規模な恒星間輸送会社や自由貿易商人が介在する取引が低人口世界を維持する上での重要な生命線になることでしょう。
また、将来的に成長する可能性がある低人口世界であれば、早期に市場を独占あるいは寡占してしまい、継続的な投資をしてしまおうという企業やメガコーポレーションが着目する可能性もあります。
そうした場合には定期的な運航を開始したりするケースも発生して、より発展が加速されることになるでしょう。
つまり低人口世界と言っても発展する可能性の有無で大きく取り扱いが違うことになるでしょう。

低人口世界で生産される貿易品の中でも工業世界は原材料や一次加工品であれば需要があるでしょうから良い取引相手になり得ます。
富裕世界が低人口世界の生産する貿易品を重用する理由は難しいかと思われますが、一般的に言えば富裕世界で生産していない貿易品であることが必要になると思われます。
また農業世界と高人口世界で生産された貿易品は低人口世界で生産していて満足な供給がされていなければ低人口世界での需要があることでしょう。
大臣 2022/08/22(Mon) 18:25 No.1403

Re:氷冠世界と猛毒性大気

山中教授

>「液状の水が固体になっている(凍った状態にある)」例外を説明しているだけだ、と認識していたのですが、
ええ、その様な解釈も当然ありだと思います。
本職が申し上げたいのは、星の数ほどもある解釈の1例としてのサンプルですので、合理性があるとか、利便性がある幾つかの理由さえあれば良いのです。
それがどんなに特殊で他の星系では当て嵌まらなくても、魔法の如き御都合主義でさえなければよろしいかと存じます。

猛毒性大気他、について
>なので、ツッコミは厳禁なのでしょうね。
ええ、学術的なテイストさえあれば良い程度だと思われます。
それに呼気による毒なのか、皮膚からの浸透によるのか、はたまた別の細菌性なのか等々バリエーションは幾つもあるかと存じます。
つまり大気レベルA以上は傾向を示しているだけで、こういう大気である、という設定はそれこそ無数に存在すると思いますよ。

>ハード・タイムズのUWP変更ルールでも「無法戦争の結果、大気レベルがCに変わった世界(人口/政治/治安は自動的に0へ変更)」が登場していました。
ええ、手元にハードタイムスはそれこそ失われてしまいましたので、残念ながら確認できませんでしたが、その手の記述があった事はセンセーショナルに記憶しております。
つまり何らかの兵器を使用した為に毒性のある大気になってしまい、その星系の社会は死滅した、ということを示しているのでしょう。
この辺りの解釈は開始時から結果こうなったよりもその過程で何があったか、が設定としてはそれぞれの星系で必要でしょうね。
大臣 2022/08/22(Mon) 18:20 No.1402

氷冠世界と猛毒性大気

大臣様

 時間が無い為、細切れなレスで申し訳ない。

 トラベラーの基本ルールで「水界度=液状の水が世界表面を覆っている比率」と定義されているにも関わらず、
 「液状の水が固体になっている(凍った状態にある)」例外を説明しているだけだ、と認識していたのですが、
 貿易品目種類表からは、意外な情報が読み取れるのですね。
 貴重な御指摘、有難うございました。



猛毒性大気の説明

 諸般の事情で、参照できる資料が英文のルールブックしかないのですが、
 腐食性大気に良く似ている、との記述があります。

 英語版レフリーズ・マニュアル、p.21より転載。
>Insidious Atmosphere: The atmosphere is similar to a corrosive atmosphere,
>but extreme conditions cause the corrosive effects to defeat any protective measures in 2 to 12 hours.

 まぁ、この猛毒性大気(大気レベルC)は、色々と便利に使われているようで、
 SF作品に良く登場する、非現実的な(何でも溶かしてしまう)大気や雨を演出する為のものだと思います。
 なので、ツッコミは厳禁なのでしょうね。

 ちなみに、ハード・タイムズのUWP変更ルールでも「無法戦争の結果、大気レベルがCに変わった世界(人口/政治/治安は自動的に0へ変更)」が登場していました。
山中 2022/08/21(Sun) 17:38 No.1401

トラベラーの経済区分について(8)工業世界

8)工業世界
大気レベルが2〜4、あるいは7、または9と汚染していて、なおかつ人口レベルが9以上の世界が該当します。
つまり生産工場による公害が積み重なって大気汚染していて労働人口が多い世界なのでしょう。
人口が多いだけで条件を満たす高人口世界とは異なり、貿易品として工業製品が主なものになります。
工業世界は必ず高人口世界です。
言い換えると既知宙域のデータを見る限りは高人口世界であれば、なおかつ工業世界でもある星系は高人口星系の5割近くになります。、
ということは残りの高人口世界はは公害による大気汚染を免れたか対処し得た工業世界ではない世界の可能性もありますが、まあその辺りの環境問題は置くとして。
工業世界は同時に必ず高人口世界ですが、同時に砂漠世界あるいは非農業世界あるいは貧困世界である可能性があります。

ひとくちに工業と言ってもその内訳は様々です。
天然資源(11〜36)を精錬して加工する金属工業、消費財、生産用に限らずあらゆる機械類および部品類を生産する機械工業、これには一般機械、電気機械、輸送機械、精密機械が含まれます。
天然資源(11〜36)を原材料にして化学反応を利用して得たものを薬品やプラスチック類など化合物などの製品にする化学工業
これら、金属工業、機械工業、化学工業を合わせて重工業と呼称します。
重工業以外に、特に日用品としての消費財を製造する工業として、
衣服衣料品や産業資材(建材・自動車・航空機等に使用される繊維製品)、衛生資材、生活資材向けの製品を製造する繊維工業、農畜産物や水産物、林産物を加工して、パンや菓子、乳酸品、ビール、ジュース、調味料や冷凍食品などの食料品を生産する食品工業、これは醸造業、乳製品工業、缶詰工業などが含まれます。
これら、繊維工業、食品工業を合わせて軽工業と呼称しています。
他にも粘土、ケイ砂、石灰岩などの非金属原料を高熱処理して、建設材料、陶磁器、瓦、ガラス、セメントなどのセラミックスを製造する窯業、があります。
が重工業、軽工業という区分自体が既に形骸化しており、1つの市場製品、例えば自動車は金属工業や機械工業は当然のことながら、
精密電子部品など制御通信系部品、シートや内装品などの繊維工業での製品がなければ製品として成立しません。
つまり製品が高度になり複雑化すればするほどに複合化して多くの産業がどれ1つ欠けても製品にならないのです。

工業世界では恐らくその全ての工業が生産されていて、市場に製品が存在している事でしょう。
しかし、得意不得意があり、一部は他星系に比較優位の結果として生産を委ねているケースが存在することでしょう。
例えば鉱業が盛んな小惑星世界や真空世界などで金属工業が行なわれていたり、非水海洋世界で化学工業が行なわれていたり、農業世界で原材料を加工して乳製品やビールを製造して食品工業が行なわれていたり、海洋世界で缶詰にして食品工業が行なわれていたりするケースがこれに該当します。
つまり、高人口世界ひいては工業世界を中心とした商圏全体での消費が見込まれる需要量に応じた生産がされて、その供給量の一部が工業世界以外での生産があるにせよ、殆どの消費市場に供される製品は工業世界で生産された商品であることでしょう。

しかし、工業世界といってもその商圏として工業世界を中心とした他の星系全体で考えると差異が存在するケースも考えられますので、これらを踏まえて、工業世界でのケースパターンを考えてみましょう。

8)-1.共通すること
工業世界であれば必ず共通して言えることは、消費市場に供される製品の最終加工組み立て工程を持つ工場群が存在していることです。
つまり、そうした最終工程工場で製品にしたものが消費者の待つ消費市場に出荷されるのです。
ですので、消費市場に供される出荷量はこの最終工程工場の生産量に大きく影響されることが想定できます。

8)-2.前工程も同じ工業世界で生産されるケース
原材料になる天然資源が工業世界で生産されるか他星系で生産されて供給され、それが一次加工されて部品としての素材になります。
この素材加工工程を同じ工業世界で持っているケースがこれに該当します。
つまり、他の星系では原材料を生産するだけの、付加価値の低い生産基盤であり、投資がされていなかったり技術力が不足していたり
要因は様々ですが、同一商圏内の他星系との経済格差が存在している事が伺える状態でもあります。
またこうした素材加工工程を業としている工場企業と最終工程を持つ企業とは売り手と買い手としての関係性でもあり、売り手側たる素材加工工程業と買い手側たる最終工程業を比較しても、立場が売り手側の方が弱く、買い叩かれる可能性もあり得ます。
なぜならば買い手側が生産したものを全て買い取ってくれなければ余剰品が発生して、他に転売が容易でない製品が多いからです。
まして消費市場で価格競争になった場合、そうした影響は顕著で、売買契約が売り手と買い手の双方が納得してはじめて成立できるものである以上、買い手側たる最終工程業側の最終製品価格を睨んだ部品価格での取引に応じざる得ないという構図が一般的になると考えられます。
そうした売買リスクを同一企業にして包括してしまう方法もあり、素材加工業から最終工程までを同じ傘下の企業体で事業をすることもあり得ますが、この場合には原材料を買い取る相手との取引で買い叩きが発生する可能性になり得ることになるでしょう。
つまり、原材料から最終工程、引いては消費市場での小売売買までを俯瞰して、どこが最も立場が弱く利益圧迫が構造的に可能なのかを工業世界は常に影響されていると言えるでしょう。

8)-3.前工程は別の世界で生産されるケース
前項とは異なり、比較優位の原則の下で工業世界とは別の星系で素材加工工程がされているケースがこれに該当します。
重要なのはこの場合、容易に転売が可能な素材加工までである点です。
例えば、機械部品に使われる鉄板素材やネジなどの機械要素部品あるいは建築材としての平板木材やポリエチレンシートとか、その次の加工工程を経て部品する前の素材としての加工品までを工業世界とは別の星系で製造する構造です。
これならば、単一の工業世界だけが買い手ではなく、取引価格が吊り合わなければ、別の商圏にある工業世界を相手に売っても買い取って貰えます。
つまり、複数の買い手が存在することで買い手側の優位性を弱めることが可能になります。
もちろん買い手側もそうした事情を承知で売買するので、買い叩きをすれば自身の事業に影響するくらいに供給不足に陥る可能性も危惧することになり、結果的に適正価格での売買契約が可能になります。
もちろんこのケースになるにはそれぞれの他星系で投資がされて生産工程を維持できる技術と操業が維持継続できるだけの労働力の確保が不可欠ですので、工業世界周辺の他星系ではそうした生産能力を維持できる事を重要視しているでしょう。
また高い付加価値での生産によっての外貨獲得をすることでより豊かになり自星系への投資も可能になる経済成長する社会の実現が可能になりますので、工業世界周辺の星系は工業世界と自星系の関係をどう位置付けるのかが経済を考える上で重要な点になると考えられます。
つまり、単純に鉱物資源が出る、だけでは原材料として買い叩かれる可能性もありますが、じゃあ工場を作って1次加工素材まで生産できるようにしたところで工業世界の同一製品と価格や品質で優位にならない限りは商売にならないということです。
一朝一夕に産業は育たず、長い時間を掛けて取引相手になる工業世界との取引を構築していくことが重要となるでしょう。

<トラベラーでの工業世界の取引>
トラベラーで設定されている工業世界との交易相手は以下の通りです。
1)工業世界の生産物が良い市場になり得る相手先
全て

2)工業世界が良い市場になる相手先
全て

驚くべきことそして当然ながらですが、工業世界は全ての取引相手からの良い市場でもあり、同時に工業世界で生産された貿易品は全ての星系で歓迎される良い商品でもあることを示しています。
つまり、工業世界で生産された貿易品は市場価値が高く、需要が大きいことが伺えますし、工業世界に貿易品を持ち込めば歓迎される取引になるということが言えます。
ですので、自由貿易商人などで投機する場合は勿論のこと、工業世界以外で売ろうと画策していた取引が失敗したとしても工業世界では何かしらの取引が見込める、もちろん売買価格までは望み通りにはいきませんが、取引できないということだけは避けられるであろうことが見込めることでしょう。
また恒星間国家内での貿易を考えると工業世界を中心とした商取引の形態であることもこの点からも推察できますので、メガコーポレーション以下の恒星間貿易に従事する各級輸送会社ならびに生産に従事する企業群は拠点を工業世界に設けていることでしょう。
そうした生産および消費市場としての工業世界で形成された市場取引価格が相場価格として認識されて恒星間国家内部での価格となっていくと思われます。
つまり、こっちの工業世界での価格と少し離れたあっちの工業世界での価格はルールブックの様に単一ではなく、異なった価格であり、また更に時間経過とともに変動していくと言えるでしょう。
価格は常に一定ではないのです。
大臣 2022/08/21(Sun) 12:03 No.1400

トラベラーの経済区分について(7)氷冠世界

7)氷冠世界
大気レベル1以下かつ水界度1以上の世界が該当します。
つまりは海洋を有してはいるが大気が薄いもしくはない為に海洋が氷として存在している世界です。
氷冠世界は同時に荒涼世界あるいは高人口世界あるいは低人口世界あるいは非工業世界あるいは非農業世界あるいは真空世界の可能性があります。
また貿易品の区分はその他の世界になりますが、その括りでは天然資源とその加工品が主たる貿易品となります。
これは農業製品、例えば動物や植物なども生産している事を意味しています。
ということは、氷冠世界であっても農業や鉱業や鉱業が労働人口に見合った生産量があると言う事です。
氷冠世界に区分される為に必須である大気レベルは0=真空、あるいは1=真空(微量)と生物が生存するのに全く適していません。
となると生産能力も自然と人工の生存条件に調整された環境になることが推察できます。
そこも踏まえて氷冠世界でのケースパターンを考えてみましょう。

7)-1.共通すること
氷冠世界での社会は人工的な環境であることがUWPと公式設定から推察できましたが、これに似た環境は小惑星世界や非水海洋世界や真空世界です。
しかし、それら他世界との違いがあるとすれば、都市の形成としての人口分散の程度の相違です。
小惑星世界や非水海洋世界や真空世界では極端な場合、最小では個人単位での生活がそれぞれ為されていてもコストさえ見合えば充分に可能ですが、氷冠世界に於いては一部の例外はあり得るにせよ、もう少し大きく個人単位を越えた小集団での社会形成が為されていると言えるでしょう。
違いは小惑星世界と真空世界が同じ貿易品目種類表で天然資源(11〜36)を中心とした貿易品ですし、非水海洋世界の公式設定に「海洋そのものが工業原材料になる」と明記されています。
つまり、氷冠世界以外の人工的環境を必要とする星系は鉱業が主力の産業構造なのが推定できますが、氷冠世界は鉱業が主力産業とばかりは言えない点が大きな違いです。
となると氷冠世界は産業として労働力や資本を可能な限り集中して投入し、鉱業以外の農業か工業で殖産興業を計ることが必要になります。
農業世界などで見られたような分散した産業形態では効率が悪いばかりではなく、氷冠世界での生存環境を維持させるのには外貨獲得をして、生活環境の維持に廻さなければ社会として衰退してしまう危険性を有している、と言う点が他の世界での環境や産業構造とは大きく異なると言えるでしょう。

7)-2.人口が集中しているケース
前項の共通することから、氷冠世界では人口を集中させ、産業と生活環境維持に尽力することになります。
その結果として、一極集中して1つの都市を形成して限定された空間で社会を形成するケースがこれに該当します。
もちろん宇宙港をはじめとして、他星系との貿易拠点も含めて産業や社会基盤が整備されていくことになりますが、
都市部以外は手付かずの環境ですので、生存も困難で無人の地域となっていることでしょう。

7)-3.人口が分散しているケース
前項の一極集中型ではなく、何らかの理由、例えば政治的あるいは経済的あるいは社会構造としての理由で複数に分裂して都市を建設せざる得ないケースがこれに該当します。
生産効率的には一極集中型よりも落ちてしまいますし、生産基盤の整備や投資としても複雑化してしまうことにより効果が落ちてしまいますが、分散している理由が解消されない限りは止む負えず、こうした幾つかに分散したケースも氷冠世界では珍しくないことでしょう。

<トラベラーでの氷冠世界の取引>
トラベラーで設定されている氷冠世界との交易相手は以下の通りです。
1)氷冠世界の生産物が良い市場になり得る相手先
工業

2)氷冠世界が良い市場になる相手先
なし

まず言えるのは氷冠世界の生産した貿易品が良い年引き相手になるのが工業世界のみである点です。
後述する事になりますが、工業世界は自星系以外の生産物を更に加工して高い付加価値を付けて貿易する仕組みですので、全ての世界の生産するあらゆる貿易品を取引するので、当然ながら氷冠世界の貿易品も歓迎されることになります。
言い換えれば、それ以外の貿易区分である世界では例え同じ氷冠世界であったとしても特に歓迎される訳ではないありふれた貿易品に過ぎないことを示しています。
また氷冠世界自身が良い市場になるかと言う点でもなしとなっていますので、氷冠世界が貿易相手から見ても魅力がある市場ではなく、積極的に取引したくなる貿易相手ではないということが伺えます。
つまり、ある程度の産業はあるし消費する市場があるにも関わらず、氷冠世界は貿易区分として魅力に欠ける相手であるということが言えるでしょう。
大臣 2022/08/20(Sat) 10:46 No.1399

トラベラーの経済区分について(6)高人口世界

6)高人口世界
高人口世界の条件はただ1つ。人口が多い事のみです。
人口レベル9以上つまり10億人以上が生活している世界が該当します。
ルールブックの記載にも「生産を大規模に行なえる」とあるとおりです。
高人口世界は同時に小惑星世界あるいは砂漠世界あるいは非水海洋世界あるいは氷冠世界あるいは工業世界あるいは非農業世界あるいは貧困世界あるいは真空世界あるいは海洋世界の可能性があります。

恒星間国家にとって高人口世界とは単なる生産拠点に留まらず、人材や兵力や財源の源泉です。
1つの高人口世界を中心として1つの商圏が構築され、その商圏の内部で生産活動と消費活動が行なわれており、隣接した別の商圏との貿易と合わせて広大な恒星間貿易網が構築されている、という仕組みとなるでしょう。
例えばA星系という高人口世界を中心とした3ジャンプ程度のつまり6パーセクから10パーセク程度の範囲を1つの商圏として考えると、その中で食糧や工業製品、その原材料になる天然資源類がほぼ賄えており、生産過剰な分が別の商圏へと売られ、不足分が別の商圏から買われるという様相です。
というのは、よほど稀な貿易品でない限りは代替品で対応したり、なくても生存にさえ困らなければ高額過ぎる製品は淘汰されて行くのが経済的な基本ですから、後は同じ程度の製品で同じ程度の価格帯であれば、輸送費等の経費が近い方が安くなる仕組みであるからです。
これは推論としてですが、おおよそ1回から2回までのジャンプ航行が標準的で、多くて3回から遠くても5回程度までのジャンプ航行までが最大の加算されても許容できる経費として考えて、民間の貨物船のジャンプ能力ジャンプ-1からジャンプ-2が標準、高速貨物船でジャンプ-3までと仮定すれば、商圏としての範囲は半径1パーセクから10パーセク程度であり、それ以上遠くへの輸送能力は別の商圏への輸送に従事することになるでしょう。

この商圏では例えば農業世界が生産した貿易品は加工されて加工食料品として高人口世界で消費されたり、鉱物資源や加工した金属などの貿易品は工場で原材料や部品として加工されて高人口世界で消費されたりとなります。
つまり、高人口世界は原材料となる貿易品を生産している周辺の非高人口世界にとっては買い手であり、同時に自世界では生産できない貿易品を売ってくれる売り手でもあるのです。
当然その中には複数の世界を経て製品にされて、同じ商圏内での売買をされているケースもあることでしょうけど、そのどこかの部分で高人口世界が関わってくることになります。
例えば、鉄鉱石を算出する鉱山を持つ世界から製鉄所を持つ世界へと輸送されて鋼鉄が製造され、それが加工されて部品が製造されます。
また別の農業世界で革製品が製造され、それが工業世界で革張りシートとして加工されて、これらを組み合わせてエアラフトが生産されるような流れとなります。
「生産を大規模に行なえる」ことからかなりの割合で高人口世界は同時に工業世界でもあります。
参考までに既知宙域全体では高人口世界は2977個ありますが、うち工業世界は1236個と4割程度に過ぎません。
というのは工業世界の規定にある「大気レベルが2〜4、あるいは7、または9と汚染」を満たしていない結果であり、全く工業化が進んでいないということではなく、貿易区分が工業世界ではないものの、工業化が大規模生産能力を背景にして行なっている生産と消費としての経済活動の拠点であるという位置付けには変わらない事でしょう。

参考までに巨大恒星間国家で最大たる帝国は高人口世界841星系が所属します。これは帝国全星系数8747星系の9.6%に相当しますが、帝国の総人口14兆9230億人の内、14兆4440億人たる96.8%がこの1割弱な841星系の高人口世界に住んでいますので、どれだけ人口や産業が集中しているかが判ります。
つまり帝国は高人口世界を基幹として恒星間国家が成立していると言っても決して過言ではないのです。
ちなみに帝国以外の巨大恒星間国家ではゾダーン連邦96.6%、ソロマニ連合96.8%という高人口世界の人口割合でした。
スピンワードマーチ宙域でおなじみのソードワールズ連合99.0%、ダリアン連合96.3%という高人口世界の人口割合と言う具合です。
もちろんそうではない中小恒星間国家もあり、中には高人口世界を全く持たない恒星間国家というのも幾つか存在しますが、ある程度の規模を越えた恒星間国家の中心はやはり高人口世界であると言えるでしょう。

そうなると自然と恒星間国家の社会基盤は高人口世界が中心となりますし、政治や経済や産業あるいは軍事、特に防衛体制の構築では高人口世界をどう防衛するかが課題でしょうし、その中でどう経済や産業を維持するかが重要となります。
単純に高人口世界を防衛するだけでは他の非高人口世界、つまり同一の商圏内にある他の星系が経済的および産業的に成立できなくなり時間が経過するとともに立ち枯れてしまうということが見えてくるでしょう。
例えば第5次辺境戦争でスピンワードマーチ宙域リジャイナ星域のイフェイトがゾダーン連邦の包囲作戦に対して抵抗して開戦初期からの激戦が知られていますが、この結果としてイフェイトを取引相手にしていた星系はイフェイト以外の高人口世界との取引に切り替えないとならなかったことが伺えます。
ですのでゾダーン側は包囲する事で自軍戦力の擂り潰しを抑えつつ帝国の辺境最前線での経済状況に圧迫を加え続けることが包囲作戦の狙いであったと言えるでしょう。
こうしたことも踏まえて高人口世界でのケースパターンを考えてみましょう。

6)-1.共通すること
人口レベル9以上の高人口世界は総じてTLが高い傾向になります。既知宙域全体での平均値では12.3です。
また一般的に宇宙港の規模も大きく、高い物流旅客量を有しているケースが殆どです。
これは周辺の商圏内の物流旅客が高人口世界との交易をしている事を意味していると言えます。
合わせて造船能力も有しているケースが殆どですが、宇宙港レベルが低い高人口世界も珍しくなく、造船能力が全くないケースも存在します。

前述の通り、高人口世界は恒星間国家の中心的存在ですのでインフラの整備も優先されていることでしょう。
高人口世界は「生産を大規模に行なえる」とあるとおり、高人口であること、つまり労働人口が集中している事自体が産業と言えます。
ですので、産業に従事する為の基礎教育や職業訓練などの施設や機関も充実しているでしょう。
また、多くのそして多彩な規模と業種の企業が星系内に存在しており、メガコーポレーションを有する恒星間国家であれば拠点が設けられている可能性もあります。

軍事設備についても海軍基地や海兵隊基地や偵察局基地が設置されている場合も多く、星系防衛用非ジャンプ艦艇も多く配備されていたり、防衛用の大規模な陸軍基地が設置されていたり、対軌道攻撃用砲台など各種防衛システムも配備されていることになると考えられるでしょう。

高人口世界では工業以外の産業、つまり農業や鉱業が全く行われていないかというとそんなことはありません。
もちろん比較優位の原則が働いて、他の得意とする星系にその貿易品を全く依存するケースもあるでしょう。
しかし膨大な貿易品目ですので、人口の殆どが集中している高人口世界で生産した方が遥かに効率的という場合も多く存在することになります。
まして天然資源のうちのありふれた鉱物資源などは、その高人口世界では採掘量が全くない場合を除けば付加価値がない限りは
高人口世界での大規模な労働力に任せたほうが遥かに経済的であることは言うまでもありません。
ということは高人口世界に対して売る商圏内の他の星系は商圏の中心的存在である高人口世界よりも得意な部分での生産をしているということが推察できます。

忘れてならないのは人口が大きい故に高人口世界とは言い換えれば一大消費地である点です。
生産に必要な鉱物資源をはじめとする天然資源や工業部品はもちろんのこと、食糧や嗜好品なども含めたあらゆるものが消費されます。
もちろんその高人口世界での需要が高まれば売り値としての価格も上昇しますし、反対に需要がなくなれば下落してしまいます。
恒星間国家の人口9割超を占めている高人口世界でのそうした影響が市場にも大きく作用する事になるでしょう。

6)-2.高人口世界でかつ工業世界であるケース
大気レベルが2〜4、あるいは7、または9と汚染している条件を満たしているケースが該当します。
高人口世界の大きな労働力と工業世界ということから言える工場群を有していることが推定できます。
恐らくは高人口世界になる以前から長い年月の間、工業化が進んだ結果ということを意味しているのかも知れません。勝手な推測ですが。
確実なのは大企業による大規模な工場群が操業されていて、TLに見合った工業製品が膨大な規模で生産されていることでしょう。
まさに恒星間国家の心臓部とも言うべき存在ですが、その生産基盤を維持する為のエネルギー供給、原材料と製品の物流を維持管理する輸送網や設備、そして労働力を輸送する交通網や生活基盤を支える消費物流網や衛生医療機構や情報娯楽設備等が整備されて管理運営されていることが大前提となります。
もちろん大規模な工場群だけではなく、そうした最終製造に至るまでの原材料の加工や部品の供給をする周辺工場や中小企業なども多く存在しており、高人口世界の大きな労働力によってそうした産業が全て支えられているという構造になるでしょう。

6)-3.高人口世界でかつ工業世界でないケース
前項以外の大気レベルであればこのケースに該当します。が全く工場群を有していないという事を意味している訳ではありません。
前項との違いを考えるとこちらのケースは比較的後発で工業化された場合を示しているのかも知れませんが憶測の域を出ません。
大企業による大規模な工場群を中心とした生産基盤と周辺を支える原材料加工や部品供給の工場群とそれらの社会を支えるインフラや社会設備などは前項と全く同じです。

<トラベラーでの高人口世界の取引>
トラベラーで設定されている高人口世界との交易相手は以下の通りです。
1)高人口世界の生産物が良い市場になり得る相手先
高人口、低人口、富裕

2)高人口世界が良い市場になる相手先
高人口、農業、工業、富裕

まず言えるのは高人口世界同士が良い取引相手になると言う点です。
これは前述の商圏同士が取引するケースであり、その商圏では必要だが供給が不足している貿易品がこれに該当します。
高人口世界の生産した貿易品が低人口世界や富裕世界で良い市場になるのはその世界で生産できない貿易品であることを意味しているでしょう。
また高人口世界が良い市場になるケースも高人口世界では供給不足な貿易品である場合になると考えられます。
大臣 2022/08/19(Fri) 20:23 No.1398

Re:非水海洋世界への疑問

山中教授

ご指摘ありがとうございます。
>トラベラーの場合、大気レベルCの「猛毒性((Insidious)」は、大気レベルBの「腐食性(Corrosive)」が強くなったもの、という定義だった筈
ルールブックの記述では発見できませんでした。
が、猛毒性大気の記述には
>防護服が、2〜12時間で溶けてしまう
は「いかなる防護服も」という書き方ですので、レフリーの設定にもよると思いますが、猛毒性大気は腐食性大気の延長線には必ず存在している訳ではないのではないでしょうか。
この2〜12時間な設定は2D6ロールで決定しろと言わんばかりですが。

>空気や水、食料の問題については、小惑星帯や真空世界の方がより過酷な気がします。
そうですね。
呼吸できない世界は全てこの手の問題に直面していることでしょう。
ですので、何度も触れるよりも、呼吸する大気の対策についてはこの非水世界での考え方に準拠で良いのかも知れませんので、敢えて繰り返して記述致しません。
ですので生温かい目で読み替えて頂ければと存じます。

>循環型の環境設備を用意できない低TL世界、あるいは、空気や食料を外部から供給した方が安価になる世界を想定されている、のでしょうか?
ええ、最大値を想定して試算例をあげてみております。
設定された人口で倍数して頂き、再循環できる割合で必要量が算出できるかと思いますのでご参考頂ければと存じます。

>水より融点/沸点が高い物質ではない、とは言えそう
基本的には全く賛成です。
が応用的には一部分的に追加補足を。
温度の問題もさることながら、気圧つまり圧力がより高い場合には多少の温度差、あくまでも多少ですよ、きちんと計算すると判るのでしょうけど、そこまで情熱を持って計算や設定ができませんでしたが、それっぽくなんとか無理なく設定できる気がします。

大気レベルが何なのかによっても教授の御指摘の通りに大きく違ってきますし、全く社会形成に適さず、多少の経済的あるいは産業的な優位さなんか吹き飛んでしまうと思うのですが、今データを拾ってみたら、既知宙域で大気レベルC(腐食性)かつ非水海洋世界かつ高人口世界がなんと49星系も存在していました。
中にはTLが4程度と低い星系もありますので、こういう世界でも大人口を維持できる設定をされるのでしょうね。
例えば高山地帯に都市が建設されていてそこは呼吸できるとか、地下のエアポケットで生活ができるとか、色々とやりようがありそうですよね。
大臣 2022/08/19(Fri) 20:10 No.1397

非水海洋世界への疑問

大臣様

 非水海洋世界について、幾つかの疑問、あるいは、ツッコミです。

>大気レベルAは異種、Bは腐食性、Cは毒性と様々ですが、この大気は海洋が蒸発している状態を指していると考えられます。
>……以下略。

 トラベラーの場合、大気レベルCの「猛毒性((Insidious)」は、大気レベルBの「腐食性(Corrosive)」が強くなったもの、という定義だった筈。
 大臣様の書き方では、ちょっと誤解を招くかな、と思いました。
 腐食性大気(B)に耐えられる防護服が、2~12時間で溶けてしまう程の強い腐食性を持つ大気が、猛毒性大気(C)ですね。



>問題になるのはそれらが含まれない為に、呼気自体を他の星系から常時輸送してこなくてはならない場合です。

 この問題は、非水海洋世界に限らず、小惑星帯や真空世界にも言えることでは?
 空気や水、食料の問題については、小惑星帯や真空世界の方がより過酷な気がします。

 大臣様が書かれているように、循環型の環境設備が存在すれば、循環系のロス/環境に出入りする際のロスを賄う程度の供給量で十分な筈。
 循環型の環境設備を用意できない低TL世界、あるいは、空気や食料を外部から供給した方が安価になる世界を想定されている、のでしょうか?



 非水海洋の成分については色々と考えられますが、
 非水海洋世界は内圏に存在できない(内圏に存在する世界は自動的に水界度0となる)ルールがありますので、
 水より融点/沸点が高い物質ではない、とは言えそうです。
山中 2022/08/19(Fri) 18:34 No.1396

トラベラーの経済区分について(5)非水海洋世界

5)非水海洋世界
この世界の海洋は水ではない物質で成り立っています。
大気レベルA以上かつ水界度1以上が非水海洋世界の条件になります。
公式設定にも「海洋そのものが工業原材料になる」とあります。
この非水海洋の成分が一体何なのかと言う点がこの非水海洋世界では重要になるでしょう。
非水海洋世界は同時に高人口世界あるいは低人口世界あるいは荒涼世界あるいは非工業世界あるいは貧困世界の可能性があります。
今回は非水海洋世界でかつ海洋世界のケースも存在しますが、ここでは省くことに致しましたことを注記致します。
そこも踏まえて非水海洋世界でのケースパターンを考えてみましょう。

非水海洋の主成分で考えられそうなものはメタン、エタノール、アンモニア、塩酸などがありますが、他にも水銀、リン、カリウム、ナトリウム等、またそれらの化合物の可能性もあります。
更に高温高圧環境下であれば幾つかの化合物が主成分になる可能性があります。
これらはTL3程度の工業技術さえあれば容易に加工できますが、それもその星系に該当する物質が豊富にあればこそという条件付きです。
つまり、非水海洋世界の海洋を工業原材料として得たい交易相手先とは、その物質が殆ど存在していない世界であることが考えられます。
一方の非水海洋世界はそれこそ無尽蔵にかつ低コストでこうした化学物質が供給できますので、費用対効果として優位さがあると言えるでしょう。

次に考えるポイントになるのは大気レベルです。
大気レベルAは異種、Bは腐食性、Cは毒性と様々ですが、この大気は海洋が蒸発している状態を指していると考えられます。
ここからはレフリーの判断に拠るかと思いますが、腐食というのは金属材料が化学的に表面から消耗する現象です。
ですので、酸化して錆びることも腐食に相当します。
また毒性とは言っても適切な呼気成分でなければ殆どの気体を呼吸した場合に生体には毒性があります。
つまり、この物質は腐食性である、毒性であると一概に定義するのは濃度などの条件も含めて考えなくてはならない為、とても難しいと言えるでしょう。
となるとレフリーが該当する非水海洋世界を設定する場合には、
化学的な条件付けをした上で、大気レベルから判断して海洋の主成分を決定する事になるかと思われます。

5)-1.共通すること
大気レベルA以上が絶対条件の非水海洋世界では呼吸できる環境の確保がまず最優先です。
異種大気でも化学的な加工で呼気が確保できれば良いのですが、そう上手くいかない可能性があります。
それを計るには、非水海洋の主成分が何かでも異なります。
アンモニアや塩酸やエタノールなど、水素や酸素を含んでいる物質であればコストは掛かりますが加工できそうです。
問題になるのはそれらが含まれない為に、呼気自体を他の星系から常時輸送してこなくてはならない場合です。
人間の呼吸量は体重に拠っても増減がありますがおおよそ0.5リットル×3万回/日=15万リットル=150KL=11.1排水素トン/日が必要です。
液体にして輸送したとしても1/800の減容ですので、1日1人の呼気は液体酸素0.1875KLで1排水素トンでは72人日分にしかなりません。
仮に1万人の人口がある場合、生存ギリギリで1ヶ月に必要な液体酸素は30日×1万人/(72人日/排水素トン)=4167排水素トンが最低限必要です。
これは実に6000排水素トン級貨物船が1ヶ月で1隻必要、61排水素トン(823.5KL)の船倉を持つA2型自由貿易船ならば69隻が必要になります。
もっとも常に新しい呼気が必要になるとは限らず、排気を化学処理して部分的に循環することも行なわれると思われますので、この値は幾らか緩和されることが期待できます。
以上の様に呼吸を確保するだけで相当な輸送コストが必要不可欠となりますし、加えて食糧や飲料水や生活消耗品を供給する難しさが伺えると思います。
水にしても体重1キロにつき約35mLの飲料水が最低限必要ですが、こちらは呼気と異なり、一度充分な量を運んでしまえば、閉空間であっても物理的に濾過するなどで循環することが比較的容易です。

5)-2.人口が集中しているケース
こうした生活空間を確保する必要性から大型の閉鎖空間を都市として建設して、掛かるコストを圧縮する方法が最も経済的と言えるでしょう。
つまり非水海洋世界では都市規模の生活空間が準備されて、都市外部の採掘採取作業に従事しているケースがこれに該当します。
主産業としての「海洋そのもの」を採取する産業やそれら採取物からの加工を工場で行なう産業以外に従事する市民は都市部から出ることは生命の危険を意味します。
産業に従事している職業以外では都市内部以外は全く知識も経験もないという可能性もあり得るでしょう。

参考までに、非水海洋世界で尚且つ高人口世界は既知宙域で193星系が存在します。
これは高人口世界総数から見て約6%、高人口世界15個中1個が相当している割合です。つまり非水海洋世界でかつ高人口世界は一般的な存在であると言えるでしょう。
工業世界ではないのは工業世界の区分に大気レベルの制限がある為で、高人口世界の項でも触れますが、高人口世界は工業化が進んだ星系でもあります。
つまり工業原料を安価に自星系で産出していて、それを加工して工業製品を製造して発展している星系がこの非水海洋世界で尚且つ高人口世界だと言えるでしょう。

5)-3.人口が分散しているケース
都市を形成できるほどの人口がない場合や何らかの事情で都市が形成できないような状態です。
例えば充分な地盤がなく建物が維持できない場合や天候や大気物性により大規模な都市が維持できない場合や社会構造的に集中ができなかった場合など様々でしょう。
こうした背景によって都市部が建設できないことから小規模な建造物や移動式の住居での生活空間を基盤にして小規模な採掘採取作業に従事しているケースがこれに該当します。
産業基盤はどんなにTLが進んでも労働力に比例しますので、人口が集中しているケースよりも小規模にならざる得ず、できる事業も限定されてしまいます。
また同様に小規模ながらも生活必需品を供給する設備や採掘した天然資源を売買する交易所などがあり、そうした公共設備に生活基盤を依存せざる得ない点が特徴的な社会と言えるでしょう。

<トラベラーでの非水海洋世界の取引>
トラベラーで設定されている非水海洋世界との交易相手は以下の通りです。
1)非水海洋世界の生産物が良い市場になり得る相手先
非水、工業

2)非水海洋世界が良い市場になる相手先
非水、工業

まず言えるのは、非水海洋世界同士が互いに良い取引相手になると言う点です。
構図は先の砂漠世界同士と全く同じで、それぞれの世界で分業化が進み、得手不得手の生産構造になったことの結果でしょう。
つまり自星系では得られない貿易品を購入して加工品へと付加価値をつけることでより大きな利益にする方法です。
またもちろん工業世界は非水海洋世界で算出する「海洋そのもの」を原材料とするので良い買手になってくれる相手ですし、優れた工業製品を常に供給されないと社会の存続も難しい非水海洋世界では工業世界が供給してくれる工業製品、特に生命維持管理に必要な製品群は必要不可欠であると言えるでしょう。
大臣 2022/08/18(Thu) 18:36 No.1395

トラベラーの経済区分について(4)砂漠世界

4)砂漠世界
大気レベル2以上かつ水界度0が砂漠世界に該当します。
トラベラーでの場合、海洋からの燃料採取が不可能であることを視野に入れておくべきでしょう。
もっとも宇宙港で燃料を購入する場合やガスジャイアントでのすくい取りをやる場合には影響はありません。

貿易品は天然資源のうちの鉱物資源類と加工品と工業製品が主なものになります。
また、砂漠世界は同時に荒涼世界あるいは高人口世界あるいは低人口世界あるいは貧困世界あるいは非工業世界あるいは工業世界あるいは富裕世界の可能性があります。
UWPからも推測できる通り、大気が必ず存在していますので惑星上には気流が存在していることが確実です。
となると気候変動もあって、限定した降雨が存在する可能性もありますし、地下水脈などの汲み取りがされているケースや湖沼等の存在も砂漠世界と言えども全く存在しないケースばかりではないでしょう。
つまり砂漠世界は水の補給が全くできないことを必ずしも意味しないと言う事です。
水界度0であれば最大で表面積5%までの水界を持つと設定できるでしょうから、規模8の地球規模ならば最大での5%未満ではオーストラリア大陸3個分程度の湖沼が存在している、と言う可能性もあるでしょう。もっとも塩湖かも知れませんけど。
参考までに既知宙域のUWPデータから砂漠世界でなおかつ高人口世界の10億人超が住む星系は157個もあることからもそうした水供給事情が推察できると思われます。

また砂漠とひとくちに言ってもその形態は様々です。
基本的には年間降雨量が極端に少なく植物がほとんど生息しません。
砂漠地は岩石(メサ、ビュート)、礫、砂、ワジ(涸れ川)、塩湖などで形成されます。
前述の通り、砂漠地の中で淡水が得られる希少な場所はオアシスとなり人を含めた動植物の生活可能圏になり得ます。
砂漠では昼夜の温度差や氷結によって岩石から礫になり砂へと細粒化していきますので、砂漠の生成と育成度合で様相が異なります。
降雨が存在していますので、例えば涸れ川に知らずに停泊した場合、遥か上流、例えば数100Kmで発生した降雨による濁流に巻き込まれるという状況も珍しくありません。
また、湿度が高い場合もまたあり、朝に霧が発生する場合もあり、そうした霧の水分を採る動植物が存在している可能性もあります。
ですので砂漠世界とは言っても必ず非農業世界ではなく、既知宙域のUWPデータから砂漠世界2200個余の内、同時に非農業世界であるのは僅かに330個余に過ぎません。
この辺りは後述の非農業世界の項に譲ることに致しましょう。
砂漠世界の産業はと言うと、貿易品は天然資源(11〜36)の鉱物資源と加工品(11〜36)と工業製品が主な品目になりますが、これが意味している処はまず鉱業として砂漠の岩石や礫や砂自体が鉱物資源(11〜36)である可能性があります。
それを精錬冶金することで加工品(11〜36)となり、更に工場などで加工する事で工業製品になります。
これらを踏まえて砂漠世界でのケースパターンを考えてみましょう。

4)-1.人口が集中しているケース
前述の通り、限られたオアシスに人口が集中しているケース、あるいは定期的に物資輸送がされて居住に適する様な環境を人工的に建設されているケースがこれに該当します。
充分な給水量があれば大規模な人口を養う事も可能ですし、工業用水を供給する事も可能です。
しかし都市建設をするには困難な地質だったりします。つまり岩盤まで掘り進むことが難しく、まさに砂の上に建物を建てることになりかねません。
ましてその惑星が地震活動をしている場合には深刻な倒壊などの事態を生じかねません。
ですので、比較的硬い地質を選んで建設するとか、低層階だけ建設するとか特徴的な都市建設になることでしょう。
そして人口が集中しているオアシスには工場や精錬冶金施設が建設されて、鉱物資源を加工してより高い付加価値の製品が製造されることになります。

4)-2.人口が分散しているケース
前項とは異なり、大きくない水源しかないので賄える人口が小さく都市が形成できないケースです。
幾つかの水源があり、生活できる人口が平衡化した結果として安定した生活が可能である場合もあれば過渡的に過剰な人口となってしまい水不足が常態化している場合もあり得ます。
いずれにせよ大人口を養えない小集落が点在する状態ですので当然ながら資本の集中も労働力の確保も難しく、小規模な産業に留まります。このケースでも鉱業と精錬冶金による加工品と工業製品が主たる貿易品になり得ますが、前項と比較しても小規模で限定した品種となります。

<トラベラーでの砂漠世界の取引>
トラベラーで設定されている砂漠世界との交易相手は以下の通りです。
1)砂漠世界の生産物が良い市場になり得る相手先
砂漠、非農業
2)砂漠世界が良い市場になる相手先
農業、砂漠、工業、非農業、富裕

まず最初に指摘しておきたいのは砂漠世界同士は互いに良い取引相手になる、という点です。
これは恐らくはそれぞれの世界で分業化が進み、得手不得手の生産構造になったことを意味しているのでしょう。
つまり、必要な製品すべてを自世界で生産するのではなく、利益率の高い得意な製品に特化して、他の星系との交易で補っているということです。
大規模で安定した恒星間貿易を維持している恒星間国家であればあるほど、そうした分業化が進むのはリカードの比較優位の考え方からも明らかです。
非農業世界が砂漠世界貿易品の良い市場になるというのは砂漠世界相手ほどではないものの需要にあった製品があるからということを意味しているのでしょう。
つまりこれは砂漠世界の工業製品を指しているのだとも推測できます。
砂漠世界製品以外の砂漠世界が良い市場になるものについては総じて砂漠世界で生産が難しく需要がある製品を示していると考えられます。
大臣 2022/08/17(Wed) 19:11 No.1394

トラベラーの経済区分について(3)荒涼世界

3)荒涼世界
人口レベル0、政治形態0、治安レベル0のないない尽くしの世界が該当します。
どんな宇宙港があろうが、住みやすい環境であっても、誰も住んでいない惑星が荒涼世界です。
しかし全くの無人とは限りません。人口レベル0というのは10人未満の人口であることを示していますので、1人から9人の人口が存在している可能性があり得ます。
また、ルールブックには「荒涼世界は市場にはなりません」と明記されている点から、商品の売買には全く適さないということが言えます。
荒涼世界は同時に砂漠世界あるいは非水海洋世界あるいは氷冠世界あるいは真空世界あるいは海洋世界の可能性があります。
また手に入る貿易品は工業原料で、商船の乗組員自らが採掘採取しなければならない、ということも記載されています。
ということは、その世界での所有権が存在していないことが伺えます。
これも踏まえて、荒涼世界でのケースパターンを考えてみましょう。

3)-1.前人未到のケース
まだ誰にも入植されていない前人未到のケースが該当します。
ですので星系の情報は皆無か軌道上あたりからの観測データ程度しか入手できない事でしょう。
当然整備された宇宙港も存在しませんし、地形や動植物や気象や風土病なども何が危険なのか安全なのかも全く判りません。
しかし同時に所有権もありませんから恒星間国家内部での所定の手続きさえ踏めば調査や採取採掘が可能となるでしょう。
つまり未採掘の鉱物資源や自生している動植物類を何億トン採取しようがお構いなし、なのかも知れません。
となれば、初期投入する人件費や経費だけでひと山当てる可能性もあり得ます。

3)-2.過去に入植されたが放棄されたケース
後述する低人口世界のうちの限界星系のなれの果てがこのケースに該当します。
つまり何らかの理由で死滅した場合や住民の生活が成り立たなくなって放棄された場合などがあるでしょう。
この場合では放棄された設備や物資などが元の住民達の生活痕跡の廃墟が残されているでしょう。
また元住民達の生産活動の痕跡も放棄されており、農業や鉱業や工業など生産した痕跡もあることでしょう。
こうした痕跡からもなぜ放棄されたの理由が類推できるでしょうし、そうした前住民達の結果としてリスクを回避できる可能性もあります。

3)-3.僅かな居住者がいるケース
前述の通り、荒涼世界は全く完全な無人のケースばかりではありません。
人口レベル0ですので1人から最大9人までの人口が存在している可能性があり、トラベラー協会や恒星間国家政府自身もその存在を認識していても荒涼世界として扱われます。
もちろん彼ら居住者は外部からの物資のやり取りができませんので、完全な自給自足です。
稀には友人知人等の物資供給があったりするケースも皆無ではないでしょうけれども、ほぼ社会から隔絶した世捨て人に近しい生活を送っている事でしょう。
となれば外部の情報にも接する機会はなく、居住者の所有している物品が故障破損しても交換修理できる可能性は極めて低いことでしょう。
居住者の居住歴も様々で数年数十年を生活しているケースもあるでしょうし、僅か数日間というケースもあり得ます。
つまり荒涼世界に対する知識と経験を期待できるかできないかはそうした居住歴に拠ることになると思われます。
また何らかの事情によってこうした生活を選択したことも考慮すると、外部からの侵入者に対して友好的である可能性は低く、仮に友好的であったにせよ、別の思惑があっての可能性もあり得ます。

3)-4.共通すること
前述の通り、住民が存在していない荒涼世界で市場として売る事ができませんし買う事もできません。
が、他星系に輸送して売買できる物が全く存在しないかと言うとそうではありません。
「手に入る貿易品は工業原料」という記述から判断すると鉱物資源を想定しているのでしょうが、実際は鉱物資源には限定されないことでしょう。
鉱物資源はもちろん、動植物、水産資源などその星系で自生している全てが貿易品になり得ます。
しかし必ず貿易が成功するとは限りません。
前述の2ケースで述べた通り、それぞれ異なった様々な思わぬリスクが存在していて、そのリスクにきちんと対処ができなければ事業は必ず失敗する事になります。
大臣 2022/08/16(Tue) 19:17 No.1393

Re:小惑星帯の生成理由とエネルギー源

山中教授

>太古種族によって(有人惑星が破壊されることによって)生成されたものが多い、らしい
ではありますが、記述で具体的なのがないので、何とも言えないんですよね。
ですのでその辺りも加味して両論併記してみた次第です。
ひとくちにアステロイドベルトと言ってもその成り立ち方で特性が違うのだということを強調したかった意図があります。
また、他にも鉱業が盛んになるケースがこの後も出て来ますが、採掘権の辺りは一緒になると考えますので、
敢えて重複しない様にと考えております。

>小惑星帯における「エネルギー源」は何でしょう?
教授御指摘の通り、「トラベラー世界で普及している核融合炉」でよいかと存じます。
ですので、またまた御指摘の通り、
>外圏を巡る世界(ガスジャイアントや氷冠)から水素を供給する必要がある
と存じます。
そして小惑星帯世界では水界度が存在しない為にそうした水素供給業が不可欠でしょうし、そうした定期供給事業が存在していると考えられますよね。
ではありますがそうした水素供給事業が絶対莫大な儲けが出るかというとその限りではありません。
水素事業権が特権的で専売性があれば言い値で供給されてしまいますが、それでも買い手側の経済能力が許す範囲内でですし、
専売制度ではない自由参入ならば需要と供給のバランスが取れた処で取引価格が落ち着くからです。
例えば、今の我々で言えばガソリンが良い例です。
所得はこれくらいと決まった中で、ガソリンがどんなに高騰するとしても例えば1リットル10万円では誰も買えなくなりますよね。
それに複数の石油会社があることでもしその中で小売価格が突出して高くなってしまえば市場で誰も買ってくれなくなって、
他の会社にシェアを奪われてしまいますので、廻りを見て小売価格が決まると言う仕組みです。

また、
>外圏に存在する小惑星帯(可住圏+2以上の軌道)であれば
外圏に主要世界が存在するのであれば小惑星帯に限らず、恒星からの熱量利用は工夫が必要になると思われます。
しかし、この主要世界たる小惑星帯が可住圏にある場合もあれば逆に内圏にあって今度は熱防御をどうするかの問題になっている世界も存在すると思います。
さすがにそこまで、外圏や内圏での特質性まで触れてしまうとそれぞれの貿易区分での各論がボヤケてしまうと考えて割愛致しました。
ですので、主要世界の位置と恒星熱量利用の関係性は今回の経済区分からは敢えて触れませんでしたので御了承頂きたく存じます。

>太陽光の利用を諦めて、核融合炉頼りになるのであれば
というのは費用対効果と技術的な実用性で決定されると思いますよ。
何もどちらか1つだけではなく、ハイブリッドの場合もあるのではないでしょうか。
もちろん複数種類のエネルギー供給インフラを持つこと自体がコスト増になりますので嫌ってどちらか1つにしているケースもあるでしょうね。
大臣 2022/08/16(Tue) 19:13 No.1392

小惑星帯の生成理由とエネルギー源

大臣様

 興味深い投稿、有難うございます。

 トラベラー世界の小惑星帯は、太古種族によって(有人惑星が破壊されることによって)生成されたものが多い、らしいので、
>2)-2.惑星だったが破壊されたアステロイドベルトのケース
 のパターンが多いのではないかと考えています。



 個人的に気になったことですが、大臣様の
>3)両方のパターンで共通すること
 には書かれていませんので、確認させて下さい。
 小惑星帯における「エネルギー源」は何でしょう?

 トラベラー世界で普及している核融合炉であれば、水素燃料の安定供給は不可欠ですが、
 可住圏に存在する小惑星帯であれば、氷(水)の塊は蒸発して、存在しなくなっていると思われます。
 外圏を巡る世界(ガスジャイアントや氷冠)から水素を供給する必要があるのではないでしょうか?

 外圏に存在する小惑星帯(可住圏+2以上の軌道)であれば、氷質の小惑星も存在できますが、今度は太陽光が弱くなり過ぎます。
 太陽光を利用した発電所や農場は、巨大な反射鏡を用いて、弱い太陽光を集める必要があるでしょう。
 太陽光の利用を諦めて、核融合炉頼りになるのであれば、大した問題ではありませんが。

 氷質の小惑星と十分な強さの太陽光は、両立できなかった筈。
山中 2022/08/16(Tue) 17:56 No.1391

トラベラーの経済区分について(2)小惑星世界

2)小惑星世界
規模レベル0が該当します。
当然ながら大気レベル0、水界度0でもある世界です。
この世界の特徴としては、人口レベルに関係ありません。
既知宙域ではそんなに高くもないTLなのにも関わらずアステロイドベルトで生活している人々もいる様子ですが、そこはレフリーの設定次第でしょう。
高い宇宙港レベルと合わせれば人口がそれほど多くなくてもそれなりに高いTLの世界になり得る傾向があります。
ここで指摘しておきたいのは主要な人口がアステロイドベルトにあり、決してそれ以外の惑星が存在していない事を示していない点です。
ですので、この星系での地方世界には通常の惑星表面に都市が建設されている場合もまたあり得ます。
貿易品として得られる生産物は高確率で天然資源のうちの鉱物資源類ですので、鉱業が主力産業の様子です。
他にも加工品、工業製品が貿易品として得られる可能性があります。
こうした鉱物資源は工業製品の原材料になる金属類あるいは希少価値がある貴金属類やレアメタル、宝飾品になる宝石類の原石などを指します。
また小惑星世界は同時に高人口世界あるいは低人口世界あるいは非工業世界である可能性があります。

小惑星世界とはつまりはアステロイドベルトが主たる世界を指します。が、一概に安定した生活するには難しい環境であることが伺えます。
そもそもアステロイドベルトとは惑星に至る前の微惑星が集積していたにも関わらず何らかの理由で惑星になり損ねたケースと
元々は惑星だったものが他の大型天体の影響によって破壊された結果のケースの2通りが考えられます。
そして共通するのはアステロイドベルト形成に至らせる大型天体の存在です。例えば太陽系で言えば木星が大型天体で、前者の惑星になり損ねたケースが相当します。
またアステロイドベルトは恒星の廻りを同じ方向に同じ速度で公転していません。
アステロイドベルトの規模にもよりますが、数十万個から数百万個あるいは数千万個以上の岩石群(以下アステロイド)がそれぞれの軌道と速度で公転しており、その結果として、アステロイド同士が衝突しすることがあります。
条件さえ整えば複数のアステロイドが融合して大きく成長することもありますし、衝突の結果として弾かれて別の運動ベクトルに変化する事もありますし、より小さく砕け散ることもあります。
こうした衝突はアステロイドベルトの密度と公転速度にもよりますが、恐らくは頻繁に発生することでしょう。
衝突の結果として、アステロイドが密集している状態ではなく、広大な空隙が存在していると考えられます。

またアステロイドに限らずですが、統治形態が存在していれば大抵の場合、鉱物資源を採掘する為には採掘権が存在します。
政府が有している場合もあれば、土地所有者の個人や企業が有している場合もあり様々です。
ですので実際に鉱物資源を採掘する政府や個人や企業が鉱山労働者(以下、鉱夫)を雇い入れて採掘する場合もあれば、権利を各鉱夫に貸し与えて採掘する場合もあります。
これらを踏まえて小惑星世界でのケースパターンを考えてみましょう。

2)-1.惑星になり損ねたアステロイドベルトのケース
このケースでは通常の惑星になる材料としてのアステロイドが集まったが、他天体の重力によって惑星に成長できなかった、あるいはその途上にある状態です。
つまりアステロイドの成分組成は原始惑星の材料となる様々な元素を有しています。
しかし通常の鉱脈としての纏まった存在ではありません。これがこのケースでの最大の特徴とも言えます。
端的に言えば当たり外れがなくそれなりの鉱物が含有している鉱石が採掘できるということです。
となれば、精錬しなくては工業的あるいは商業的に利用できる鉱物資源としては得られない、ということです。
その上で、以下の社会構造を持つケースパターンが考えられるでしょう。

2)-1-1.鉱山主が存在する、惑星なり損ねアステロイドベルトのケース
鉱山主として前述の通り、政府、個人、企業が存在しているケースで、採掘権は鉱山主が保有しています。
鉱山主は鉱夫を労働者として雇い入れて給与を支払って採掘するケースもあるでしょうし、採掘権を鉱夫に有償貸与して、その貸与金を売上にしているケースもあるでしょう。
いずれにせよ鉱夫が採掘してくるのは幾つもの鉱石が入り混じっている鉱石です。
ですので採掘された鉱石は精錬をしないと全く工業的商業的価値がありません。
まして希少価値がある貴金属でもない限りどんなに高品位であっても他の星系での商品価値はありません。
鉄鉱石はどこで採掘しても鉄鉱石でしかありません。
そこで、鉱山主が先行投資して、精錬工場、製鉄所、冶金工場など精錬冶金設備を建設している場合があるでしょう。
つまり、鉱夫達の採掘してきた鉱石を買い上げて、別に操業している精錬冶金設備で純度を高めたり工業製品にするのです。
採掘した単なる鉄鉱石もこうした精錬冶金設備で例えば高張力モリブデン多重複合合金やらハイパースペースチタニウムに加工してしまえば、鉄鉱石を売るよりも遥かに付加価値があるので遥かに高額製品になります。
もちろんその為には先行投資とその技術力は不可欠ですので、そうした投資能力や技術力がない場合にはこうした精錬冶金設備は構築できず、他の星系へと採掘した未精錬の鉱石を輸送して売却するだけの鉱山というのもあることでしょう。
鉱山主の事業者としての考え方で、単に鉱物資源を採掘するだけの鉱山で事業をするのかその先の製品あるいは工場までパッケージにして事業化するかで分岐するということです。
そしてある程度の先行投資が可能な鉱山主あるいは他の金融機関等から融資が可能ならば大抵の場合は精錬冶金設備を持っているか、持つ構想があることでしょう。
あるいは更に無重力を活かした工場を建設して、工業素材としての金属類を加工して工業製品にして他星系と取引をするケースもあるでしょう。
小惑星世界で工業製品を貿易品にできる場合はこうした工場もその小惑星世界が有していることを意味していると考えられます。

2)-1-2.鉱山主が存在しない、惑星なり損ねアステロイドベルトのケース
先のケースとは異なり、中心となる鉱山主がいないケースです。あるいは鉱山主がいても申告制で自由に採掘事業ができるケースも含む事にしましょう。
この場合は鉱夫達は採掘権が有償ではないので不必要なコストがありませんが、採掘される鉱石は精錬しないと工業的商業的価値がないのは同じです。
このケースでは先行投資する纏まった資産を持つ鉱山主の様な存在がないことが先のケースと異なります。
ですが、それでは全く精錬冶金設備も建設されず、工場も建設されないかというとそんなことはありません。
市場競争力さえ見込めれば、投資をする事業主は存在しますし、鉱夫達が共同出資して建設してしまえば、より多くの利益をもたらすことになるでしょう。

2)-2.惑星だったが破壊されたアステロイドベルトのケース
このケースでは通常の惑星が破壊されてアステロイドとして存在している状態です。
ですので前のケースとは異なり、鉱脈として纏まった組成が存在しています。
しかし鉱脈が存在し得るのは惑星の地殻由来のアステロイドのみです。
例えば地球規模の惑星の体積は1兆833億1978万km3、表面積は5.1億km2です。
このうち地殻とは35km深さまでですので、地殻の体積は5.1億km2×35km=178.5億km3となり、総体積の1.65%となります。更にこの地殻由来のうちの数%が資源を有する鉱脈となりますので、1桁から2桁下がることになるでしょう。
となれば、1000個あるいは1万個から10万個のアステロイドの中で僅か1つという確率になることが想定できます。
それでも地中深くを掘り進んで採掘する惑星表面での鉱山よりも採掘効率は高いでしょうし、高品位の鉱床がある可能性も存在する事でしょう。
前項目の惑星なり損ねアステロイドベルトと比較していえば、当たり外れの大きな状態です。
希少価値を持つ高純度高品位の鉱脈に大当たりする可能性もありますし、どこまで行っても無価値な岩石ばかりという可能性もあります。
その上で、以下の社会構造を持つケースパターンが考えられるでしょう。

2)-2-1.鉱山主が存在する、惑星だったが破壊されたアステロイドベルトのケース
前項と同じく、鉱山主として前述の通り、政府、個人、企業が存在しているケースで、採掘権は鉱山主が保有しています。
鉱山主と鉱夫達の関係は同じく雇われ労働者であるケースもあるでしょうし、採掘権を有償貸与して、鉱夫達が採掘してきた鉱石を品位等で査定して買取代金を支払うケースもあるでしょう。
先のケースと大きく異なるのはある程度の鉱床が見込めるので、鉱物資源単体としての商業的価値があり、精錬しない状態の鉱石でも買取が可能であるという点です。
貿易品の天然資源(11〜36)がこの状態です。
がやはり精錬冶金して加工した方が工業的商業的価値が高いのも全く同じですので、多くの鉱山主は先行投資をして精錬冶金設備や工場を設けることになるでしょう。
この場合の貿易品が加工品(11〜36)工業製品がこの製品に相当します。

2)-2-2.鉱山主が存在しない、惑星だったが破壊されたアステロイドベルトのケース
前項の鉱山主が存在しないケースと構図は同じです。が大きく違う点はまさに精錬しない状態の鉱石でも売買する価値がある点です。
つまり先行投資して精錬冶金設備や工場を設ける必要性よりも目先の鉱石が売れればよいという鉱夫が多ければそのアステロイドベルトでは天然資源(11〜36)の貿易品だけが取り扱われることになるでしょう。
要するに纏まった鉱床が存在しているが故に先行投資されない仕組みになると考えられます。

3)両方のパターンで共通すること
アステロイドベルトは宇宙空間に生活環境を構築維持していなくてはなりません。
その為には宇宙港の存在は不可欠です。
生活に必要な食料品や消費財や地元で生産できない製品を他星系から常態的に輸送してくる必要がありますし、アステロイドベルトでの採掘した鉱物資源あるいは製品を他星系と売買する為に輸送する必要があるからです。
しかし、アステロイドベルトでは公転している不規則なアステロイドもあり、前述の通り衝突の可能性があります。
これは航行している輸送用船舶との衝突もあれば、宇宙港あるいは居住設備や都市やインフラ設備等にも衝突の可能性があるのです。
その対策として例えばアステロイドをくり抜いて内部に設備等を設けることで衝突による損害を防止する場合もあるでしょうし、常時観測して、衝突の危険性がある不規則なアステロイドを人為的に排除する場合もあるでしょう。
更に小惑星世界の動脈たる他星系との航路は安全であるべきですが、他の星系よりも事故の危険性が大きいでしょう。
ですので、熟練した商業船舶しか受け入れができない場合もあるでしょうし、厳重な航路保全を人員と装備を投入して確保している場合もあるでしょうし、地元の水先案内人がジャンプポイントから宇宙港のまでを案内する事で解決している場合もあるでしょうし、
アステロイドベルトではない外環部に宇宙港を建設して中継輸送している場合もあるでしょう。
つまり、どういう解決策を取るにせよ、その小惑星世界の財源と能力の許容できる範囲での対策が講じられることになります。
大臣 2022/08/15(Mon) 12:16 No.1390

トラベラーの経済区分について 農業世界について

1)農業世界
大気レベル4〜9かつ水界度4〜8かつ人口レベル5〜7が満たした世界が該当します。
つまり、そこそこ生態系が動植物の育成に適していて、それなりの人口を有する星系が農業世界になり得ます。
農業世界は同時に富裕世界または非工業世界の可能性があります。
貿易品になり得るものは天然資源や加工品のうちでも、(41〜66)と主に農作物と畜産業、他には林業や水産業とその2次加工品が主力の様子です。
ここで注目すべきは人口です。
人口が少な過ぎても多すぎても農業世界にはならないことがポイントになります。
つまり多くても1億人未満の星系ですので、どんなに頑張っても大きな生産力がなく、同時に消費市場の規模も当然ながら1億人未満の規模です。
トラベラーのルールでは同時にTLも人口レベルに左右される傾向があります。
ちなみに既知宙域での農業世界の平均TLは8.01でしたが、幾つかは高TLで農業世界というケースもありますので参考程度として見て下さい。

農業世界の主要な貿易品は天然資源です。
天然資源は大別して鉱物資源と動植物に別れますが、農業世界の貿易品はその双方の可能性があります。
また加工品は動植物から加工した製品が主となります。
僅かに工業製品も貿易品として得られる可能性がありますが確率的には11%程度です。
これらを考慮すると一部分の例外はあるものの総じて農業世界の貿易品は動植物とその1次加工品が主となると看做して考えて行きましょう。
動植物を主たる産業品目とすると、どんな生産物にするにせよ農業あるいは酪農業の用地がまず必要不可欠になります。
加えて治水設備や途中過程に要する機械設備や道具類等が必要不可欠です。
これらの必要な設備類等は大規模になればなるほど初期投資がより大きくなります。
ここまでのUWPからのデータも踏まえて農業世界のケースパターンを考えてみましょう。

1)-1.地主と小作農で成り立っているケース
1)-1.1.社会の構造
地主が農地を有しているケースがこれに相当します。
地主といっても個人ばかりとは限りません。
政府等が地主の立場である公営農場、旧共産圏で流行りの国営農場などがこれに該当します。
他にも企業が地主のプランテーション、貴族や豪族や寺社が地主の荘園など、幾つかのバリエーションが存在します。
広義で言えば農業協同組合の影響下で農業に従事するケースも含まれるでしょう。

小作農はそうした地主体制の傘下で農業に従事し、労働報酬を得ると同時に地主に生産物を納めるのが基本的な構造になります。
ですので、集積した生産物を地主が市場に売却して収益を上げる仕組みで、地主は所有地の管理をすることによって事業が成り立つのです。
が、農業生産物は必ず一定の労働対価にはなりません。不作の時もあれば豊作の年も存在します。
中世あるいは近世まで程度の低TLでの地主体制下では生産物収穫量に対しての割合を納めさせるケースが一般的です。

しかし貨幣経済が定着して行くと地主は一定の金額を納めさせる方が農業生産収穫量に左右されないことに着目することになります。
基本的に不作であれば市場に出廻る総量が減るので、取引単価は高騰します。
これが農業生産収穫量に対して一定割合で納めさせる仕組みだと不作の場合には納める量が減って、絶対量としての地主が得られる収穫量が減ってしまいます。
だが一定の金額を納めさせる方法ならば、小作が市場で売却した総額からの収益を安定して得ることが可能ですので、事業としての安定性を持つことになります。
小作が工夫して市場でより高く売却することで小作もより収益性を高めることも可能で、一種の損益限界点を設定しやすくなり、小作側の事業計画も容易になることになります。

地主による農業でも小作農どうしが連携した集団で労働に従事するケースと、分担した農地をそれぞれの責任で労働するケースに分かれます。
あるいは基本的に分担した農地での従事ではあるものの、農繁期のみ集団で従事する方法もあり、
農業従事者としての地域社会構造に労働対価以外として、同地域での共同生活の一員と認めさせること自体を報酬とする方法もあり、
小作同士の労働分配にも様々なケースが存在します。
総じて連携して大型農場化を図って労働力の集中化をした場合、
その結果として地主に対して負担減や政治的経済的な要求が出る事を恐れた場合を想定している等の場合には集団で労働従事させない方法を採用するケースも多く、つまりは地主が生産効率を重視しするか、管理しやすさを重視するかで方針が決まると考えられます。

1)-1.2.地主構造による農業生産物の限定化
この地主構造では農業生産物の品種は地主が決定する事が殆どになります。
ですので、予め農業生産物を買い取ってくれる相手が地主と売買契約を結んでいて、その結果として市場要求に応じた農業生産物を生産する事になる場合もあります。

企業が地主の場合にはその企業自身が商社で、例えばゴムやフルーツやカカオやコーヒー豆や砂糖や煙草や茶といった商業的商品価値の高い農業生産物に限定して生産させることがあります。
1つの星系でこの方式での農業生産をすると、労働に掛かる人件費を徹底的に削減することで利益を最大にしようと企図する傾向として表れます。
なぜなら利益拡大の手法として最も早く簡単ですから、工夫も手間も努力も不要です。

他の地主構造も差こそあれ、地主の利益最大化が目指すべき目標となりますので、自然と単独種類の農業生産物あるいは必要最低限の種類となっていく傾向があるでしょう。
簡単に言い換えれば星系外で高く売れる商業価値の高いものと自分達が食べる分程度の自給自足としての安価な経費たる農業生産物を生産する構造になっていきます。

また買取側の業者もカルテル化グループ化あるいは占有化された単独業者となりがちで自由参入し難い構造が形成されやすくなります。
単独業者となっていても安定しているとは言い難く、地主へより高い利益提供ができる新規参入者が出現すれば取引の独占は容易に崩壊してしまいます。
この構造は自由貿易商人にも深刻で、地主との良好な関係が結べない場合には全く商業的機会を失ってしまう危険性を有していることを意味しています。
まして自由貿易商人は大きな商社に比べて事業規模が小さいので地主への利益性を強調する事は難しいと言えます。
が一度、その買取グループに参入が許された場合には継続した安定性の高い取引が期待できます。

1)-2.独立した農家で成り立っているケース
1)-2.1.社会の構造
個々の農家が地主として農地を有しており、農地を活用して農業生産物を生産する構造です。
簡単に言えば小さな地主がそれぞれの裁量で自由に農業に勤しんでいるという産業構造です。
もちろん労働力が必要になれば、他から労働力を募集して事業主たる雇用者として労働者に農業活動を従事させる場合もあります。
参考として、トラベラー復興委員会で記載されている「農業移民」で例示されているダニエル・マラク氏はこのケースに該当することでしょう。
とは言え星系外に農業生産物を売るには纏まった生産量が必要になりますし、梱包する必要もありますので品質管理や価格調整も必要になりますので、各農家からの農業生産物を仲買人が買い取る仕組みが一般的になります。
もっともこの仲買人も元々は基本的に同じ星系出身者で各農家出身という一種の身内の可能性が高くなります。
つまり日本で言う処の農村部での農協みたいな関係性になるのは極自然の流れでもあるのです。
そういう環境に外部からの商社などが買い付けに来る訳ですから仲買人としては可能な限り高く売りたいのが心情です。
ところがそこには市場価格が働きます。つまり実際に売れる末端市場価格は幾らで途中の経費や利益や輸送費を考慮すると品質が良くてもこれくらい、という目安を買う側の商社は予め把握して仲買人との交渉に臨みます。
仲買人としても可能な限り高くは売りたいのですが、商社と決裂して農業生産物が手元に残ってしまうのは現金収入が減るのでどうしても避けたい状況があります。
ですので、商社の持っている可能範囲の買取額と仲買人の希望売却額が折り合った価格で交渉が成立します。
もちろん複数の商社あるいは買取業者が存在する場合もあって、仲買人はその内の最も高く買い取ってくれる相手と買取契約を締結する事になります。
この辺りは個別に商談する場合もあるでしょうし、同時に複数の買取相手に対して競りに掛けて売却する場合もあるでしょう。

1)-2.2.独立農家構造による農業生産物の多様化
この独立農家構造では各々の農家が生産物を決めることになります。
所有する農地を最大限に生かして連作をするなどして、生産性を最大限にすることになります。
しかし結局は所有する小さな農地でできる範囲に限られますので、大規模な農業生産量を確保する事は困難です。
それでは近隣の幾つかの農家で共同して生産活動をしようとなれば、次項に述べる集団化に移行する事になります。
が、集団化を選択しなかった場合が本項に該当しますが、それぞれの独立した農家が想定した生産物を農地規模に見合った生産量で市場に供給する事になります。
つまり前項の地主構造の場合よりも多様な品目が生産されます。
それは高く市場で売れるからという1点だけを満足させる為ではなく、独立した農家がそれぞれの生活スタイルや労働事情や環境状況などを加味した上で生産する品目を選択した結果です。
極端に言えば、自給自足でこの品目が食べたい、で自家消費できない余剰生産物を市場に供給する場合もあるでしょう。
トラベラーでは1軒あるいは数軒の独立農家が生産する量で自由貿易商人が対応できるだけの貨物量になるケースもあるでしょうから、余剰生産物に困った独立農家から農業生産物の交易品を格安で買い取って大儲け、なんて場合も可能性はあります。

1)-3.集団化した農業が成り立っているケース
1)-3.1.社会の構造
もともと独立していた農家が合流したパターンと1つの農地を複数の名義人が共同所有するパターンになりますが、地主は存在しないが大規模農業を経営するケースがこれに相当します。
それぞれの農家が平等な権限を持っていたり、代表者会議での合議制で必要事項を決定したりします。
その結果として生産する農作物の品目、農業機械の導入や操作分担、農業用水の供給や生産スケジュール、出荷計画等多岐にわたる項目が参加者の合議で決定される仕組みです。
各々の生産物の配分も売上分配も合議の結果で決まりますが、基本的に上下関係がないあるいは希薄な故に地域社会特有の軋轢や人間関係の複雑さを内包してトラブルを処理できるかが課題でもあります。
特に労働負担や経済負担が増える様な追加の設備投資などは導入可否の決定が難しく、全体として必要に迫られない限りは否定的な動向になる傾向があります。
同様に旧来と異なる事柄に対しても否定的であり、総じて保守的かつ排他的な思考が主流となる社会が形成されやすいとも言えます。

1)-3.2.集団農家構造による農業生産物の多様化
地主構造では単一生産物の大量生産化が目指される傾向、独立農家構造では多様な生産物の少量生産化になる傾向になりますが、この集団農家構造ではそのまさに中庸といってよい、程々の多様性での生産性が高い構造になり易い傾向です。
これは何を意味するかというと、市場の需要に対する高い利益率は地主構造よりも劣るが、生産量は独立農家構造よりも高いことがまず言えます。
またある程度の多様さを維持できることから生産品種を決定した後の天候不順等による悪影響を緩和しやすいというリスク低減も構造的に有しています。
しかし、生産品種を一般的には合議により決定する事から外部要因、つまり買手の利益誘導に釣られた生産計画になりがちで、交渉専門家たる商社を相手に農家出身者が価格交渉も含めての売買契約を勝ち取ることは困難な場合が多くあります。
そうした交渉専門窓口としての契約部門を設けるケースもありますし、農協の様に法人化したりするケースもあり、こうした集団農家構造での生産物売買については様々な解決パターンがあります。
トラベラーでの農業世界では独立した自由貿易船や政府指定商船など小口の貿易商人との相性も良く、専売契約を求める集団農家構造の団体と一定期間の専属契約交渉をするなんてケースは互いの儲け口としては珍しくないでしょう。

<トラベラーでの農業世界の取引>
トラベラーで設定されている農業世界との交易相手は以下の通りです。
1)農業世界の生産物が良い市場になり得る相手先
砂漠、非水海洋、貧困、海洋、工業
2)農業世界が良い市場になる相手先
工業、農業、富裕

ここで指摘しておきたいのは農業世界での農業生産物についてです。
農業生産物は大きく以下に分かれます。
1.普通作物:主に人が食用に用いる作物。麦類、稲類、トウモロコシ、イモ類、豆類等。
2.飼料作物:家畜の飼料に用いられる作物。
3.緑肥作物:栽培している植物を収穫せず後から栽培する作物の肥料にする作物。
4.工芸作物:加工、製造の工程を経て製品になる作物。綿花、麻、い草、菜種、砂糖黍、茶、漆、藍、桑、コーヒー豆 等々。
5.園芸作物:野菜、果樹、観賞用草花類

が、この区分はあまりトラベラー向きではないのでこれまた勝手に以下の4つの分類に変えてしまいましょう。

1.主食になる食生活に必要な農業生産物
米や麦やトウモロコシや大豆やイモ類などあるいは食用肉など日常的に必要不可欠な農業生産物がこれに該当します。
人口があれば必ず消費されるので需要が安定して見込める生産物と言えます。
今はまだ一般的ではありませんが、藻類やミドリムシあるいは昆虫食などもこれに含む事になるかも知れません。
これらを全く生産できない砂漠、非水海洋、貧困、海洋世界ではこの種類の農業生産物の需要があるということです。
また加えて大量に消費するのに生産量が乏しいあるいは殆どない工業世界もまた同様です。
この類の農業生産物を主力にした農業世界では他の農業生産物が生産できないあるいは少量なので、
他の農業世界で生産された農業生産物が良い市場になるケースにもなります。

2.商業価値の高い農業生産物
フルーツ、コーヒー豆、小豆、砂糖、煙草、茶、カカオといった嗜好性があるが、主食ではない農業生産物がこれに該当します。
海産物や野菜類や豆類もここに含みましょう。
つまりは市場価格が高いものから低いものまで様々ですが、主食にならないものです。
この内、市場価格が高いものを専門に生産するケースがありますが、特に地主構造ではこのケースになりがちです。
そして労働者たる小作農に対しての労働対価は低く抑えられてしまうということにも直結しやすい構造です。
なぜならば農業生産物を小作が他に売却する手段がなく地主との交渉で労働対価の全てを得る手段しか選択肢が存在しない為、
結果的に労働対価を買い叩かれることになり易いのです。
地主から見ても得られる農業生産物の経費を安く抑えることが可能で尚且つ市場価格が高いので利益率が高い構図を維持しやすい仕組みと言えます。
ですので、この類の農業生産物を主力にした農業世界では他の農業生産物を生産できないので、
他の農業世界で生産された農業生産物が良い市場になるケースにもなります。

3.原料となる農業生産物
ゴム、綿花、麻といった、そのままでは市場製品にはなりませんが、加工原料として需要があり、高い付加価値を持った製品の原料がこれに該当します。
前項の商業価値の高い農業生産物と重複するものもありそうですが、こちらは食品になるもの以外としておきましょう。
他にも漆、木材、菜種等の食用油、竹などもこの区分に該当することでしょう。
つまり、工業製品の原材料になるケースや建築材料や手工業材料になるケースなどが該当します。
当然ながらこの結果として、これらの農業生産物は工業世界での需要があることでしょう。

4.飼料となる農業生産物
トウモロコシあるいは麦や米といった家畜の飼料などがこれに該当します。
つまり、他の農業世界での生産物ですが、自世界では生産せずより価値のある他の農業生産物をしていて、その売価で飼料を買い付ける方法です。
ですのでこれが他の農業世界の農業生産物が農業世界での良い市場になるケースに相当します。
もちろん他の農業世界でも飼料を生産する場合もあるでしょうけれども、生産能力を全て酪農業に振り向けて飼料を
安価に大量輸送する分業を進めた方が費用対効果が見込めるケースがあります。
つまり飼料は商業価値が高くないのに生産能力を振り向けるべきかそれとも飼料を全て外注してしまい、商業価値の高い畜産業生産物をより多く生産する仕組みにするか、ということです。
自給自足の観点としてのリスク管理をどう考えるかということになる訳ですが、恒星間国家による恒星間交易の安全性が確保できているのであれば、複数の飼料供給元を確保できる方法によって、より安価で品質の安定した飼料を入手できるのであれば、分業化が進みやすくなり、こうしたケースは珍しくないと考えられます。

他の世界製品を売る場合に農業世界が良い市場になる背景についてですが、農業世界は高TLの工業生産品の需要があることでしょうけれども、自世界製工業製品よりも他の工業世界の工業製品の方が人気がある為、工業世界の製品が農業世界では高く売れるという構造なのでしょう。
加えて自世界での生産できなくはないが富裕世界の生産物もまたブランド力としての人気が高いということで良い市場になる仕組みがあると考えられます。
大臣 2022/08/14(Sun) 12:48 No.1389

トラベラーの経済区分について 〜はじめに〜

貿易上の分類は以下の15種類がルールブックには記述されています。
具体的には、農業世界、小惑星世界、荒涼世界、砂漠世界、非水海洋世界、高人口世界、氷冠世界、工業世界、低人口世界、
非農業世界、非工業世界、貧困世界、富裕世界、真空世界、海洋世界です。
しかし具体的にどういう世界的な特徴なのかという記述はあまりありません。
そこで参考的かつ勝手に解釈を幾つか作成してみようと考えました。
勝手にですのでこれが全てではなく、御提示する解釈以外の方法がそれこそまさに星の数ほどあるかと存じます。
ですので、レフリーとしてもっとバリエーションを持たせた世界観を肉付けして頂き、モットモラシイ冒険の舞台作りの一助になれば幸いです。
大臣 2022/08/14(Sun) 12:42 No.1388

ふぅ〜

過去のルールの中にある穴やあいまいな部分をうまく塞ぎ、かつ(好き嫌いはあるにしても)、より簡易な判定で済むようにしてあることが読み取れるT2Kv4ですが、
やはり前回書いたように、病気を入れると、サバイバルに比重が傾きすぎるという事なのでしょうか、肝心な感染という事に対して全くと言っていいほど書かれていません。
よって過去のバージョンを見るしかないのですが、v2.2の感染の仕方を取り上げます。

Twilight:2000で病気に感染する「方法」ですが、3つあります。
人との接触、動物との接触、汚染された水を摂取すると、この3つです。
ただし、狩猟者との短い邂逅など、レフェリーの判断により、感染の判定を省くことができます。

接触によって発生する病気は、汚染された水や食物、保菌者(病気症状が出ていない場合もある)との密接な接触によって広まるものである。
場合によっては、独立したコミュニティが、1つの、または複数の病気に対して、部分的な、もしくは全面的な免疫を確保することもあり、
自分たちは被害を受けないが、免疫を確保していない外部の人々に壊滅的な影響を与えることがある。


人との接触で、病気になる場合のタイプは、2つあります。
入植地(定住地)に住む人と、そうでない人の場合がある。

入植地に住む人々は、通常、予防衛生的な生活をしているが、野営地にすむ人々は衛生管理が行き届いていない可能性が高い。
レフェリーは人々との出会いがどのタイプの条件に当たるかを判断する。

難民やはぐれ者は、通常、野営地疾病表を使用し、商人や兵士集団は、通常入植地疾病表を使用する。
略奪者やハンターは、二者のうち、どちらかから来ている可能性が高い。

また、優れた医学的、生物学的アドバイスを受けている人々は、健康と衛生の問題に対処している傾向があります。
そのようなアドバイスが存在すると判断された場合、野営地は入植地と扱われ、居住地は、病気が発生していないと扱われる可能性があります。

キャラクターが時間内に人々の病気の存在に気づいた場合、彼らは接触を避けて、病気にかかる可能性を下げることが出来ます。
気づきの判定は、難易度Average(×2)です。能力値判定、はMedical(Diagboisis)かBiologyです。

例)キャラクターたちは、村で8時間過ごし、物資の購入をめぐって悩みます。
レフェリーは2D6をロールして、病気が存在するかを判定します。(入植地の病気が存在するかのは12+なので)12を転がしたので、病気が存在します。
レフェリーは1D10を振り、どの病気が存在するかの決定をします。6が出たので、コレラが存在します。


動物:
病気の動物との接触は、輓獣の獲得や狩猟から生じる可能性があります。
時間内に、Average(×2)Medical(Diagboisis)、Biologyで、病気の存在を気付いた場合、病気の感染を回避される場合があります。
狩りをしているときのこの判定は、Average(×2)Trakingです。

動物の病気の表を参照してください


水:
この遭遇は、入植地から離れた場所で消費される水だけに適用され、それらは川、小川、湖、泉、放棄された井戸などからの水を含みます。

汚染に気づいた場合、キャラクターは水を飲まないことを選択することができます(または飲む前に水を沸騰させることができます)。
したがって、感染を避けることができます。
この場合の判定は、Average(×2)Survival、Medical(Diagboisis)です。

キャラクターが病気との接触を避けられない場合、レフェリーは汚染された水表を使用して、どの病気か判断します。


感染症:
病気が特定されると、レフェリーはプレーヤーからクターの中で、だれが病気にかかりやすいか、そして誰かが病気になるかを判定しなければいけません。
レフェリーは病気の説明書きを調べて、それがどのように広がるかを判断し、グループの特定の脆弱性と比較する必要があります。
汚染された食物によって広がる病気は、その食物を食べていない人には広がりません。
また、接触によって広がる病気は、犠牲者と接触していない人には影響を与えません。
空気感染する病気は、その範囲内にいるキャラクターすべてを危険にさらします。
前記のコレラの例では、キャラクターが村にいる間に飲食していない場合、感染することはないでしょう。

キャラクターは病気に感染するのを避けるために、Average Constitutionロールをする必要があります。

※[ここを確認するために、時間がかかってしまったのですが、T2Kv2.2では、D20サイコロを使いますが、
  例えば筋力だけで判定するような場合は、技能/能力値の判定と同じようにすると、実質成功率が半分になってしまいます。
  それを避けるため、この場合は難易度を修正する ― 難易度が上下する毎に、1/2、2倍となるので、難易度を1下げるのが、特徴ポイントでのみの判定に適しています ―  というのが、v2.2でのルールの指針になっています。
  ただ、どうもここで書かれているルールの文章は、D20用になっていない気がします。
  持っていないので確認できませんが、T2K V2.0はV1.0のパーセンテージロールから、1D10を使って判定するようになっているようなのですが、v2.0の時の文章を、v2.2にそのまま持ってきてしまっているような気がします。
  変換するのを忘れたか、難易度だけはそのまま使えるから、修正値の変換をするのを忘れたか(見たらわかるやろかもしれませんが)。
  他の病気に関してのものも、ルールの文章、使用する病気関係の表も1D10での使用を前提に書かれた形になっているようです。
  
  ですから、病気に感染するのを避けるための判定ロールは、難易度Averageを使用するのではなく、
  判定ロールの成功の確率は、Constitutionの値×10%で判定する(難易度Averageは適切なのですが、修正値が×2にしないとD20ではおかしくなる)。 
  そして、感染に使用する修正値は、プラス、マイナスそれぞれ、その値×±10%で修正して計算する、が適切なルールになると思います]

続き)判定ロールは、次のように修正されます。
   疲労ポイントごとに1を引く(上でいう所の1点につきマイナス10%)
   病気の感染数値の数も差し引かれます(同じくこの数値も10%)


適用例

モンクは偵察任務の中で、レフェリーが赤痢に汚染されていると以前に決めた泉に出くわしました。
モンクは病気の存在に気づくためのロールに失敗し、彼の水筒にそれを満たします
[水の項目に出ていた判定。モンクさんはずっとあらゆるルールの例で出てきているのですが、この項目で必要なサバイバル、メディカルの能力値がわかりませんが、
仮に技能4それに係る特徴ポイント5とすると、能力値9の2倍の、1D20で18以下で汚染に気づき、もし技能がない場合は、難易度が1上がりDifficult×1の特徴ポイントのみ、例えば5とするならば、1D20で5以下で汚染に気づきます]

次の数日間、かれは水筒の水を消費しましたが、他の誰にも水を分け与えていなかったので、モンク以外は感染の可能性がありません。
モンクのConstitutionは6で、その時の疲労点は2、赤痢の感染数値は3で、感染を回避する数値は1になります。
[D20を使ってもD10を使ってもいいですが、ルールが想定している確率での判定ですが
体力6+疲労(−2)+感染(−3)=1。1×10%が感染から逃れる確率となります。]

モンクは4を転がしたので、彼は感染しました。
赤痢の潜伏期間は2日で、その後症状が現れます。

病気の診断
診断は、医療(の)診断スキルを使用して判定します。
判定の難易度は、病気によって異なります。
この判定難易度は(多分、病気表に書かれている難易度)、病気のフェーズ1での難易度です。
病気のフェーズ2では、難易度が1下がります(フェーズ2の方が病気が進行して深刻なんですが、だからより症状があらわれてくるので、「診断行為に関しては」、正しい病名などが分かりやすくなるという事です)
適切な診断判定ができていない場合、誤診に繋がります。

レフェリーは、判定の難易度や、判定の成功・失敗の結果をプレーヤーに伝えずに、診断判定での成功した正しい診断結果、失敗した誤った病名だけを伝えます。

適用例

モンクは、仲間のウッドに腹痛を伝えます。
レフェリーは、ウッドがモンクに対して行う診断の判定のためにサイコロを転がします。
D20で20が出て(ここでの文章ではD20と出ているので、この判定は確実にv2.2の基本判定のD20で行うのは確実のようです)、
賽の目20は自動的失敗(TNEではありませんが、T2Kv2.2では、1が自動成功20が自動的失敗になるようです。ただTNEの宇宙船ゲーム、BrilliantLancesでは自動的成功と失敗は取り入れられていました。)で、
正しい病名の診断の失敗と、誤った病名のコレラとの診断結果をしめします。

ウッドは直ちにモンクに対し(誤診した病気である)コレラの適切な治療を開始します(コレラの欄を参照)。


回復
病気から回復するには、キャラクターは1D10ロールをし、病気の基本回復数値より大きな数字を出さないといけません。
この判定ロールは、受けた治療(+修正)、治療を行った人の医療〈診断〉スキル(+修正)、および病人のConstiution(+修正)によって変更されます。
表にある、食料必要量(−1)、シェルターとして不適切な場所(−1)のように、不適切な状態には負の修正値が付きます。

各病気の説明欄では、適切な治療法と、その治療がD10判定する回復ロールに加える変更を示しています。

病気のフェーズ1の期間に治療が開始された場合、キャラクターはフェーズ1の終わりに、1D10を転がして、回復の判定をします。
回復判定サイコロに失敗した場合、次にフェーズ2の終わりに回復ロールの判定をします。

フェーズ1の期間中に治療が開始されない場合、または全く治療を行わない場合の回復は、フェーズ2の終了時にのみ回復のためのダイスを振る。

病気のフェーズ2に治療が開始された場合は、実行された治療行為に関する修正値を合計した後、その値を半分にして使用する。

キャラクターが回復ロールに失敗した場合、脂肪する可能性があります。
1D10で転がされた数値が、病気表のその病気の、回復失敗時の脂肪数値以下の場合、脂肪します。

[回復ロール失敗時としか書いていないし、フェーズ2での回復ロール失敗時にとの指定もないので、フェーズ1での回復ロール失敗も対象に入る可能性があります。
ただ、普通に考えればフェーズ2での失敗時と思えるし、治療しないという選択や、治療できないという状況では、フェーズ1で回復ロールを振らないので、脂肪という事に関して言えば、治療しない方が脂肪しない、やらない方がいいという事になってしまいます(悪化する可能性が高いというペナルティがありますが)。
ただ見ていると、基本的にはフェーズ1が初期状態、フェーズ2が重症化状態とはいえると思うのですが、必ずしもそうとは言えない部分もあると思えるので、
フェーズ1から脂肪の可能性を与えるというのは、様態の急変や、キャラクターに余裕を与えない、危機感を持たせるという点でもありかもしれません。]

(回復ロールに失敗して、脂肪判定の数値以下は出さなかった場合)脂肪を回避した場合は、(実際には治療行為を受けていたとしても)非治療時の場合のその病気によって受ける後遺症として書かれている影響を受ける。
治療によって回復した場合は、その病気の(治療で直った場合でも発生してしまう、治療時の)後遺症として書かれている影響を受ける。

キャラクターは病気回復中(この場合の回復は、治療行為が成功して病気が治ったとしたあとの病後)に、疲労度の数値が加えられる期間がある可能性がある
(見たら、病気によっては20週間も基本疲労度レベルが2あがったりするものもありました)。


適用例

(先ほどの誤診だった病気の診断例の続きでの例)
モンクは(本当の病名だった赤痢のフェーズ1とされている長さの)3日後、レフェリーは彼の回復判定の為に1D10をロールします。
赤痢になって回復するかどうかの数値は、19になっています。

(間違ったコレラに対応した治療を受けているものの)赤痢に対しても有益な影響を及ぼし、
静脈内輸液で+3、痛み・発熱止めで+1(薬?だと思うのですが、誤診されたコレラだと、この薬?は+2の効果があるのですが、赤痢では痛み止めとしての効果+1のみ受け取ります)、ウッドが診断した時のスキル、医療<診断>の技能スキル8の+8が適用されます。
モンクの為に振ったレフェリーのロールの結果が8なので、+3+1+8+8で、合計20になり、19を超えるので、モンクは赤痢から回復します。
[ここでモンクのConstiutionのポイントが計算結果に加えられていません。v1.0も確認したんですが、
回復ルールの適用の修正値では2つともConstiutionが修正値に入っているんですが、適用例の計算では、2つともConstiutionの値が入れられていないんですよね。
可能性としては、回復の修正値としてConstiutionを使用するのは間違いか、計算例では加えるのを忘れたかですが、v2.2用に計算方法も変えているのに、修正値の加え忘れってしますかね。
そういつも薬やその他の治療もできないと思うから、その修正値を得られない事も多いだろうしし、その人の基本体力もかかわって来そうな分野だから、のきなみ1D10で20とか必要なのも見ても、体力は修正値として加えるのが正しそうに見えるのですが]

病気治癒の後の7日間、モンクの基本疲労度レベルは1加えられます(治療成功時の回復後の衰弱ペナルティ。治療失敗、非治療時での回復のペナルティは7日間疲労度レベル2プラス)
モンクは他の影響は受けません。

残りのメンバーは、病気診断の誤診の、赤痢よりもはるかに危険なコレラだと思っているので、感染から身を守る予防措置を講ずるでしょう。

[治療に失敗してくれたら例だったら、回復ロールの失敗後の脂肪判定がフェーズ2だけかわかったのですが。
治っても後遺症もあるので、ゲームでは実際はどうあれ、フェーズ2だけにした方がいいかもしれませんね]
zaza 2022/05/24(Tue) 12:30 No.1387

参考  マラリアを例として

参考までに。
ついでながらマラリアの話をしておきましょう。
マラリアはハマダラカという蚊を介して、マラリア原虫に感染することで発症する病気です。
蚊の体内に原虫が潜んでいて、蚊が刺す際に蚊の唾液を介して人の体内に注入され感染する仕組みです。
潜伏期間は1〜4週間。ですので流行地から帰国して発症する場合もあります。
とまあここまでが基本情報。
症状はと言うと寒気やふるえを伴う高熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、下痢、嘔吐です。
また、発熱は発熱期と無熱期を繰り返します。
治療は抗マラリア薬ですが、内服薬あるい注射薬が用いられます。
しかし地域によっては薬剤耐性の可能性があるため、抗マラリア薬を選択する際は感染した地域によって検討することが必要になります。
つまり、単純に処方すれば治る、という類の感染症ではないのです。
また予防薬もあるにはあるのですが、完全に感染が防げるというものでもありません。
最も効果的な予防は蚊に刺されないこと。つまり肌の露出を避け屋外にあまり出ない様にして、ということになります。
今現在でも年間で2億2千万人以上が感染し、うち44万人が死亡する、実に死亡率0.2%の高さです。
前大戦でも太平洋全域で戦っていた日本軍は10万人規模の罹患者が発生していますし、対する米軍も50万人の罹患者でうち6万人がマラリアによって死亡したと見られています。
でここからが本題。
マラリアは日本国内で見られない海外からの感染症に思えますが、実は土着病でした。
その報告例は北海道を含む国内全域に及びます。
1903年時に全国で年間のマラリア罹患者が20万人というから驚きです。当時の総人口は約4500万人ですので人口比で0.45%の感染率ですので200人に1人の割合です。
1959年に滋賀県彦根市を最後に消滅していますが、古くからの馴染みの病いで、相当以前から毎年何万人規模の罹患者があったと考えられます。
研究者によっては源氏物語にも光源氏が罹患したと思われる記述がある、なんてことも報告されているくらいの古さです。

ではなぜ今は日本国内でマラリア感染が見られないのか、ということです。
実は今でもマラリアを流行させた原因と推定されているオオツルハマダラカやハマダラカは生息しています。
ここから諸説プンプンなのですが、国土が開発されて、特に戦後になって湿地帯が埋め立てられ水田が減りました。
結果として、媒介するこれらの蚊は絶滅はしないまでも激減、それに寄生していたマラリア原虫は絶滅、となった節があります。
つまり、マラリアを人為的に意図して撲滅しようとした結果ではなく、経済成長や国土開発の付帯的な結果として土着マラリアが撲滅された、ということの様子です。

今回はマラリアを例にしてみましたが、要するに風土病と言うのは発生と流行にその土地の要素が合致してはじめて起こり得る病気であるということを申し上げたく。
時代の推移や社会変化によって期せずして根絶されたり、医療技術の進歩によって根絶されたり、はたまたどういう組み合わせなのか新たな病が出現するのは今の我々も直面している通りです。
恐らくは今私達が知り得る種類以外の病をトラベラー宇宙では見る事になるのでしょうね。
大臣 2022/05/10(Tue) 21:41 No.1386

ちょっぴり補足的に。

山中教授

>1人1日当たり300リットルの水を消費しています
教授の御解説を補足致したく存じます。
目安として、「体重1キロにつき約35ミリリットル」の飲料水が最低限必要です。
ということは、体重50kgの人なら1.8リットル、体重80kgの人は2.8リットルの「清潔で汚染されていない」飲料水の確保が必要になります。
が食事に伴う水分は加熱殺菌すれば良いですし、衛生に要する例えば入浴や洗濯であれば飲料に適さなくても経口しなければ問題になりません。
気にはなるでしょうけど。
ちなみに、SDGsでも目標6に「安全な水とトイレを世界中に」という目標が掲げられています。
世界の3割の人が安全な飲料水を確保できず、トイレも約6割が不衛生な状態ということです。
これが何を意味しているかというと、不安全な飲料水を飲む事によって下痢や寄生虫感染などを引き起こして、特に子供や老人など体力がない層が死亡リスクがあります。
集計にもよりますが、こうした下痢による5歳未満子供の死亡数は年間30万人から37万人と言われています。イメージ的に言えば東京の新宿区がまるまる1年で無人になる感じです。
またトイレは不衛生である為にコレラや赤痢などが発生して拡大する可能性があります。
ですので、上下水道の安全性の確保というのが社会にとって重要な要素であることは今更申し上げる迄もないでしょう。
でここまでが「一般的な生活」に必要な話です。
これが戦闘状態込みで例えば負傷することを考慮に入れたら更に話は変わります。
つまり傷口を洗浄する1つにしても飲料に準じた安全性を確保できている必要があります。
戦争状態ではこうした確保に無理が生じた場合などウイスキー等のお酒で洗うとか、水がないから小便を掛けて傷口を洗ったなんて逸話があったりしますね。
ですので山中教授の仰る通り、
>戦場(特にTwilight2000)やファンタジー世界で、同量の水(綺麗な水)を確保することは、極めて困難
ということでどうやって水を確保するのか、その確保した水の安全性を確保できるのか、というのが切実で難しい課題として生じることになるでしょう。

更に加えて。
>異世界を訪問した際の「防疫」を真面目に再現するなら、
山中教授は「来訪者のリスク」としての防疫を御指摘されていますよね。
つまり宇宙船で到着したプレイヤーが地元の風土病に罹患する可能性です。
もちろん免疫がないから重篤化する可能性もあります。
が風土病的にその星系固有の病症ならば治療方法が何かしら確立している可能性もありますよね。
むしろ指摘しておきたいのは「来訪者によってその星系に外部から持ち込まれるケース」です。
今まさに感染症真っただ中な私達ですが、空港での防疫が不完全で国内に旅行者を媒体として入り込んで感染拡大するパターンです。
ですので、こうした宇宙からの未知の病気の侵入を阻止するには実際には相当な検査をしなくてはなりません。
必要ならば例え当人に自覚症状が全くなくても加療して殺菌あるいは抗ウイルス対策をして無害化する必要があります。
要するに程度問題で、どれだけの検査を最低限にするか、あるいは絶対に何も病気を持ち込ませないかという判断はそれぞれの星系政府に委ねられるのでしょう。
つまり、経済効率を取るか、公衆衛生を取るかのバランスの問題ですね。
もし星系内には絶対に病気類を入り込ませないという判断ならば、限定した地域への入域とかもっと極端には侵入禁止にしているかも知れません。
参考までに江戸徳川政権末期に流行したコレラはペリー艦隊の1隻、米国艦船ミシシッピー号の乗員からという推測もある程です。
ですので、トラベラーで防疫を取り扱う場合には、こうした程度をどう「その当該星系政府が考えて取り扱っているのか」という設定こそが重要だと思います。
そしてこれには正解はありません。
広大な版図を持つ恒星間国家の一員ならばある程度のリスクを承知でしょう。
何よりも他の星系で治療法も確立している既知の病気であれば極端に恐れる必要もないという判断も出るでしょう。
あるいは致死率や重篤化率を考慮して確率論的な判断なんてこともあり得るかも知れませんね。
かく言う今の私共の世界すら明日はおぼつきませんが、取り敢えずの概略として御説明致しました。
大臣 2022/05/10(Tue) 18:46 No.1385

「リーサル」=死に至る被害

zaza様

No.1382へのレスです。

>表に出ている「リーサル」の項目がわからなかったのですが、具体的な被害の内容は説明の部分に書いてあるし。

 Lethal、かな?
 1.死をもたらす、致死的な。
 2.重大な、決定的な(打撃)。
 という意味ですね。

 脳震盪や心臓停止は、放っておけば死に至る、危険な状態ですので「Lethal」で間違いないかと、

 ダメージポイントで表現されるものは、運動エネルギーや熱エネルギーによる「物理的な」破壊であり、
 「リーサル」な被害は、ショック症状のような「見た目では分かり難い」破壊を表現しているのかも。
山中 2022/05/08(Sun) 18:12 No.1384

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